「それで博士 今回のサンプルはトールボディ関連なのか?」
「まだハッキリしないが そうであってほしいね。
合衆国は とっととクマリの永久電池化を完了しろ
と せっついてくる。」
「各国 人口の調節についてはうまくいってるが
それでも保有資源は減る一方だからな。
消えない飴玉が欲しくてたまらないのさ。」
「祖父の時代もですが 2000年以前は
全く無関係のアノマリーが点在していたと聞きました。
皆噂していますよ。
スマイリーが意図的にポータルを調整していると。」
「意思があるのは知っているが、
そこまでの知性がアレにあるのかどうか。
話を戻そう コレに。
博士 今までで分かっている範囲で構わない 報告を。」
「壊疽が進んで硬化した大型生物の腸のようなものだ。
表面はプラスチックのような質感だが絶えず粘液が染み出ている。
ペットボトル程度の強度があり、
所々から昆虫か甲殻類の脚が突き出てわなないていた。
中には大便が入っているが、放置するとああなる。」
「ん?向こうで触手を震わせているのはコイツの中身か。」
「全てがああなるわけではないようだが。
これら自体の超常的効果は、んー少なくとも害をもたらすものは
今は発現していない。」
「生命活動などの要素は終了している と?」
「あっちの以外はな。
でないと 私たちもこんな風にいじくりまわせんよ。
発見された場所は 日本 紀伊半島 海沿いの町。
いきさつとしてはこうだ、
早朝 道のど真ん中に
大きな 動物の腸のようなものが山積みになって痙攣していた。
発見者の一人が 興味本位で一部を破壊すると
中からタコかイカのような軟体動物の触手が伸びてきて
その若者を 破壊した個所の中に引きずり込もうとしたらしい。
若者は一応助け出されたが 引きずり込まれる際 破損個所で
顔面を大きく引き裂かれ 両目を損傷
おまけに内部には消化液が分泌していたらしく
引っ張り出すのに時間がかかったのもあって 下半身の大部分が
スライム状に軟化し 外に出されて数分後 腰から下がトロけた。
結局 若者は失明した挙句 半身を丸ごと失うことになった。
同じようなことをした別の人物は 内部の便が飛び出て口に入り
その直後 全身が水ぶくれに覆われ ほどなくして死亡した。」
「ウエッ 最悪だ。」
「前日は その場所には何もなかったと地元住民は口をそろえている。
夜間に何者かが投棄した可能性もないわけではないが、
意図が分からん上に 発見された同様の物体は30個以上
場所もかたまってはいない かなり広範囲だ。」
「発見された場所に何か共通点は?」
「交差点の真ん中である事
その交差点には信号機が設置されていない事
今のところそれだけだ。」
Tweet |
|
|
1
|
0
|
追加するフォルダを選択
会話内容