「4対8本脚の馬のような動物」地球では4対8本の足といえばクマムシ、クモ、カニが頭に浮かぶが、火星＝バルスームでは馬となる。ただし「火星人が移動するとき乗り物にする生き物」という意味での馬だから見た目が馬に似ているとは限らないのである。小説の読者は挿し絵と翻訳者によってイメージが強く操作されてしまうと思う。僕は今でも 40年以上前に他界した 武部本一郎氏の挿し絵を思い浮かべてしまう。当時小学生だった僕は氏の書いたセクシーな挿し絵にときめいたものだ。だからエドガー・ライス・バローズのバルスームの動物たちもバロウズ自身が作画するかモデルを作成して撮影したものを挿し絵にしていたら きっと物語りのイメージはずいぶん変わっていたのかもしれない。漫画を実写化するだけでも大きなトラブルになるのだから、文章を視覚化することは それよりも大きな責任を負うと思うのだ。 そんなわけで、先入観なしに僕なりの火星の馬を組み立てると こうなった。