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聖剣伝説2 another 第7話 ~ちなみの不安~

※全90話程度。オリキャラ・独自設定多数。
 聖剣2の世界観・キャラを使った、オリジナルストーリーに近いです。
 聖剣シリーズ以外の要素も、度々登場します。

※pixivにて完結済の、同タイトルの作品の再掲です(ごく一部に修正点あり)。

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2023-06-17 19:34:55 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:188   閲覧ユーザー数:188

第7話 ~ちなみの不安~

 

<マンダーラの村>

 

程塚(ほどづか)「ハア、ハアッ…おいカズ、そろそろ自分で歩けよ!?」

和樹「ゴ、ゴメン…」

 

フラァッ

 

遊太「ちょ、大丈夫っすかカズさん!?」

姫花(ひめか)「全く、変な技出した途端にへたり込んじゃって。

        カッコいいんだか悪いんだか…」

 

ポポイ「でもさ~凄かったよなさっきの技!

    どうやったんだあれ?」

和樹「あはは、わかんない…何か 勝手に体が動いて…」

ランディ「まあ、みんな話したいことはいろいろあるだろうけど。

     まずはあそこに入ろうか」

 

スッ

 

ちなみ「あっ…服屋さん?」

プリム「あんた達、元の世界の格好だと

    ちょっと目立ちすぎちゃうからね~」

姫花「わ~ こっちの世界のファッション気になる♪」

 

程塚「よし、そうと決まったら…おいカズ、転ぶなよ?」

和樹「う、うん……が、がんばる…」

<マンダーラの村・服飾店>

 

ちなみ「わぁ、姫ちゃんのそのピンクのブラウス可愛い♪」

姫花「ありがとっ!ちーちゃんのワンピースも すっごく似合ってるよ!」

 

遊太「いや~やっぱRPGと言えば 装備調達っすよね!」

程塚「遊太お前…派手すぎじゃねえか?」

遊太「え、冒険者って言ったらこんな感じじゃないすか?」

程塚「…まあ、いいけどよ…って、カズお前それ…」

 

試着室から最後に出てきた和樹に、全員の視線が集まる。

 

和樹「……え?へ、変かな?」

程塚「いや、変っつーか…」

 

姫花「ちょっと和樹、それサイズ合ってなくない!?」

和樹「え?これ この店で一番小さいサイズなんだけど…」

姫花「あー……あんた ちっちゃいからねー、仕方ないか」

和樹(グサッ!!)

 

姫花の遠慮のない一言で、途端にうなだれる和樹。

 

和樹「うっ、ううっ…;;」

ちなみ「だ大丈夫だよカズくん!!これから一緒に牛乳飲もっ!」

プリム「……それ、フォローになってる?」

 

ランディ「…えーっとまあ、とりあえずその格好なら

     みんな変な目で見られることは無いかな」

ポポイ「んじゃ、宿屋いこーぜ宿屋!オイラ腹減っちゃったよー」

ランディ「そうだね。みんなも疲れただろうし、

     今日はもう休もうか」

姫花「さんせ~あたし もうクタクタ~」

<マンダーラの宿屋・寝室>

 

ランディ「…じゃあ、和樹君も あの技に心当たりが無いんだね?」

和樹「はい…わかることといえば、

   あの後めちゃくちゃ疲れたってことくらいです」

ランディ「敬語使わなくていいよw

     うーん…グルーロード達が何故襲ってきたのか、

     そもそもあいつらが何者なのかも わからずじまいか…」

 

プリム「あんた達がどうしてこの世界に来ちゃったのかも

    どうやって帰ればいいのかも 謎のまま…」

遊太「ま~わかんないこと考えてても 仕方ないっすよ!

   こっちには聖剣の勇者がついてるんだし、何とかなるっしょ!」

姫花「お気楽ねえ…でランディ、明日からどうするの?」

 

ランディ「うん、僕に考えがあるんだ。

     君達を連れてきたフラミーの故郷に行けば

     何かわかるんじゃないかと思って」

和樹「あっ…マタンゴ王国ですか!?」

ランディ「よく知ってるね。僕らがフラミーと出会ったのもあの場所だし

     手がかりがあるかもしれない」

 

程塚「雲をつかむような話だが…他にアテも無いしな」

ちなみ「ごめんなさい、私達の為に いろいろしてもらっちゃって」

 

ポポイ「気にしなくていーぜ!

    かわい子ちゃん達の為だからな!」

プリム「そそ。あたし達も 久々にトリュフォーに会いたいしね」

ランディ「じゃあみんな、今日は早めに休むといいよ」

<その夜・宿屋のバルコニー>

 

程塚「……ん?ちなみちゃん?」

ちなみ「あっ…程塚君!?

    ごめんね、私が外に出る物音で起こしちゃった?」

程塚「いや、何となく目が覚めただけ。

   ちなみちゃんこそどうしたの?こんなとこで」

ちなみ「うん…何かね、眠れなくて…」

 

ちなみは物憂げな表情で、景色を眺める。

 

ちなみ「程塚君は…怖くない?」

程塚「…こんな世界に来ちゃったこと?」

ちなみ「うん。お父さんとお母さん心配してるかなとか、

    このままずっと帰れなかったらどうしようとか…

    そんなことばっかり考えちゃって」

程塚「……」

ちなみ「あっ、ご、ごめんね!?急にこんな話しちゃって…」

 

程塚「……大丈夫だよ」

ちなみ「えっ?」

程塚「遊太ほどお気楽になれとは言わねーけどさ。

   あんなあぶねー連中にちょっかい出されても 何とかなったじゃん。

   だからこの先も 何とか上手くやってけるって」

ちなみ「そ、そっかな…」

 

程塚「ランディ達も 俺らの為にいろいろ考えてくれてるし。

   みんなで頑張れば、絶対帰れるって。

   頼りねーかもしんねーけど カズもいるし遊太もいるし…俺もいる」

ちなみ「……程塚君……」

 

程塚「…そ、それにさ!漫画とかでよくあるじゃん?

   別の世界に何年もいたのに、

   元の世界だと1日しか経ってなかったーみたいな」

ちなみ「…浦島太郎の逆みたいな?」

程塚「それそれ!だからさ、あんま心配しすぎることないって」

 

ちなみ「…うん、そうだね。ありがと程塚君!

    何かちょっと元気でた」

程塚「…またいつでも 話聞くからさ」

ちなみ「ありがと!私そろそろ寝るね。おやすみ!」

程塚「うん、おやすみ」

 

ギィッ バタン

 

程塚「……ふう。何カッコつけてんだ俺…」

 

                     (続く)


 
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