・塗りつぶしの一杯…2p
服屋の店員ちゃんで140字ss。
・底無しの猛者…3p
皇子と部長のワインオセロで140字ss。
・狐色の思い出…4p
ファナとオルセラで140字ss。
※ファナエンドのクリア後推奨。
『塗りつぶしの一杯』
「どうぞ」と淹れたコーヒーを渡して「ありがとう」と聞いてから、自分のコーヒーにも手をつけた。香りの良い温もりを口にしながらほっと一息つく。
客足が落ち着いた頃に、明るい町並みをゆったりと眺めながら飲むこの一杯は好きだ。薄暗い道端で、寒さに震えながら食べた飼い猫の味を忘れられるから。
『底無しの猛者』
「飲んでいるのか、全部」
空のグラスの数に思わず尋ねた。白黒の代わりに置かれた白と赤。盤上は埋まりつつある。
そうですが、と答える彼女の様子はあまりにも平時と変わらなかった。
─飲んだように見せかけるのも処世術の一つ、その指南のつもりだったが。
「·····どうやら必要なかったらしいな」
『狐色の思い出』
「それも元は人の名前ってほんと?」
「そうだよ、意外とそういう料理多くて」
ファナがいくつか名前をあげるとオルセラは感嘆の声を上げた。
「じゃあ、私の名前もつけてもらおうかしら」
「あはは、それいいかも。何につけるか考えておくね」
話に花を咲かせるうちに、今日の一品はからりと揚がっていた。
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