No.108302

真恋姫無双~仁徳の王と共に~蜀√4

karasuさん

投稿です
過度な期待はせずに生暖かい目で見ましょう

<●><●>

2009-11-22 11:52:48 投稿 / 全17ページ    総閲覧数:29330   閲覧ユーザー数:19014

この作品はキャラ設定が崩壊しています原作重視の方はご注意ください

時代背景がめちゃくちゃです

一刀くんが相変わらずのチートです

それでもいいかたはどうぞ

 

大勝利で初陣を飾った桃香たちは、城の一角に部屋を与えられて、請われるままに公孫讃の下に留まっていた

その間にも盗賊討伐の日々は続き、最近では愛紗や鈴々たちの武名を知らぬ者は殆どいないまでの活躍をしていた

そして変化は着実に現れていた、匪賊の横行、大飢饉。そして極めつけは疫病の猛威

そんな世の中で人々の心が安定するはずもなく、暴力は暴力を招き、大陸全土が混沌とした空気に満たされていた

そしてついに時が来た―――――

 

一刀「すみません、遅れました」

一刀は侍女に連れられ玉座の間にやってきた、そこにはすでに他の仲間たちが一同に揃っていた

白蓮「悪いな一刀。せっかくの休みだったのに」

一刀「構わないよ白蓮。それよりみなさん揃って何か起こりましたか?」

白蓮「一刀も……」

桃香「ちょっといいかな、白蓮ちゃん」

白蓮「んっ? どうかしたのか桃香?」

白蓮が桃香にそう聞き返すと桃香はゆっくりと頷くと一刀のほうに向き直る

一刀「どうかしましたか?」

桃香「一刀さん!!」

一刀「(ビクッ!)」

桃香「どうしてまだそんなに堅苦しい言葉遣いなんですか!!」

一刀「………え~っと?」

桃香「だから、どうして私や愛紗ちゃんにはそんなに堅苦しい言葉遣いなの?」

一刀「それは、桃香さまは私の君主で……」

愛紗「ではわたしにはどうしてですか?」

一刀「自然と……」

桃香&愛紗「「納得できないもん!!(ません!!)」」

そう言いながら二人は一刀に詰め寄ると激しく体を揺さぶりだす

一刀「わ、わかりましたから!! ゆっ、揺らさないで~」

『ピタッ』

桃香「なら、わたしのことはこれからは桃香って呼び捨てにしてね♪」

一刀「それは……」

桃香「ね♪(ゴゴゴゴゴゴゴ)」←背後にスター●ラチナーが見える

一刀「了解であります!!」

愛紗「こほんっ! で、ではわたしのことも愛紗と呼び捨てにしてくださいね///」←頬を染めながらも右手に『青龍偃月刀』を持っている

一刀「サーイエッサー!!」

星「ふふふ、一刀殿も大変ですな」

白蓮「んんっ! 話を戻すぞ。一刀もこの城に朝廷よりの使者が来たのは知っているよな?」

一刀「ああ。黄巾党の討伐だったと記憶してるけど」

白蓮「そうだ。私はすでに参戦することは決めているのだが……」

一刀「この好機をどうするのかだよな?」

白蓮「ああ。黄巾党鎮圧で手柄を立てれば朝廷より恩賞が賜ることになるだろう。桃香たちがその気になればそれなりの地位にはなれるはずだが」

桃香「そうすればもっともっと多くの人たちを救えるね」

愛紗「そうですね」

白蓮「それで、どうするんだ?」

一刀「そこは桃香が決めることだから」

桃香「う~ん……」

桃香はしばらく手をあごに当てて悩むと

桃香「そろそろわたしたちも独立しなきゃね。いつまでも白蓮ちゃんのお世話になってるわけにもいかないから」

鈴々「でも鈴々たちだけで大丈夫なのか~?」

愛紗「そうだな。なにより我らには手勢が多くはない。そこが問題だな」

星「手勢なら街で集めれば良い。な、伯珪殿」

白蓮「お、おいおい! 私だって討伐軍を編成するために兵を集めなくちゃいけないんだから、そんなの許せるはず――」

星「伯珪殿。今こそ器量の見せ所ですぞ?」

白蓮「うっ……」

星「それに伯珪殿の兵たちは皆勇猛ではありませんか。義勇兵の五百人や千人、友の門出に贈ってやれば良いのです」

白蓮「無茶言うなよぉ……」

一刀「なら俺たちは白蓮が義勇兵を集めた後に兵を集めるよ」

星「ほう、よろしいのですか?」

一刀「まぁ本来なら集めること自体止められることだからな」

星「はっはっは。やはり一刀殿は好ましいな」

そう言いながら星は一刀に擦り寄ると

星「どうですかな、このまま二人で旅に出るなど。よろしければこの体、思う存分――」

愛紗「思う存分……なんだ?」

星の言葉を遮り、愛紗がドス黒いオーラを放ちながら『青龍偃月刀』を構える

星「冗談だ……」

そう言う星は小さく「ちっ」と舌打ちをしていた

白蓮「んんっ! 話を戻すが(この流れ二回目な気が)わたしたちが集めた後なら構わないぞ」

桃香「本当に!! ありがとう白蓮ちゃん!!」

白蓮「でも、本当に集まらないかもしれないぞ? それでもいいのか?」

一刀「いいんだよ、それならそれでまた他の方法を考えるさ」

愛紗「そうですね。あまり白蓮殿に頼りすぎるのも情けないですからね」

白蓮「そうか、では今日はこの辺にしとくか。わたしたちが募兵を終えたら報告するからな。それとせめて兵糧と武具は贈らせてもらうぞ」

鈴々「おー!! お姉ちゃんは太っ腹なのだ!!」

そしてその日の軍議は終わりとなった

 

 

白蓮募兵フェイズ

 

『募兵中……募兵中……』

 

桃香たち募兵フェイズ

 

『募兵中……募兵中……』

 

結果

 

白蓮……千人

 

桃香……六千人

 

ハム「うっ……ううっ……グスっ」

一刀「あの、白蓮? ごめんね、なんか」

ハム「いいんだ……桃香たちが人気だったのは知ってたから」

そう言いながら白蓮は地面にのの字を書いていた

 

 

それから数日、ついに桃香たちの出立の日がきた

愛紗「さて、これからどうしましょうか」

鈴々「こうきんとーを探し出して、片っ端からやっつけるのだ!」

一刀「鈴々、それじゃあすぐに兵糧が無くなってご飯が食べられなくなっちゃうよ」

鈴々「そうなのか!?」

一刀「そうなのだ」←天使のような微笑

鈴々「!!!!!」←この世の絶望を見たような顔

愛紗「二人とも遊ばないでください」

桃香「でも、本当にどうすればいいんだろうねー」

一刀「それなら――」

???「しゅ、しゅみましぇん! あぅ噛んじゃった」

一刀の言葉を遮りながら二人の少女が話しかけてきた

桃香「……???」

???「はわわ、こっちです。こっちですよぉ~!」

愛紗「??? 声は聞こえども姿は見えず」

桃香と愛紗がキョロキョロと辺りを見回していると

一刀「桃香、愛紗、失礼だよ」

そう言って一刀は二人の手を引き視線を下げさせると、そこには

???「こ、こんにちゅは!」

???「ち、ちは、ですぅ……」

一刀「こんにちは。すみませんが名前を教えてもらえますか?」

朱里「わ、私はしょ、諸葛亮れしゅ!」

???「私はあの、その、えと、んと、ほ、ほと、ほーとうでしゅ」

鈴々「二人ともカミカミすぎなのだ」

桃香「んーと……諸葛亮ちゃんに、ほ、ほ……」

雛里「鳳統でしゅ! あぅ……」

愛紗「諸葛亮に鳳統、か。……あなたたちのような少女がどうしてこんなところに?」

朱里「あ、あのですね、私たち荊州にある―――」

 

以降の説明は本編にてご覧ください。声優様がたの本気を垣間見えるかと

 

朱里「だからあの……わ、私たちを戦列の端にお加えください!」

雛里「お願いします!」

桃香「うーん、どうしようか?」

愛紗「戦列の端に加えるには、歳が若すぎるような気もしますが……」

一刀「その辺りは鈴々も同じじゃないかな?」

愛紗「それはそうだが、鈴々の武は一騎当千。歳は若くとも充分に戦力になる。しかし二人は見たところ指は細く、体格は華奢……。戦場に立つには可憐過ぎると思うが……」

一刀「なにも剣を持って戦場に立つことだけが将の仕事じゃないだろ? それに俺はこの二人には期待して良いと思ってるから。ね、諸葛亮さんに鳳統さん」

朱里「はわわ」

雛里「あわわ」

愛紗「ふむ、一刀殿がそこまで言うのなら私は問題ありません」

一刀「ありがとう愛紗」

愛紗「い、いえ///」

桃香「ということで、二人とも私たちに力を貸してくれるかな?」

朱里「はひっ!」

雛里「がんばりましゅ!」

桃香「私は劉備玄徳、真名が桃香だよ。これからは桃香って呼んでね」

朱里「えと私は姓が諸葛! 名が亮! 字が孔明! 真名が朱里です! 朱里って呼んでください!」

雛里「んと、姓は鳳で名は統で字は士元で真名は雛里って言います! あの、宜しくお願いします!」

桃香「朱里ちゃんに雛里ちゃんだね、これからよろしくね」

朱里「はい!」

雛里「は、はいっ!」

桃香「それで、早速なんだけど、二人の意見を聞かせて欲しいんだ。わたしたちはこれからどうすれば良いのかを」

朱里「新参者の私たちが、意見を言っても良いのでしょうか?」

桃香「もっちろん! これからは二人とも仲間なんだから」

朱里「……は、はいっ!」

それから朱里は一呼吸いれて話し出す

朱里「私たちの勢力は、他の黄巾党征伐に乗り出している諸侯に比べると極小でしかありません。今は黄巾党の中でも小さな部隊を相手に勝利を積み重ね、名を高めることが重要だと思います」

愛紗「敵を選べというのか?」

朱里「あぁ……そういうことですけど……。えと」

一刀「この娘は関羽。字は雲長って言うんだ。ちなみに俺は北郷一刀、字と真名がないから姓が北郷、名が一刀だよ」

鈴々「鈴々は張飛って言って、鈴々は真名なのだ。呼びたければ呼んでも良いぞー」

愛紗「むぅ。皆が真名を許すのならば、私も許さなくてはならんな。一刀殿の言った通り、我が名は関羽。真名は愛紗と言う。宜しく頼む」

朱里「は、はい!宜しくお願いします!」

雛里「あぅ……!」

一刀「さて自己紹介も済んだところで続きだけど。……俺は朱里の言うことも尤もだと思うんだけど」

愛紗「一刀殿もですか? しかし、些か卑怯では……」

一刀「誇り高い愛紗がそう思うのは良く分かるけど、だけど現状俺たちは弱小勢力だから名を高めて義勇兵を募るしかないと思うよ」

桃香「でも兵糧はどうするの?」

鈴々「お腹減るのは、気合で何とかなるって訳でもないからなー…」

一刀「名を上げつつ、付近の邑や街に住む富豪たちに寄付を募るか敵の補給物資を鹵獲するしか、今のところ解決方法はないんじゃないかな?」

雛里「はい、その通りです」

朱里「となるとやはり規模の小さな部隊を狙って方が良いかと」

桃香「そうだね~。そうしたほうがお得だもんね~」

愛紗「そうですね。状況を説明されればそれしか方法が無いのだと分かります。私に否はありません」

桃香「私もなーし♪」

鈴々「鈴々は別に何でも良いのだ♪」

一刀「では方針も決まったことですし。行きますか」

こうして桃香たちは白蓮たちに別れを告げて出陣した

 

桃香たちは果てしない荒野を進軍しながら、各方面に間者を放って黄巾党の動向を探っていた

そして一人の間者が戻ってきて報告を入れる

間者「ここより前方五里のところに、黄巾党とおぼしき集団が陣を構えております! その数、約一万!」

一刀「一万か……思った以上に多いな」

雛里「だ、だいじょぶです。きっと勝てますから……」

一刀「理由を聞いてもいいかな?」

雛里「私たちには、勇名を馳せている愛紗さんとか鈴々ちゃんが居ますし、それに義勇兵の皆さんの士気も高いですから……」

一刀「兵法の基本は敵よりも多くの数の兵を集めることだったと思うけど?」

雛里「だけど、えと……わ、わたしたちが居ますから」

愛紗「ん? どういう意味だ?」

雛里「あぅ……」

愛紗の言葉に雛里はビクリと身体を震わせると、ヨロヨロと一刀の背中に隠れた

一刀「あーあ……」

鈴々「愛紗、雛里を怖がらせたらダメなのだ」

愛紗「ええっ!? わ、私は別に怖がらせてなどいないぞっ!?」

雛里「へぅ……」

一刀「大丈夫だよ。愛紗は怒ってる訳じゃないから」

『ナデナデ』&『女殺しの微笑み』

雛里「はぅ~///」

愛紗「!!! む、むぅ……」

桃香「あれ~、愛紗ちゃん、にゃにを見てりゅのかにゃ~♪(ニヤニヤ)」

愛紗「べっ、別に何も見ていません!!」

朱里「と、とにかくですね。こういうときにこそ、私と雛里ちゃんが役に立つと思うんです」

話をなんとか本題に戻そうと朱里が話し出す

朱里「本来ならばさっき一刀さんが言ったとおり、敵よりも多くの兵士を用意するのが用兵の正道ですけど。それが無理な以上、戦力の差を覆すには策あるのみです。……だからこそ、私たちが勉強していたことが役に立つかと」

一刀「ならさっそく、その策とやらを教えてくれるかい?」

雛里「はい! 敵の陣がある場所ですが、そこは各方面から伸びた道が収束する場所となっています」

愛紗「そんな要所に兵が一万のみか……」

朱里「だからこそ、相手は雑兵であると判断できます。そして、そここそが私たちの狙い目かと」

桃香「どういうこと?」

雛里「敵は私たちより多くの兵を持つとはいえ、雑兵でしかありません。またその雑兵が守っているのは黄巾軍全体に影響を及ぼすであろう重要な地」

朱里「そこを破れば、私たちの名は否応なく高まります。だからこそ、これは千載一遇の好機」

一刀「さらに言えば、俺たちの兵は敵よりも少ないから相手は油断してくるだろうしね。あとはまぁ数の差はうまく場所さえ選べれば数でも負けない状況は作り出せばいいんじゃないかな」

朱里「はわわ……正解です!!」

雛里「あわわ……先に言われちゃいました……」

桃香「おおー! 一刀さん、正解だってー!!」

愛紗「しかし、この辺に渓谷などあるのですか?」

一刀「そんなときこそこれ!!」

そう言って一刀は懐から一枚の大きな地図を取り出した

鈴々「なんなのだー、それは?」

一刀「この大陸の地図だよ。といってもこれはこの周辺の一部分だけだけどね。その分詳しく書いてあると思うけど」

雛里「あわわ! ……朱里ちゃん、これものすごく細部まで書かれているよ」

朱里「はわわ! 水鏡先生のところで見た地図よりも詳しく書いてあるね。一刀さん、この地図はどこで手に入れたんですか?」

一刀「内緒だよ」

 

卑弥呼「ぶわぁーっくしゅん!!!」

『ドゴーン!!!』

卑弥呼「うむ、誰か素敵な漢がわしの噂でもして居るのかの。それにしてもあの地図はどこに失くしたものか」

 

愛紗「ところで二人はこの大陸の地形は全て記憶していたりするのか?」

雛里「……(コク)」

鈴々「すごいのだー」

朱里「えへへ、それほどでも……」

一刀「それで、この地図で言うとこの渓谷に敵をおびき出すってことでいいのかな?」

朱里「はい、そこで間違いないです」

桃香「でも、どうやっておびき出すの?」

雛里「簡単です。敵が構築する陣の前に全軍で姿を現して……あとは逃げるだけです」

愛紗「敵に追尾させるということか……」

朱里「そういうことです。私たちの軍はどう見ても正規軍には見えませんから」

一刀「だとしたら、奪いつくし、殺しつくし、焼き尽くすあいつらは獣のように襲ってくるだろうな」

桃香「だからこそ、だよ。だからこそ、私たちがコテンパンにやっつけなきゃいけないの!」

そんな桃香の一言が周りの将達に火をつける

朱里「その通りです! では愛紗さんは前衛を率いて状況に応じて反転、峡間を目指す。鈴々ちゃんは後衛を」

鈴々「えーっ! 鈴々は先陣を切りたいのだ!」

雛里「鈴々ちゃんには移動する部隊の殿を守ってもらいたいのですが……」

鈴々「むぅー……そういうことなら仕方ないのだ。でも次は鈴々が先陣ー!」

雛里「あぅ……」

一刀「じゃあ次の戦の先陣は鈴々にするとして。鈴々の補佐は朱里がやってくれるかな?」

朱里「了解です♪」

桃香「じゃあ私はー?」

一刀「桃香は当然本陣です。雛里はその補佐。戦況に応じて対応できるように」

雛里「はいっ!」

こうして桃香たちは徐々に緊張感を高めながら戦地へと向かう

 

斥候「報告! 黄巾軍に動きあり!」

桃香「愛紗ちゃん! 鈴々ちゃん!」

愛紗「御意! 全軍戦闘態勢を取れ! 作戦は先ほど伝達したとおりだ! 各員、我らの指示を聞き逃すなよ!」

桃香「これが初陣になる人も居るだろうけど……みんな頑張ろう! それで黄巾党をぶっ飛ばして、力を合わせて平和な世の中を作ろうね!」

桃香の言葉により兵士たちの士気はさらに上がる

斥候「敵軍展開!!」

朱里「愛紗さん、お願いしますね。鈴々ちゃんも」

鈴々「まかせろなのだー!」

愛紗「ああ! 勇敢なる戦士達よ! 我に続けぇぇぇーーー!」

愛紗の咆哮と共に両軍が動き出し、激突した

 

雛里「あれ? 一刀さんはどこに行ったんですか? さっきまでそこに居ましたけど」

桃香「ああ。一刀さんはいつも気付かないうちにどこか行っちゃってるんだよね」

雛里「そうなんですか……一刀さんは強いんですか? 正直体格は他の男の方と比べるとそこまで良いようには見えませんが」

桃香「う~ん…それがね、私にも愛紗ちゃんにも鈴々ちゃんにもわからないの」

雛里「わからないですか?」

桃香「戦場ではふらふら~ってどこかに行っていつの間にか帰ってきてるし、訓練は出ても愛紗ちゃんたちの相手は一度もしてないんだって」

雛里「そうなんですか」

 

 

その後、各々が策を成功させるために全力を尽くし、後は反転して敵軍を迎え撃つだけとなっていた

 

桃香「雛里ちゃん!」

雛里「はいっ! 全軍反転してください!」

その号令と共に全軍が一斉に反転、黄巾軍に突撃する

予想外の行動に浮き足立った黄巾軍はみるみるうちにその数を減らすと散り散りになりながら逃げ出す

その中に周りよりも少し良い動きをする者たちがいた

軍団長「ちっ、正規軍じゃないと思ったらとんでもない奴らじゃねえかよ!」

その男は悪態をつきながら逃げ出そうとしていたが

軍団長「おっと、こいつは忘れちゃいけねえな。おい!」

黄巾兵1「わかってるって」

黄巾兵2「こいつらは高値で売れそうだな。でもその前に‘味見’くらいは良いんだよな?」

軍団長「当たり前だろ」

そう話す男達が引き連れている馬車の中には襲った邑々で誘拐した沢山の娘たちが乗っていた

黄巾兵3「はやくやっちまいたいな。お前もそう思うだろ?」

一人の兵がそう言って隣に居るはずの仲間に声を掛けようとしたが

黄巾兵3「あれ? あいつはどこいっt……」

その黄巾兵は最後まで言葉を紡ぐことなく絶命する背中から心臓を通して貫通している一振りの小刀によって

一刀「俺はお前らみたいな奴が反吐が出るほど嫌いだ。本来なら嬲り殺してやりたいところだが……」

そんなことを呟く一刀の周りには数多の黄巾兵の死体が転がっていた

軍団長「なっ、なんだてめぇは! やろうども、コイツを殺せ!」

軍団長の一言に反応した残りの十人ばかりの黄巾兵は一斉に一刀に襲い掛かるが

『ヒュンヒュン』

刹那の間にある者は喉を欠き切られ、ある者は心臓を一突きされ、ある者は首が360度回転していた

一刀「残ったのはお前だけだが……どうする?」

軍団長「ひゃ、ひゃーーーー!!」

一人残された軍団長は腰を抜かしながらも、地を這いずりながら逃げようとするが

『グサッ』

軍団長「この……化け物……め」

一刀「黙って死ね……クズが」

軍団長が死んだことを確認した一刀は『大蛇』をしまうと馬車の中を確認する、中には四人の女性が乗っていた

女性「「「「(ビクッ)」」」」

一刀の姿を見て怯えだす女性たちに一刀は優しく声を掛ける

一刀「安心してください。皆さんを保護させていただきます」

それだけ言うと一刀は馬車の手綱をとる

 

そして本陣と合流すると何人かの兵士に声を掛けて女性達のことをまかすと桃香たちに合流する

本陣はすでに黄巾軍の本陣を制圧していた

桃香「あっ! 一刀さん!」

愛紗「一刀殿! 今までどこに!」

一刀「ちょっとね」

鈴々「お兄ちゃんはいつもこれなのだ」

一刀「あはは、ごめんごめん。それにしても朱里と雛里はすごかったね。まるで兵を手足のように」

朱里「はわ……あ、ありがとうございます!」

雛里「あわ……これからもたくさん頑張ります!」

一刀「これからもよろしくね」

朱里&雛里「「はい!」」

一刀と朱里と雛里は握手を交わし、仲間として認め合っている中

兵士「申し上げます!」

慌てた様子の兵士が駆け込んできた

桃香「はいはーい。どうかしたの?」

兵士「はっ。陣地の南方に官軍らしき軍団が現れ、我らの指揮官にお会いしたいと……」

愛紗「官軍らしき、とはどういうことだ?」

兵士「それが……通常、官軍が使用する旗を用いずに、曹と書かれた旗を掲げているのです」

朱里「官軍を名乗りながら、官軍の旗は用いず。……恐らく黄巾党征伐に乗り出した諸侯でしょうね」

雛里「曹と言えば……許昌を中心に勢力を伸ばしている、曹操さんかと」

一刀「曹操か……どうする桃香?」

桃香「曹操さんって味方でしょ? じゃあ挨拶はしておいた方が良いと思う」

朱里「そうですね。上手くいけば共同戦線を張れる可能性もありますし」

愛紗「しかし……我らの手柄を横取りするということも考えられるのでは?」

雛里「私が聞き知っている曹操さんなら、そんな恥知らずな行動はしないと思います」

一刀「曹操って人は誇り高き覇者……そんな言葉の通りの人だよ。器量、能力、兵力、そして財力。全てを兼ね備えているといっても過言じゃないよ」

桃香「ほわー……なにその完璧超人さん」

愛紗「そのような人物が、どうして我らのような弱小部隊に声を掛けたのだ?」

桃香「その理由を知るためにも会ってみようよ。曹操さんに歓迎しますって伝えてくれますか?」

兵士「はっ。あの、こちらでお迎えするでよろしいですか?」

愛紗「ああ。向こうが声を掛けてきたのだから、相手が諸侯と言えども、我らは堂々、ここで出迎える」

兵士「はっ!」

そして兵士は駆けていった

桃香「曹操さんかぁ~……どんな人だろうね~」

一刀「なんでも自分にも他者にも誇りを求める人らしいよ」

桃香「誇りってどういう意味かな?」

???「誇りとは、天へと示す己の存在意義。誇り無き人物は、例えそれが有能な者であれ、人としては下品の下品。そのような下郎は我が覇道に必要は無し。……そういうことよ」

一刀「だそうだよ、桃香」

愛紗「誰だ貴様!」

???「控えろ下郎! この御方こそ、我らの盟主、曹孟徳様だ!」

桃香「そ、曹操さんっ!? え、でも、ついさっき呼びに行ってもらったばかりなのに」

華琳「他者の決定を待ってから動くだけの人間が、この乱世の中で生き延びられると思っているのかしら?」

一刀「私たちが曹操さんにお会いするのがわかっていらしたんですね」

鈴々(あっ、お兄ちゃんが礼儀正しくなったのだ)

華琳「寡兵なれど、戦場を俯瞰して戦略的に動ける部隊ならば、大軍を率いて現れた不確定要素を放置しておける訳が無い。……ただそれが分かっていただけよ」

それがさも当たり前のように華琳は言い放つと

華琳「改めて名乗りましょう。我が名は曹操。官軍に請われ、黄巾党を征伐するために軍を率いて転戦している人間よ」

桃香「こ、こんにちは。私は劉備って言います」

華琳「劉備。……良い名ね。あなたがこの軍を率いていたの?」

桃香「いえ。皆の力があったからこそだと私は思っています」

華琳「へぇ。劉備、あなたがこの乱世に乗り出した理由は何?」

桃香「……私は、この大陸を、誰しもが笑顔で過ごせる平和な国にしたい」

華琳「それがあなたの理想なのね」

桃香「うん。……そのためには誰にも負けない。負けたくないって。そう思ってる」

華琳「……そう、わかったわ。ならば劉備よ。平和を乱す元凶である黄巾党を殲滅するため、今は私に力を貸しなさい。今の貴方には、独力でこの乱を鎮める力は無い。だけど今は一刻も早く暴徒を鎮圧することこそが大事。……違うかしら?」

桃香「その通りだと思う」

華琳「それが分かっているのなら、私に協力しなさい。……そう言ってるの」

桃香「え、でも……」

一刀「桃香さま、この申し出受けましょう。今の我々には力が無いのですから」

華琳「あら、あなた物分りが良いのね」

一刀「こちらの利益のほうが現状では大きいですから」

華琳「その言い方だと私たちにも少しは利益があるように聞こえるんだけど?」

一刀「曹操様ならおわかりかと」

???「貴様! 華琳さまを愚弄する気か!!」

華琳「やめなさい春蘭! あなた名前は?」

一刀「北郷一刀と申します」

華琳「そう、覚えておきましょう」

そこまで言って華琳は背を向け

華琳「共同戦線については軍師同士で話をつけてちょうだい。春蘭、秋蘭、行くわよ」

春蘭&秋蘭「「はっ!」」

そして華琳たちは去っていった

 

桃香「凄い人だったね」

朱里「自信の塊のような人でした」

一刀「まぁいつかは戦うことになるんだろうけどね」

桃香「やっぱりそうなるのかな~。今回みたいに協力することは出来ないのかな?」

一刀「戦うことになったら桃香はどうする?」

桃香「もちろん立ち向かうよ!」

一刀「そっか」

こうして桃香たちと華琳たちは一時的に共同戦線を張ることとなった

 

桃香たちは近くの邑から義勇兵を募ったり、曹操軍の補充兵を宛がって貰ったりして、兵力の補充を行ったあと、占領した陣地を放棄して、新たな目的地へと出発した

作戦は朱里、雛里、桂花の三軍師が決定し、その作戦に従って、黄巾党の本体が居る冀州に向かって進軍していた

しばらく進軍していると軍が停止した

桃香「ううー、いよいよ決戦かぁ~……緊張してきたよ」

愛紗「それにしても、さすがと言うべきなのでしょうか。曹操の兵の動き、見事という他ありませんね」

鈴々「隊長の号令一つで動いたり、止まったり。すごいのだー」

雛里「これだけ見ても、曹操さんが只者じゃないっていうのが良く分かります」

一刀「向こうは生粋の軍人さんだからね。でも俺たちの兵隊さんたちだって、勇気に関しては負けてないさ」

愛紗「気概一つで戦場に身を投じ、我らに力を貸してくれているのですからね」

鈴々「武器では負けても、勇気では負けないのだ!」

桃香「鈴々ちゃんの言う通り! だから私たちは胸をはって堂々としていれば良いの♪」

一刀「そうだね、それじゃあ全力を尽くすためにも、朱里。現状の確認を」

朱里「はい! 提供された情報によると、今から対峙する相手は黄巾党の中心部隊だそうですが、数はそれほど多くは無いそうです」

愛紗「中心部隊なのに数が少ないのか?」

雛里「今、あそこには、黄巾党の中心人物である張角、張宝、張梁の三人がいないみたいなんです」

一刀「主力部隊は出陣中で、本拠地の防衛力は多くはないってことだね」

朱里「そういうことです」

鈴々「でもそんなところに攻撃しても意味はないんじゃないのかー?」

雛里「ううん、そんなこと無いです。あの場所には黄巾党の兵糧の約半分が蓄積されていますから」

桃香「なるほど。兵隊さんを削るんじゃなくて、食べ物を奪って自滅してもらうってことだ!」

朱里「数では黄巾党の方が上ですから、兵力のみ考えて戦をしていては負けちゃいますから」

雛里「兵力を減らさずに黄巾党に痛恨の一撃を与えるには補給を断つことが一番です。……それを知っていた曹操さんはやっぱり只者じゃありません」

愛紗「しかし、曹操はどうやってこのことを知ったのでしょうか?」

一刀「方法は色々あるけど……きっと買収かな」

鈴々「お金で誘うなんてサイテーなのだ」

一刀「そうも言ってられないよ。その情報があるからこうして隙を狙えるんだから。観念に囚われるといつかきっと苦しむことになるよ」

桃香「それもそっか。それじゃあ今はこの好機を存分に生かしていこう」

そんなことを話している所に曹操軍の伝令が来る

伝令「劉備軍は横隊を組み、号令と共に敵陣に向けて突撃せよ。我らは後方より弓による援護の後、すぐに後を追う!」

愛紗「我らが先陣か……無茶を言ってくれる」

桃香「そうだよ! 私たちの戦力じゃ、時間稼ぎにもならないよ!」

伝令「はっ! そう思われるのも尤もなことですが。曹操様にもお考えがあります」

一刀「その考えとやらを聞かせてくれるかな?」

伝令「劉備軍には敵の気を引いてもらい、その間に特殊部隊が敵の兵糧を焼きます。そうすれば敵を混乱させることができます、その機に乗じて総攻撃を仕掛けるのです」

一刀「その特殊部隊は必ず成功させてくれるのかい?」

伝令「はっ。我が軍の精鋭なれば」

桃香「……分かったよ。なら曹操さんを信じて、何とか時間を稼いでみる」

伝令「では」

伝令の背を見送りながら

愛紗「我らを囮にするとは……一筋縄ではいかない人物のようですね」

朱里「こうなるのは仕方がないことでもありますから」

雛里「この状況を打破するためにもこの戦で活躍しなければなりません」

愛紗「そうだな、では私と鈴々は前曲に向かいます」

鈴々「行ってくるのだー!」

そう言って二人は部隊を率いるために前曲へと向かう

朱里「それじゃあ、桃香さまと雛里ちゃんは本陣、私は後曲で指揮をとります」

桃香「うん、よろしくね♪」

朱里「はい!」

一刀「なら、俺は愛紗たちに合流しようかな」

雛里「一刀さん、お気をつけて」

一刀「ありがと。雛里も気をつけてね」

雛里「はい」

一刀は愛紗と鈴々の後を追うように駆けていった

するとすぐに前曲から両軍の咆哮が聞こえてきた

 

愛紗「はぁぁぁぁーー!!」

鈴々「うりゃりゃりゃーー!!」

前曲では愛紗と鈴々が一騎当千の武勇を見せていた

その姿を見た味方の兵は士気を上げ、敵の兵は恐怖していた

そんなところに

一刀「二人とも強いな~。俺は必要ないみたいだね」

愛紗「一刀殿!」

鈴々「あっ! お兄ちゃんなのだ!!」

一刀「戦場で会うのは初めてかな?」

愛紗「はい、そうですね。いつも一刀殿はどこかに行ってしまわれますから」

一刀「いや、一応戦ってはいるんだけどさ」

鈴々「なら今日は鈴々たちと一緒に戦うのか?」

一刀「いや、そう思ったんだけどこの様子だと――」

黄巾兵「死ねーーー!!」

一刀が愛紗たちと和やかに話しているといつの間にか黄巾兵が辺りを取り囲んでおり、そのうち何人かが襲い掛かってきた

黄巾兵たちは数に任せて愛紗たちをバラバラにすると確実に一人ずつ潰そうとしてきた

愛紗「ちぃっ! 邪魔だ!」

鈴々「いくら集まっても無駄なのだ!」

一刀「うひゃあ!」

そして黄巾兵は気がつく、その中に一人だけ倒せそうな人物が居ることに

一刀「おっと! 危ないって!」

その男は装備は他の兵とは違って豪華だが実力はさほどあるようには見えなかった

黄巾兵「あいつだ! あの男を狙うんだ!!」

一人の黄巾兵の声と共に一刀を襲う人数が一気に跳ね上がる。それを見た愛紗と鈴々は一刀を守るために近づこうとするが黄巾兵が邪魔でなかなか進めなかった

一刀は全ての攻撃をギリギリときには『鬼門』で防いでいた

隊長「そんな奴にいつまで時間をかけてるんだ!!」

なかなか一刀を殺せずにいる味方に嫌気が差したのか一人の男が叫んでいた

一刀「あいつが隊長格の人物かな……」

黄巾兵「くたばれーー!!」

一人呟く一刀をよそに全方位から黄巾兵が一斉に槍を突き出す

愛紗「一刀殿!」

鈴々「お兄ちゃん!」

二人は一刀の死をも覚悟したが

一刀「そんなに心配そうな声を出されると少し心が痛いな」

一刀は突き出された槍の上に立っていた

黄巾兵「へっ!?」

一刀「そんなに驚いた顔してどうしたんだい?」

そう言いながら一刀は片足を天高く振り上げると

一刀「これからが本番だよ?」

一気に振り下ろす。振り下ろされた足は槍を砕き砂煙を巻き起こした、黄巾兵はただそれを驚いた顔して見ているだけであった

そして砂煙の中から姿を現した一刀は『大蛇』を逆手に持つと

一刀「劉備軍が懐刀、北郷一刀。参る」

そう言って部隊長のもとへと駆け出す

部隊長「怯むな! あんなのは偶然だ!」

一刀の目の前に幾人もの黄巾兵が立ちはだかるが

一刀「邪魔だね」

悲鳴を上げる間もなく地に伏していく

部隊長「くそったれがぁーー!!」

自棄になった部隊長は一刀に突貫するが

一刀「遅すぎるよ」

持っていた戟を弾き飛ばされ上段蹴りをまともに喰らう

『メキャメキャ』

醜い音と共に部隊長の首の骨は粉砕される

一刀「まだまだ行くよ」

そう言って一刀は単身敵に突っ込んでいく

愛紗「一刀どのに遅れるな!! 我らも続くぞ!!」

一刀に続き愛紗たちもさらに攻撃の手を増す。すると敵陣の後方から黒煙があがり、敵の動きが一気に悪くなる

その後は曹操軍の春蘭、秋蘭が黄巾党に突撃、これが決めてとなり黄巾党は総崩れになった

 

黄巾党が総崩れになり戦況が落ち着くと愛紗たちは一先ず桃香たちに合流した

桃香「三人ともお帰り」

愛紗「ただいま戻りました」

鈴々「ただいまー♪」

一刀「さすがに疲れた」

桃香「三人とも怪我とかは無い?」

鈴々「お兄ちゃんが危なかったのだ」

一刀「うん、俺は危なかった」

愛紗「一刀殿は相変わらず強いのか弱いのか分かりません」

鈴々「でも鈴々たちほどではないような気がするのだ!」

一刀「当たり前だ、俺は鈴々たちみたいに一騎当千の武なんて持ってないよ」

愛紗「そうでしょうか……」

一刀「そうなの」

桃香「それよりこれからどうしようか? このままここに居るわけにもいかないし……」

一刀「ちなみに兵糧はもらえないからね」

桃香「えっ! どうして!」

一刀「だって俺たちの義勇兵の殆どの人の目的は食べ物にありつくためだろう? そんな人たちが山積みの兵糧を見たら…」

桃香「た、大変だね……」

一刀「ということで兵糧を貰うのは無しの方向で」

桃香「じゃあ兵糧はどうしようか?」

朱里「今のところ、特に策は思いつきませんね」

桃香たちが頭を悩ませていると

兵士「あの」

愛紗「どうした?」

兵士「曹操殿がお見えになったようで」

桃香「ならここにお通ししてください」

兵士「はっ!」

そう返事すると兵士は駆けていく

一刀「曹操と取引しかないかな……」

桃香「ん? どうかしたの一刀さん?」

一刀「いいや……」

 

華琳「あら、意外と静かじゃない。もっと喜んでいるかと思ったわ」

一刀「いえいえ、こう見えても皆喜んでますよ」

鈴々(またお兄ちゃんが真面目なのだ)

華琳「そうなの?」

一刀「はい。ところで曹操さんはこれからどうするおつもりですか?」

華琳「私たちはこれから西方の渠帥を倒しに行くつもりよ」

一刀「そうですか、意外と強敵かもしれませんよ」

春蘭「我らが孟徳様の軍勢にかかればそのような雑兵、相手にもならん!」

一刀「はぁ……そちらの方は?」

華琳「夏侯惇よ、こっちは夏侯淵、最愛の従姉妹よ」

一刀「そうですか。では夏侯惇さんに一言」

春蘭「???」

一刀「観念に囚われすぎるといつか痛い目にあいますよ」

春蘭「何だと貴様!!」

華琳「落ち着きなさい春蘭、北郷の言うことも尤もなことよ。……で、そのあり難いご助言の裏には、何があるのかしら?」

一刀「では率直に申し上げます。この乱が収まるまで私たちと共に行動しませんか? 私たちが提供するのは兵と将、関羽や張飛の武はご覧になったかと」

華琳「ええ。勇猛であり果敢。……春蘭や秋蘭に負けず劣らず、とても良い将才が有ると見ているわ」

春蘭「華琳さまっ! 私がこんなやつに負けるはずがありません!」

秋蘭「落ち着け姉者」

春蘭「う、うむ」

一刀「さらに、我らには有能な軍師が二人居ります」

華琳「それで私があなたたちに提供するのは、兵糧ということで良いのね?」

一刀「はい」

華琳「ふふっ、そんなことだと思ったわ」

一刀「さすがですね」

華琳「あら、そういう貴方だってこの結果は見えていたのでしょう?」

一刀「何のことでしょうか?」

華琳「だって貴方の目は始めから自信に満ちていたわよ」

一刀「……………」

華琳「ついでに私たちの軍のあり方なども学んでいくといいわ。かわりに……」

桃香「??? かわりに?」

華琳「北郷の本気が見てみたいわね」

一刀「いずれご覧に入れましょう」

華琳「ふふっ、期待しないでおきましょう。春蘭、秋蘭、帰ります」

春蘭&秋蘭「「御意」」

そう言って三人は去っていく

一刀「これで取り合えずは兵糧は平気だね。あとはさっき曹操さんのも言ってたけどしっかり勉強させてもらおうか」

そう言いながら皆を見渡す一刀

朱里「そうですね。利用できるものは全部利用したいですからね」

桃香「それじゃあ皆、張り切っていこー!」

 

それからも桃香と華琳は共同作戦を行い、黄巾党を征伐していった

そんなこんなで半年の月日が経つ頃には、桃香たちはいっぱしの戦闘指揮官となっていた

そして、張角が討ち取られたという報が各地を飛び回る頃、この乱は終わりを告げることとなった

 

どうもkarasuです

いかがだったでしょうか?

この作品も長めになりましたが大丈夫でしょうか?

大佐がたに楽しんでいただけているのか?

不安ごとは絶えないものです

次回も本編となります。私の拠点が好きという物好きな大佐が一人でもいたらゴメンナサイ

 

 

ここまで読んでいただきまことにありがとうございます。これからもほそぼそと続けさせていただきたいと思います。


 
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