「ん~今日の仕事もこれで終わりっと」
一刀は首に手を当てて肩を回した
(コンコン)
「ん?どうぞー」
「失礼します、ご主人様」
「愛紗?どうしたんだ」
「はい、お聞きしたいことが一つ」
「なんだい?俺にわかることなら」
「鈴々に聞いたのですが、『苦しみます威武』という夜に『さたんくろす』というものが現れると言っていたのですが」
「ぶっ!」
お茶をすすっていた一刀は盛大に噴出した
「ご、ご主人様!?大丈夫ですか!」
「ゲホッ!ゲホッ!だ、大丈夫だよ」
「そうですか?で、その『さたんくろす』とはどのようなものなのですか?武の腕はどれほどのものなのですか?」
「愛紗、君は大きな間違いをしている」
「間違いですか?」
「まず、『苦しみます威武』じゃなくて『クリスマス・イブ』ね」
「『くりすますいぶ』?」
「そう、で『さたんくろす』じゃなく『サンタクロース』この人は髭をはやしたお爺さんだよ」
「なんと、では、その日はどのような日なのですか?」
「クリスマス・イブの夜にいい子にしている子供にサンタクロースがプレゼント、貢物って言えばいいのかな?それをあげるんだよ」
「なるほど、鈴々め適当なことを言いおって……」
「それを教えたのは俺なんだけどね」
「では、その日は子供のための日なのですね」
「一概にもそうとは言えないんだけどね」
「と、いいますと?」
「イブの夜は恋人たちと一夜を過ごす人たちも居るみたいだしね」
「恋人たちと一夜を過ごす……ご主人様と一夜を……」
「愛紗?どうかした?」
「い、いえ!なんでもありません!」
「そ、そう?」
「と、所で、ご主人様?今夜のご予定は……」
「ん?特には」
「で、でしたら!」
「あいやまたれい!」
「誰だ!」
「ふふふ、言いことを聞きましたぞ」
「星!?」
「また窓から……扉から入ってくれっていつも言ってるだろ、星」
「はっはっは、なに、窓から入ったからこそいい話しが聞けたのではないですか主よ」
「な、なな!」
「ふ、愛紗よお前だけいい思いはさせてやる義理はないぞ」
「なんだと!?わ、私が最初にご主人様にお伺いを立てたのだ!よって今夜は!」
「ふ、甘いぞ愛紗よ、私がここに居るということは……」
「まさか、タンポポが……」
「ふ、そのまさかだ」
「ここにいるぞー!いいこと聞いちゃった!星お姉さま!」
「うむ、頼むぞ」
「任せといて!みんなに言ってくるねー」
「ま、待て!たんぽぽ!」
「おっと、ここは通さないぞ愛紗」
「くっ星……」
扉を背に星は仁王立ちをしていた
「あ、あのー」
「なんですかな主」
「えっと、愛紗が先に誘ってきたので今回は……」
「ご主人様……」
愛紗は感動のあまり惚けてしまっていた
「主よ、今宵は特別な日なのであろう?そんな日に愛紗だけを可愛がればどのようになるかおわかりかな?」
星は目を細めながら直刀槍を撫でた
「ッ!」
一刀は身震いをした
「星!ご主人様に何をするのだ!」
「ふ、知れたことを」
「なにを!」
「愛紗よ、どうやら時間切れのようだ」
「なに?」
その時廊下が急に騒がしくなった
「ご主人様!今日は特別な日ってどういうこと!」
「お兄ちゃん!鈴々と一緒に特別なことするのだー!」
「はわわ!鈴々ちゃん大胆!わ、私もご主人様と!」
「あわわ!わ、私もご主人様と一緒に居たいでしゅ……あぅ」
「このエロエロ大魔神!なんてこと考えてるんだよ!」
「その割にはお姉さまなんでここに居るのよー」
「たんぽぽ!余計なこというな!」
「あらあら、ご主人様わたくしはいつでもお待ちしておりましたのにこのような日を選んでくださるとは」
「お母さん、璃々もご主人様と一緒にいたい!」
「うふふ、そうね、でも璃々はまた今度よ」
「お館様も流石は英傑のよ、今宵は期待してよいのであろう?」
「ふん!この好色漢!」
「焔耶よそう思うのなら来なければ良いではないか」
「桔梗様!?」
「へぅ、ご主人様」
「このち●こ太守!月に変な事したら許さないからね!」
「詠ちゃん」
「月~」
「……ご主人様と一緒……」
「へぼ主人!恋殿になんてことするのですか!」
「……ねね、だめ」
「恋殿~」
「おーほっほっほ、なにやら面白いことがあると来てみましたわ」
「姫~たんぽぽの話聞いてなかったんですか?」
「ご主人……一刀さんと……」
「斗詩~私も一緒だよ~」
「兄!みぃたちも来たにゃ!」
「来たのにゃ!」
「来たにゃ!」
「……来たにゃー」
「な、なな……」
一刀の部屋に蜀の主だった武官文官が勢ぞろいしていた
「星!これはどういうことだ!」
「だから言ったではないか、愛紗だけ主を独り占めさせぬとな」
「な!」
「さ、主よ」
「星さん!?あ、あの落ち着きましょ?みんなも!」
「ふふふ、主?ご覚悟を」
「あ、愛紗!助けて!」
「ご主人様、申し訳ありません、私もみなに遅れをとりたくありませんので」
愛紗にまで見捨てられた一刀
「ふ、ふふふふふ……」
「「「ご主人様!」」」「お兄ちゃん!」「主」「お館(様)」「「一刀さん!」」
「いやーーーーーーーーーー!!」
一刀の叫びが城に響き渡った
翌朝
「うふふ♪」
「にゃはは♪」
「流石は主、腰が立たなくなるまでとは」
「はわわ」
「あわわ」
「へぅ~」
「ふん!」
「……♪」
「恋殿~」
「流石はご主人様ね、桔梗」
「うむ、我らのお館様だ」
「次は璃々もご一緒させてくれないかしら」
「と、桃香の白い肌が……」
「焔耶が違う方向に進んでしまっておるな」
「猪々子さん、また北郷さんの所に行きますわよ」
「ええ!姫!?今からですか!」
「ご主人様ともう一度……」
「斗詩~戻ってきてー」
「にゃー気持ちよかったのにゃ」
「よかったのにゃ!」
「よかったにゃ」
「……よかったにゃ~」
一刀以外はお肌がつやつやになって部屋から出てきた
「は、ははは……」
「申し訳ありません、ご主人様」
愛紗は一人一刀に謝っていた
「気にしなくていいよ、愛紗が悪いわけじゃないよ、それにみんなの行為を無下に出来ないからね」
「ご主人様……」
一刀は愛紗の髪をすいた
「でも、今日一日動けないから」
「ふふ、では、今日の政務は私が変わりにさせていただきます」
「ありがとう、愛紗」
「昨日のお礼です」
愛紗は微笑みながら一言一刀に告げて部屋から出て行った
その日一刀は部屋から出ることも出来なかった
その夜、一刀の部屋に桃香が現れた
「ご主人様!今度はどんな行事があるの?」
「もう勘弁して~~~~!」
(今度からあんまり俺の時代の行事言うの止めよう……)
一刀は固く誓った
雪蓮「ねえ、葉月」
葉月「……な、なんでしょうか、雪蓮さん」
雪蓮「一つ聞きたいんだけど」
葉月「あまり聞きたくないけどどうぞ」
雪蓮「なんで私の話じゃないのかしら?」
葉月「それはですね、クリスマスに書く予定だったお話しだからです」
雪蓮「そう、ならそれはいいとしましょう」
葉月「それはということは、まだあるんですね」
雪蓮「もちろんよ、なんで呉のクリスマスじゃなくて蜀のクリスマスなのよ」
葉月「言わないとだめですか?」
雪蓮「言わないで首を落とすのと言って首を落とすのどちらがいいかしら?」
葉月「どちらをとっても落とされること確定ですか!」
雪蓮「もちろんよ」
桃香「それはかわいそうです!」
葉月「おお!桃香さん!」
雪蓮「あら桃香、何か用かしら?今は葉月と話している最中なんだけど?」
桃香「雪蓮さん、葉月さんを手にかけることはいけないと思います!」
雪蓮「あらどうして?」
桃香「もちろん、手にかけたらお話が続かなくなっちゃうじゃないですか!」
雪蓮「……本音は?」
桃香「え?」
雪蓮「話が続かなくなるってのが本音じゃないでしょ?どうせ、私たちの話も書いてほしいってところじゃないの?」
桃香「え、えへへ」
葉月「え、そうなの?」
桃香「うん!私とご主人様の甘く切ない恋物語を!」
雪蓮「はぁ~、興醒めだわ、葉月、今回は桃香に免じて許してあげる、だから早く私の話を書き上げなさい」
葉月「努力します」
雪蓮「よろしい♪」
桃香「私のお話もよろしくね!」
雪蓮「あなたたちはまだよ、先に私たちの話を完結させてからね」
桃香「そうですね、葉月さん、がんばってくださいね!」
葉月「がんばります」
雪蓮「それじゃ、みなさん」
桃香「またね~」
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本当は24日にあげとうと思ったんですが風邪で倒れてました。
遅れましたが楽しめたら幸いです
本編のサイドストーリは日曜日にあげられたら投稿します
2010/01/01:一般公開に変更しました