第二話『グロンギの王襲来、ディケイド脳裏の過ぎりと新たなる力!』
日も暮れ、星が見え始めた晩。村長さんの手配で用意してくれた店で夕食をとる事にした。正直お腹の減りは誤魔化せそうもなく、素直に村長さん達のお言葉に甘えることにした。
一方、俺の向かいに座って食事をとる関羽はというと、すぐにでも堰月刀を構えられるよう背の椅子に立てかけていた。殺気を隠しているのがよくわかる。まだ俺を警戒しているようだ。
そこで俺は、関羽に事情を聞いてみた。俺を襲ってきたことについて・・・
一刀「なぁ、関羽、教えてくれ。俺が悪魔ってどういう意味だ?」
関羽「・・・悪魔が変な事を聞くものだな・・・」
一刀「頼む、教えてくれ。俺・・・記憶を大体失っているみたいで・・・ってゆーか、何気に俺の皿に人参移すのやめろ」
関羽「・・・・・///////」
どうやら、有名な武将でも、好き嫌いはあるらしい・・・
関羽「・・・仕方あるまい、ある男の予言が現実だったのだから・・・」
一刀「ある男?」
関羽「3日ほど前の事だ・・・その男が私の前に突然現れ・・・」
―――3日前―――
「ディケイド・・・北郷一刀は、この外史を破壊する存在だ・・・戦なき世を望む者ならば、お前の手で破壊者を消し去るのだ」
関羽「・・・あまり、信憑性に欠ける話だな・・・占いならば、よそにしろ」
「占いのハズレで済めば良いのだがな・・・管輅の占いも」
関羽「!?」
「いいのか?・・・『天の使い』などという皮を被った破壊者を阻止せぬ限り、この世は決して救われない・・・それどころか、乱世を上回る闇がこの世を覆いつくす・・・いいな?確かに伝えたぞ・・・この世界を破壊させてはならん!」
―――そして現在―――
一刀「・・・つまり、今までの君の話をまとめると・・・
・管輅という占い師の占いからは『ディケイドという名の天の御使いの救世主が現れ、この乱世や怪人を鎮めるだろう』とあった。
・謎の男からは『ディケイドという破壊者が現れ、この世を破壊される』と忠告された。
・関羽としては、謎の男の予言が気になった故に、俺に襲い掛かった。
・そしてその男の正体は謎に包まれている。
・・・考えてみれば良くそんな必然的な噂話に乗ったな・・・って、だから隙見て人参移すな!」
一刀(少し脅迫っぽいけど・・・そんな唆し(そそのかし)野郎・・・一体何者なんだ?)
深夜、俺と関羽は用意してもらった宿の一部屋で夜を共にする事になった・・・
互いに背を向け合ってベッドに横になったそんな中・・・目蓋(まぶた)も閉じようとしていた時、
関羽が俺に話しかけてきた・・・・・
関羽「・・・ディケイド」
一刀「あのさ、その名前で呼ばれるの慣れないからさ、悪いんだけど・・・北郷で頼む・・・」
関羽「・・・北郷・・・あの時、確かに私は貴様を倒すことに拘ったばかりに、
妖に襲われようとしていた村人達にまで気を配れなかった事は認める・・・
・・・だが言っておくぞ・・・貴様を信じたわけじゃない。
手を組んでやるのは今回だけだ・・・この村を救った後、その時こそ・・・」
一刀「倒す・・・か。俺からも、ひとついいか?」
関羽「・・・なんだ?」
一刀「俺も言っておかせてもらうけど、俺は最後まで君を信じるからな・・・例え、君にどんなに信頼されなくても・・・」
関羽「!!(トクン)なっ、何を突然言い出すんだ、貴様は!?(な、なんなんだ!?今の感覚は!?)」
一刀「じゃ、おやすみ・・・」
関羽「・・・・・//////」
顔を真赤にしながら、かけ布団を被る関羽。眠りにつくには時間がかかったという・・・
―――翌朝―――
ドコォオオオン!!ドガァアアアア!!
一刀「な、なんだ!!?」
関羽「今の音は!!?」
目覚まし時計のベルの代わりか、外からの爆音や大気の震えに目が覚めた。人々の悲鳴も聞こえヤな予感がし、一刀はムソウドライバーを、関羽は青龍堰月刀を、手に宿を飛び出した。
一刀「これは・・・!?」
関羽「しまった・・・!?」
辺りを見回すと、村中がグロンギに襲われ、人々は逃げ惑い、家々は崩壊してゆく・・・
そんな中で・・・・・1体、グロンギ族の頭かのような雰囲気をした、狼のような姿をしたグロンギがいた。
「ギギザ・・・バブサゲモド・・・(ついに・・・この世界で・・・)」
バキィッ!!
グロンギ「グエッ!!」
ズバァッ!!
グロンギ「ブシャッ!!」
「!?」
一刀「これ以上の手出しは許さないぞ・・・!」
関羽「これだけここで暴れたからには、ただでは帰えさん!!」
2体のグロンギを一掃し、そのグロンギの前に姿を現す一刀と関羽。
その途端、グロンギは一刀の方を睨みつけ・・・・・
「ギザ・・・バセゴダビラミデゾ(貴様・・・どこかで見た面だ・・・)」
一刀「・・・なんだって?」
※ここから先のグロンギ語は省略した形となります。
「・・・・・・・・以前にどこかで見た面だと言ったのだ」
一刀「悪いけど・・・お前とは、初対面だぞ?」
「そうか・・・まあ、いい・・・・・我が名は『ン・ガミオ・ゼダ』!かつて“ディケイド”“クウガ”の2体の“ライダー”に滅ぼされた!!」
一刀「クウガ?・・・ライダー?・・・ディケイド・・・・・ううっ!!(ま、またか・・・!?)」
激痛に目をぐっと閉じた途端、俺は白い光の中にいた・・・
そして・・・眩しい白い景色から見えたのは・・・
『わぁ~~~!この子が―――と―――ちゃんの~?』
『まあ、俺達の―――なんだから当然だ。将来は絶対イケメンカリスマ間違いなし!俺みたいにな』
『二人とも静かにしてください、―――が・・・起きちゃいました・・・』
これは・・・・・一体?・・・・・何の記憶なんだ・・・・・
この人達の会話・・・・・特に名前のあたりが聞き取れない・・・
『―――ちゃん、抱っこしてみていい?』
『はい』
『はは、初めまして―――君、お兄ちゃんはね~お父さんと同じ仮面ライダーなんだ・・・仮面ライダークウガ』
え?
『何がお兄ちゃんだお人好し、よこせ――――。―――、お前は俺の血を受け継いでいる・・・
・・・だから、俺と同じような運命を歩かないでくれよ・・・』
同じ・・・・・運命・・・・・
この人達・・・・・一体、俺と何の関係があるんだ?
そして、痛みが消え・・・頭が少しスッキリしたみたいで・・・
今ので、大体わかった・・・
どうやら、俺の正体には衝撃的なものがあるらしい・・・・・
ガキの頃諦めかけていたが、ますます知りたくなってきた気がする・・・
ガミオ「だが・・・・・今度こそこの世界で、リントもグロンギも1つとなり、全てを闇に包むのだ・・・誰とて邪魔などされてたまるかっ・・・!」
関羽「さっきから、訳のわからん事ばかり並べおって!いい加減我が青龍刀の錆となれっ!!」
一刀「あ、待て!!関羽っ!!」
関羽「はぁああああああっ!!!」
ガッ!
関羽「なっ!!?」
ガミオ「リントごとき・・・くだらん無謀という奴だ」
ドガッ!
関羽「ぐうっ」
一刀「関羽!!」
一刀の制止も聞かずに、関羽はガミオに向かって地面を蹴ったが、振り下ろした青龍刀を片手で受け止められ、腹部に拳を入れられ、吹き飛ばされた。
ガミオ「むうう・・・・・ハァッ!!」
ドウッ!!ドガァアアア!!!
一刀「うあっ!!」
関羽「ぐあっ!!」
そして、両腕にエネルギーを集中し、一刀と関羽に目掛けて放った。2人は命中は免れたものの、爆発の衝撃波に耐え切れず吹き飛ばれ、体中傷だらけになった。
ガッ!!
関羽「うっ・・・ぐ」
ガミオ「貴様も同じ、強さを求め戦いを求める・・・・・貴様は、この世界で最初にグロンギになる運命(さだめ)だ・・・・・そしてやがて、他のリント達も・・・」
シュオオオオオオ
ガミオは関羽を踏みつけ身動きを取れなくし、体中から人をグロンギとかす黒い霧を発し、関羽をグロンギに化そうとする・・・
その時!!
一刀「はあっ!!!」
ドガァッ!!
ガミオ「ぐうっ!!?・・・な、なにぃ・・・!?」
関羽「!!・・・・・ほ、北郷・・・!!」
ガミオの安息の隙を突き、一刀の跳び蹴りが決まり、関羽を間一髪のところを救った。
一刀「さっきお前が言った言葉・・・間違ってるな・・・・・俺の知らない記憶の中で誰かが言っていた・・・
・・・人が戦いを求めるのは、単に強さや戦いを求める者が全てじゃない!!
・・・その中で一部の者は『誰も戦わなくても良いようにするため』に戦っているんだ!!!
その人は例え自分が闇に陥ったとしても、『誰かを笑顔にしたい』!!そう願っている!!
それに、こいつ(関羽)が俺を悪魔と確信し倒そうとしたのは・・・
貧しく力のないか弱い人々を悪の手から救いたいという願いからだ!!!
同じじゃないが、人を笑顔にしたいのと同じ願いなんだ・・・!!!」
関羽「・・・・・・・・」
ガミオ「・・・・・・・・」
一刀「そして・・・俺はこの村の人達を笑顔に変えるだけじゃなく・・・こいつ(関羽)も笑顔に変えて見せる!!!」
関羽「なっ//////////////!!?」
一刀「知っているか?・・・・・こーゆータイプの人間っていうのは、笑うとその裏腹に悪くないからな」
ガミオ「貴様・・・・・一体、何者だ?」
一刀「通りすがりの天の御使いってところかな?・・・覚えておけ・・・変身!!」
ガキュン!
≪CHANGE RIDE―――DECADE≫
シュアアアア!!シュババババババ!!
ブゥウウウン!
DCD「!?」
見知らぬ記憶の中から自分を奮い立たせ、ディケイドに変身した一刀。すると、それと同時にライドブッカーから数枚のカードが飛び出し手に取ると、関羽の顔や青龍堰月刀などがハッキリ映し出された。
DCD「なるほど・・・・・関羽、俺に力を貸してくれ。この村を・・・これ以上、あいつらに破壊させたくない」
関羽「・・・・・(こくっ)(この男・・・本当に背を預けてもいいようだ・・・そんな気がする)」
一刀の言葉に、関羽は傷ついた体を奮い立たせた。そして、彼の事を何故か信じられるようになったのだ。
ディケイドは関羽に共闘を申し込むと、ベルトのハンドルを開け、関羽の顔が描かれたカードを構える。
DCD「それじゃ早速、試してみるか・・・新しい力を」
ガキュン!
≪KOIHIME RIDE KANU―UNCHO≫
次回、決着!
―――――つづく―――――
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お待たせしました!三話も執筆中です!
どこか、パクリ感がありましたら、ご勘弁を・・・
感想のほかに誤字脱字の発見などありましたら、よろしくお願いします。