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真・恋姫†BASARA 革命 孫呉の血脈と真田が魂03

長らく遅れてごめんなさい。

2023-02-28 08:11:16 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:740   閲覧ユーザー数:688

 

ここから注意事項です。

キャラをちゃんと活かしきれていない、駄文、恋姫主人公である北郷一刀はでないし出さない。

原作至上主義な方々にとっては、とても不快に思われる可能性があります。

 

原作のBASARA武将も登場しますが、選別は作者の好みで。

更にオリジナルのBASARA武将も登場予定です。

 

そしてBASARA武将と恋姫キャラとのカップリング描写もあります。

 

どうかご了承くださいますよう宜しくお願い致します。

 

イメージOP「JAP」アーティスト・abingdon boys school

 

 

イメージED「黄昏」アーティスト・do as infinity

 

 

 

 

 

 

第二章 江東の虎と信濃の獅子

 

 

前回、不思議な鏡によって日ノ本の世界から三国志の世界へと飛ばされた真田信之、その彼は揚州にある建業にて保護されていた。

そこで目を覚ました信之に声を掛けたのは孫堅の重臣である黄蓋、孫堅の軍師である周瑜、そして孫堅の娘にして孫家長姉・孫策であった。

更に信之は孫策たちに誘われように謁見の間へと連れてかれ、現在彼の目の前には三国志において有名にして江東の虎と称された武将であり孫家当主・孫堅が玉座に座し信之を興味深く笑みを浮かべて見つめていた。

 

「(ここは...謁見の間であろう。見て通り作りが完全に日ノ本の物とは断じて違う。ならば此処はまこと三国志の世だとでも言うのか...)}

 

などと思考している信之。そんな彼に孫堅は声をかける。

 

「おい貴様、こっちを向け」

 

「....は」

 

「ククク...」

 

彼女の言葉に応える信之は動揺せず玉座にいる孫堅に目を向ける。すると娘孫策が信之に向けた視線と同じくこちらを品定めするかの如く射貫かんと見つめる。

更には並みの人間では怖気づいてしまう程の威圧感をまるで牽制なのか、はたまた試すつもりで態と放っているのかは不明だが信之に向けている。

されど信之からしてみれば武田信玄、豊臣秀吉、織田信長に比べれば彼女の威圧感など小さき風の如くびくともしせず淡々に無表情でいる。

 

「ほう...?オレの威圧を真っ向から受けて何ともなしとは...フフッ」

 

軽く微笑む孫堅。その彼女の顔を見れば男であれば胸の奥がときめくであろう。

正に絶世の美女――更にその女体は全ての男を惑わす妖艶にして今にも手を出して物にしたいぐらいだ。

しかしその女体、人間の美しさと言うよりもまるで虎や獅子みたく完成された肉食獣の美しさに近いものを感じる。

そんな孫堅と信之の様子を見て、孫策と黄蓋は驚嘆の気持ちで見ていた。

 

「祭、見て。信之ったら母様から発してる気に対して何とも感じてないみたいよ」

 

「うむ、一切動揺しておらんようじゃ。普通の男であれば足を震わせておるものを...中々に胆が座っておるのう、これはワシも興味がわくわい」

 

「ええ、そうね...でも」

 

見つめ合う信之と孫堅――そこへ孫策が割って入り、呆れながらに苦笑交じりで口を開いた。

 

「母様。いつまでも見つめてるだけじゃ、信之が困るじゃない」

 

「のぶゆき?それがこの者の名か?」

 

「そうよ、真田信之」

 

「ふむ....。祭、分かっていることを話せ」

 

「ハッ!」

 

孫堅から報告せよとの命に黄蓋は素早く応え、信之とのやり取りをまとめて説明した。

彼女からの報告に目を細める孫堅。

 

「ほほぅ....なるほどな。おい!」

 

「ハッ」

 

「オレは呉群太守、孫堅文台だ」

 

「(やはり孫堅だったか...しかも女子)」

 

先ほどの部屋にて古参重臣黄蓋や天才軍師周瑜、そしてその孫堅の嫡子にして小覇王と謳われる孫策と出会ったのだ...なればその孫策の親である孫堅ともと考えるのは自明である。

その呉群を統べている彼女から名乗って貰った以上、信之も名乗られねば失礼に当たると静かに己が名を口にする。

 

「お初にお目にかかり申す。真田信之でござる」

 

「フフッ、見れば見るほど中々に良き面構えをした男だ。のう?」

 

「胆も遥かに据わっておりますぞ」

 

「ええ。その辺の子供どころか軟弱な男ですら、母様の前に立ったらそれだけでオシッコ漏らしそうだし」

 

「ふんっ」

 

孫堅に聞かれた黄蓋と孫策は笑みを浮かべ次々に信之の姿勢を称賛する。そんな中でも謁見の間に入ってから静かに一言も声を発していない周瑜は、ずっと信之の見つめていた。

その彼女にも孫堅は信之をどう見るか問いかける。

 

「おい公瑾、貴様はどう見る?」

 

「今の段階では何とも...しかし」

 

「ん?」

 

「この者...見て通り武人として優秀なのでしょう。軍師である私でも見て察します」

 

孫堅や孫策、黄蓋は意外と目を丸くする。何せ彼女――周瑜公瑾は、その場でハッキリとした結論は出さずそして怪しい者や初に目する者をその日その場で高く評価するなどしない女性であった。

その彼女が目の前に居る信之にはそう評したのだ、これはまさかと――孫堅は再び目を細める。

 

「ふむ...おい、貴様――真田信之と言ったな?」

 

「ハッ」

 

「自分が倒れていた時の話は、もう聞いているのだな?」

 

「ハッ。黄蓋殿から既に...」

 

「ならば、貴様はまことに天の御使いで間違いないな?」

 

そう問う彼女に信之は首を横に振りながらに答える。

 

「いえ、某にはその天の御使いとやらが何のことかサッパリ分かりませぬ...」

 

「管輅の預言よ」

 

っと孫堅は不敵に笑い返すが信之には全く分からなかったが、それに補足するように周瑜が口を開いた。

 

「黒天を切り裂き、天より飛来する一筋の流星。その流星には天の御使いを乗せ、乱世を鎮静す」

 

「乱世を鎮静す?」

 

「言葉の意味は分かる?」

 

不思議がる信之に孫策が微笑むように問いかける。

 

「...意味は分かり申した。されば、その星とやらと共に落ちた....某がその、天の御使いであると?」

 

疑問を抱く信之に孫堅も疑問を口にする。

 

「しかし、わからんな。公覆の話では、貴様は海を渡った東方の島国に住んでいたそうだな?それがなぜ、天からこの地に降って来たのだ?」

 

「某には皆目見当がつきませぬ。されど...違いが一つ」

 

「違いだと?」

 

信之は説明した。自分がこの三国志の世界から数千年の未来での東方の島国――日ノ本にて戦国武将として幾つも戦場を駆けていたことを....。

その日ノ本でも戦が絶えず100年も続いたことも話し、漸く自分が仕える徳川家康によって終止符が打たれたことも話した。

そう話す信之の様子は一切の焦りや動揺、躊躇はないことを見ていた孫堅は突然笑い始めた。

 

「はっはっ!!面白れぇ!」

 

「ん?」

 

突如笑い飛ばす孫堅に訝しげにする信之。

自分の説明に納得しているとは思ってはいないが、孫堅は彼を頭ごなしに否定する気はない様子。

だが周瑜は信之に対して怪しむように見据えながら口にする。

 

「信じがたい話だな。未来から来たと言うのなら、お前はこれから先に起きることが分かるのか?」

 

「いや、某は知っているとは申さぬ。ただ歴史の史書に目を通したのみ...」

 

「なんじゃ、ハッキリせんなぁ」

 

「....」

 

信之からしてこの状況は正に異常すぎる。何せ歴史の英傑たる三国志の武将が目の前に――それもしかもこのような美女としているなど誰が予想できるものか。

これが俗に言うタイムスリップであれば現代人は理解するかもしれぬが、戦国時代の人間である信之には分かるわけがない。

 

「...申し訳ない」

 

信之には謝罪の言葉を述べる他にない。

だが孫堅はそんな信之に対し別の話をしだす。

 

「真田信之よ。貴様は先ほど戦場を駆けていたと言っておったな?」

 

「ハッ」

 

「よかろう!!真田信之!!貴様の腕を試す!!」

 

「試す...?」

 

 

 

 

孫堅の信之に対して試すと言う言葉に「まさか」と思いつつも、彼女の先導で連れてかれるまま移動している。

その信之の後ろには黄蓋が、左には周瑜がおり、そして彼の右には....

 

「ねぇねぇ信之」

 

「何か」

 

「あのさぁ~、信之の頭の後ろの髪束触っていい?」

 

「ダメだ」

 

「ぶぅ~!けちぃ!」

 

「はぁ~雪蓮ったら」

 

長い後ろ髪を二房に束ねた髪束に触りたいと様子の孫策は無邪気に触る許しを求めるが、案の定信之は拒否し断られた孫策は面白くないと頬を膨らませて拗ねるのだった。

そんなやり取りに周瑜は呆れ頭を抱える。

そうこうしていると大きな広場にたどり着いた一行、見渡す限りただの広場ではなく戦装束をした男たちが何人もいる。

 

「ここは...鍛錬場、か?」

 

信之がそう口に漏らすと孫堅はニヤッと口角を吊り上げながら振り向いた。

 

「そうだ!」

 

「それで....某を試すと申されたが、何をすればよろしいか?」

 

正直此処に来て分からぬ信之ではないが敢えて尋ねる。

 

「決まっておろう。貴様の力、どの程度かオレ自ら試してやる!」

 

「「「っ!?」」」

 

「(やはり、か...)」

 

孫策たち三人は驚愕する中、信之は「やっぱり」かと悟る。

だが孫堅の娘である孫策は納得しなかった。

 

「ちょっと母様!!いきなり何を言ってるのよ!」

 

「やかましい。此奴は武人として出で立ちが中々に良い、ならその腕前を披露して欲しいのさ」

 

「はぁ~もう!だからって...」

 

「じゃが策殿。堅殿が言うておることには確かじゃ」

 

「祭...」

 

黄蓋もまた信之の実力が気になっているのか、孫堅の意見に賛成する。

周瑜は何やら兵士たちに指示している様子で、それを受けた者たちは急ぎ何処かへと走っていくのだった。

 

「ちょっと冥琳。何してるの?」

 

「私もあの男の力量には興味がある」

 

すると兵士たちは複数である物を運んできた。それは信之が愛用している武器である、梯子槍「御嶽断」をであった。

兵士たちは重たそうに苦悶の表情を浮かべている様子で、信之の下まで近寄ってきた。

 

「それは貴様の得物であろう?」

 

「然り....だが」

 

「ん?」

 

「それで今から某は如何する?」

 

「フッ」

 

信之の問いに孫堅は不敵に笑みを浮かべながら自身の手にしている孫家当主の証である剣――「南海覇王」を鞘から引き抜く。

 

「知れたこと...オレと今から一戦やってもらう」

 

「...」

 

信之はただ無言で兵士たちから梯子槍を受け取る。漸く重い物から解放されたのか彼らはぐったりしながらも走って去る。

信之が孫堅の申し出を受けたと判断したのか、孫策たち三人は2人から離れて見学することに。

二人の間に物々しい空気が立ち込め、信之と対峙する孫堅始まる前から冷や汗が流れる。

 

「(このオレが冷や汗とは....だが面白れぇ!目の前此奴は今まで奴らとは違う!)」」

 

「....」

 

これから試合う相手に気分が昂揚している孫堅とは打って変わって、信之は淡々と彼女を見つめて梯子槍を構える。

向こうが自分に「いつでも来い」と臨戦態勢を取って見せていることを確認した孫堅は滔々地を蹴り、信之に向かって剣を振り下ろした。

 

「テヤァアア!!」

 

「ふんっ」

 

孫堅が振り下ろした剣を信之は梯子槍で上手く防御し、次いで薙ぎ払うように振るう。

孫堅は上手くこれを回避し距離を取った。

 

「中々にやるじゃねぇか!初撃を難なく受け流すとはなぁ!」

 

「...」

 

信之はただ静かに相手を見据える。孫堅はまたも勢い良く信之に挑み、容赦なく剣を振るい続ける。

 

「テヤァ!!はああああっ!!」

 

「ふんっ!オオオオ!」

 

孫堅と信之の一戦を見ている三人は言葉を無くしている。まさか自分たちの主たる孫堅とここまでやり合えるなんて驚きだが、それをまさか男である信之がこれ程とはと驚嘆の思いを抱いている。

 

「まさかあの堅殿とここまでやり合うなど....」

 

「えぇ、真田信之....侮れない男だ」

 

「そうね....それに」

 

「雪蓮...?」

 

「なんだか、信之と戦っている母様が凄い楽しそうよ。フフッ」

 

外野がそんなやり取りをする中、孫堅が繰り出す連撃を信之は全て裁き切り今度は彼自身が攻める番へと変わる。

 

「押し通る…」

 

「来るか!」

 

信之は一跨ぎにて孫堅の懐まで近づいてきた、これに孫堅だけでなく孫策たちも驚愕する。

 

「なに!?」

 

「噓でしょ!?」

 

「堅殿の懐に入りこんだ!?」

 

 

「オレがこうも簡単に間合い入られるとは!?」

 

信之はハシゴ槍を連続で振り回す。

 

「とやっ!せいッ!」

 

「くぅ!!!」

 

信之の剛腕から振るわれる梯子槍の連続しての剛撃に成す術なくただ剣で防御するが、だが信之にそのような防御など意味は為さない。

だがこのまま黙ってやられる程孫堅は間抜けではない。彼女はゴリ押しで信之の攻撃を何とかくぐり抜けて逃れる。

 

「母様が信之の攻撃から逃れたわ!」

 

「ああ」

 

「うむ、じゃが....」

 

 

「はぁ...はぁ...」

 

何とか逃れたものの所々に信之から受けて傷が出来ている。それを見た孫策たちは焦るが、当の本人は嬉しそうに笑みを溢して信之に語る。

 

「いい...いいぞぉ!これ程にオレにここまでやるとはっ...!」

 

「ここまででござる」

 

「は?なぁに言ってやがる!...っと言いたいが、余りやり過ぎると五月蠅いババァが居るんでな。次の一撃で終いにしよう」

 

「相分かった...では」

 

「ん?」

 

すると信之の周りの空気が一変...

 

 

「行くぞ、更に前へ…」

 

「「「「っ!?」」」」

 

それは正に戦場を駆け、あらゆる修羅場を超えた者でしか到達しえない程に闘気。

孫堅たちはその様に戦慄する、自分たちが拾ったこの男はとんでもない者なのではないかと...。

孫堅は戦慄しながらも同時に興奮が湧き立つ、目の前のこの男はまだまだ力を出すことが出来るのか――ならもっとそれが見たいと彼女の武人としての欲が増す。

 

「見せろ!!貴様の力をっ!!」

 

「良かろう...この信之!真田まことの武士也ィ…ッ!!」

 

その雄叫びと共に信之は梯子槍に己が剛力を込めて孫堅に振るう。

孫堅も負けじと信之に己の剣である南海覇王を振るい両者は激しく激突し辺りが爆発、地面から巻き上がった砂が土煙となって立ち込めるのだった。

 

「何も見えないわよ!」

 

「どうなった!?」

 

「堅殿はっ!?」

 

やがて土煙が薄れていき、人影が見えてきた。

 

「あれはっ!?」

 

「まさか....」

 

「なん...じゃと!?」

 

土煙が晴れて見えた姿――立っていたのは、真田信之であった。

そして彼の両腕に抱えられている孫堅は目を閉じ、だらんと力なくぶら下がっている手から剣を滑らせて落とす。

勝利した信之はそのまま孫堅を抱きかかえながら孫策たちの下まで歩く。

 

「母様!!」

 

三人も信之たちに駆け寄ってきた。

 

「大丈夫だ。気を失っているだけだ」

 

「そう...良かったぁ」

 

「嗚呼確かに」

 

「うむ、じゃがまさか...あの堅殿に勝利するとはのう」

 

 

「...ホント、オレも...焼きが回ったか...」

 

「っ!?母様!!」

 

苦悶の表情を浮かべながら孫堅は目を覚ました。だが直ぐに彼女は....

 

「フッ...」

 

「母様?」

 

「...ふっ......ふはっ!ふはははははっ!はーはっはっはっ!!」

 

「孫堅、様...?」

 

「堅殿...?」

 

信之に抱きかかえながらの状態で孫堅は豪快に、そして晴れやかに笑った。

すると信之に対して....

 

「真田信之!貴様を認めてやるっ!」

 

「認める...?」

 

「嗚呼。これ程の武勇――オレすら凌駕して見せる力っ!!気にいったぞっ!!」

 

「....それで、某は如何なることに...?」

 

「嗚呼!それだな!よし!!真田信之!!」

 

「ハッ」

 

 

 

 

孫堅は愉快にこう口にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「信之!貴様は今日より、我が臣となりそして...天の御使いの子種を我が家、我が臣どもにばら撒けっ!!」

 

「ハッ................は?」

 

 

 

 

今回はここまで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
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