No.1060322

スマブラ Stern des Lichts 第52話 ~ 雲の上で

Nobuさん

ネス&デデデ救出回。
今回はバンダナワドルディを目立たせています。

2021-04-28 08:00:01 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:337   閲覧ユーザー数:337

 ドンキーコングとディディーコングが再会し、仲間の数は順調に増えていった。

「次は……こっちに行けばいいわね」

 ベルは誰かのスピリッツを感知し、西へ真っ直ぐに走っていく。

 一行が西に行くと、土管があった。

「みんな、ここの土管を通って。仲間はこの先にいるわ」

「よーし、待っててね!」

 全員が土管の中に入ると、桜色の雲がかかった場所に辿り着いた。

 この雲には魔力があるのか、クッパのような重量級が乗っても消える事はない。

「わーい、ふかふかしていて気持ちいいー!」

「ほんとでしゅー!」

 カービィとプリンが桜色の雲でトランポリンのように跳ねている。

「はしゃぐのはいいけど、まずは仲間を探すのが先」

「あ、そうだったね」

 カービィとプリンは跳ねるのをやめて、すぐにサムス達の傍に行った。

 辺りは雲で覆われており、何も見えないが、マムーのスピリッツは浮いていた。

 サムスがマムーを解放すると雲が晴れ、隠れていたファイターが姿を現した。

 赤い野球帽とバットがトレードマークの少年――最古参メンバーの一人、ネスだ。

 彼の傍には、操られたフライングマンがいる。

「ネス君……!」

 リュカは、親友のネスがこんな姿になった事にショックを受ける。

 しかし、ここで動かなければ、ネスを助ける事はできない。

「第一次亜空軍異変で、ボクはネス君に助けられた。でも、今度はボクが、助ける番だよ!」

 リュカはぼうっきれをネスに振り下ろし、ネスを縛っていた光の鎖を打ち砕く。

 すると、ネスは赤い瞳を光らせてバットを振り回し、リュカに襲いかかった。

「……コロス」

「リュカは私達が守るわ」

「ああ……やられたらまずいからな」

「ネス、必ず僕達が助けるからね」

「ワルイユメハ、ワタシタチガサマシマス」

「大丈夫ですわ、ちょっとだけ待ってください」

 サムス、ピカチュウ、りょう、アイシャ、ウォッチは、リュカを守るように前に立つ。

 リュカは勇気を振り絞り、彼らと共にネスを助けるために、戦った。

 

「……ディフェンスアップ」

 ネスはPSIで障壁を張り自身の防御力を上げる。

 りょうはネスに向けてパチンコを飛ばすも、ネスが張った障壁に阻まれる。

「イケ」

「うわぁぁぁ!」

 ネスの指示でフライングマンがりょうに向けて体当たりしてきた。

 りょうはシールドを張ろうとするが、PKファイアーで妨害され、そのままフライングマンに吹っ飛ばされた。

 

「リョウサン!」

「余所見するな!」

「今はこっちに集中するのよ」

 ウォッチがりょうの吹っ飛んだ方を思わず見る。

 ピカチュウはネスに突っ込んで10まんボルトで攻撃し、サムスはネスにミサイルを放つ。

「PKフリーズ」

「当たりません!」

 ネスはアイシャを凍らせようとするが、アイシャは緊急回避で彼のPSIをかわす。

 ウォッチは相手の出方を伺いながら攻撃する。

 リュカはPKフリーズでネスを凍らせ、アイシャはその隙に包丁でネスを斬りつけた。

「落ちなさい」

 サムスはネスを浮かせて蹴り飛ばす。

 ネスは空中で体勢を整え、アイシャにPKファイアーを放った。

「いやああああっ!」

 アイシャはあまりの熱さに悶えるが、何とか気合で耐え切る。

「負けるものですか……! 行きますわよ、ピカチュウさん!」

「ああ!」

 ピカチュウはアイシャの包丁に雷を纏わせ、雷の包丁がネスを切り裂く。

 その衝撃でネスが怯んだため、リュカは急いでネスに突っ込む。

「ネス君……元に……戻ってぇぇぇぇぇ!!」

 リュカは、最大まで溜めたぼうっきれを振り下ろし、傍にいたフライングマンとネスを一撃で場外に吹っ飛ばした。

 この瞬間、彼らの勝利が決まるのであった。

「……う……うぅ……」

「大丈夫? ネス君……」

 リュカは意識を失ったネスにゆっくりと近づいて呼びかける。

「……その声は……リュカ……?」

「そうだよ。ボクだよ、ネス君。ボクが見える?」

「うん……見えるよ……」

「よかった……!」

 ネスは瞬きした後、リュカの顔を真っ直ぐ見た。

 彼がリュカに気付いてくれて、リュカは安堵の笑みを浮かべる。

「ああ、ネス君が無事で、本当によかった。キミがいなくなって、不安だったんだよ。でも、生きてたんだね」

「当たり前さ! 君が助けに来るって信じていたんだよ」

 たとえキーラに捕まっても、親友を信じる心は折れなかった。

 それは、リュカにとっても、他のみんなにとっても嬉しかった。

「ネスもリュカも、嬉しかったんだね。ちょっと泣いちゃうよ」

「あいつらは固い絆で結ばれているからな」

「そしてその絆は、キーラにも破れないのよ。二人ともよく頑張ったわね」

 カービィ、シャドウ、ベルは、二人の固い絆を見て少しだけ感動するのだった。

 

「さて、これからどうしようかな。シャド兄に連れてってもらおうかな?」

 カービィが一歩歩き出すと、突然、スピリッツボールの中からホウオウのスピリッツが飛び出してきた。

「ホウオウじゃない。どうしたの?」

 ベルがホウオウに呼びかけると、ホウオウは上空に向かって飛び立った。

 すると、不思議な事に(?)ホウオウの通った道が虹に変わった。

 空に長く美しい虹がかかると、ホウオウはスピリッツボールの中に戻った。

「ありがとう、ホウオウ~!」

 カービィが空に向かって手を振ると、一瞬だけ空が光ったような気がした。

 

 にじいろポケモンの手助けにより、一行はさらに空に上がる事ができた。

 空にはたくさんの孤島が浮かんでおり、大きな星や滝、さらには船も浮かんでいた。

「うわぁ~! 綺麗~!」

「ホントだネ! とっても高いネ!」

「……こんなに高いところに来るのは初めてだ」

 カービィとパックマンは素直に喜ぶが、マックは険しい表情をしていた。

「とりあえず、まずはスピリッツを解放しましょう」

「ああ!」

 一行はキーラに操られたスピリッツを解放するために歩き出した。

 イカロス、オデッセイ号、ペガサス三姉妹、リーバル、スーパースター、チャオ、チキ、マロ、ビックリ大好き精霊、そしてヒュードラー。

 空中のスピリッツは、その全てが「空」と関係あるものだった。

 

「これで全部?」

 一行は、空に浮かんでいるスピリッツを全て解放した。

 これでおしまい……というわけがなく、ベルは浮いている星をじっと見ていた。

「まだ残っているわよ」

「あの星?」

「そうよ。あそこにファイターの気配を感じるわ。……みんな、行ってみましょう」

「うん」

 ベル達が星に飛び込むと、そこはある試合の会場だった。

 たくさんの食べ物と、奥にある表彰台。

 その会場は、カービィには見覚えがあった。

「もしかして、グルメレース!?」

 そう……ここはグルメレースの会場だったのだ。

 入り口には「最高記録 10個」と書かれてある。

 これを上回る記録になれば何か良い事があるとか。

「はい! グルメレース、僕が参加する!」

 そう言って手を挙げたのは、もちろんカービィ。

 ランスは頷いて、カービィを信じている。

「大丈夫なの?」

「うん! 僕、デデデに一つも食べ物を与えないで勝った事があるんだよ!」

「ええええええええええ!? それは凄い!」

 そこまでに相当な努力をしたけどね……とカービィは呟いた。

 とにかく、グルメレースにはカービィが挑む事になった。

 

「よーし、いくぞ!」

 カービィは上の方に進んで梨を食べ、橋を渡って右に曲がり紅茶を飲む。

 すぐに左に曲がってコーラを飲み、その後にホットドッグを食べる。

 カービィは左に曲がった後にコーンスープを飲み、最初の道を右に曲がってサラダを食べた。

「ケーキがあるけど我慢、我慢」

 カービィは美味しそうなケーキを見るが、珍しくそれを我慢して食パンを食べ、すぐ右に曲がって林檎を食べる。

 その後に焼き鳥と七面鳥と鶏肉を連続で食べ、最後に葡萄を食べてゴールした。

―パンパカパーン!

『おめでとうございます、優勝しました!』

「やったぁ!」

 ファンファーレと共に、紙吹雪がカービィを包む。

 どうやら、カービィはグルメレースに優勝したようだ。

『それでは、チャンピオンであるあなたには、この方と戦っていただきます!』

 アナウンスと同時に表彰台の前に現れたのは、台座に縛られたデデデだった。

「大王様!!」

 主との再会に、ランスはとても驚いた。

「ウウウウウ……ミナゴロシ……ミナゴロシダゾイ……」

「デデデ、目を覚まして!」

「大王様! ボクの声が聞こえますか!?」

 カービィとランスはデデデに呼びかけるが、もちろん彼は全く反応しない。

「どうしよう……」

「何を怯えている。こうすればいいのだろう?」

 ストームはそう言うとデデデ目掛けて矢を放った。

 すると、光の鎖は砕け散り、デデデはいきなりカービィにハンマーを振り下ろした。

「……ランス」

「大王様が牙を剥くなんて、ボクには信じられない。でも、戦わなきゃいけないんだよね……?」

 カービィはデデデの攻撃をかわし、構える。

 敵に操られたデデデと何度も戦ったため、カービィに迷いはなかった。

 ランスも迷いながら槍を取り、ストーム、ドクター、ロックマン、パックンフラワーも戦闘体勢を取る。

「いくよ、デデデ!」

「ウオオオオオオオオオオ!!」

 そして、カービィとデデデがハンマーを同時に振り下ろし、戦いが始まった。

「ボクの目を見てください!」

 ランスはデデデに槍を振るが、デデデは上手く緊急回避でかわす。

 ロックマンはデデデを掴んで投げ飛ばし、パックンフラワーは首を伸ばして追撃する。

「僕達が助けるから!」

「大人しくしろよ」

 ストームはやぎりのスラッシュで素早く切り、カービィは上空からストーンを使ってデデデを押し潰した。

「グググ……コウシテヤルゾイ!」

「ガブッ!?」

 デデデはジェットハンマーを勢いよくため、思い切りぶちかましてパックンフラワーを戦闘不能にした。

 

「ツギハダレダ……」

 操られたデデデは、ゆっくりとランスに近付く。

 ランスは怯えてカービィの後ろに隠れる。

「大王様は、ボクの事が分からないんですか? ボクですよ、ランスですよ!」

 ランスはデデデに何度も呼びかける。

 それでも、デデデは反応せず、ランス目掛けてハンマーを振り下ろした。

 

「……」

 しかし、そのハンマーがランスに当たる事はなかった。

 何故なら、ストームがデデデに矢を放ち、彼の動きを一瞬だけ止めたからだ。

「ありがとう、ストーム!」

「……別に」

 ランスの感謝に、素っ気ない態度を取るストーム。

 デデデが力を溜めて次の攻撃に備えている中、ドクターはパックンフラワーを治療する。

「ガブガブガブ!」

「? ? ?」

 復活したパックンフラワーは、デデデにフェイントをかけ混乱させる。

 その隙にストームとカービィは一斉に攻撃し、デデデの体力を減らしていく。

「ウオォォォォォ!」

 デデデは渾身の力を込めたハンマーをロックマンに振り下ろす。

 この一撃は避けられないと感じたロックマンは、シールドを張って攻撃を防ごうとする。

 しかし、その強烈な一撃にシールドが耐え切れず、シールドブレイクしてしまう。

「ふらふらする……」

「でも、チャンスはできた! 隙ありだよ!」

「グアアアアアアアアアアア!!」

 そう言って、ランスは槍をくるくると回し、デデデに勢いよく突き刺す。

 槍はデデデの急所を突き、大ダメージを与える。

「今だよ、カービィ!」

「うん! これで、終わりだ! 鬼殺し……火炎ハンマァァァァァァァァ!!」

 カービィは炎を纏ったハンマーを振り回す。

 その一撃がデデデに命中すると、デデデは場外に吹っ飛んでいった。

 

「大王様、勝ちましたよ……!」

 ランスは空を見ながら、笑顔でそう呟いた。

 ~ベルのスピリッツ名鑑~

 

 マムー

 出身世界:サブコン

 性別:男性

 夢の国「サブコン」に住む悪戯好きな蛙。

 ドリームマシーンを使って、色々なモンスターを造り出した。

 

 フライングマン

 出身世界:アースボーンド

 性別:男性

 ニンテンやネスを手助けしてくれる、鳥の姿をした「忠実なるしもべ」。

 敵と戦ってくれる頼もしい仲間だが、何度もダメージを受けるとやがて力尽きる。

 

 イカロス

 出身世界:天空界

 性別:男性

 パルテナ軍の兵士で、ピットの部下。

 メデューサの呪いで石にされており、ハンマーで砕くとピットをサポートする。

 だが、ひ弱なので、攻撃を食らうとすぐに戦線離脱してしまう。

 

 オデッセイ号

 出身世界:キノコワールド

 性別:なし

 マリオが“ちょっと大人向け”のとある冒険で拠点にしている帽子型の空飛ぶ船。

 長い間使われていなかったが、原動力となるパワームーンを得て再稼働した。

 

 ペガサス三姉妹

 出身世界:戦記の世界

 性別:女性

 マケドニア白騎士団に所属するペガサスナイト。

 緑の髪が長女パオラ、青い髪が次女カチュア、桃色の髪が三女エスト。

 トライアングルアタックは強烈な威力を誇る。

 

 リーバル

 出身世界:ハイラル

 性別:男性

 神獣ヴァ・メドーを使役するリト族の英傑。

 嫌味な性格だが、弓の腕と飛行能力はリト族随一。

 

 スーパースター

 出身世界:キノコワールド

 性別:なし

 キノコワールドに存在する不思議な星。

 マリオなどが手に入れると一定時間無敵になり、敵を体当たりだけで倒せるようになる。

 

 チャオ

 出身世界:こことは異なる世界

 性別:不明

 綺麗な自然環境やチャオガーデンに住む人工生物。

 卵生で、主食は木の実。頭の球は感情を表す。

 現代ではチャオ用の医薬品も開発されている。

 

 チキ

 出身世界:戦記の世界

 性別:女性

 神竜ナーガの娘。見た目は幼いが、千年以上も生きている。

 世界を滅ぼしかねない力のため、長い間眠らされていた。

 軍の中で一番、寝起きが悪い。

 

 マロ

 出身世界:キノコワールド

 性別:男性

 白いふかふかの体を持つ、マシュマロの国の王子。

 赤ん坊の頃、カエル仙人に拾われ育てられた。

 大人しい性格で、メンバーの宥め役であり、魔法が得意で、戦闘では天候魔法を使って戦う。

 

 ビックリ大好き精霊

 出身世界:キノコワールド

 性別:なし

 ヨッシーに世界を傾ける力を授けた本の精霊。

 

 ヒュードラー

 出身世界:天空界

 性別:不明

 三つの頭を持つ竜と蛇のようなモンスター。

 その頭はそれぞれ別の人格を持っている。


 
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