No.106358

魔神達の幻想入り 第18話(編集)

ポケットモンスターの世界に住むトレーナー達が幻想郷へやってくる不思議な物語。

2009-11-10 20:04:32 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:803   閲覧ユーザー数:786

ロトムを相手に、俺とチルノはカードを構える。

ジュウゴロウ「チルノ、全力で攻撃しまくるぞ!」

チルノ「よーし!雹符「ヘイルストーム」!」

全力をその氷で現すほどの吹雪が吹き荒れ始め、対するロトムはファンを回して押し返す。

ジュウゴロウ「その勢いは俺が埋める!風神「ダークサイクロン」!」

風を切る強力なキックがロトムの風を断ち切って、チルノのヘイルストームがロトムに直撃するが、その瞬間に現れるのはただの人形だった。これはさっき使っていた身代わりか!

ジュウゴロウ「また俺を狙うつもりでも無駄だ!」

俺に二度目の奇襲を仕掛けるが、一度死んだ身である俺も、今度はうまく見切って背後に回り込み、フーディンを繰り出す。

ジュウゴロウ「シャドーボール!」

フーディンのスプーンから影でできた球が作り出され、ロトムに投げつける。命中した。ロトムはゴーストに弱い性質を持つので、この一撃は大きい。

ジュウゴロウ「ロトム。お前は身代わりで避けるのがうまいようだか、使うと体力が激しく消耗する。俺を狙おうとしたことが仇となったな」

ロトムは傷だらけで、フラフラと宙に浮いている。今ならいける!

ジュウゴロウ「チルノ、あとはお前に任せる。お前の最強を見せてやれ!」

チルノ「任せなさい!あたいのさいきょーの一撃、食らわしてあげるわ!!氷塊「グレートクラッシャー」!!」

その一撃は、バルトに悪あがきで当てようとしたあの攻撃だった。今度はしっかりと集中しており、なおかつ大きさが以前よりも違う。

チルノ「いっけぇぇぇぇっ!!」

 

ドカァァァァンッ!!

 

身代わりできる体力もないロトムは今度こそ倒れる。

ジュウゴロウ「行け、モンスターボール!!」

この瞬間に俺はモンスターボールを投げてロトムにぶつける。開いたと同時に赤い光線がロトムを吸い込ませるとカタカタと揺れながら地面に転がり落ちる。

 

 

カタカタ・・・カタカタ・・・カタ・・・パチンッ!

 

 

10秒くらいでボールの動きは静かになる。

チルノ「・・・どうなったの?」

ジュウゴロウ「簡単に言えば封印した。俺達の勝ちだ」

ロトムの入ったボールを拾い、グッドのサインを送る。

ジュウゴロウ「チルノ。お前はどうやら、最強の意味を知ったようだな。その意味は永遠に刻まれるものだ。大切にしていけば、きっと叶うぞ」

チルノ「ううん、じゅうごろーのおかげだからできたんだよ。ありがとう!」

心から御礼をするチルノ。なんだかこんな子に礼をされるのも、俺は少し照れくさかった。

ジュウゴロウ「・・・チルノ、お前のファイトに情熱を感じた。体から燃えてくるような感覚がな」

チルノ「えー、熱いの嫌いなのに~」

・・・やっぱりチルノは⑨だ・・・。

チルノ「でもいっか、あたいはさいきょーだもんね!」

ジュウゴロウ「別の意味だけど、お前は強くなった。挑みたかったらいつでも呼びに来い。待っているぜ」

俺はロトムを出し、サイコキネシスを使って家具を香霖堂へ返しに向かう。ボーマンダは瀕死寸前のために飛ぶことが不可能なので歩かなければならないが、多分夜には戻ってこられるだろうと俺は思った。

チルノ「もっとに強くなるからねー!」

去り際に叫ぶチルノの声を聞いた瞬間、ポケットに触りなれない感触があったのでとりだしてみると、チルノの絵が描かれた新しいスペルカードがあるのだ。友情が芽生えたときに起きた奇跡がカードを生んだようだ。

ジュウゴロウ(ありがとな、氷の妖精チルノ・・・)

俺は手を振りながらロトムと共に去った。

 

 

「家具を取り戻してきてくれるだけじゃなく、あの生き物も捕まえてくれるなんて、なんとお礼したらいいのやら・・・」

ジュウゴロウ「ところで、朱鷺子っていう女はもう大丈夫か?」

朱鷺子「私は無事です。店を直すのには時間がかかりますが、香霖さんには世話になりました」

男の名は森近 霖之助と呼ばれ、通称香霖と呼ばれている店主であった。取り寄せの品を話すと、小さい箱が取り出される。

香霖「これだけ無事で良かったよ。確か、持ち帰るまで開けないでもらいたいって言ってたね」

ジュウゴロウ「(どれだけ我侭なんだよ・・・)とにかく金を払うとしよう。いくらだ?」

香霖「代金は先払いされているから必要ないよ」

ジュウゴロウ「なら、この赤い家具全部もくれないか?いくらでもある・・・」

 

香霖堂の外へ出ると、赤い家具をフーディンとロトムのサイコキネシスで運ばせながら帰ろうとしていた。

もう時間は昼を過ぎていた。もたもたして夜になったら少しまずいかもしれないと俺は思ったその時、

「ハァ~イ、久しぶりね~」

ジュウゴロウ「誰だ?」

どこかで覚えあるような声を聞き取って警戒する俺の前にスキマが開く。八雲 紫が現れる。

ジュウゴロウ「出たなスキマ妖怪」

紫「じゃなくて紫でしょ。それに何なのよその姿」

ジュウゴロウ「ああ、実は・・・」

 

魔人説明中・・・

 

紫「大変なことねぇ。ジュウゴロウ、少しだけ私の家に来てくれないかしら?遠慮せずとも案内するから」

ジュウゴロウ「待て、家具はどうするんだ?」

紫「それならこのスキマに放り出しておいてちょうだい」

そう言って紫はスキマの中へ入る。ロトムとフーディンは別のスキマに家具を入れておき、2匹をボールへ戻したあとに紫が入っていったスキマへ入る。

やってきたのは和みのある屋敷であるが紫の気配がなかった。まさか、計られたのか・・・?

と、思っていると・・・

サイ「か、会長さん・・・ですよね?」

ジュウゴロウ「! サイじゃないか」

屋敷からサイが出てくる。どういうことなのか聞いてみると、みんなで食事会するらしく一同集合していたらしいが、俺がフランに変身していることに気づかなかったのか、探すのに時間がかかっていたらしい。

サイ「一瞬可愛い女の子かと思ってたけど、本当に会長さんなんですか!?」

ジュウゴロウ「このトレーナーカードで分かるだろ」

とりあえず証拠としてカードを見せて納得させる。同時に紫もやってきた。

紫「あがってちょうだい、今ご飯ができている頃だから」

ジュウゴロウ「助かる」

居間へと足を運ぶと、ちょうどいただいているバルト達の姿もあり、その家族でもある少女もいた。のちに一同は俺を見てギョッとした顔になる。

バルト「会長さん・・・?」

ベンケイ「これはなんとも・・・」

ジュウゴロウ「別にいいだろ。好きでやってるんじゃないんだしさ・・・」

やはり仲間の前では非常にも恥ずかしかった。そこへエビスと狐の尻尾を生やした女が料理を運んでくる。

「エビスさんって、料理上手なんですね」

エビス「魚とかには結構自信があるもんやからなぁ・・・はて、どちらさんでっか?」

ジュウゴロウ「おい、打ち殺すぞ(怒)」

とうとう忘れられてしまうほどの怒りがたまった。でもここで暴れたらいけないためにひとまず沈静する。・・・よし、落ち着いた。

紫「それじゃあ集まったところで、まずは自己紹介しておくわ。私は八雲 紫、スキマ妖怪よ」

「紫様の式神、八雲 藍です」

「藍様の式神の橙っていいます!よろしくお願いします!」

ジュウゴロウ「よろしく頼む」

わざわざこのために呼び出したのはおかしいが、早めにするとしようか・・・。と思っていただくと、やはり裏切らないほどのいい味をしていた。

やっぱ10分くらいしてから戻るとするか・・・

 

 

咲夜「お嬢様、ジュウゴロウ様がお戻りになられました」

ジュウゴロウ「よぅ、紫に食事誘われて食ってきたところだ」

紫に頼んで紅魔館へ飛んだ俺は、早速ということでレミリアに話す。

レミリア「・・・随分と酷い弾幕勝負でもしてきたのかしら?」

ジュウゴロウ「ああ、結構ヤバかったな。それと、新しい客を紹介しておこうかと思ってる」

俺はロトムをボールから出す。

ジュウゴロウ「こいつはプラズマポケモン、ロトム。訳ありでここで家事の手伝いをすることとなって・・・」

 

魔人説明中・・・

 

レミリア「簡単にまとめると、ロトムは電化製品に取り付いていろんな行動が取れる能力を持ち、それを利用して家事の手伝いを雇わせてもらおうって言うわけね・・・問題ないわ」

ジュウゴロウ「決まりだな。これからもしっかりやれよ、ロトム」

ロトムは静電気を流す。これが彼の喜ぶ様子みたいだ。

レミリア「それと、プレゼントはもらってきたかしら?中を開けてもいいわよ」

そう言って俺は箱を開けてみると、白紙のカードが10枚入っていた。

ジュウゴロウ「これは?」

レミリア「スペルカードの素。新しいカードを使うときにはそれでイメージするれば、新しく使うことができるわ。それにジュウゴロウはスペルカードが使えるらしいわね・・・」

ジュウゴロウ「憤怒で生み出したカード2枚と、チルノとの友情で生み出したカード1枚の計3枚だ」

レミリア「フフッ、それじゃまともに戦えないわね・・・スペルカードは使うと効果が切れるまで継続して、使用後に消滅するのよ」

ジュウゴロウ「弾幕勝負ってのは消耗戦のことなのか・・・確かに多けりゃ有利だな」

まず手始めに1枚目の新カード。このカードには自分の体術にバズーカ並みの破壊力を誇る弾幕を与えるカードをイメージすると、その思い通りの絵が現れる。使い道を理解した俺は礼を言って自分の部屋へ戻る。

あまりも面白いことか、さらに2枚作りあげ、計3枚の新しいカードが使用可能となる。しかしこんな便利なのがあるのならまた香霖堂に行くとしようと俺は思っている。時間はすでに夜だ。

ジュウゴロウ「・・・妖怪にやってみてもいいかもな・・・」

今夜は妖怪の森へ行ってみるとしよう。

第18話でした。

ロトムが紅魔館で働くこととなりました。

まさかのことですけど家事の手伝いができそうなのは自分の思い付きです。洗濯とか電子レンジとかに変身していろんな活躍ができるかが自分でも期待で胸を膨らましています。

次回ではジュウゴロウが妖怪の森で初の弾幕勝負に挑みます。どんなカードを使うのかはお楽しみに!

 

追伸:習得スペルカードを3枚に変更しました。のちに新しいカードを増やすつもりです。


 
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