No.110339

新たなる外史の道 外伝 桃香旅立ち編

タナトスさん

恋姫無双の愛紗ルート後の二人が真の世界にやってきたら?
という妄想から生まれた駄文です。
読んでもらえれば幸いです。


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2009-12-03 23:54:37 投稿 / 全11ページ    総閲覧数:7763   閲覧ユーザー数:5701

私が蒼に来てから1年が過ぎた・・・

 

ようやく地獄の修行から開放される・・・

 

旅立ちの朝・・・

 

私達三人は朝日を見ていた・・・

 

修行は無かったが何故か早起きして朝日を見た・・・

 

空は晴れ渡り、私達の旅立ちを祝福してくれているようだった・・・

 

 

≪桃香サイド≫

私達が出発の時、一刀達が私達に祝辞を述べた。

 

「良く頑張った!! 教える事は大体教えた。後は自分で気付き、学び、理解し、見つけていって欲しい」

 

北郷夫人も微笑みと共に祝辞を述べる。

 

「辛い事沢山あったでしょう。ですがそれを乗り越え、良くぞここまで成長しました。道のりは険しいでしょうが、頑張ってください」

 

佑さんも嬉しそうに祝辞を述べた。

 

「ようがんばった!! 胸を張ってええ! お前らは自分の力でここまで来たんや、後は自分達で登りや」

 

ハウゼンさんも嬉しそうに祝辞を述べる。

 

「よくここまで来た・・・私達が出来るのはここまでです。後は自分達の力で歩みなさい」

 

 

≪蓮華サイド≫

正直ここまで言われるとは思っても見なかった・・・

 

あの過酷な修行、地獄の樹海試験、数々の任務・・・

 

私はそれらを思い出し・・・・・・

 

体育座りをしながら落ち込み呟く・・・

 

隣を見たら桃香は膝を抱えて座り込み、泣きながらのの字を書いて呟く・・・

 

更に隣を見ると華琳は掌と膝を地につけぶつぶつ呟いていた・・・

 

「「「どうせ私達なんて・・・どうせ私達なんて・・・どうせ私達なんて・・・」」」

 

ああ・・・皆辛かったんだ・・・

 

半年前の試験を思い出し鬱鬱真っ盛りな私達・・・

 

あれは・・・思い出したくないな・・・

 

出来れば一生・・・

 

天の言葉を借りるならトラウマというやつだ・・・

 

 

≪華琳サイド≫

 

「お前等な・・・晴れのこの日に何暗い事してんだ・・・全く・・・」

 

一刀の言葉に私達は心の中で叫ぶ。

 

(((あんた達のせいだろうが!!!!!!!!!!!!!!!!)))

 

私達は力と技術知識を得た代わりに、誇りがズタズタになり、心の正に傷だらけ・・・

 

それでも挑んだかいがあった・・・

 

今では純粋にそう思える。

 

不思議なものだ今にして思えばあの地獄すら生ぬるい拷問の全てが意味があることを理解できる自分がいる・・・

 

自分でも解る・・・強くなったと・・・

 

 

俺は三人を見やりこう言う。

 

「さあ、これからはもう、対等の立場だ・・・後は自由に国を動かしていけ」

 

三人は晴れやかな顔をして叫んだ。

 

「「「はい!!」」」

 

俺は別れの言葉を言う・・・

 

「各自・・・解散!!」

 

そう言うと各自自分の国へ帰っていった・・・

 

「ここも寂しくなりますね・・・」

 

愛紗の言葉に俺はニコッとしながら答えた。

 

「何・・・また何れあえるさ・・・」

 

「せやな・・・」

 

「敵で無い事を祈るばかりだ・・・」

 

そういい俺達は彼女達が城門を出るまで見送った・・・

 

 

さあ・・・見せてくれ・・・君達の学びの成果を・・・

 

 

 

旅立つ彼女達に俺はそう呟いた・・・

 

 

≪桃香サイド≫

馬に揺られる事1週間、私は自分の祖国、蜀に到着した。

 

一刀さんから貰った白地に袖口に沿う様に桃色の刺繍と留め金の止め具が桃色の石で出来たマントという羽織物をしている。

 

私はマントのフードを深々と被り、馬から下りて手綱を引きながら町を歩く。

 

一刀さんの経済協力のおかげで蜀は復活したようだ・・・

 

私はある事を思いついた・・・この格好のまま城に潜入する事を思いついた。

 

 

私は内氣孔を練り上げ城壁を飛び越え着地する。

 

そして、私の寝室に靖王伝家を置き、蔵から兵士の剣を盗む。

 

よし~♪ 準備完了~♪

 

後は城をブラブラ歩くだけ~♪

 

暫く城をブラブラ歩いていると金属音が響き渡る。

 

音の方向からすると修練場か・・・よし、行ってみますか・・・

 

そこでは愛紗ちゃんと鈴々ちゃんが練習しいていた。

 

翠ちゃんと蒲公英ちゃん、恋ちゃんが観戦にていた。

 

私は気配を絶ち観戦する。

 

暫く観戦していると、翠ちゃんが私にようやく気が付く。

 

いくら気配消してるからって・・・気付いてもいいと思うんだけど。

 

「誰だ!? お前!!」

 

翠ちゃんの叫びに全員私に向き直る。

 

「貴様・・・何処から潜入した!?」

 

愛紗ちゃんが怒鳴る。

 

「何処からだと思う?」

 

私がふざけて質問を質問で返した。

 

「貴様!! ふざけるな!! 貴様を捕らえて城に潜入した目的を吐かせてやる」

 

そういい、愛紗ちゃんが得物を構える・・・

 

「はぁあああああああああああああ!!」

 

渾身の一振りが私の頭を襲うが、私はそれをかわし、愛紗ちゃんの側面に回りこみ、左手で愛紗ちゃんの左肩の服を掴み、左腕を喉に押し上げる。

 

そして右手は愛紗ちゃんの右手を掴み、右足で体勢を崩し、そのまま受身を取らせないように投げた。

 

「ガハァ!?!?!?!?」

 

地面に叩きつけられ悶絶する愛紗ちゃん。

 

気を抜くからだよ、どんな相手にも全力で挑まないと。

 

 

「全力で挑まないからそうなるんだよ・・・慢心は無いみたいだけど未熟だね。初見の相手に手を抜くのは・・・未熟な証拠だよ・・・」

 

呻きながら悔しそうな顔をする愛紗ちゃん・・・

 

そんな悔しそうにするのなら最初から全力で来れば良いのに。

 

「お前強いのだ!! 次は鈴々が相手なのだ!! うおりゃ~~~~~~~~~~!!」

 

そういい、得物を横薙ぎに振り回す鈴々ちゃん。

 

降りが大降り過ぎ・・・

 

私はそれを後ろにかわし振り切った所を見計らい一気に懐に飛び込む。

 

私は右掌手を顔面に叩き込み、鳩尾に膝を叩き込む。

 

「ゴホッ!!」

 

苦しそうに呻く鈴々ちゃん。

 

私は止まらず右手を捻り上げ、うつ伏せの状態で地面に叩きつける。

 

「ニャア!!」

 

鈴々ちゃんはそう叫び気絶した。

 

ゴメンね・・・鈴々ちゃん・・・

 

愛紗ちゃんは何とか立ち上がり、皆と共に攻撃する事を選択した。

 

うん、いい判断だね。

 

 

「コイツ・・・隙だらけなのに・・・隙が無い・・・」

 

恋ちゃんがそう呟く。

 

やっぱり動物的な勘かな?

 

「クッ!! 攻められない・・・」

 

「何だ!? コイツ・・・全然強いぞ」

 

愛紗ちゃん、翠ちゃんも唸るように言う。

 

頃合・・・かな・・・

 

「上には上がいるんだよ・・・」

 

「だとしても、ここで引けない!!」

 

私の問いかけに愛紗ちゃんは怒鳴るように返す。

 

もう少し冷静さが欲しいね・・・皆・・・

 

私はフードを取る。

 

「久しぶりだね・・・皆・・・」

 

「「「「桃香(様)(お姉ちゃん)!?」」」」

 

四人は一斉に叫んだ・・・

 

 

悪戯は大成功です~~♪

 

 

 


 
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