第十三章
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【郵政制度の施行 一】
煌蓮「ぬううぅぅぅ……があああぁぁぁ!!! 成都からの酒と月餅(げつへい = せんべい)は
どうしたああぁぁ!!?? まだ来んのかあぁ!!?」
お母さんが荒れている。
祭「酒が来ぬ、酒が来ぬわ!!」
祭さんが怒り出している。
星「困りましたな…今日になってもメンマが届かぬ…
これでは酒盛りが出来ませぬぞ。 主、何とかなりませぬか?」
星が嘆いている。
雪蓮「ぶーぶーぶー、せっかく星ちゃんのメンマがまた食べられると思ったのにぃー」
雪蓮がぶーたれている。
~一週間後~
春蘭「北郷! 入るぞ!!」
秋蘭「北郷殿、失礼する。 少々よろしいか?」
俺が自分の部屋で竹筒の山の標高を下げるべく格闘していたとき、
魏の三人組が揃って俺の部屋に押しかけてきた。
一刀「ん? どうしたんだお前ら? 三人揃って珍しいじゃないか」
華琳「単刀直入に言うわ一刀。 ちょっとこれを見なさい」
そういって華琳は、俺に何冊か竹筒を差し出した。
一刀「……何だこれ?」
華琳「秋蘭、説明なさい」
秋蘭「はっ。 これはな、北郷殿…蜀に向けて注文した品々の発注書だ」
華琳「よく見なさい一刀。 その発注書の日付はいつになっているかしら?」
一刀「今は十二月だから…十月!!? 函谷関の戦いのすぐ後の日付じゃないか!?」
春蘭「そうだ! 我々は趙雲が一押しのメンマを三ヶ月も待ち続けているというのに、
いまだに洛陽まで送られてこないのだ!!」
華琳「まったく…漢中で商人が盗賊に襲われて、
その影響で斜谷関の手前で荷物の流通が滞っているのよ。
文台様に頼んでこちらから兵を三千ばかり差し向けて討伐に行かせたけれど、
こういう面倒ごとはもう起こって欲しくないわね」
一刀「マジか…」
孫呉が天下を統一したとはいえ、まだまだ俺たちの目の届かないところで
争いは続いているということか。
こいつは抜本的な流通制度の改革が必要になってきたな……。
華琳「クスクスクス……声に出ていたわよ、 か ず と」
一刀「げぇっ!! マジかぁ!!??」
春蘭「出ていたな」
秋蘭「出ておりましたな」
HAHAHA!! ものすごく恥ずかしいところを見られたぜぇ!!
華琳の悪魔の微笑が俺に迫る。
華琳「で? あなたはどうやって今の流通制度を改革してくれるのかしら?
私たち三人が証人よ。 自分で言ったからには責任はしっかり取りなさい、いいわね?」
一刀「ぬうぅ……」
華琳「返事は?」
一刀「分かった……とりあえず十日ほど待っててくれ。 その間に原案を作ってみる。
その代わり、それまでの間の仕事は代わりに風と穏に肩代わりしてもらわねばならん。
それでも良ければ、やってみる」
華琳「良いでしょう。 ならばそこにある竹筒は、あとで稟に回収させましょう。
代わりに監視人として文台様と関羽をつければ良いでしょう。 それで良いかしら?」
一刀「なぬううううううぅぅぅぅぅぅl!!!!!?????」
華琳「それじゃ、期待してるわよ…クスクス」
コイツぁヤバイ!!
まじめに取り組まんとお母さんと愛紗にフルボッコの憂き目に会いかねん!!
虎と龍をまとめて俺の部屋に放り込みやがって! 後で覚えていろ華琳め!!
しばらくして、鬼神が俺の部屋にやってくる足音が聞こえ始めた……。
あれ? というか俺のほうが身分上なのに、
なんでいつの間にあいつの“命令”に従ってんだ俺は??
病琳「クスクスクス……ホント、いぢめ甲斐があるわね、あの男は……ウフフフffffff」
バーーーーーーーーーーーーーンンンンン!!!!!!
煌蓮「坊主ぅ! 華琳ちゃんから聞いたぞ!!
荷物の流通をどうにかしてくれるんだって? そいつぁありがたいね」
愛紗「ご主人様、曹操殿より話は聞いております。 政務の手伝いに参りました」
あの戦いで恋や翠をも倒した、孫呉最凶最悪の虎、孫堅。 孫呉が誇る一騎当千の龍、関羽。
俺の部屋に、鬼どもがやってきた。
菖蒲「ひんひん……お食事を持ってきたのですが……怖くて主上のお部屋に近づけません……」
俺のお付きの仲居さんが、部屋の外で悲哀にくれていた。
がんばれ菖蒲と応援してやりたいが、虎と龍に睨まれた今の状況では、とてもそれどころではなかった。
俺は孫呉の未来のため、これから命を賭した戦いに赴かねばならない。
許せ、菖蒲えええぇぇーーー!!!
菖蒲「(主上の志、確かに伝わりました。 この徐公明、あなた様を陰ながらお慕い申しております!!)」
第十三章四節終了
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