No.1117682

【獣機特警K-9IIG】大追走(2)【交流】

古淵工機さん

2023-04-02 17:42:04 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:387   閲覧ユーザー数:377

さて、トラックの走り去った方向に向け飛行中のナインチョッパー。

 

「……隊長!例のトラックを発見しましたぜ!」

「ターミガン・バレーのインターチェンジで降りるようだな……」

 

ターミガン・バレーはラミナ市から南西に離れた位置にある地方都市である。

貿易港や貨物用の宇宙港、倉庫などが並ぶ産業都市といった趣の街だ。

 

「トラックはどこへ行くつもりなんだ?」

「……待ってください、前方に何やら宇宙港らしきものが」

「宇宙港?しかしあの宇宙港は確か」

「10年ほど前に使用停止になっているようですが……」

「よし!先を調べるぞ!!」

 

ナインチョッパーは怪しげな旧宇宙港の近くへと回り込む。

 

「……妙ですね。使用されていないはずのハンガーが開いてます」

「ますますもって怪しいな。ジョニー、もっと接近してみてくれ」

「了解!」

 

ナインチョッパーは少し高度を下げ、旧宇宙港にあるハンガーに近づく。

例のトラックから物資が出され、輸送船へと積み替えられているようである。

 

「怪しいコンテナだな。何が入ってるんですかね」

ぼやくミライの横で、イシスはその現場に視線を向ける。

 

「……アイカメラをズームモードに切り替え。自動補正オン……」

イシスの両目に搭載されたカメラがズームモードで稼働する。

こうすることで、人間には見えない遠くの情報も把握することができるのだ。

 

「どう?」

「ハッキリとはわかりませんが、中にはカプセルのようなものが入っているようです」

「カプセル?」

「何かのガスか液体が収められて……」

 

その時である!

ナインチョッパー機内にアラームが鳴り響いた!

 

「危ない!対空ロケットだ!!」

「ちっ!さすがに高度を下げすぎちまいましたか!ジェットモード!!」

ジョニーが手元のスイッチを押すと、ナインチョッパーはジェットモードへと変形。

旧宇宙港から撃ち放たれたロケットをすんでのところで回避し、そのまま現場空域を離脱したのである!

 

「危ないところだったな……」

「ですが隊長、画像はとらえましたよ」

「……よし、すぐラミナ署に転送だ」

「我々はどうするんです?」

「さっきみたいに不用意に近づけば撃墜の危険があるな……近くに身を隠せそうな廃倉庫がある。そこに着陸するぞ」

かくして屋根が抜けた廃倉庫に着陸したナインチョッパー。

すぐに機外に出て張り込みを開始するK-9隊の四人。

 

「……なかなか動きませんね」

「向こうも警戒してるんだろう。悪いことやる奴ほど用心深いっていうしな」

 

旧宇宙港は目と鼻の先。なかなか動きがない。

 

「……ずいぶん慎重なことだな」

缶コーヒーを飲みながら警戒監視にあたっていたクオンたち4人に通信が入る。

 

「はい、こちらクオン」

『……ラミナ署のエルザだ。先ほど君らが送ってきた画像の件で話がある』

「あの旧宇宙港の?」

『そうだ。どうも怪しいからと思って鑑識を依頼したんだが、実はその時に似た内容の、それも高精度の画像が送られてきてな』

「高精度の……ですか?それで送り主は?」

『……ストレィキャッツ海賊団のキャプテン・ミミナだ』

 

その名前を聞いた瞬間、ミライはため息をつく。

「……あーあ、タッチの差で出し抜かれたってわけね……」

「それで、その画像の内容は?」

『ああ、君らが想像している以上にとんでもないモノだそうだ』

「とんでもないもの?」

 

エルザは衝撃の名を口にした。

『……粒子エネルギー触媒……それも反物質精製用のだ』

「反物質を?」

『ああ、ハンガー内部の透視画像も送られてきたが、中には反物質砲が入っていたよ』

「なんですって!?」

そのあまりの内容に、驚愕する4人。

 

『あのクラスの反物質砲は小規模の都市なら一撃で壊滅できるほどの威力があるそうだ。奴らの目的がどうであれ、そんなものを使わせるわけにはいかん。すぐに阻止するんだ!』

「わかりました!……よしみんな、すぐに突入するぞ!!」

「「「ラジャー!!」」」

 

果たしてK-9隊はこの恐ろしい陰謀を阻止できるのか?

次回、決着!!


 
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