No.106893

新たなる外史の道 19 呉交渉編

タナトスさん

恋姫無双の愛紗ルート後の二人が真の世界にやってきたら?
という妄想から生まれた駄文です。
読んでもらえれば幸いです。

2009-11-14 00:09:32 投稿 / 全10ページ    総閲覧数:8281   閲覧ユーザー数:6428

私が蒼を旅立ってから1週間・・・孫呉が首都、建業に到着したが・・・

 

不況の影響からか商店は堅く戸を閉ざし、住人の顔色からは生きる気力や、やる気が無い虚ろな目がその顔にあった・・・

 

深刻だな・・・幾ら日常製品の輸出入は行っているとは言え・・・

 

それすら追いついていない・・・

 

我々が輸出した加工した鉄鉱石の完全ストップ、私達は呉の海産物や、香辛料、スズや石炭が完全ストップ状態・・・

 

呉の経済を圧迫しているのは石炭の採掘技術を全部蒼系列の企業に頼っていたのが呉の財政を圧迫する要因となった・・・

 

採掘技術を教えなかったから、呉は石炭を採掘できず完全に止まった状態だ・・・

 

何とかしなければ・・・

 

 

馬車は、雪蓮殿居城に到着した。

 

私は馬車から降り、正門に歩み寄る。

 

「ご夫人、ここは孫策様の居城です。一般人の入城は許可書が無いと入城できません」

 

そういい、門兵が私を制止した。

 

「失礼、私は北郷 愛紗と申します。孫策殿との同盟の件で参りました」

 

私がそう説明すると兵士は・・・

 

「何!?!?!? あの北郷 愛紗!?!?!?!?」

 

「無敵王妃、破滅の青龍妃、死を呼ぶ青龍、大量破壊兵器蒼王妃、蒼の最終人間兵器、葵い破滅者、この世の終わり、この世で尤もオッカない女・・・・・・」

 

「アレが・・・聞いた話では青龍刀の一振りで無数の敵兵を薙ぎ祓い、殺したそうだ・・・」

 

「いや・・・俺が聞いた話では、蒼軍の強さは北郷 愛紗が地獄の業火すら生暖かい地獄よりも悲惨な訓練と言う名の拷問を施しているとか・・・」

 

「俺が聞いた話では、笑顔でドス黒い闘氣を出しながら、ムチで蒼天王をハタキ倒していたとか・・・」

 

「どうやら、ドス黒い闘氣は触れたものを破壊し尽すらしい・・・」

 

「ナンマンダブ、ナンマンダブ、ナンマンダブ、ナンマンダブ・・・」

何か・・・えらく大きな声のヒソヒソ話だな・・・

 

一体何の怪談だそれは・・・

 

これでは私は化物ではないか・・・

 

無い事ばかりいいおって・・・

 

この様な聖母やお釈迦様もかくやの人妻捕まえて何たる暴言か・・・

 

まあいい・・・

 

「入城・・・よろしいでしょうか・・・」

 

「ひいいいいいいいいいい!? 大丈夫です!! 大丈夫ですから殺さないで!?!?」

 

お前ら・・・いい加減にしなさい・・・

 

 

案内係の兵士がビクビクしながら案内する・・・リアルに凹みそうです・・・

 

頑張れ私! 負けるな私! この交渉が終わったら一刀様とイチャイチャしよう!!

 

そんな事を考えながら応接室に案内された。

 

私は出されたお茶菓子とお茶を頂きながら、雪蓮殿を待つ。

 

暫くして女中が入ってきた。

 

「失礼いたします。孫策様の準備が整いました。会談会場へ案内いたします」

 

「はい、解りました」

 

暫く城内を歩き扉の前にたどり着く。

 

扉が開き、長テーブルが置かれていた。

 

そこには、雪蓮殿、蓮華殿、冥琳殿、穏、亞莎が並んで座っていた。

 

「よく来たわね、愛紗」

 

雪蓮殿がそういい歓迎してくれた。

 

「お久しぶりです、雪蓮殿、早速ですが、交渉に移りましょう」

 

「相変わらず真面目ね・・・」

 

私の提案に雪蓮殿が苦笑をもらす。

 

「雪蓮もそれぐらい真面目なら私の手間も掛からないのだが・・・」

 

冥琳殿が溜息をつきながら呟く。

 

「もう! 冥稟のイケズ!」

 

雪蓮殿が頬を膨らませながら愚痴る。

 

交渉は以外に難航しなかった。

 

同盟復活の条件として、蒼系外資系企業の商いの再開。

 

一部蒼技術の解放。

 

対等な軍事同盟の復活とどちらかの国が軍事侵攻を受けた時の戦線参加。

 

呉一部商品の輸出入の自由化。

 

呉の留学生受け入れなど

 

呉を如何しても受け入れたい私達の思惑が透けてしまいそうなほどの好条件を提示した。

 

同盟に、難色を示した蓮華殿だったが私の説明や、冥琳殿の説得などもあり何とか合意に至った。

 

 

調印書にサインと国璽を押し、雪蓮殿と握手を交わそうとしたその時・・・

 

窓ガラスが砕ける音が室内に響きわたる。

 

私達は割れた窓に顔を向ける。

 

私は窓ガラスを割った物体に冷や汗を流した。

 

飛び込んできたのは40×46グレネード弾だった。

しかもそれが6発打ち込んできた。

 

私は慌てて立ち上がり叫ぶ。

 

「全員!! 床に伏せて!!」

 

1発目のグレネード弾を爆発しないように蹴り飛ばす。

 

2発目のグレネード弾をこれまた爆発しないように手の甲で外にはたき出す。

 

3発目は左手で弾き返し、窓に出す。

 

4、5、6発は両手で弾く。

 

この間僅か1.5秒・・・

 

窓の外に出たグレネード弾は6発とも派手に爆発し、爆発の振動で窓ガラスが全て砕ける。

 

外では兵士達が騒ぎ出す。

 

どうやら外に怪我人はいないらしい・・・よかった・・・

私は窓ガラスが割られた所を記憶していた。その地点、城壁と発射地点を特定したがそこには、ダイナマイトノーベル社が一刀様の要望でパンツァーファウストⅢを参考に作った、パンツァーファウストⅣを構えた男がいた・・・

 

ま、まさか!?

 

「全員!! この部屋から退去!!」

 

言うが早いか、全員猛スピードで部屋から逃げ出す。

 

全員部屋から出ると同時に会議室は爆音と大爆発で吹き飛ぶ。

 

爆風で全員が吹き飛ぶ・・・

 

辺りには崩壊した会議室と瓦礫が点在していた・・・

 

「全員・・・生きてますか・・・」

 

私は爆風で出来た瓦礫を退かしながら問いかける・・・

 

「もお~~~~~!?!?!? 何なのよ!?!? 一体!?」

 

雪蓮殿は叫びながら瓦礫を退かす。

 

「・・・何とかな・・・」

 

冥琳殿は起き上がりながら呟く。

 

「私もだ・・・」

 

蓮華殿の瓦礫を退かせながら答える。

 

「フキュ・・・・・・」

 

穏は目を回しながらのびていた。

 

「・・・大丈夫です・・・」

 

亞莎はメガネを直しながら答える。

 

5人は何とか答えた。よかった・・・全員生きてるみたいだ・・・

 

「しかし、一体誰が・・・」

 

冥琳殿がそう呟く。

 

「解らないわ・・・とにかく・・・どうにかしなくっちゃ・・・」

 

雪蓮殿がボヤク。

 

「あ!! 調印書!!」

 

亞莎がそう叫んだ。

 

「・・・部屋の中において来ました・・・」

 

穏がそう呟く。

 

「何!?」

 

蓮華殿が叫ぶ。

 

「大丈夫です。確保しました」

 

私は蒼と呉の調印書をだす。

 

煤と埃で汚れているが何とか無事だ・・・

 

「良かった・・・」

 

冥稟殿がホッとしたように呟く。

 

私達はしばらく城内と町の不安を取り除く為に奔走した。

 

やれやれ・・・一刀様とのイチャイチャもお預けか・・・

 

 

「『ゼロ』、報告いたします・・・呉の妨害工作に失敗いたしました。会議を襲撃し、建業の住民にデマを流すはずが、呉の事態収拾が思いのほか早く出来ませんでした」

 

『何をしている・・・お前ほどの謀略家が・・・』

 

「・・・すみません・・・」

 

『・・・まあ良い・・・シナリオは加筆、修正する・・・第二プランとして、大陸大戦のシナリオは魏、蜀と蒼、呉の二局面戦争に切り替える・・・』

 

「申し訳ありません・・・」

 

『よい・・・次はしくじるな・・・』

 

「了解しました」

 

『ゼロ』は体内通信を切る。

 

「・・・私にもプランと言うものがあるということなのですよ・・・『ゼロ』・・・」

 

そう『テン』は呟く・・・押し隠していた想いを吐き出すように・・・

 

 

 

大陸は二局面戦争の様相を呈し始めた・・・・・・

 


 
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