No.110022

笑うカボチャ

えーすさん

Tactics Ogreの二次創作。
数年前に思いつきで書いた一品。
誰でもさくっと読めると思います。
(都合により途中まで。全文はサイトにて)

2009-12-01 23:49:59 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1805   閲覧ユーザー数:1796

「カっノぷ~♪」

「…………」

 若くて美しい女は、有翼人種である男に声を掛けた。だが男は全く聞いてない素振りを見せた。

「何よカノぷ~、つれないわねぇ」

「…………」

「ねぇ。カノぷ~……」

「…………」

 女が色仕掛けで迫ってきても、男は全く相手にしようとしてない。そこで女はふと思いつき、耳元でそっと囁いた。

「トリさぁん♪」

「だぁぁぁぁああああああ! 何なんだお前は!! 俺に恨みでもあるのか!!! 『カノぷ~』って言うな!!!! 『トリ』って呼ぶなぁ!!!!!」

 どうも『トリ』と言われたのが癪に障ったらしく、男は怒りを露わにした。

「……っんもう! 耳元で叫ばないで! 耳おかしくしちゃうでしょう!?」

「だったらその言い方やめろ!」

「だったら早く返事してよぉ! お姉さんは悲しいわ……。まぁ、返事しなかったらこっちは楽しくなる一方だけどね♪」

 口でこの女にかなうわけがないと思った男は一呼吸おいた。

「…………で。話でもあるのか? 『歳をあまり取らない』デネブさんよ」

 男は少し見下ろすように女――デネブを見た。

「何よその言い方。もっとましな言い方があるんじゃなぁい? 『美の探求者』とか『永遠の美女』とかさぁ」

「わーった、わーった。んで、本題は何だ?」  

 これ以上喋らせないよう、押さえつけられるように言い放たれて、仕方なくデネブは本題に入った。

「うん、ちょっとしたコトなんだけどね。カノープスなら分かってくれるかなって思って」

 いきなり真剣な顔をされた上に正式な名前で呼ばれて、男――カノープスは更に頭を抱えた。

「はぁ? 俺なら分かる?」

「うん。まぁ、ちょっと来てよ♪」

 訳の分からないまま、カノープスはアルモリカ城にあるデネブの店に連れて行かれたのだった。

 

 カノープスのその日の悲劇はここから始まったのだった。

 

(つづく)


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
0
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択