No.1141799

【獣機特警K-9ⅡG】刑事アキ、初めての事件(1)【交流】

Dr.Nさん

2024-04-05 18:48:51 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:116   閲覧ユーザー数:112

深い森の中の古びた民家の前にパトカーが停まった。

 

ミハエル「着いたぞ」

アキ「はい。しかし、ラミナ市の出口から2時間、最後の30分に至っては民家一つすら見当たらず。こんなところで変死体とはどういうことでしょう?」

ミハエル「それを今から調べるんだよ。さ、行くぞ」

アキ「はい。おや?」

ミハエル「どうした?」

アキ「パトカー以外に車が2台停まってますね。1台はZ-BAN、そしてもう1台は高級車のボルチェ」

ミハエル「なかなかいい注意力だ。さすが俺が見込んだだけのことはあるぜ」

アキ「ヘヘッw」

玄関前。

 

ミハエル「よう、お疲れさん!」

制服姿の警官「あ、ミハエル警部にアキ巡査、お疲れ様です!」

アキ「お疲れ様です」

ミハエル「早速中に案内してくれ」

制服姿の警官「はいっ!」

部屋の中に通された二人。

 

ミハエル「これは酷いな」

アキ「うっぷ…」

ミハエル「おい大丈夫か? まあ初めての現場だから無理もないが」

アキ「だ、大丈夫です!」

ミハエル「だが、刑事という職業を選んだからには、こんなことは今後いくらでもある。このくらいで参っていてはこの仕事は務まらんぞ」

アキ「はいっ!」

ミハエル(モノローグ)「現場はラミナ市から遠く遠く離れた森の中の一軒家。亡くなっていたのは豚型ファンガーの中年男性二人、いずれも死後数日が経過。一人は全裸でベッドに両手両足を縛られ、もう一人は服を着た状態で床に倒れていた。倒れていた男の傍には中身のこぼれたビールの缶が一つ。身分証から、縛られていた男は作業員の吐 瀉豚氏、床に倒れていた男は会社員の四月一日(わたぬき) 保氏であることが分かった」

ラミナ署。

 

ミウ「あ、それあの事件の報告書ね」

テムナ「せやな」

ミハエル「こら、勝手に人のノートパソコン横から覗いてんじゃねえ!」

ミウ「いいじゃない、別に減るもんじゃなし」

テムナ「なあ」

ミハエル「減るわ!」

ミウ「人里離れた家の中でベッドに全裸で両手両足を縛られた男、そしてもう一人の男。一体何をやっていたのかしらアッー!」

テムナ「せやなアッー!」

ミハエル「そういうことだアッー! ってさすな!」

ミウ「でも、そんな誰も来ないような場所に死体があるってどうして分かったの?」

現場。

 

制服姿の警官「この方が第一発見者です。通報もこの方とのことです」

ミハエル「どうも、ラミナ署のミハエル・T・アインリヒトと申します。こちらは部下の久原アキ」

アキ「よろしくお願いします」

ミハエル「あなたは?」

???「はい、私はこういう者です」

 

ミハエルに問われた豚型ファンガーの男は、彼に名刺を差し出した。

株式会社AT-ATA商事

課長 横屋里 太

ミハエル「ご丁寧にどうも。あなたがこの2つの死体を見つけて警察に通報したということで間違いないでしょうか?」

横屋里「はい、間違いありません」

ミハエル「しかし、どうしてこんな誰も来ないような人里離れた場所に?」

横屋里「この家は私の所有ですので」

ミハエル「あなたの家?」

横屋里「はい。この家は3年前に亡くなった父親が入院する前に一人で住んでいたんです。死後私が相続したのですが、放置するわけにもいかないので、月に一度程度様子を見に来ていました」

ミハエル「表に停まっていたZ-BANとボルチェもあなたのものですか?」

横屋里「ボルチェは私のものです。ひと月ぶりにここに来てみたら、見たことないZ-BANが停まっていたので、慌てて玄関の鍵を開けたらこの状態でした」

ミハエル「なるほど。アキ君、ここは俺一人でいいから、君は他の警官たちの手伝いをしてくれ」

アキ「はいっ!」

 

アキは部屋を出ていった。

 

ミハエル「横屋里さん、このお二人に心当たりは?」

横屋里「ありません。全く、どこの誰かは知らないが勝手に人の家で迷惑な!」

ミハエルさん「久しぶりにやって来たら、見たこともない連中がこんな状態で死んていた。同情しますよ」

 

ヂャラ…。

 

ミハエル(これは…)

 

横屋里「おっと、もうこんな時間だ。仕事があるんでそろそろ失礼してもよろしいでしょうか?」

ミハエル「その前にあなたの指紋とDNAを採取させて下さい。一応決まりですので」

横屋里「もちろんいいですよ」

ミハエル「誰か検査キットを持ってきてくれ!」

 

ミハエル「どうも。ご協力感謝します。あ、それからもう一つ」

 

ミハエルは自分のスマホを操作した。

 

ピリッ、ピリッ、ピリッ。ピリッ、ピリッ、ピリッ。

 

横屋里「あ、私のスマホが」

ミハエル「失礼しました。名刺に書かれた電話番号は本物のようだ」

横屋里「刑事さん…」

ミハエル「失敬失敬。刑事という職業柄ね。お疲れ様でした横屋里さん」

 

横屋里はボルチェで帰って行った。

 

 

=To be continued=

 

 

 


 
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