No.1074337

【獣機特警K-9IIG】怪奇!街を襲う爆炎(3)【交流】

古淵工機さん

2021-10-11 13:11:48 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:638   閲覧ユーザー数:620

ラミナ市近郊、某製薬会社本社ビル……。

 

「さて、あとは工場の建設工事に着手するだけだな……」

セイウチ型ファンガーの社長が煙草をふかしながらPCに目をやっていると、

突然社長室のドアをノックする音が聞こえてくる。

 

「あぁ、誰かね」

と、ドアに向かいのそのそと歩き出した彼のもとに現れたのは……

 

「……警察の者ですが」

「な、なに!?」

入ってきたのはクオン、イシス、ジョニー、ミライの4人だ。

 

「は、ははは……警察が来るとは穏やかではありませんな。いったいどういった用件で?」

「要件ですか?決まってますよ……イシスさん、例のものを」

「はい」

 

クオンの指示で、イシスは一枚の書類を取り出した。

「……そ、それは!」

「あなたの逮捕状です」

突然の逮捕状に、うろたえるセイウチ男。

 

「ま、待ってください!こりゃあなにかの間違いです!!」

「間違いなんてあるもんか。現に証拠は挙がっているんだ……ジョニー!」

「OK!」

ジョニーはレコーダーを取り出し、音声を再生する。

トリッカーズが言質として録音した闇取引の様子だ。

 

「あ……あ……っ!!」

「ほらほら、ネタはまだあるんだよ!」

さらに追い討ちをかけるように証拠品を突き付けていくミライ。

 

「ま、ま、待ってくれ!!これは違うんだ、これはその、あれだ!!見逃してくれぇ!!」

「駄目です。これだけ確固たる証拠が出ていて今更言い逃れなんて……失礼ですが署まで……」

クオンがセイウチ男に手錠をかけようとしたその時である。

「ぐわぁ!?」

突然、セイウチ男の胸に短刀が飛んできたのだ!

 

「……!?な、なにが起きたんだ!!」

「やれやれ……あと一歩というところだったのにヘマをしたもんだね……」

四人は声のした方を見た。向かいのビルの屋上に立っていたのは……!

 

「氷雨・キクガオカ!?……やっぱりお前らが黒幕か!!」

「やれやれ、またアンタたちかい」

 

そんな氷雨に、ジョニーが食って掛かる!

「なぜそいつを殺す必要があった!?」

「そりゃぁ、こうして足がついちまった以上生かしておくわけにゃいかなくなったもんでね」

「何ィ!?」

「落ち着けジョニー!!」

さらにヒートアップするジョニーを抑えるクオン。

そんなK-9隊に氷雨は言い放った。

 

「そして……計画を知ってしまったアンタらも生かしておくわけにはいかない。悪いがこの場で消えてもらうとするさね」

氷雨は手元に握っていたスイッチを押すと、そのままどこへともなく去っていった!

 

「……ひ、氷雨の奴、爆弾のスイッチを押したな!?全員退避しろ!すぐにこのビルから離れるんだ!!」

クオンたちは一目散に本社ビルから飛び降り、ナインキャリアーへと飛び込む。

そして次の瞬間、爆発とともに本社ビルは瓦礫の山と消えたのだった。

「くそっ!あと一息のところで……!」

「本当に悪い奴らってのはいつもそうだ。甘い言葉で人の心に付け入って、恐ろしいことをしでかす……」

「隊長……」

「とにかくこの件は署に報告。製薬会社の社長は被疑者死亡のまま送検。生き残りの中に計画に関与した者がいれば捜査するんだ」

 

かくしてまたひとつ、巨悪の野望は粉砕された。

しかしクオンたちの胸中は、どこかやりきれない想いであった……。

この星に巨悪のある限り、彼らに安息の時はないのだ。


 
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