「勝負をせぬか?」
クリクリとした瞳が真っ直ぐこちらを見ている。
「はぁ? 付き合ってらんねーな!」
はき捨てるように言えば、そいつはニヤリと笑った。
「ほう? 逃げるのかの?」
薄ら笑いを浮かべるそいつに視線を突き刺す。
「………やってやろーじゃねーの!!」
「単純じゃのう~」
ここは、聖都のとある場所のとある部屋。
毎日毎日、書類、書類、書類。
「真面目に仕事をせぬか!! 馬鹿者どもがっっ!!!」
怒りを爆発させているのは、お偉いさん。
どちらが速く処理をするか。
速さばかりが先に出て。
全くできていない。
お偉いさんの頭痛をさらに悪化させた。
「はげるぞ、兄上」
「ふけるぞ、老いぼれ」
ブチッ。
「貴様らワシの視界から消えうせいっっ!!!」
お偉いさん、見目麗しい28歳。
しかし、今。
その風貌は、夜叉であった。
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