No.113529

真・恋姫†無双 十√ 4

kazさん

拠点的なものをやろうとしたらご覧の有様です。

話はほんの少しだけ進んでいます。

2009-12-21 20:57:47 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:44972   閲覧ユーザー数:31544

『夏候惇 夏候淵1』

 

そこではいつもの光景、天の御遣いこと北郷一刀と秋蘭が政務を行っていた。

前回北郷の陣営に加わった桂花さんは一刀さんとの同室作業を嫌って一人部屋で仕事をしてたり、曰く。

 

「あんたと一緒の部屋で仕事なんかしたら空気妊娠しちゃうでしょ!」

 

との事、しないから、どんな妊娠の仕方だよ!

そんな感じでもまぁここに居てくれてるだけでも良しとしとくかと自分でなんとか納得させている。

などと思いながら秋蘭と仕事をしている時、前々から思ってた事を秋蘭に聞こうと思い。

 

 

「なあ秋蘭」

 

「ん?何だ北郷」

 

「春蘭て小さい時から今みたいな感じだったの?」

 

「ああ、小さい時から姉者はずっと可愛いかったぞ、ふふっ」

 

そう言いながら頬をぽっと染め、何やら想いにふける秋蘭、いつもは凛々しい秋蘭だけど春蘭の事を妄想する時は正直何か壊れる。

 

「うーん、確かに美人だなあとは思うんだけど…」

 

その言葉にピクッと反応する秋蘭、何か周りの空気を真空のような状態にする闘気のようなものを出し、どこから出したのか愛弓の餓狼爪を俺に向ける。

 

「北郷…、姉者が可愛くないとでも言うのか?」 キリキリ

 

「ち、違う!そういう事じゃなくて、た、頼むから弓を向けないでほんと!」

 

「では何だ!返答次第では…」

 

マジですね、ほんとこの人春蘭の事になると最狂のキリングマシーンに成り果てやがる。

 

「俺が言いたいのは春蘭に化粧とか綺麗な服とか着せたらもっと綺麗になるんじゃないかな!って事!今までそーゆーの見た事ないから!」

 

その言葉にようやく弓を下ろす秋蘭、ひっひっふー、ひっひっふーとかなんかラマーズっぽい深呼吸で気を静める秋蘭。

 

「成る程、言いたい事はわかった、だがそれは難しいな」

 

「え、何で?」

 

 

「……今まで、今まで私がそれをしてこなかったと思うのかーーーーーーーーーー!!!!!」

 

 

なにか感慨深いものが一気にあふれ出したかのように絶叫する秋蘭、あ、泣いてる、マジ泣きだ。

 

「何度も、何度も試したさ、ああ、試したとも!!!」

 

止めようと思ったが、なんかとばっちり食らいそうだったのでやめる、だってまだ餓狼爪持ってるし。

 

「ある時は姉者のいない内に部屋にそっと綺麗な服を置いたさ、だが翌日にはその服は剣の試し切りに使われていた!」

 

「ある時は姉者に似合いそうな可愛い装飾具を姉者に贈った、だが翌日には馬鹿力で何か変な生物のようなものに変えられていた!」

 

「ある時は姉者に絶対似合う可愛い下着をそっと姉者の箪笥に忍ばせていた、だが翌日ボロボロになって捨てられていた、理由が聞きたいか?聞きたいか!」

 

なんか怖いんでうなずく、すると秋蘭はふっと言い、そっと涙をふき取り。

 

「何故だか果たし状と勘違いして破り捨てたそうだ」

 

 

春蘭意味わかんねーーー!

 

 

「わかったか、姉者はそういったものにはまったく興味を示さないのだ、真正面から渡しても照れて着けようともしない、もう…無理なんだ…」

 

なんかがっくり肩を落とし床を叩き号泣する秋蘭、正直ここまでやられると何か怖い…

 

「な、成る程ね、まぁあの春蘭がそういうのに興味はなさそうなのは何かわかる気もするんだけど、元がいいから着飾ったりしたらもっと綺麗になると思ったんだよなぁ」

 

少なくともこの世界の女の子は可愛い、春蘭秋蘭にしても元の世界じゃモデルをやっててもいいくらいだと思うし。

 

「ふっ、だが私はまだ諦めた訳ではないぞ、いずれ、姉者を着飾る為に毎日姉者の体の計測をかかしてないからな!」

 

怖いよこの人、しかしそれを聞くとますます春蘭に… その時一刀に電流走る!

 

「じゃあさ!、もし俺が春蘭を着飾る事が出来たら秋蘭は嬉しかったりする?」

 

その俺の言葉に、弱弱しく顔を上げ俺を見つめる秋蘭。

 

「で、できるのか?お前に!?」

 

「まぁ俺一人じゃできないからさ、秋蘭が手伝ってくれるんなら」

 

秋蘭は少し考え…

 

「本当に…姉者を可愛くすること、可愛い服を着させる事ができるのか?」

 

「ああ、我に策ありってね」ビシィッ!

 

 

こうして、この先幾度もの困難に立ち向かう事になるであろう北郷一刀による春蘭コスプレ計画がはじまった。

 

 

 

翌日

 

「北郷ーー、秋蘭ーー、私に何か用だと聞いたがーー?」

 

陳留の王座の間に現れた春蘭はいつもの服でいつものようにやってきた。

 

「ああ、実は春蘭に試してもらいたい事があってね、ちなみに春蘭は今より強くなりたいって思った事はある?」

 

「はぁ?当たり前だ!、私が目指しているのは天下無双だからな!」

 

はっはっはーという感じで胸を張って答える春蘭、こいつならほんとに天下無双までいきそうな気がするよな。

 

「じゃあさ、俺の…天の国の強くなる秘伝の方法って試してみる気はある?」

 

「何!そんなものがあるのか!」

 

「ああ、正直俺はまだまだ未熟でその秘伝をやるにはまだまだ力不足で諦めてたんだが、春蘭くらい強ければ教えても言いかなって思ってさ」

 

「ほお、それは興味深いな、是非聞きたいものだ!」

 

俺の意味深な言葉に乗ってくる春蘭、俺の横では秋蘭が何やらそわそわしている、落ち着け秋蘭。

 

「で、その方法とは?」

 

「うむ、その方法とは、コスプレだ!」

 

どおおおおおおおん!!!って感じに春蘭に伝える俺、後で考えると何言ってんだろうな俺って落ち込みそうなやり取りだがな。

 

「こ…こすぷれ?…とは何だ?」

 

「うむ、俺の世界では武闘家が闘う為に装備する服の事だ、ただの服じゃないぞ、その服は名のある武闘家達が何度も議論をかさね、実践をかさねようやくたどり着いたという究極の戦闘服なんだ、それを着れば自らの体の奥に眠る潜在能力という隠された力が出て、今まででなかった力がでるというものなんだ!」

 

「おお、それは凄いな!、で、それはどのようなものなのだ?」

 

目をキラキラと光らせる春蘭、よし、ここまでくれば我が策の8割は成功したものよふはははは!と心の中で笑う俺。

 

「秋蘭」

 

俺は秋蘭に向いて合図を送ると秋蘭は何かドキドキしたような感じでカクカクした動きで横にあった布を取る、するとそこにはとても可愛らしい一刀設計デザインによるとても可愛い学校の制服のようなものが現れた。

 

「なんだこれは?、これがそうなのか?とても強くなる戦闘服には見えんが?」

 

「ちっちっち、春蘭、見ただけじゃそうだろうけど着てみれば分かるさ、その服を着る事によって今まで使われてなかった筋肉が刺激され何倍もの力が出るような究極のデザインなんだよっ!」

 

 

  ”嘘だけどなっ!!!”

 

 

「で、でざいん?」

 

「天の言葉で第一級の戦闘服を意味する言葉さ!」

 

 

  ”嘘だけどなっ!!!”

 

 

「そ、そうなのか…」

 

とても胡散臭そうに答える春蘭、まぁ当然の反応ではある。

 

「じゃあ春蘭、さっそくこの服を着てみてくれ」

 

「なっ!馬鹿を言うな!こ、こんな服着れる訳がないだろうが!/////」

 

顔を赤く染め、すごくあたふたしながら拒否する春蘭、ああ、その反応は計画通りさ!だがな、もう逃がさないぜぇ…

俺は春蘭に聞こえるくらいの小さい言葉でつぶやく。

 

「……何だ、夏候元譲の天下無双への想いってその程度だったんだ…」ボソッ

 

「!?、なんだと!北郷もう一度言ってみろ!!」

 

俺の言葉に烈火の如く怒る春蘭、だがそれにもひるむ事なく俺は春蘭に言い放つ。

 

「あ、聞こえたのならゴメン、でも俺は春蘭はもっと上を目指してたと思ったからさ、俺が出切る事をやってやろうと思ったんだ、そして春蘭はそれに答えて天下無双を目指すと思ってて、でも、春蘭が興味ないっていうのなら諦めるよ、この服ももう捨てておくよ、変な事言って悪かったな」グスッ

 

「なっ!べ、別に着ないとは言ってないであろう!い、いいだろう!着てやろうではないか!」

 

怒りながらも俺の用意した可愛い制服を手に取る春蘭、その時俺は春蘭に見つからないように秋蘭に親指を立て。

(後はまかせた!)

 

という合図を送る、それに対して秋蘭も。

(まかせろっ!)

 

という合図。

 

俺は着替えを秋蘭にまかせ一旦その部屋を出て、待つこと数分、部屋の中からたまに聞こえる秋蘭の「はぁ、はぁ、姉者ぁ」という声が何か面白い。

 

そして、春蘭の着たぞ!という声に中に入ると、そこには見事に制服に着替えた春蘭がいた、うん、ぴったりだ!元がいいだけにその着替えた姿はなんていうか、物凄く可愛かった、横では真っ赤になって悶える秋蘭の姿、大丈夫かおい。

 

「ほ、北郷、着てみたが何も変わった気がせんぞ!貴様騙したな!」

 

当然である、ただの制服だし! しかし俺は。

 

「まだ着ただけなんだから効果がすぐ出る訳ないだろ、その服を着て色々動かしたり武器を振るって色々調整しなきゃ」

 

「な、成る程、そ、そういうものか」

 

なんか頬を染め、どうしたものかと考えてる春蘭、秋蘭よ、お前の気持ちがよくわかるぞ、なんか可愛いぞこいつ!そんな姿を見ながら俺はさらに(嘘っぱちの)言葉を続ける。

 

「ただ…」

 

「ただ、何だ?」

 

「その服が春蘭の戦い方に合わない可能性もあるかもしれない、ほら、武器によって戦い方が違うようにコスプレにもその闘い方に合ったものがあったりするんだ、春蘭の闘い方にあわせて作ってはみたけど合わなかったかなぁ」

 

後半はなんか棒読みな感じの俺。

 

「で、ではこれは合わなかったという事か!」

 

「かもしれないね」

 

「は、はぁ…あ、姉者可愛いよ」

 

落ち着け秋蘭。

 

「まぁもう少し着て色々試してみてよ、変化がなさそうだったら脱いでいいから」

 

「むう、わ、わかった」

 

そういって七星餓狼を振り回す春蘭、俺は秋蘭の傍にいくと。

 

 

「秋蘭、どうかな?」

 

「ほ、北郷、き、貴様という奴は…」

 

紅潮しはぁはぁ言ってる秋蘭、しかしその顔はわが生涯に一片の悔いなし!という表情だ。

 

「まぁあの服はすぐ脱ぐだろうな、だが春蘭に着せる事が目的だから問題ないさ!ふははははは!

 さて秋蘭、言っておくがこんなのはまだまだ序の口だぞ」

 

「ほ、、北郷!貴様まだ姉者に可愛い服を着させようと言うのかっ!」

 

俺は髪を手ですっとかきわけふっっと笑い。

 

「当然だろ」ニヤリ

 

「北郷、今ほどお前を恐ろしいと思った事はないぞ…」

 

 

 

 

 そんな陳留の1コマ

 

 

 

『荀彧1』

 

陳留の城の書庫にて

 

ばったり!

 

という擬音が出るほどのシュチュエーション

 

ちょっと資料探しにと来た書庫に来た一刀が部屋に入るとそこには書物を探している桂花がいた。

桂花は脚立のようなものに座り本を見ていた。

 

「あ、じゅん…」

 

「名前をよばないでっ!汚れるから!あと扉を閉めないで!私に近づかないで!息をしないでっ!」

 

最後のは俺に死ねって言ってんですかね荀彧さん…

桂花が俺達の仲間になってくれて一週間くらい、秋蘭達には真名も許してそれなりに仲良くやって…いや春蘭とはなんか仲悪いな、もう犬猿の仲ってくらい、それでも話ができるだけ幸せなんじゃと思う。俺に到っては…

 

 なんか近づく事も許されないんだから…

 

とりあえず桂花と一定の距離を保ちつつ動く俺、なんかもう自分が憐れです。

本を探しながら一応話しかけてみる

 

「えと、ここの書庫って凄いよね、結構多くて探すのが大変でさー、孫氏の兵法ってどこにあんのかなーって…」

 

「………」

 

「あ、なんか埃が溜まってる気がするね、今度掃除しなきゃいけないかもしれないねー…」

 

「………」

 

無視ですか、無視ですか、無視ですか!! なんか心の中でなんか叫ばずにはいられない一刀

 

「えと、じゅん…」

 

キッ!  

 

睨まれた……

 

 

俺、何か悪い事したのかなぁ… なんかそう思わずにはいられなかった、あ、何か泣けてきた…

男が嫌いなのはわかるけど、なんかさぁ、もうちっとこうね、何か仲良くなりたいなとか…

しかし真名はともかく最近は荀彧という名前さえ呼ばせてもらえなくなってきてる、このままじゃいかんよなぁ…

さて、どうするか…、一刀は考える、そして候補を頭に思い浮かべる

 

 

A 全裸になって桂花に飛びつき全てを捧げる

 

B 桂花を全裸にして全てを捧げてもらう

 

C 女になる

 

 

なんかこの中だとCが一番受け入れられそうな気がした一刀、ち、ち○こ切れってのか!宦官になれってのか!無理ですママン!ボクはまだ使い切ってないんです!その時天の声が…

 

………はぁ、何考えてんだ俺…

 

とりあえず探してた本探そう、えっと孫氏、孫氏…

そして本を探し始めると、何か静かだった事に気付く、書庫を見回すと… 桂花はもう書庫から出て行った後だったり。

 

「……ほんと嫌われてんだなぁ…」

 

がっかりする俺、もうこの場所からすぐ出て行きたい衝動にもかられ探してる本をとっとと見つけて……「ん?」

 

すると、探してた孫氏の兵法を見つける、それは本棚にはなく、先ほど桂花がいた場所の脚立のような所に置いてあったのだった。

 

「……もしかして、見つけておいてくれたのかな」

 

とりあえずその本を手に取る俺。

 

 

 

そんな陳留の1コマ

 

 

 

 

陳留の街

 

この街は国でも有数の活気のある場所となっていた、治安も良く多くの商人が訪れ商いも盛んだった。平和であればこそ、商人以外の人々もやってくる、それが旅芸人のような人々である、今街では旅芸人達があちこちで芸を披露したりしている。

 

「わぁ、ねぇねぇ見てよ兄ちゃん、あの人達凄いよーー」

「凄いですね、兄様」

 

「へぇ、身軽だなぁ」

 

そこには数人の変わった民族衣装のようなものを着た人達が人間タワーのようなものを作ったりして注目を集めてたりする。違う場所では何やら変な人形を売ってたり、何か春蘭に似てる気がするけど、まぁいっか。

俺は季衣と流琉を連れて街を見回ってたりする、ほんとは一人で行くつもりだったんだけどもし何かあったらどうするのよー!って感じで警護って名目でついて来たのだ。

 

「そういや季衣は春蘭から兵隊の訓練まかされたてたんじゃなかったっけ?」との俺の質問に。

 

「………」

 

無視かよ!ってか聞こえてんだろ!

 

「はぁ、後で怒られてもしらないからな」

 

「その時はにいちゃんに無理矢理連れて行かれたって言うも~ん」

 

「なんでだよっ!」

 

ああ、なんかどんどん悪い子になっていってる気がするよ、大人の階段登っていったりしているよ…

けど無邪気に笑う季衣に今すぐ戻れって言えない俺、ああいいよ、俺が春蘭にボコられるだけでこの笑顔が守れるのなら!

 

「に、兄様?どうしたんですか?」

 

何かいつの間にか涙を流していた俺に流琉が優しく心配してくれる、うん、この子はほんといい子だなや。そういって流琉の頭を撫でてやると。

 

「あ、あの兄様、は、恥ずかしいです////」

 

「あ、ごめんごめん、さ、もっと見回ろうか!」

 

そしてまた街の見回りと言う名目の買い食いやら芸人見物が続ける。

 

「街ってこんなに楽しい所だったんですねー」

 

「そういや二人はずっと村にいて、あまり街には来なかったんだっけ?」

 

「いえ、たまに来たりはしてましたが、あの時はまだ盗賊達があちこちにいて、街もぴりぴりした感じだったんです」

 

「そっか、でも今は春蘭秋蘭、それに季衣と流琉のおかげでこの辺りは平和になったからね、ほんとありがとう」

 

「「う…うん、えへへ////」」

 

なんかこういう反応見るとまだ子供だよなぁとか思ってしまう、戦場では一撃で何人もの相手を吹き飛ばす一騎当千の武将だけどな、そんな話をしながら街を見回っていると、どこからかきれいな歌声が聞こえてくる、歌が聞こえる所に行ってみると。

 

「えと、それじゃあ私達の歌をきいてください!」

 

見るとそこには「張三姉妹」という立て札のようなものを立てかけた可愛い女の子三人組が何やら歌を歌っていた。

 

「へぇ~、可愛いなぁ~」

 

眼鏡の子は無口だけど一生懸命な感じが出てるし、短い髪の子は凄く元気そうでいかにも妹って感じ、そして、そして、真ん中の女の子はいかにもアイドルって感じで可愛い!あと胸が結構大きい!そんな事を考えながら歌っている三人をみてつい本音が口から出てしまった俺、それを聞いた流琉が俺の手をつねる。

 

「い、いてっ!な、何?流琉?…」

 

「知りませんっ!」ぷんぷんっ

 

何かふくれっつらの流琉、何か怒らせるような事したかな?

そんな事を考えてると彼女たちの歌が歌い終わる、確かに上手いとは思ったけど何か色々足りない気がした。

まぁこの時代の歌ってそういうものなのかも知れないけど、民謡音楽って感じで。

彼女達の前に置かれた入れ物にはお金がちらほらと入れられる。

もっと衣装とかも綺麗にして、歌も元気な感じのものにしたら売れそうなのになぁと色々考えてみたり。

そんな風にぼーっとしてる俺を季衣が何やら美味しそうな食べ物の屋台を見つけたらしく

凄い勢いで俺を引っ張りその場から立ち去る事になる、季衣落ち着こう、右手もげるから…

 

 

季衣が両手いっぱいに持った常人では絶対食べきれないほどの食べ物を美味しそうに食べながら歩いていると。

 

「あ、あのっ、て、天の御遣い様ではありませんでしょうか?」

 

と声がかかる、見ると何やら旅芸人っぽい人が声をかけてくる。

 

「は、はぁまぁ一応そう言われていますが、でも何で俺がそうだってわかったんですか?」

 

「それはもう、国中の噂ですから、見た事もないような真っ白くて光る服を着てる天の御遣いといえば一人しかいませんから」

 

「ああ、成る程」

 

そういやこの服の事はいつの間にか有名になってたって話を秋蘭から聞いたっけ。

 

「それで、何か用ですか?困った事があれば街の詰め所の方に言って頂ければ対応してくれると思うのですが」

 

「いやいや、困った事というわけではないのですよ、実は、天の御遣い様に知恵を授けてくれませんかというお話でして」

 

「知恵?」

 

話によるとこの人は旅芸人の座長で、色々回って芸を披露してるのだがあまりかんばしくないとの事。戦に巻き込まれて旅芸人の仲間が何人か死んだりしたり、治安の悪い所で道具が盗まれたりしたりで芸に集中できないのも理由だそうだが。

そしてやってきたこの陳留、平和なこの街で芸を披露したものの練習不足などもあって客の入りが悪いらしい。

 

「それで、悩んでいた時に御遣い様を見つけまして、これぞ僥倖!だと思い勇気を振り絞って声をおかけした次第でして」

 

「はぁ。でも俺芸とかそうゆうの全然わかりませんけど…」

 

「そこはそれ、天の国の知識でなんとかお願いします!このままじゃあっしらオマンマ食い上げでさぁ!」

 

そう言って必死で頼む座長さん、さすがに周りの目も気になって。

 

「わ、わかりました、でも上手くいくかわかりませんよ!俺芸とかそうゆうの全然わかんないんですから」

 

「ああ、ありがとうございます」

 

そんな訳で俺はその人に色々教える事になった、そしてその旅芸人の舞台のような所に連れて行ってもらい大体の演目を見せてもらう、季衣と流琉は始めてみる物全てが新しく楽しく見ている、だが俺はやっぱ地味かなぁとの印象を受けていた。

 

「い、いかがなものでしょうか?」

 

「んー、そうだなぁ、たとえば…」

 

そこまで言いかけた時、座長さんさんが。

 

「ちょ、ちょっと待ってくだせぇ!」

 

そう言って奥の方に行くと何やらガサガサ探して再び戻ってきた、そこには何やら本のようなものを持っている、何も書かれてない本らしく俺の言う事を書きとどめる気のようだ。

 

「ど、どうぞ!」

 

なんかそんなかしこまってやられると緊張するな、季衣と流琉もなんかワクワクッて感じで俺を見てるし。

 

「えと、まず舞台だけど、俺のいた世界じゃ…」

 

そう言って俺は元の世界のTVとかで見た歌番組とか舞台の事を思い出して色々な仕掛けや色使いなんかを教えるその一つ一つに座長さんは「ほぉーーー」っと言う感じに関心して本に書き留めていく。

 

「あと、歌の前とか曲の合間にお客さんと話したり、掛け声のようなものをかけるのはどうかな?

なんかこう一体感のようなものとか出てお客さんも楽しめる気がするんだ」

 

「ほおおお、成る程成る程!ほ、他にはどのようなものがっ!」

 

なんかどんどん求められるものが増えてくるな、まぁ俺も何か段々楽しくなってきて思い出せる限りの事を思い出してみる。

あと歌とかもなんか覚えてる歌を歌ってみせる、その歌にも座長さんは「ほおおーー」って感じで感心してくれるので俺はちょっと気分がよかったり、カラオケやりてぇなぁ。

 

ちなみに季衣と流琉は最初はちゃんと聞いてたが途中で練習してる旅芸人を見てたり。

そんなこんなで長々と教えて、もう夕方になろうとした頃、俺はようやく座長さんから解放された。

 

ぜーぜー「え、えと、もうそろそろいいですかね?」

 

「ええ、ええ、ありがとうございます、これでうちらもなんとかやっていけますです」

 

そう言うとその書き留めた本を大事にかかえ帰っていく、何か疲れた、えっと季衣と流琉は…

 

くかー、くかー  寝てるし。

 

俺は二人を起こ… 起きねぇし!  そんな訳で寝てる二人を抱えて城に帰っていくのであった。

 

 

翌日腰痛になった一刀の姿がそこにあった。

 

 

 

 

陳留にある居酒屋のような場所。

 

「はあ、今日の実入りも今ひとつだったわねぇ…」

 

「こんなんで大陸一の旅芸人になれるのかなぁ…」

 

「ほら二人とも気にしないの、明日は良い事あるからぁ」

 

そう言って明るく言うのは長女の張角、真名は天和、先ほど街で歌を歌っていた旅芸人。

 

「天和姉さんは気楽でいいわねー」

 

そう言って文句を言ってるのは次女の張宝、真名は地和。

 

「あー、ちーちゃんひっどーい!」

 

次女の言葉に可愛く文句たれる長女の天和さん、そんな様子を見ながらはぁっと溜息をつく眼鏡の子

 

「けど、ほんとに何とかしないと行き倒れになってしまうわ、もうお金もないし…」

 

そう深刻に言うのは三女の張梁、真名を人和と言う。

 

「わたしもう田舎とか回るの嫌だからーー!!あーん誰か後援者とかついてお金とか出してくれないかなー」

 

などと文句を言いながら今後の事について語り合っていたその後ろの席では。

 

「ういーーっく、いやぁ今日は気分がいいやなぁーーー」

 

そう言ってベロンベロンに酔っているのは一刀に色々教えを請うていた旅芸人の座長さん、一刀から教えてもらった色々な新しい知識を読んで気分がハイになったのか一人で飲みに来ていたのだ。

 

「あしたからはぁーーこのほんにかいてることでがぁっぽりかせぐどーーーーー」

 

そう言ってよろよろと立ち上がると店を出て行こうとする、が、ふらついて天和達の席にぶつかってしまう。

 

「ちょ、ちょっと何するのよ!気をつけてよ!」

 

当然の如く怒る地和、座長さんはスミマセンスミマセンと頭下げるとさっさと店を出て行ってしまう。

 

「もう、今日はほんと散々だわよー、はぁーー」

 

「まぁまぁちーちゃん……ん?これなんだろう?」

 

そう言って床に落ちてる本を拾う天和、中を見てみるが何が書いてるのかイマイチよくわからない。それを見た人和が。

 

「さっきの酔ったおじさんが落としていったんじゃないかしら?」

 

「え、じゃあ困ってるよね、返しにしかなきゃ!」

 

そう言って外に出た天和だったがすでにお頭の姿はなかった、しかたなく店に戻る天和、どうしよう~なんて言ってると。

 

「いーじゃんほっとけばー、忘れたの気付いたらそのうち戻ってくるでしょー」

 

「んー、そうだね」

 

「ところでそれ何の本?何が書いてあったの?」

 

という地和の問いに天和は。

 

「んーー、おねえちゃん難しい事わかんなーーい」

 

「あー、もうっ、見して!」

 

そう言うと天和からひったくるようにその本を手に取る地和、むぅーって感じにふくれてる天和をよそにそれを見る地和。

しばらくするとその手がワナワナと震えてくる、そして。

 

「天和姉さん、人和、これ…凄いよ!」

 

「「何が?」」

 

地和のいつもと違う様子に二人は聞き返す、すると。

 

「これ、私たちが思いもつかなかった舞台とか歌の事が沢山書かれてある!凄いよ!これを実践していったら私達きっと大陸一の旅芸人になれるわっ!」

 

「ほんとに!?」

 

「ええ!きっとこれは天から私たちへの贈り物に違いないわ!うんきっとそうよ!そうに決めた!」

 

「でも、さっきの人のだったら…」

 

天和がそう申し訳なさそうに言うと、

 

「これがさっきの人のものって決まった訳じゃないじゃない!それに…、そうよこれは私達が落とし主が現れるまで預かっておくだけ!それで私たちが大陸一の旅芸人になったらその人にいっぱいいっぱいお返しすればいいのよ!ね!」

 

なんていうか都合の良すぎる話ではあるが、その本を読んだ人和も。

 

「確かにこれ、凄い、やってみる価値あるかもしれない」

 

と、そうなると地和も「でしょ!でしょ!」と相槌をうつ、天和もその二人の姿をみて。

 

「じゃあ、早く大陸一の旅芸人になってその本を持ち主さんにお返ししないとね!」

 

という感じになった、こうして張三姉妹は不思議な本を手に入れたのだった。

 

 

 

 

それが、この大陸を揺るがす事になろうとも知らずに……

 

 

 

 

幾日かたったある日、早馬である知らせが陳留に届く、内容は。

 

「黄色の頭巾を被った盗賊が各地に現れた」

 

 

 

あとがきを書いたり削ったりしてます

 

今年中に書けるかとか二回にわけようとかで色々考えてたもので、すみませんまだまだ未熟で…

 

とりあえず5を上げれたのでまた復活あとがき

 

あんまここを書いたり消したりってやっちゃダメなんだろうな…


 
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