No.1138590

精鋭なる横須賀艦隊

戸川さん

鹿島異動

艦娘の口癖や提督の呼び方が曖昧だったり、分からない艦娘がいるので間違っていてもご容赦ください

2024-02-13 17:44:52 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:134   閲覧ユーザー数:134

「もう一度言いますよ。先程建造を行い、大和型2番艦の武蔵が建造されました」

 

『はっ?いやいや、泰治郎冗談も休み休みに言いなさい』

 

「・・・・」

 

『えっ?も、もしかして本当に、武蔵が顕現したのかい?』

 

「・・・はい」

 

『・・・・まさか、またかい?』

 

「はい。妖精さん達の暴走による大型建造により武蔵が顕現。横須賀鎮守府は最低でも1ヶ月は作戦行動が不可能となりました。現在は資材回復の為駆逐隊及び水雷戦隊を編成、遠征及びに周辺海域の警戒のみに抑えています。」

 

『分かった。資材の方についてはこちらで用意して明日の夕方までに運ばせよう。それと、島風と陽炎が君に会いたいと言っていたから、明日からしばらくそっちで面倒を見てくれると助かる。』

 

「それは別に良いですよ」

 

『ならば、明日資材と共に陽炎と島風も横須賀に行かせるから』

 

こうして島風と陽炎が横須賀に来る事になった。

 

大本営

 

「ううむ、君が興味を示してくれたのはありがたいね。四大鎮守府のうち、横須賀はまだまだ人手も練度もまるで足りない。君の指導でメキメキと育ってくれれば言うことはない。君も言い寄る男性に辟易しているとは聞いていたし、ちょうどいいのかもしれんな」

 

「あははは、そうですね・・・それよりも私でよかったのでしょうか?香取姉のほうが良いのではないでしょうか?」

 

「香取君が直々に妹の方が素質がある。自分より鹿島君を横須賀に行かせてほしい。戸村提督の下なら勉強にもなるし、変な男に言い寄られるのを見て不憫に思っていたみたいだよ」

 

「もう香取姉ったら・・・うふふ、わかりました。では、改めて横須賀鎮守府へ異動の件、謹んでお受けいたします」

 

「うむ。助かるよ。既に戸村提督が許可を出してくれた」

 

戸村提督からの返事を鹿島に見せる永田司令長官。噂に聞く生まれ変わった横須賀鎮守府。練習巡洋艦鹿島は、永田司令長官の命により、横須賀鎮守府の艦娘の練度向上を最大の課題とし、彼女のもとで育った艦娘の実績を踏まえて鹿島を横須賀鎮守府へ派遣し、艦娘の練度向上を図ろうとしていた。 初めは鹿島よりも実績の高い香取を指名したのだが、香取が鹿島を指名。理由は鹿島自身のさらなるステップアップが主であるが、なぜか鹿島は男に言い寄られることが多い。よく自室で今日も言い寄られて怖かった、と気を落としていることが多く、香取が不憫に思ったのだ。横須賀の提督は信用に足ると司令長官からの太鼓判もあり、それならば鹿島もと乗り気になった事もあり、異動願を出した次第である。 泰治郎は鹿島が異動願を届けてきたと言っていたが、これは修一がこうすれば拒まないだろうと言う思惑のもとでやらせたことである。鹿島が異動願を出したのではなく、修一が出したのである(鹿島の許可はある)。最も、修一が異動申請を出した事は泰治郎にバレており後日、報告を受けた長門から雷が落ちるのだか、それはまた別の話。泰治郎が艦娘が来たいと言う意志があるなら拒まないと言う性格を知っている。泰治郎を知り尽くしているからこその手だった。 寮へ向かう廊下を歩く。前からやってくる男。鹿島を見るや顔を綻ばせる。ああ、またどうせ何か声をかけてくるんだろうなとげんなりした。

 

「おう、鹿島ちゃん!今夜食事でもどう?」

 

大本営の事務員だ。案の定声をかけてきてニヤニヤと、そしてじっくりと鹿島の体を見る。寒気がする。この男は以前にもセクハラじみた質問攻めをしてきた男だ。うまく断れるだろうか。

 

「ごめんなさい。異動の辞令が出ましたので準備をしなくてはいけないんです。ですからこれで失礼しますね?」

 

「ええ!?鹿島ちゃんどっか行っちゃうの?そ、そんなぁ、楽しみが減るね、じゃあさ、みんなで送別会やろうよ!友達いっぱい呼ぶから!」

 

「え、えっと、あのぉ・・・ですから、私は異動の準備が…」

 

「そんなのいいからさ!な、みんなでイイことしようよ!絶対悪いことははぉっ!?」

 

突然肩を掴もうと近寄ってきた男の頭をがっしりと掴む手。その後ろには冷たい目で見下ろす女性。鹿島を見るとにっこりと手を振る。

 

「はぁい、鹿島。準備で忙しくなるんだろ?コレは私が掃除しておくから、準備してくると良い」

 

「長門さん・・・ありがとうございます!」

 

ぺこりと頭を下げて小走りで逃げる。背後から

 

「さて、これで三度目だけど、どうしてあげようか?」

 

と言う冷たい声が聞こえたような気がした。気のせいと思いたい。 ふう、と息を吐いて荷物をまとめていく。荷物は大荷物でも横須賀へ宅急便で今日送っておけば明日には届くらしい。便利だ。長く過ごした部屋。荷物はそう多くない。スッキリし、ガランとなった部屋は少しさみしい。

 

「鹿島?あら、荷物をまとめていたのね。戸村提督のオーケーも出たようね、寂しくなるわね」

 

「香取姉。私、ちょっと不安だけど、精一杯お役目を果たしてくるね。香取姉の耳に私の活躍ぶりが届くようにねっ。うふふ」

 

「そうね。期待しているわ。あなたなら大丈夫。自分を信じて、自信を持ってがんばるのよ。あなたはいい子なんだから」

 

「うんっ!」

 

それから数時間。鹿島は横須賀へ異動して行った。


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
0
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択