No.106775 真恋姫無双外伝 外史をかける一刀 10話2009-11-13 03:08:14 投稿 / 全4ページ 総閲覧数:8251 閲覧ユーザー数:6596 |
無事、孫堅と合流して賊を討伐した一刀達は城に招かれ宴に参加した。
他の将や兵が酒や料理で盛り上がっている中、一刀は一人城壁の上で空を見ながら酒を飲んでいた。
一刀が何か物思いに耽っているとどこからか足音が聞こえてきた。
「兄は宴の中で一人離れて飲むのが趣味なのか?」
「文台さん。いや、先の戦いで思うことがあってね、少し一人で考えていたんだ」
「ほう。それは我が聞いてもよいものか?」
「ううん、そうだね。一人では答えが出なかったしね。誰かに聞いてもらうのもいいかも」
「では、聞かせてもらえるか?」
side out
side黄権
一刀が城壁にいる頃、黄権は自分が率いていた兵達と酒の早飲み対決をしていた。
「ふぅ、またわしの勝ちじゃな」
「参りました黄権様。まさか葉錬様並に飲まれる方がいるとは」
「なーに、伊達にこれが楽しみに生きてるわけではないわい。それはそうと一刀が見当たらないのう?」
「ああ、北郷様なら城壁に向かうのを見かけましたが」
「城壁か」
黄権が城壁に向かうと人影が見えた。
「おお、いたいた。んん?堅殿もいっしょか?」
side out
side 一刀
文台の問いに一刀はしばらく考え込み、そして静かに話し出した。
「ねえ、文台さん。文台さんは初めて自分の手で人を殺めた時の事覚えてる?」
「突然だな。だが・・・ああ、覚えている。遠い昔だがな」
「そうか。・・・実は俺は、この大陸から東に海を渡ったとこにある島国の生まれなんだ」
「ほう、それは珍しいな」
「でね、そこはこの大陸と比べると凄く平和でね、争いも無く人の死もどこか遠い感じだった」
「それは良い所だったのだな」
「うん。でね、ここからが本題なんだけど。俺はこの大陸に来て初めて人の死を、人が殺されるのを見たんだ。そして運良く前の主に認められて主の下で働いた。その頃の俺には戦う力が無くてね、ある程度の知識があったから文官みたいな感じで働いてた。戦場でも指揮だけ出して自分では戦っていなかったんだ。それがどういう事か分かる?」
「・・・そうか」
「俺はこの長沙に来て初めて、正しくは葉錬さんの娘の葉雄さんを助けた時に初めて自らの手で人を殺したんだ。そして先の戦いでも多くの人を殺した・・・」
「そうか、それで兄はどう感じたのだ?」
「うん。それがね、何も感じなかったんだ。初めて戦場を見た時は気持ち悪くなって気絶をしたのに、いざ自分で人を殺したのに何もね」
「・・・・・・」
「それでね、いざ戦いが終ってみるとなんて言ったらいいのか何も感じ無かった自分に恐怖というか違和感というかそんなものを感じてね。それを考えていた」
「なるほどな、それでその答えがでなかったというわけか」
「うん」
「なあ北郷殿。我は兄の問いに覚えていると応えたがそれには理由がある」
「その理由て?」
「ああ、我が始めて戦場に立った時の話だ。その時に初めて人を殺めたのだが、その時に我は殺めた事に恐怖を覚えてしまってな、その場から動けなくなってしまった」
「それで?」
「ああ、その時だ。動けなくなった我に敵が襲ってきた。その時に助けてくれたのが後に我の夫になる呉景(ごけい)だった」
「そうか」
「まあ早い話がその日が我にとって初めて人を殺した日であり、また初恋の日なのだ。それで今でも鮮明に覚えている。その後呉景とはずっと同じ部隊として行動していたのもあってな、結婚する頃には似たもの同士になっていた。我が使う技も夫から教わったものだ。今はもう病で逝っていまったがな」
「そうか、いい人だったんだね」
「ああ、我はあいつのお陰で色々な事を乗り越えて来られた。だから兄も一人で答えが出ない時には仲間に頼るといい。近くで覗いてる黄権殿とかにな」
「なんじゃい。気付いておられたか」
「マツリさんもいたんだ」
「まあな、二人を見かけたものでな。一刀よ、お主が感じているものは多くの者が感じているものじゃ。じゃから気にするなとは言わんがあまり深く考えるではない。どうしても気になる時はわしが相談に乗ってやる」
「マツリさんありがとう。文台さんも話を聞いてくれて」
「なにたいしたことでもない。さあ話も落ち着いた事だし今は我々も宴を楽しもうではないか」
そう言って三人は宴の席に戻っていった。
あとがき
いやあ、仕事を無くすって結構きますね精神的に。
という事でいきなりリストラにあったショックと就職活動で書く事が出来ずにしばらく読み専になってましたが次の就職先が決まったので復活できました。
今回の話はこの話を読んでくれてる友人から「一刀が初めて人を殺めたのになんも無いのはおかしい」と言われたので聞いてみましたがどうでしょうか?
ちなみに孫堅の夫(史実では妻)ですが名前が分からなかったので呉夫人の弟から取りました。
彼女らの馴初めはこの外史の話終った頃に番外編で書くつもりです(需要あるかな?)
これからはちゃんと書いていけると思いますので応援の方よろしくお願いします。
ではまた次回もよろしくお願いします。
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やっと投稿出来ました。
言い訳は後書きでします。
ここに書くネタがうかびません・・・