No.108266

異伝・恋姫 2章 異国ー3

ほっち~さん

べ、別に呉のみんなが一番好きってわけじゃないんだからね!?たまたま、文量が多くなっただけなんだから!!・・・もう文を少なくまとめる努力は諦めました・・・orz
それでも、見てくださるかたはどうぞ、見てください。誤字・脱字は勘弁してください^^;

2009-11-22 01:39:28 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:5427   閲覧ユーザー数:4046

異伝・恋姫 2章 異国-3      虎と店主

 

 

 

 

 

 

 

 

華琳達と別れて、しばらく歩くと、やがて町の外観がはっきり見えてきた。

 

 

 

町の番から聞くに、一刀がついた町は、どうやら荊州地方の町だった。

 

そこで、一刀はまず、自分には先立つものがないことに気づき(町に入るまで気づかなかったことがすごい)それを得ることに集中した。

 

幸いにも、財布の中にあった硬貨はこの時代では真似ることができないほど精巧だったのでそれを売ってある程度の賃金は手に入った。

 

また、一刀が偶然入った食堂で酔っ払った客が暴れていたところを静かにさせた(伸したともいう)ことで店長に気に入られ、店の近くにある空き家を格安で貸してもらった。

 

そして、持ち前の優しい性格と、偏見を持たない主義から、町の人に受け入れられるのはそう時間はかからなかった。

 

そして、華琳達と別れてから1週間後・・・・

 

 

 

 

 

 

その空き家だった家の前には「北郷万承屋(ほんごうよろずうけたまわりや)」の看板が構えられていた。

 

 

 

 

 

北郷万承屋とは、簡単に言ってしまえば、「探偵+何でも屋」である。迷子の案内や、はたまた、仕事の助っ人、観光の手伝いなど、相談しだいでなんでも請け負う仕事である。

 

一刀は、もともとこの世界に来る前もそんな感じの仕事をやっていたので、この世界でもやっていこうと思っていた。

 

最初の頃はこの世界では初めてであろう試みから、あまり人が寄り付かなかったが、一刀がやっていることと、本当にどんな些細なことでも親身になってくれることから、すぐに仕事場には相談の有無にかかわらず、結構な人がたむろしていた。(本人曰く、「ここは集会場じゃないってのに・・・」だそうだ)

 

ちなみに、町人からは一刀のことは「あんちゃん」と呼ばれている。(食堂の店長が大将なのと、年齢が若いからの2つの理由で)

 

そんなこんなで、今日も一刀は仕事が来るのを待って相談室に待機していた。(流石に相談室には、用事がない人の立ち入りを遠慮している)

 

「はぁ、なんで仕事がないのに俺の店は賑やかなんだろうか・・・?」

 

一刀は答えがわかりきっている疑問を改めて溜息とともにはいていた。

 

まぁ、あまり仕事がなくて食うものが無くなった時は、みんなが快く恵んでくれるからなぁ、助かってはいるんだけど・・・

 

早くも村人に餌付けされている一刀であった。

 

「そういや、最近この辺で天の御遣いが現れたって話をよく聞くなぁ」

 

噂曰く、「天の御遣いが舞い降りて乱世を治める」

 

噂曰く、「天の御遣いが悪党を一撃で伸した」

 

噂曰く、「天の御遣いが官軍を伸した」・・・etc

 

「官軍伸したら悪党じゃん・・・」

 

もっともそんなこと気にしない一刀であった。(←天の御遣い)

 

今日も仕事なしで終わるのかなぁと心で涙していると、

 

「あんちゃん、お客様が来たぜ」

 

と、家の前でたむろしていた村人の一人が部屋に入ってきた。

 

「なにぃ!?本当か!?」

 

「本当かって・・・、あんちゃんいくらなんでもそれは無いだろう。仮にも店だし」

 

「ぐ、そうだね・・・で、そのお客さんはどこにいるの?」

 

 

 

 

 

「あなたがこの店の店主?」

 

 

 

 

 

そこにいたのは一人の女性であった。

 

見たところ、20代前半だろう、ものすごい美女であった。褐色の肌に、映えるような桃色の長髪、何よりも印象づけるのは、水色の透き通った、しかし奥に光る力強さがにじみ出る瞳だった。

 

不覚にも一刀は一瞬見蕩れてしまった。華琳にも内心驚いたが、この世界は美女美少女比率が高いのだろうか。

 

「ねぇ、どうしたの?私の顔に何か付いてる?」

 

動かない一刀に怪訝な調子で美女が尋ねる。

 

「あ、い、いやっ、あまりにもきれいだから見蕩れてしまったよ。すまない」

 

「あら、ありがとう。それで、あなたがこの店の店主なの?」

 

「ああ、俺が万承屋の店主、北郷一刀だけど、どんなご用事で?」

 

「あのね、探してもらいたい人がいるの」

 

「失礼ですが、お名前は?」

 

「私の名前?それとも探し人の名前?」

 

「できれば、両方とも」

 

「そうね・・・私の名前は孫・・・孫権よ」

 

「!!!!!」

 

「・・・どうしたの?なにかおかしなことを言ったかしら?」

 

「いや、こんなところですごい人物と会ってしまったな・・・と」

 

「あら、そんなにすごくはないわよ。・・・今は」

 

「いや、失礼。こっちの話だ。で、探し人の名前は?」

 

「知らないわ」

 

「はぁ?」

 

「知らないのよ。名前。でも、通り名ならわかるわよ?」

 

「それでもいいか。・・・で?」

 

「天の御遣い」

 

「・・・ほぅ」

 

「探してくれるかしら?」

 

「俺の捜索範囲はこの町のみだぞ?」

 

「別にいいわ。だってこの町にいるもの」

 

「・・・」

 

「報酬は、見つかろうが見つからなかろうが出すわよ」

 

「いや、・・・わかった」

 

「それじゃ、行きましょう」

 

「ああ、孫権どの」

 

こうして、一刀と孫権(?)の天の御遣い探しが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃・・・

 

「まったく、策殿は一体どこに行ったのじゃ・・・」

 

「黄蓋様!孫策様は前にある町でご滞在しているとのこと!」

 

「そうか・・・まったく、少しはご老体の身を気遣ってほしいものじゃ」

 

黄蓋の「行くぞ!!」の激の後、一刀の住んでいる町に向かって複数の馬のかける音が聞こえてくるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀達は地道に町の人たちに聞き込みをしていた。

 

「天の御遣い?あー、噂には聞くけど、実際に見たことはないなぁ、誰かもわからないし」

 

というのがほとんどの人たちの反応だった。

 

やはり、天の御遣いが誰か。ということはみんな知らないらしい。

 

「それよりもあんちゃん、えらいべっぴんさんつれてるじゃねぇか。嫁さんかい?」

 

「!!ち、ちがっ・・・」

 

「あら、恥ずかしがらなくてもいいじゃない?」

 

「おっちゃん、誤解だ誤解!この人は俺の店のお客さんっ。別にそういうのじゃないから!!」

 

そういうと、なぜか孫権さんはぶぅとふくれっ面になり、おっちゃんはにやにやしていた。

 

 

そのあとも聞き込みをしていたが、大して有力な情報は得られなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごめん。孫権さん」

 

「あら、どうしたの」

 

「いや、全然情報が見つからないからさ」

 

「いいわよ、そんな簡単に見つかったらおもしr・・・げふん、私一人でも見つけられてるもの」

 

一刀は聞き込みとは別に、探索の魔術も使っているのだが、それにも全然反応が無い。(まぁ、本人なのだから反応するはずがないのだが、一刀は自分が天の御遣いであるとは気づいていない)

 

「それより、少し戻って休憩しない?」

 

「いいけど、孫権さんはそれでもいいのかい?」

 

「いいわよ?休憩も立派なお仕事だしね」

 

「そうか、なら戻ろうか。お茶くらいならご馳走するよ」

 

「あら、ありがとう」

 

そう言い合いながら、一刀と孫権は店に戻って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、あなた、どこから来たの?」

 

「よくわかったな。俺がこの町の人間じゃないって」

 

「そうね、カンよ。乙女のカン」

 

「さいですか」

 

あれから、一刀達は、一旦店に戻り、休憩をしていた。

 

「そうだな、すっごく遠くの国から、かな」

 

「遠く?羅馬かしら?」

 

「違うけど、そんな感じだよ」

 

「ふぅん、あなた、武器を持っているみたいだけど、武人なのかしら?」

 

「そんな大した者じゃないけどね・・・」

 

「そう?私には相当の手練に見えるけど・・・」

 

「勘違いさ」

 

「ならいいけどね」

 

「それもカンかい?」

 

「そうよ、私のカンは当たるんだから」

 

「そうだね」

 

そんな会話を楽しみながら2人でお茶をしていると、

 

「大変だあんちゃん!町のはずれに馬に乗った奴らがたくさんいる!!」

 

「なんだって?どこかの官軍じゃないのか?」

 

「いや、あんな奴ら見たこともねぇ!!もしかしたら黄巾党の奴らかもしれねぇ!!」

 

 

 

 

黄巾党。

 

 

 

 

最近になって、現れ始めた集団。

 

もともとは、黄天の世を崇拝する集団だったのだが、組織が肥大化し、暴徒と化しているという。

 

行うことは、殺人、強盗、略奪など、宗教集団とは思えない非道な数々。

 

滅ぼされた町も最近になって増えてきたらしい。

 

「失礼ね!!あんな奴らとい・・・」

 

「孫権さん?何か知ってるの?」

 

「え?え、えーと、知らないわよ?」

 

「とにかくだ!!あんちゃん、ちょっと来てくれねぇか?」

 

「わかった。すぐ行く・・・ごめんね、孫権さん」

 

「いいわよ、いろいろ楽しかったしね。それと、私も付いて行くわよ?」

 

「うーん、嬉しいんだけど、俺の近くから離れないでね、流石にもしものことがあったら困る」

 

「あら、守ってくれるの?」

 

「危なかったらすぐ逃げるけどね」

 

「なによ、意気地なし。そういう時は、『どんなことがあっても君だけは守る』って言うんじゃないの?」

 

「・・・ドンナコトガアッテモキミダケハマモルヨー」

 

「ぷっ、なによそれ」

 

そんな会話をしながら、一刀達は町のはずれに急いだ。

 

 

(祭には悪いけど、少し試させてもらうわ♪天の御遣いさん♪)

 

 

 

 

 

 

 

その頃、町のはずれでは

 

「しまった、兵を集めてしまったから、民の警戒心を煽ってしまったか」

 

「黄蓋様、いかがいたしましょう」

 

「仕方がない。儂が直々に話をして来よう。お前たちはこの場で待機だ」

 

「はっ、了解しました」

 

(しかし、策殿は一体何をしておられるか・・・)

 

そうしているうちに一刀と孫権(?)と黄蓋は町のはずれで鉢合わせするのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

町のはずれで双方とも顔がわかるくらいに近づいた時

 

「あ、ちょっと待って」

 

「なに?孫権さん」

 

「ちょっと私にあの人とお話しさせて?」

 

そういうと、孫権は向こうの集団の将軍だろうか、妙齢の美女のほうへ駆けて行った。

 

「ちょ、ちょっと!!」

 

半ば茫然としてしまった一刀の制止の声はむなしく響いた。

 

 

 

 

 

 

祭 side

 

 

 

「策殿!!一体どこにおられたのだ!?」

 

「ごめんね、祭。でも、その話はあと。ちょっと協力してくれない?」

 

「まったく、後で覚悟してもらいますぞ。・・・で、協力とは?」

 

黄蓋こと祭は、楽しそうな孫権こと策殿こと雪蓮の頼みを聞いた。

 

 

 

元来、酒と、お祭りごととが大好きな2人であった。

 

 

 

「なるほど、して、あやつが・・・?」

 

「そう・・・だと思う」

 

「思うとは?」

 

「カンだもん♪」

 

そういう雪蓮に、祭ははぁ、重い溜息をはいた。

 

「で、策殿を孫権とごまかして、なおかつ、あやつと決闘をしろと?」

 

「うん。一刀は武芸は大したことないって言ってたけど、絶対そんなことはないから。見てみたいの♪」

 

「まぁ、儂も強いやつと戦うのは好きなのじゃが・・・、身分諸々を隠してとなると面倒くさいのぉ」

 

「じゃあ、『儂が孫権のお目付け役じゃ!!この者と結ばれたいのなら儂を倒してみろ!!』とか?」

 

「万一負けたらどうする!?」

 

「私としてはどっちでも「策殿!!」・・・てへっ♪」

 

「とりあえず、そういうことだから、そろそろ戻らないと一刀が怪しむから戻るね~」

 

「ちょ、策殿!!」

 

雪蓮はそういうと、一刀がいる方へ駆けて行った。

 

「もう十分怪しまれてるだろうに・・・」

 

そう思いながらも、祭は大将の難しい要望と、大将が認めるほどの猛者との戦いに複雑な心境をしていた。

 

 

 

 

 

 

Side out

 

 

 

 

 

 

 

 

戻ってきた雪蓮に一刀は

 

「そーんーけーんーさーん?」

 

地獄でも聞かないであろうドスの利いた声で窘めた。

 

「やん、怒っちゃや―よ♪」

 

まったく悪びれない孫権に一刀は脱力しながらも、「まぁ、無事だったからいいか」と開き直ることにした。

 

「それで、どうだったの?」

 

「うーん、駄目だった♪」

 

期待していなかった。期待してなかったが、あっけらかんと言われるとやはりガクッと来るものがある。

 

その時

 

「そこな御仁!!」

 

あちらの集団の中にいる、美女が叫んだ。

 

「あらかたの事情は分かっている!少々こちらに来てもらおう」

 

思いがけない応答に一刀が混乱していると

 

「一刀、呼ばれてるわよ?」

 

そう言いながら孫権は一刀の肩を押した。

 

「うわっと」

 

当然、混乱していた一刀は前につんのめって

 

「紹介が遅れたな。儂の名は黄蓋。建業から来たのだが、そこな御方が大将なる孫権様だ。そして、そのすぐ近くに御主のような輩がいると、やはり疑ってしまうことがある」

 

「黄蓋殿、か・・・して、先ほど孫権殿からなにかあったみたいだが?」

 

「左様、失礼ながら名前は先ほど教えてもらった。北郷殿、でよいか?」

 

「ああ」

 

「北郷殿は、何も悪くない。私が北郷殿の店を訪ねたと言っていた」

 

「まぁ、間違いないな」

 

「それに関しては、儂も同感じゃ、・・・しかし」

 

「しかし?」

 

「それを、今いる儂たちの親衛隊に言っても理解はするだろうが、納得はしないのだよ」

 

「・・・で、結局なにが言いたい?」

 

「儂とひとつ手合わせしてもらえんだろうか?なに、命まではとらん」

 

「・・・」

 

「そうすれば、いろいろと説明がしやすくなるのじゃよ」

 

「・・・はぁ、まぁ、あなたの言い分もわかるし、戦うのはやぶさかじゃないよ?・・・でも」

 

「・・・でも?」

 

「それ言ってきたの、孫権さんだろ?」

 

そう言った途端

 

「くっ、・・・はっはっはっは!!」

 

黄蓋は豪快に笑いだした。

 

「くくく・・・お主、武芸はわからんが、頭は切れるようだの」

 

「・・・はいはい、ありがとうございますよ」

 

「じゃあ、双方とも理解してもらえた。ということでいいかの?」

 

「ああ、いいよ。殺し合いはあまり好きじゃないけど、仕合は嫌いじゃない」

 

そういって、お互いに不敵な笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「合図はどうしようか」

 

「好きにして構わんよ」

 

「じゃあ」

 

そういって、一刀は小石を高くに投げ上げた。

 

お互いに静寂の中、立っている。

 

 

 

 

一刀が投げた小石が地面に落ちた。

 

 

 

 

その瞬間、2人の間合いは一瞬にして詰められた。

 

先手は黄蓋

 

本来、黄蓋と言えば弓の名手なのだが、剣術の方も卓越しているらしく、とてつもない速度と威力で持っている剣を的確に振ってくる。

 

対する一刀は、左手につけている魔嵩で斬撃を受け流し、反撃の機会を窺っている。その瞳に焦りはなく、完全に見切っているようだ。

 

「ほう、この斬撃を見切るか、やはりただものではないな」

 

「褒めてくれてありがとうございますよっと!」

 

一瞬の隙をついて一刀が魔嵩による掌底を黄蓋に叩き込んだ。

 

「あまいわ!!」

 

黄蓋はそれを見切り、バックステップでかわして瞬時に弓矢をつがえた。

 

「・・・っふ!」

 

その瞬間に飛んできた弓矢を、一刀は持っていた棒手裏剣で撃ち落とした。

 

「ふむ、飛び道具か・・・厄介だな」

 

「自分のことを棚に上げてよく言うよ・・・危なかった」

 

「そういいながらも顔がにやついてるぞ?」

 

「やっぱり、武人なのかね。実戦と練習だと実戦の方が楽しいな」

 

そういいながらも、一刀と黄蓋はお互いに斬撃、射撃を繰り返していった。

 

・・・もう何合目かわからない攻防を繰り返した時

 

「ふぅ、まさかここまでやるとは・・・」

 

「・・・どうも」

 

「祭とよべ」

 

「・・・え?」

 

「儂の真名じゃ」

 

「じゃあ、俺のことは一刀って呼んでくれ。それが俺の真名みたいなもんだ」

 

「ふむ、では一刀。そろそろ、決めようじゃないか」

 

「ああ、そうだな。楽しかったよ、祭さん」

 

「ああ、儂もじゃ、どうだ?儂たちの国にこんか?歓迎するぞ?」

 

「今はいいや。ここの生活が気に入ってるからね」

 

「そうか。いつでも来い。儂が面倒みてやる」

 

「その時は頼むよ・・・じゃあ」

 

「「これが最後だ」」

 

そういった瞬間2人は今までのどの一撃よりも早い一撃をお互いに叩き込んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

祭と雪蓮は建業へと戻っていた。

 

「祭、どうだった?」

 

「そうじゃな・・・予想外、じゃな・・・」

 

「んふふ~、そうでしょ~」

 

「ああ、あやつなら本気でうちに迎え入れても問題ないだろう」

 

「そうね、私もびっくりしたわ」

 

 

 

あのあと、2人が放った一撃は、なんとお互いの頸筋で止められていた。要するに全くの互角だった、というわけだ。

 

 

 

「まさか一刀があんなに強いなんて・・・」

 

「そういえば、よいのか?」

 

「え?何が?」

 

「結局誤魔化したままじゃろう」

 

「あーあー、いいのいいの。その方が面白そうだしね」

 

そう言いながら雪蓮は目線だけを町の方へ向けた。

 

もう豆粒ほどしかない柔らかい町の明かりを目に

 

「次に会うときは私の旦那様なんだから♪覚悟しておいてね、御遣い様♪」

 

「なに、私『達』のじゃろう?勘違いするでない」

 

「なに~?一刀は渡さないわよ~」

 

そう言っている雪蓮の顔は本当に楽しそうだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀は孫権と祭と別れたあと、一人反省会をしていた。

 

「祭さん強かったなぁ。俺が強化の魔術使っててもあそこまで付いてくるなんて」

 

(最大限に強化魔術を駆使し戦った。それで互角だったんだ、やはり侮れないな。流石三国史の有名武将だなぁ)

 

「黄蓋さんがあんなに強いんだ。孫策さんはもっとなんだろうか・・・」

 

そうなったら俺も己克を使わなきゃなーとまだ見ぬ(?)孫策に思いをはせるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっくしゅん!」

 

「どうしたのじゃ?策殿。風邪か?」

 

「んー、熱っぽくはないわよ?多分誰か私の噂でもしてたんじゃない?・・・もしかしたら一刀だったりして」

 

「それだけ元気なら、建業で待っている大都督どのもさぞかし嬉しかろう」

 

その一言で雪蓮の体が凍りつくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

文章の多さがその勢力の愛とは限りません。

ども、ほっち~です。

今回は、呉の姫君との邂逅を書かせていただきました。

あれですね、若干日常パートっぽいのがメインですね。それと、これから一応前半の主軸となる北郷万承屋という設定を入れさせていただきました。なんとも行き当たりばったり感がぬぐえませんけれど、生温かい目で見てもらえるとうれしいです。話は変わりますけど、異伝・恋姫 外伝の方はいかがいたしましょう。正直かなりどうでもいいんですが、個人的には好きなんですよね。ああいう展開。他の作家様がやっているように自分も選択制にしたいと思います。

 

①とりあえず異伝・恋姫書けや

②外伝も同じ頻度だと嬉しいな

 

とりあえずこの二つにしたいと思います。今は授業が忙しいので、あまり早くは更新できませんが、できるだけ書いていきたいと思います。

いつもながら、誤字・脱字報告お待ちしております。また、アドバイス等も頂けると嬉しいです。

最後に、ここまでの分に目を通してくださった皆様に抱えきれないくらいの感謝の意を

次作 異伝・恋姫は蜀の姫君との邂逅です。・・・あーあ、まったく考えまとまってねぇや。

では、さようなら~

 


 
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