No.1060838

英雄伝説~灰の騎士の成り上がり~

soranoさん

第127話

2021-05-04 01:08:26 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1721   閲覧ユーザー数:1430

2月16日、同日、AM8:00―――――

 

翌朝、リィンはリィン隊のメンバーを集めて作戦内容を説明した。

 

~レヴォリューション・ブリーフィングルーム~

 

「今回の目標はオルディス地方の奪還―――――それも、連合ではなくヴァイスラント新生軍との共同作戦ですか。」

「しかもオルディスには知事閣下だけでなく、皇妃殿下や”呪い”によってオズボーン宰相達側に協力している子爵閣下も滞在していらっしゃるなんて……」

「お母様………」

説明を聞き終えたアルティナは静かな表情で呟き、クルトは複雑そうな表情を浮かべてアルフィンに視線を向け、視線を向けられたアルフィンは辛そうな表情でプリシラ皇妃を思い浮かべた。

「姫様……兄様、ミルディーヌ、今回の作戦で皇妃殿下達に危害を加えるといった事はしませんよね?」

アルフィンの様子を心配そうな表情で見つめていたエリスはリィンとミュゼを見つめて訊ねた。

 

「はい。皇妃殿下は当然として、戦後の事を考えると知事閣下はエレボニアにとって必要不可欠な方なのですから、お二方はヴァイスラント新生軍にとって”保護対象”でありますから、オーレリア将軍達もそうですがリィン少将閣下達にもお二方への危害は絶対に厳禁である事を言い含めておりますのでどうかご安心ください。」

「……?あの、ミュゼさん。その言い方ですと、子爵閣下はヴァイスラント新生軍の”保護対象”ではないように聞こえるのですが……」

ミュゼの答えを聞いてある部分が気になったセレーネは質問した。

「………ああ。残念ながら”今の子爵閣下は連合は当然として、ヴァイスラント新生軍にとっても保護対象外”なんだ。」

「え…………ど、どうしてですか……!?」

「!まさか………現在の子爵閣下は”呪い”によってオズボーン宰相達側に協力している――――――つまり、連合やヴァイスラント新生軍の”敵勢力”として今回の作戦で阻んでくるため、子爵閣下は”保護対象ではない”のですか……?」

重々しい様子を纏って呟いたリィンの答えを聞いて一瞬呆けたアルフィンが血相を変えてリィンに訊ねたその時、ある事に気づいたクルトは複雑そうな表情を浮かべてリィンに確認し

「あ………」

「ま、そういうこった。向こうもこっちを殺る気満々で斬りかかってくるんだから、こっちも”生かして捕らえるみたいな甘い考え”で迎撃することなんてできないだろう?何せ相手はエレボニアで5本の指に入るといわれる武人にして”エレボニア最高の剣士”と称えられた”光の剣匠”なんだからな。」

「無論、子爵閣下にお世話になったリィンさんも可能であれば子爵閣下を生かして捕らえたいとは思っています。その為、今回の作戦で子爵閣下に挑むメンバー―――――カイエン公爵家の城館に潜入する部隊の中にはオリエ夫人も含まれています。」

クルトの推測を聞いて呆けた声を出したアルフィンは辛そうな表情で黙り込み、フォルデとステラは静かな表情で説明を続けた。

 

「母上が…………!もしかして母上ならば、子爵閣下との戦闘中にリィン少将達との戦闘の疲弊によってできるかもしれない”隙”を突いて”峰打ち”で無力化できる可能性もあると考えて、母上も子爵閣下に挑むメンバーに含めたのでしょうか?」

「ああ。それと後はオリエさん―――――いや、クルト達”ヴァンダール家”に俺ができるせめてもの采配だ。クルトもそうだが、オリエさんも可能ならば子爵閣下を”救いたい”と思っているだろう?」

「リィン少将………はい……!リィン少将のヴァンダール家(ぼくたち)への寛大なお心遣いに感謝を。」

自分の仮説に対して答えたリィンの指摘に頷いたクルトはリィンに頭を下げた。

 

「あの、お兄様……子爵閣下もそうですが知事閣下や皇妃殿下がオルディスにいらっしゃるのですから、アリサさん達――――――”紅き翼”もルーレの時のように”身内の保護”をする為に介入してくるのではないでしょうか……?」

「ああ、間違いなく介入してくるだろうな。」

「無論彼らの介入を想定し、彼らに今回の作戦を妨害させない為のメンバーも選出済みで、その中には私達天使部隊以外の前回のメンバーも含まれています。」

セレーネの推測にリィンが頷いた後にルシエルが説明した。

「前回―――――ルーレの時のメンバーで、ルシエルさん達以外という事はもしかして姉様達ですか……?」

「ええ。とはいっても今回リィン隊の中で”紅き翼”の相手をするメンバーは私だけよ。」

「…………………………」

ルシエルの説明を聞いてある事に気づいたエリスの疑問にエリゼが答えた後リィンはふとある事を思い出して目を伏せて黙り込んだ。

 

 

~3日前・レヴォリューション~

 

「エリゼがⅦ組や殿下達にそんなことを……!?」

「ええ。…………結社の意向で内戦で前カイエン公に加担していた私が言えた義理ではありませんが、エリゼがそんな考えを抱くようになったのは内戦もそうですが内戦勃発前の帝国解放戦線による暗躍で貴方やエリス、それにユミルが巻き込まれた事でアルノール皇家の不甲斐なさもそうですが、Ⅶ組の未熟さにも失望と怒りを抱いていたのでしょうね。」

ルーレ占領作戦成功の翌日、デュバリィからルーレで紅き翼と対峙した時にエリゼ自身が口にした事実―――――エリゼがⅦ組やアルノール皇家に対して怒りを抱いている話を聞かされたリィンは驚きの表情で声を上げ、デュバリィは複雑そうな表情でリィンにある指摘をした。

「それは……………………」

デュバリィの指摘に対して反論の言葉がないリィンは複雑そうな表情で黙り込み

「それで……どうしますの?貴方の事ですから、やはり貴方の口でエリゼにアルノール皇家やⅦ組を恨むような事はするなと説得するんですの?」

デュバリィはリィンを見つめながら訊ねた。

 

「…………いや………その件に関しては俺は口出ししないし、エリスやセレーネにもエリゼを説得するような事はしないようにと言い含めておく。」

「へ……ふ、”不干渉”ですか……!?随分と貴方らしくない判断ですが………何故そのような判断を?」

リィンが口にした意外過ぎる判断に驚いたデュバリィは困惑した表情でリィンに訊ねた。

「エリゼは俺達の事を思って殿下達やアリサ達に怒っているのに、それを俺達が否定するのは”筋違い”で、エリゼの俺達を大切に思っている事を無下にするなんてエリゼの”家族”としてできない事もそうだが………何よりもその件はアリサ達自身で解決するのが”筋”でもあるからだ。」

「シュバルツァー…………」

リィンの説明を聞いたデュバリィは静かな表情でリィンを見つめ

「正直な所エリゼを説得したいし、多分エリゼの事だから俺達の説得を聞き入れてくれると思う。―――――だけど俺達はエリゼの”家族”として、エリゼは内戦や帝国解放戦線で抱いたエレボニアもそうだがⅦ組やアルノール皇家に対する”怒り”を向ける事を俺達の為に我慢し続けたのだからこれ以上エリゼに負担をかける訳にはいかないし、何よりもアリサ達の事だから、”自分達の手で解決しないとアリサ達自身が納得しないんじゃないか?”」

デュバリィに見つめられたリィンは疲れた表情で答えた後静かな表情を浮かべて話を続け、そして苦笑しながらデュバリィに問いかけた。

「…………確かに言われてみればそうですわね。」

リィンの説明と問いかけに一瞬目を丸くしたデュバリィだったがやがてⅦ組の面々を思い浮かべて口元に笑みを浮かべてリィンの意見に同意した。

 

~現在~」

 

「リィン様、何か気になる事が出てきたのか?」

かつての出来事を思い返して物思いにふけっているリィンの様子が気になったベアトリースはリィンに声をかけた。

「いや……大丈夫だ。それよりも念の為にもう一度確認しておきたいんだが……リタ、灰獅子隊(おれたち)の軍事行動にまで協力する事―――――リィン隊のメンバーの一人として”戦場”に出る事は本当によかったのか?君は”客人”なのだから、そこまでする”義務”はないんだが……」

「お気遣いいただきありがとうございます。私の私情の為にこの船に滞在させてもらっている恩を返す事もそうですが、主―――――セリカ様の今回の”敵”の中には”オズボーン宰相達に従うエレボニア帝国軍”も含まれているのですから、リィンさん達と一緒にエレボニア帝国軍と戦う事は主の助けにもなりますから、私の事も遠慮なく”戦力”として活用してください。」

ベアトリースの問いかけを誤魔化したリィンはリタに確認し、確認されたリタは静かな笑みを浮かべて答えた。

「ありがとう。―――――国土の東半分を占領された事で敵軍の抵抗もより激しくなるだろう。また”優勢”という”驕り”は時には油断を招き、それが”敗北”や”死”に繋がる事になりかねない。―――――気を引き締め直して行くぞ!!」

「イエス・コマンダー!!」

リタに感謝の言葉を述べたリィンは仲間達や配下の軍人達を見回して忠告した後号令をかけ、リィンの号令にその場にいる全員は力強く答えた。

 

 

同日AM:9:00―――――

 

1時間後、奪還作戦を開始したヴァイスラント新生軍の主力はゼクス将軍の指揮の元ジュノー海上要塞方面へと進軍し、ヴァイスラント新生軍の登場を察知したジュノー海上要塞に配備されていた正規軍が迎撃の為に次々と出撃し、ヴァイスラント新生軍と激突していた。

 

~エレボニア帝国西部・ラマール州・紺碧の海都オルディス近郊~

 

「―――――ヴァイスラント新生軍、突撃開始!今こそ帝国政府によって占領されたオルディスを将軍閣下達の代わりに俺達の手で取り戻すぞ!!」

「オオオオオォォォォォ――――――ッ!!」

ヘクトルを操縦しているウォレス准将の号令に力強く答えたヴァイスラント新生軍はオルディスの近郊で迎撃態勢を取っている正規軍へと突撃して戦闘を開始した。

「フン!ついに来たか非国民どもが……!ジュノーからの援軍と挟み撃ちにして全員討ち取ってくれる……!」

一方その様子を見ていた司令官は鼻を鳴らして不敵な笑みを浮かべたが

「ほ、報告!ヴァイスラント新生軍の別働隊がジュノー海上要塞近郊に出現!ジュノー防衛の為にこちらにすぐに援軍を向かわせるのは難しいとの事!」

「何だとぉっ!?」

慌てた様子の部下の軍人の報告を聞くと驚きの声を上げた。

 

~西ラマール街道~

 

「(まさか祖国の誇りの為……皇帝陛下達の為に祖国の戦争相手である連合側について、かつての敵であった貴族連合軍の本拠地を落とす作戦に関わる事になるとは、皮肉な話だな……)―――――これより作戦を開始する。総員、戦闘開始(オープンコンバット)!」

「イエス・コマンダー!!」

同じ頃少しの間物思いにふけっていたゼクス将軍はすぐに表情を引き締めて力強い号令をかけ、ゼクス将軍の号令に力強く答えた軍人達は次々と自分達の敵である帝国正規軍へと突撃を開始し

「おのれ……!まさかジュノーをオルディスと同時に落とす為に部隊を分けるとは、小癪な真似を……!―――――総員、何としてもここでヴァイスラント新生軍を壊滅させ、我らが忠誠と正義をオズボーン宰相閣下に捧げるのだ!!」

「イエス・コマンダー!!」

対する正規軍の師団長も号令をかけて突撃してくるヴァイスラント新生軍との戦闘を開始した。一方それぞれの地上で戦闘が始まっている中、レヴォリューションはステルスモードで姿を消した状態で戦場の上空を通り過ぎてジュノー海上要塞へと向かった。

 

同日AM9:35―――――

 

~レヴォリューション・ブリッジ~

 

「ジュノー海上要塞の上空に到着しました。」

「ステルスモードの解除と合わせて防御結界を展開。海上要塞の周囲を回りながら地上の正面門で迎撃態勢を取っている敵軍を攻撃しなさい。ただし攻撃に使用する武装は副砲と空爆用の爆弾のみで、要塞自体への攻撃は厳禁よ。」

「イエス・キャプテン。」

レヴォリューションがジュノー海上要塞に到着するとブリッジの艦長席に座っているレンは次々と指示を出していた。

 

~ジュノー海上要塞・外回廊~

 

「な、なんなんだあの灰色の船は……!?」

「何もない空に突然現れたが、一体どうなっている……!?」

「しかもよくみたら”紅き翼”に似ていないか……!?」

要塞の外回廊にいた守備兵達は突然現れたレヴォリューションに困惑し

「!あの飛行艇は元帥閣下達によるノルティアの奪還が失敗した原因となったメンフィル帝国軍の飛行艇だ!全火力をもって撃ち落とせ――――――!!」

「イエス・サー!!」

レヴォリューションに見覚えがあった指揮官は血相を変えて指示を出し、指揮官の指示に答えた軍人達は要塞に備えつけている導力砲でレヴォリューション目掛けて砲撃を始めた。するとその時レヴォリューションから二騎の天馬騎士達が現れた後、凄まじいスピードで要塞に近づいた。一方外回廊でレヴォリューション目掛けて砲撃している軍人達はレヴォリューションを落とす為に砲撃する事に必死だった為、レヴォリューションから現れて要塞に向かっている天馬騎士達に気づくのが遅れ、その隙に天馬騎士達は軍人達の上空を通り過ぎた。

 

「……?今何かが通り過ぎたような……?―――――な。」

天馬騎士達が通り過ぎた事によって一瞬天馬騎士達の影に覆われた軍人の一人がふと上空を見上げると天馬を駆る騎士という初めての光景に思わず絶句した。

「―――――さあ、行(ゆ)くぞっ!」

「ヒヒーン!!」

天馬騎士の一人―――――”天馬を駆るオーレリア将軍”は天馬と共に外回廊で砲撃をしている軍人達目掛けて急降下して自身の得物である”宝剣アーケディア”を振るった!

「オォォォォ…………ッ!」

「ガッ!?」

「ぐがっ!?」

「ぐあああああ………っ!?」

軍人達目掛けて天馬を急降下させたオーレリア将軍は天馬が凄まじいスピードによる低空飛行で軍人達の傍を横切る瞬間に宝剣を振るって次々と軍人達を絶命させた!

 

「お、”黄金の羅刹”………!」

「何なんだあの翼が生えた馬は……!?」

「ま、まさか……天馬(ペガサス)……!?」

まだ無事だった軍人達は自分達の仲間を一瞬で殺害した後再び上空に戻って方向転換をした天馬を駆るオーレリア将軍にようやく気付くと驚きの声を上げた。

「くっ……怯むな!敵将を討つ絶好の機会だ!銃で撃ち落とせ―――――ッ!!」

「ハッ!!」

そして我に返った指揮官の指示によって軍人達がオーレリア将軍目掛けて銃を構えたその時

「させません!裁きの光よ、輝け――――――贖罪の光霞!!」

「うお……っ!?」

「め、目が……っ!?」

もう一人の天馬騎士―――――イングリットが神聖魔術を発動させ、イングリットの神聖魔術によってダメージを受けると共に魔術を発動した際に発生した強烈な光によって目が眩んだ事でその場で怯んだ。

「クロード隊並びにローレンツ隊、援護攻撃始めっ!!」

「ハッ!!」

「ぐあっ!?」

「ががっ!?」

「ガフッ!?」

そこにレヴォリューションから次々と現れたローレンツ率いるローレンツ隊とクロード隊が一斉に矢や投擲用の槍を放って怯んでいる軍人達にダメージを与えたり絶命させたりし

 

「何なんだあの連中は……!?」

「”空を駆る騎士”があんなにも……」

「おのれ……!目標をあの”空を駆る騎士”達に変更!全火力をもってあの”空を駆る騎士”達を纏めて海の藻屑にしてやれ!」

「イエス・サー!!」

新たに現れた竜騎士(ドラゴンナイト)達や鷲獅子騎士(グリフィンナイト)達に困惑していた軍人達だったが指揮官の指示によって我に返ると銃や導力砲でローレンツ達目掛けて攻撃した。しかし―――――

「総員、味方部隊の前方に結界魔術を!」

「はいっ!!」

ローレンツ達の背後から現れたルシエル率いる天使部隊が一斉に結界魔術を発動してローレンツ達の前に巨大な光の結界を作り出してローレンツ達に襲い掛かる銃撃や砲撃を防いだ。

 

「む、無傷だとぉっ!?―――――!あ、あの翼を生やして頭に光の輪がある敵兵達はまさか……!?」

「て、”天使”…………」

幾ら銃撃や砲撃をしても撃ち落とすどころか傷つかないローレンツ達に驚いた指揮官はルシエル達に気づくと信じられない表情を浮かべ、ルシエル達に気づいて思わず攻撃の手を止めた軍人の一人は呆けた表情でルシエル達を見つめた。

「ふっ、私の事を忘れていないか……っ!?私は右から攻める!ガラテア少佐は左からだ!」

「了解!」

そこにオーレリア将軍がイングリットと共に再び空から強襲をかけて次々と軍人達を討ち取って外回廊の軍人達を混乱させ、その間にオーレリア将軍率いる精鋭部隊を背後に乗せた天馬騎士(ペガサスナイト)達が次々と外回廊に着地すると精鋭部隊は天馬から降りて次々と自分達の武装を構えて軍人達に襲い掛かり、天馬騎士達も天馬を再び空へと舞い上がらせるとオーレリア将軍達と共に空から強襲をして精鋭部隊の援護を始め、それを見たローレンツ達やルシエル達も一斉に要塞に突撃して協力して外回廊にいる軍人達を全滅させた。

 

「フフ……生身で空を自由自在に駆ける事によってこうも上手く奇襲が成功するとは。戦後は是非とも”生身で飛行可能な戦力”を我が軍で採用したいものだ。彼女達のような飛行可能な異種族達を我が軍に組み込むのは無理にしても、この天馬(ペガサス)のような”飛行騎獣”達を入手し、一部の部下達を其方達のような”飛行騎士”へと育て上げる事は可能だろうから、戦後メンフィル帝国を通して飛行騎獣達を入手したいものだな。」

戦闘後レヴォリューションから残りの部隊が次々と外回廊に降下している中、その様子を天馬に乗りながら見守っていたオーレリア将軍はルシエル達に視線を向けた後口元に笑みを浮かべて自分の隣で滞空しているイングリットに視線を向け

「え、えっと……私は一将校に過ぎませんので、そういった事はミュゼ―――――ミルディーヌ公女にメンフィル帝国からの飛行騎獣の入手に関する交渉の要請をするか、もしくは我が国の軍、もしくは政府の上層部に直接交渉してください………念の為に言っておきますが、僅か半日で天馬(ペガサス)の騎乗ができるようになった所か、飛行戦までできるようになった将軍が”規格外”なだけで、普通は飛行戦をできるようになるには最低でも1ヶ月は必要ですから、例え飛行騎獣達を入手しても、すぐに”実戦”に運用する事は無理である事は念頭に置いてくださいね?」

オーレリア将軍に話を振られたイングリットは困った表情で答えた後苦笑を浮かべてオーレリア将軍にある指摘をした、

「ふふ、そうか?私のように馬術を修めている者達ならば、すぐに”実戦”にも運用できると思うがな。要は馬の走る場所が地面から空に変わっただけだからな。」

「ア、アハハ…………」

自分の指摘に対して答えたオーレリア将軍の豪快な答えに冷や汗をかいて表情を引き攣らせたイングリットは苦笑して答えを誤魔化した。

 

「ルシエル殿!各迎撃部隊の配置、完了済みだ!」

「”副攻ルート”攻略班、いつでも出撃できます!」

「了解しました。―――――オーレリア将軍。」

ジュノー海上要塞を担当する全ての部隊がそれぞれの配置に着いた後カイルとアメリアからそれぞれ報告を受けたルシエルは頷いたオーレリア将軍に視線を向けて号令を促し

「うむ。―――――ラマールの兵(つわもの)達よ!ようやく我らが居城をこの手で取り戻す時が来た!今こそ我らの留守の間に我らの居城に居座った愚か者達に裁きの鉄槌を下してやれっ!そして我らの居城の奪還に協力してくれる灰獅子の盟友達よ、其方達の軍団の名に冠している”獅子”の名の通り、”獅子奮迅”の武勇を存分に振るうがいい!!」

「イエス・マム!!」

「オオオオオォォォォォ――――――ッ!!」

ルシエルの言葉に頷いたオーレリア将軍は周囲の者達を見回した後力強い号令をかけ、オーレリア将軍の号令にその場にいる全員は力強い答えを返した。

 

「”主攻ルート”攻略班、状況開始(オープンコンバット)!!」

「同じく”副攻ルート”攻略班、状況開始(オープンコンバット)!!」

「迎撃部隊、状況開始(オープンコンバット)!一人たりとも後ろに通すな!!」

「ハッ!!」

「さぁて……面倒ではあるが、主に頼まれている以上雑事を片付けないとね。」

そしてオーレリア将軍、フランツ、ローレンツは号令をかけるとオーレリア将軍率いる精鋭部隊とルシエル率いる天使部隊は”主攻ルート”に、フランツ率いる槍歩兵部隊とアメリア率いる弓歩兵部隊、そしてユリーシャとメサイアは”副攻ルート”にそれぞれ向かい始め、ローレンツを始めとした迎撃部隊がそれぞれ迎撃の構えをしている中レジーニアもめんどくさそうな様子を見せながらもいつでも迎撃できるように魔術の詠唱を開始した。

 

一方ジュノー海上要塞を担当する各部隊の作戦開始を確認したレヴォリューションはオルディスに向かって飛び去った―――――

 

 

今回の話でちょっと(?)驚いたと思いますがオーレリアがペガサスを駆って空からの奇襲による無双を行いました(汗)まあ、原作でもトールズ時代から数々の伝説を残しているまさに”化物”なオーレリアのスペックならすぐにペガサスの騎乗に慣れて戦闘できると思っています(というかオーレリアの場合、ペガサスよりドラゴンが似合うような気もしますが(ガクガクブルブル))なお、今回のBGMは戦闘も含めて閃1の”Atrocious Raid”か閃3の”solid as the Rock of JUNO”のどちらかだと思ってください♪

 

それとようやく据え置きのテイルズ新作の発売日が発表されてテンションが上がりまくっています!しかも今年はテイルズの前に那由他のリメイクや天結いの続編が発売される上軌跡シリーズ最新作にして新章のクロの軌跡も発売されるとの事ですから、ホント楽しみな年になりそうです!クロの軌跡の発売日はまだ未定ですから多分、テイルズ最新作の発売が先でクロの軌跡の発売は早くて10月、遅くて12月だと予想していますので、クロの軌跡は後の楽しみになりそうですね♪

 

 


 
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