ワールドツアーで優勝し、リュウをキーラから取り戻したルカリオは、彼を安全な場所で休ませた。
「もう大丈夫だ、お前の身体はキーラに利用される事はない」
「助けてくれてありがとう、ルカリオ」
リュウは助けてくれたルカリオにお礼を言った。
ルカリオとリュウは互いに握手をし、断ち切られた友情が再び結ばれた。
「よかったな、二人とも」
「やったね!」
この光景に、カービィとフォックスは喜んだ。
これで、光の世界に残った仲間は、あと一人。
果たして、それは一体誰なのか。
一行はかっぺいが漕ぐボートに乗って、ワールドツアーがあった川を後にした。
「う~ん、最後は一体誰が捕まっているのかしら」
「さあ、分かりませんわ……。ここを一通り探索しましたのに、まだいるという事は……」
光の世界で最後に見つかる仲間は、地上にも空にも、海にもいない。
という事は……とアイシャが感づいた瞬間、白い右手袋がアイシャに飛びかかった。
「きゃーーーーーーーーーーっ!!」
「アイシャ!?」
突然の襲撃に、アイシャは戸惑ってしまう。
手袋はアイシャを掴むと、そのまま氷山を越え、空の彼方へと飛び去ってしまった。
その手袋は、皆、見覚えのあるものだった。
「マスターハンド……!!」
それは、キーラに率いられて襲ってきた、マスターハンドだった。
「どうしてここに来たのかしら……」
「でも、アイシャが……」
唖然とするベルだが、仲間の一人がさらわれた事実に変わりはない。
マスターハンドとアイシャが飛んだ方向は、氷山を越えた先にある空の彼方だ。
またボディをキーラに利用されては、もうこちらに勝ち目はない。
「追いかけるぞ。氷山は遠いが、頑張れば追いつく」
「氷山なら僕達に任せて!」
「はぐれないでよ!」
「うん!」
一行はルカリオとアイスクライマーを先頭に、氷山に向かって走り出した。
道は遠かったが、二人と一匹のおかげで今までよりは楽に攻略できた。
そして、空へ行くための道に辿り着いたが、メタルギアRAYが道を塞いでいた。
「そこをどけ」
「波動拳!」
スネークとリュウが協力してメタルギアRAYを撃破すると、目の前に宇宙船が見えた。
これを運転すれば、アイシャがさらわれた場所へ行く事ができる。
「ねえ、これ、誰が運転するの?」
「僕が運転しよう」
「シャド兄、できるの?」
「宇宙生物にも乗った事があるからな。いいか、振り落とされるな」
シャドウはそう言って、宇宙船に乗り込み、ハンドルを取って運転した。
そして、宇宙船は宇宙の彼方へと飛んでいった。
「うわぁ~! 綺麗な星~!」
「ああ……たくさんの惑星が見えるな……」
カービィは宇宙船の窓から星をたくさん見ていた。
宇宙に行った事があるフォックスやカービィは、目を輝かせて外を見ている。
一方で、シャドウは真剣な表情で宇宙船を運転していた。
すると、北の方に生命反応を発見した。
「ファイターの気配がいる……。こっちだ」
「うん」
シャドウは北に向かって宇宙船を運転する。
すると、台座に縛られた青い雉と、彼を取り巻くように星船マリオとアパロイドが見えた。
青い雉は、フォックスには見覚えがあった。
「ファルコ!!」
そう、彼こそがスターフォックスのエースパイロット、ファルコ・ランバルディなのだ。
フォックスはファルコを助ける事ができず、悔しくて歯を食いしばる。
「くそっ……俺にもっと力があれば……!」
「そんなに自分を責めるな、フォックス。オレも一度捕まった身なんだ。だから、自分の手で助け出せばいい!」
マックは落ち込むフォックスを叱責する。
「ああ、そうだよな……いつまでもじめじめしていちゃダメだよな。よし、ファルコ! 今、助けてやるからな!」
フォックスはブラスターを取り出すと、ファルコを縛っている光の鎖を撃ち抜いた。
すると、ファルコは赤い瞳を光らせてフォックスに襲い掛かってきた。
「コロシテヤルゼ」
「来るぞ!」
フォックス、ネス、リュカ、マック、マール、ジュカインは、ファルコとスピリッツを解放するべく、戦いに挑んだ。
「はっ!」
フォックスは空を飛んでいる星船マリオに蹴りを放つ。
攻撃はギリギリで命中し、星船マリオは地面に落ちる。
「PKファイアー!」
ネスは星船マリオをPKファイアーで燃やし、反撃の隙を与えない。
「お願い、目を覚まして!」
マールはファルコにわかばシューターを撃つが、ファルコは緊急回避でかわす。
リュカは、ファルコがかわした方にPKフリーズを放ち、一時的に凍らせた。
「いあいぎり!」
「くそっ、かわされたか!」
アパロイドはジュカインのいあいぎりとマックの正拳突きをギリギリでかわし、ジュカインに反撃しようとしたが、
フォックスが庇い代わりにダメージを受けた。
「ファルコ……。仲間と戦うのは苦しいか? 苦しいなら、今すぐ武器を納めるんだ」
「コロシテヤルゼ」
フォックスはファルコが仲間思いである事を知っており、彼を説得しようとする。
しかし光の呪縛を受けたファルコは聞く耳を持たず、フォックスに襲いかかった。
「やめろ!」
「……」
フォックスはファルコの空中からの攻撃を諸に受ける。
ジュカインは思わず叫びそうになるが、理性でそれを抑える。
「えい!」
「PKフラッシュ!」
「やあ!」
マールはアパロイドをわかばシューターで撃ち、ネスがファルコをPKフラッシュで怯ませた後にリュカがぼうっきれを振り下ろした。
「ぐおっ!」
「エナジーボール!」
アパロイドはマックに光線を放ち、ジュカインはアパロイドをエナジーボールで攻撃する。
フォックスとファルコは互いに体術をぶつけ合う。
ネスと星船マリオの攻撃はどちらも当たらず、マールはスプラシューターでファルコを撃った。
「ライフアップ!」
ネスはフォックスを治癒するが、思うように回復はしなかった。
「ごめんね、フォックス」
「気にするな」
「タネマシンガン!」
ジュカインは口から種を吐いてアパロイドを撃ち、星船マリオはリュカ、マックとアパロイドは互いを攻撃する。
「シールド!」
リュカは光の壁を作り出し、全員を覆った。
ファルコは翼でネスを斬りつけるが、光の壁がそれを阻んだ。
「PKファイアー!」
リュカがアパロイドをPKファイアーで燃やすと、アパロイドは戦闘不能になった。
「おらっ!」
ファルコはマックのストレートをジャンプでかわし、空中からのファイアバードで反撃する。
マールはインクを回復した後、スプラッシュボムをファルコに投げる。
爆発で怯んだ隙に、フォックスはファルコに回し蹴りを放つ。
「リーフブレード!」
ジュカインのリーフブレードが星船マリオを一閃し、残るはファルコのみとなった。
「今だぜ、フォックス!」
「ああ!」
フォックスは頷くと、ファイアフォックスでファルコに突っ込んでいき、すぐに彼に組みついて動きを止める。
「ファルコ、今、悪い夢から覚ましてやるからな! うおぉ!!」
力を溜めるフォックスを見たファルコは逃げようとするが、マールとジュカインの射撃で阻まれる。
「邪魔しないで」
「援護はオレ達がする!」
「ありがとう、マール、ジュカイン。……元に戻れ、ファルコ!!」
「グオオオオオオオオオオオオオ!!」
そして、フォックスの光り輝く拳がファルコの偽りの光を打ち砕くと、眩い光が戦場を包み込んだ。
光が治まると、ファルコがフォックスの前で倒れていた。
フォックスはファルコをゆっくりと起こすと、宇宙船の中に運んだ。
「……目覚めてくれよ、ファルコ」
「死んじゃ、やだよ」
「ちゃんと、目を開けてね」
フォックスは、気絶したファルコを見守っていた。
ネスとリュカも、ファルコを信じ見守った。
「……んっ」
数分後、ファルコはゆっくりと目を開けた。
その瞳の色は、元の緑色に戻っていた。
意識を取り戻したファルコを見て、三人はぱあっと顔を明るくする。
「ファルコ! 元に戻ったのか!」
「よかったぁ……!」
「ったりめぇだろ、俺がこんなところでくたばるわけがねぇ」
ファルコはいつも通りの乱暴な口調で笑った。
その表情に、黒い部分は全くなかった。
普段のファルコだと確信したフォックスは笑みを浮かべる。
「でもよ、お前らはどうしてここに来たんだ?」
「俺達は光の世界でキーラに操られた仲間を探していたんだ。まさか、お前が最後の一人だったとはな」
フォックスは手短にファルコに情報を伝えた。
「なるほどな。じゃあ、今すぐにキーラに挑めるだろ?」
「……」
ファルコが微笑むが、フォックスは首を横に振る。
「ん? どうした、フォックス? 元気ないぞ?」
「それが……仲間の一人がマスターハンドにさらわれてしまったんだ……」
「何!? あの右手袋が仲間をさらうだと? 今日は雨でも降るのか……?」
仲間がマスターハンドにさらわれた、という情報を聞いてファルコは驚く。
ファルコは信じられないといった表情をしたが、確かに仲間――アイシャの姿はない。
「その人はアイシャ・クルースニクっていって、マスターハンドのメイドなの。主が従者を裏切るなんて」
「あり得ないな。でも、なんでだ……?」
「とにかく、アイシャを探しに行くぞ。光の世界の攻略はもうすぐ終わる」
「必ず、アイシャは連れ戻すわよ」
「ああ……!」
仲間思いのファルコは、すっくと立ち上がった。
今ここに、光の世界に散らばった仲間は、全て救出されたのだった……一人除いて。
「ついてこい」
シャドウが運転する宇宙船は、ファルコがいた橙色の惑星から南に行き、灼熱の惑星に辿り着く。
その惑星にはトレースのスピリッツがいて、サムスとシモンが協力して解放した。
次に、東の桃色の惑星に行ってジョディ・サマーのスピリッツを解放し、ロックマンとリンクがギャラクシーマンのスピリッツを解放した。
「いよいよか……」
そして、ついに光の階段が見えてきた。
この先に、この世界の全てを奪ったキーラが待ち受けている。
しかし、光の階段に行くための道は、ウルフェンのスピリッツが塞いでいた。
フォックスとファルコは頷くと、ブラスターを構えてウルフェンに戦いを挑んだ。
「「かかってこい!!」」
「……ふう」
「やったぜ」
フォックスとファルコは、ウルフェンのスピリッツを解放し、ついに光の階段に繋がる道を開けた。
桃色の空には、光の化身キーラとマスターハンド、そして光に包まれたアイシャが宙に浮いている。
マリオ、カービィ、シャドウ、ベル、瑠璃、ダークリンクはその異様な光景にごくりと唾を呑んだ。
一行はゆっくり、ゆっくりと、光の階段を登る。
そして、マリオ、カービィ、シャドウ、瑠璃、ダークリンク、ベルの順番に辿り着いたところで、キーラは六人にテレパシーで語り掛けた。
「……まさか我の駒を全て解放するとはな」
キーラは、光の世界に散らばった仲間を全て救出した事に驚く。
「僕達はみんなを助けるためにここまで来たんだ」
「アイシャを返して倒されるのと、倒されてアイシャを返すのと、どちらか選びなさい」
「月並みで悪いが、どちらも断ると言ったら?」
「じゃあ、私が決めるわよ」
ベルは虚空から大鎌を取り出し、構える。
マリオ、カービィ、シャドウ、瑠璃、ダークリンクは、彼女のただならぬ様子に緊張する。
キーラはそんな六人を嘲笑うかのように言う。
「新たなる創世を受け入れればいいものを……貴様らにはつくづく呆れたよ」
「受け入れるわけないだろ! ちょっと癪だが、オレ達は、お前から世界を救うために戦っているんだ!」
「其方が奪ったものは、全て返してもらおう」
ダークリンクは強い意志で、キーラに向かって叫ぶ。
瑠璃も、アイシャを連れ戻すという目でキーラを真っ直ぐに見据えた。
「マスターハンドもこの女も、既に我が手中にある。……それでも、返してほしいのだな? いいだろう……我に勝てたらな」
「アイシャ!?」
「マスター!?」
キーラの身体が眩く光ると、アイシャを包んでいた光が消える。
そして、アイシャは虚ろな表情で包丁を構え、無言でカービィに斬りかかってきた。
「うわっ!!」
カービィは何とか攻撃を防ぐが、続けてマスターハンドが襲い掛かる。
「アイシャ! どうしたんだよ!!」
「待て……アイシャは、キーラの光の呪縛で操られているようだ」
「ぐっ……! 卑怯だ……卑怯だ、キーラ!」
「仲間同士で戦う……いい光景だろう?」
キーラはどこまでも六人を嘲笑っている。
生物の身体を奪い、スピリットに変え、さらにはファイター達を母体を生み出す道具に変えた光の化身キーラ。
彼女が行ったあまりにも非道な行為に、ついに六人の怒りは爆発した。
「僕の体と心が叫んでいる。――貴様を滅ぼせ、と」
「ここまで貴様が外道だと、逆にすっきりするな」
「うむ……こんな奴を見るのは久しいのう」
「これ以上、あんたの好きにはさせないわ。私は死神、世界の秩序を守る者なのよ!」
「俺達は絶対にお前を許さない。全てを奪ったお前を、全てを支配しようとしたお前を!」
「僕達はスピリッツになったみんなや、助けたみんなの思いを背負っているんだ。だから、僕達は絶対に、勝つ!!」
そして、カービィが強く叫ぶと、六人は一斉にキーラ、マスターハンド、アイシャに突っ込んだ。
今、光の化身との決戦が始まろうとしていた。
~ベルのスピリッツ名鑑~
メタルギアRAY
出身世界:こことは異なる世界
性別:なし
リボルバー・オセロットが広めたメタルギアREXのデータを元に生まれたメタルギアの亜種。
沿岸部からの奇襲攻撃を想定した水陸両用型。
星船マリオ
出身世界:キノコワールド
性別:なし
ルーバ達が使っていた星船をマリオのために改造したもの。
地形全体がマリオの顔を模している。
アパロイド
出身世界:スペースワールド
性別:不明
外宇宙から襲来した機械生命体の一族。
昆虫を模した姿をしており、六角形がシンボル。
トレース
出身世界:メトロード
性別:男性?
銀河で最も忌み嫌われている、クリケン族の若きバウンティハンター。
一族の繁栄と自らの名誉のため、アレンビッククラスターにやってきた。
ジョディ・サマー
出身世界:エフゼロワールド
性別:女性
戦闘機パイロットからF-ZEROレーサーになった。
愛機はホワイトキャットで、グリップに優れとても操縦しやすい。
アンディという兄がいるらしいが……?
ギャラクシーマン
出身世界:こことは異なる世界
性別:男性型
新生ライトナンバーズの一体。宇宙研究所の助手。
武装のブラックホールボムはブラックホールを作り出す爆弾である。
ウルフェン
出身世界:スペースワールド
性別:なし
スターウルフの主力戦闘機。
二対の前進翼を持っており、全体的に赤い装飾が施されている。
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ファルコ救出回。
最初の展開は、ちょっと強引にしています。