No.1058490

スマブラ Stern des Lichts 第29話 ~ 光と闇の気配

Nobuさん

この長編にMiiファイターは出ないので、代役を立てました。
ここは結構楽しく書けました。

2021-04-05 11:21:06 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:387   閲覧ユーザー数:387

 河川に捕まっていたプリンを仲間にした一行は、次の仲間を探すため、河川を後にした。

「プリン……頼むから料理は俺達に振る舞うなよ」

「どうしてでしゅか?」

「俺達を殺すなと言うのと同じだ」

 ピカチュウはプリンに、殺人料理を作らないように注意した。

 しかし、プリンはまだ子供なので「わからないでしゅ」と言った。

「つまり、だ。お前の料理は誰も食いたくねぇって事なんだよ」

「うん、わかったでしゅ!」

(やれやれ……)

 プリンはやっと、ピカチュウの言った事を理解してくれたようだ。

「それで、次はどこに行くんだ? まだスピリッツはあちこちにいるだろ」

 ファルコンは次の目的地をルカリオに聞いた。

 ルカリオは頷くと、目を閉じて精神を集中する。

 ファルコンが固唾を呑んで見守っていると、ルカリオがいきなり目を見開いた。

「どうぶつの森に……光と闇の波導を感じる」

「う~ん、似合わないね」

「うんうん」

 ほのぼのとしたどうぶつの森に、光と闇の波導。

 確かに似合わないな、とりょうは首を傾げ、カービィはうんうんと頷く。

「だが、行ってみるほかはない。行くぞ」

「うん」

 

 一行は緊張しながら、どうぶつの森に行った。

 どうぶつの森の入り口に着いた時、りょうは懐かしそうな表情ではしゃいでいた。

 それもそのはず、りょうはどうぶつの森の現村長なのだから。

「わーい! どうぶつの森だー!」

「……なんだかんだ言ってあんたもまだ子供なのね」

 ベルは無邪気なりょうの姿を見て苦笑いした。

 だが、ルカリオの言った通り、この周辺にはスピリッツがうようよしていた。

 解放するには、戦って勝たなければならない。

「……でも、りょう、はしゃぐのは後にしなさい。私達はスピリッツを解放するためにここに来たんだから」

「う、うん」

「さあ、みんな! スピリッツを解放するわよ!」

「おーーーーーっ!!」

 ベルの号令で、一行は一旦解散して、スピリッツの解放をしに行った。

「KATANAアタック!」

「当たらん」

 スネークはテディの刀攻撃をかわし麻酔銃を撃ち、テディのスピリッツを解放した。

 

「うおりゃぁ!」

「あ~~~れ~~~」

 ファルコンパンチがDr.クライゴアに命中し、彼のスピリッツは解放された。

 

「わたしのお菓子、召し上がれ!」

「君の病を治してあげるよ、カプセル!」

「いくぜ! ファイアボール!」

「ブラスターは撃つ前に光線が飛ぶ!」

「そもそも、これはバドミントンだが」

「すまないな……だが、これも仕事だからな」

 アイシャはしずえの双子の弟・ケントを、

 マリオとドクターはアネモとメットールを、

 フォックスとルカリオはクイック&スローを、

 シャドウは霊や思い出が見える少女、不来方(こずかた)夕莉(ゆうり)を解放した。

 

「後は、彼らだけだね」

 残ったスピリッツは、まめつぶ商店を営む双子の兄弟狸、まめきちとつぶきちだった。

 ほとんど見分けがつかないので、一卵性だろう。

「身体が勝手に動いちゃうんだ!」

「だから、ボク達を助けてください! だなも!」

「うん、分かったよ!」

 彼らもまた、キーラに操られており、表情はどこか苦しそうだった。

 もちろん、助けないわけにはいかない。

 まめきちとつぶきちの解放に当たるのは、どうぶつの森の村長りょうと……。

「一緒に頑張ろうね、シャドウ!」

「……その言い方は気に入らんな」

 銃器を持つシャドウと、ブキを持つマールと……。

「俺達がお前らを助けてやる!」

「だから、待っててね! まめつぶ君!」

「安心しろ、じっとしてな」

 第一期からの古参メンバー、マリオ、カービィ、ファルコンだった。

「えいっ!」

 マールはスプラシューターを撃って攻撃した。

「う~ん、どっちがどっちだか分からないよ……」

「あっちがまめきちで、こっちがつぶきちだよ」

「だから分からないってば」

「おりゃ!」

 マリオはファイアボールを放ち、マールが攻撃した狸の方に火傷を負わせた。

「あっつーい!」

「あー、まめきち!」

 今の言葉によって、マリオとマールが攻撃したのはまめきちの方だという事が分かった。

 それが分かったマールは、サブウェポンのポイントセンサーを投げ、まめきちにマーキングする。

「あなたがつぶきちなら……シャドウ、攻撃だよ!」

「ああ……カオススピア!」

 シャドウは手からエネルギー弾をつぶきち目掛けて放った。

 攻撃はつぶきちに正確に命中し、彼を吹っ飛ばす。

「ファルコン、パ……」

「させません!」

「だなもー!」

「いてて! かなり食らっちまった」

 ファルコンがファルコンパンチを出そうとした時、まめきちとつぶきちが彼に体当たりして転ばせた。

 ファルコンパンチの隙は大きかったようで、ファルコンは大きなダメージを受けてしまった。

「いっくよー、ハンマー!」

「痛い! だなも」

 カービィはつぶきち目掛けてハンマーを振り下ろして押し潰す。

「ブレーンバスター!」

「おっとっと!」

「ファルコンダイブ!」

 さらに、つぶきちを掴んで投げ飛ばし、りょうがつぶきちに斧を振り下ろす。

 シャドウも銃を連射してまめきちの身体に穴を開けた。

「後はみんなで一緒に……鬼殺し火炎ハンマー!!」

 そして、カービィが炎を纏ったハンマーを振り、まめきちとつぶきちを同時に解放した。

「ふぅ~、助かりました~」

「助かりました~、だなも」

 正気に戻ったまめきちとつぶきちは、マリオ達にお礼を言ってお辞儀する。

「ああ、どういたしまして」

「ところでまめきち、つぶきち、しずえはどこにいるんだい?」

 りょうは、自分の秘書がどこにいるかをまめきちとつぶきちに聞いた。

 すると、二匹は何か知っていて、首を縦に振る。

「彼女ならあっちにいます!」

「ついてきてください!」

 りょうは、まめきちとつぶきちの後を追って走っていった。

 すると、向こう側に、光の鎖で縛られたシーズーの女性が台座に置かれていた。

「しずえ!」

 それは、りょうの秘書のしずえだった。

 しかし、この場所からでは彼女には届かなかった。

「そっか……彼女はそこにいたんだね」

「どうでしたか?」

「役に立ちましたか?」

「ありがとう、まめきち、つぶきち。助かったよ」

「「どういたしまして!(だなも!)」」

 りょう、まめきち、つぶきちは互いにお礼を言うとそれぞれの場所に戻っていった。

 

「よし、これでどうぶつの森のスピリッツはみんな解放したね。そろそろ帰ろっか」

「待て」

 どうぶつの森にいたスピリッツを解放し、

 そこを後にしようとするとルカリオが止めに入る。

「待て、って……何かいるの? ルカ兄」

「北側に光と闇の波導を感じる」

「あ、もしかして……仲間かな? ちょっと行ってくるね。

 マリおじちゃ~ん、ピカピカ~、アイシャ~、シャド兄~、ベルベル~、ちょっとついてきて!」

「はーい」

 カービィはマリオ、ピカチュウ、アイシャ、シャドウ、ベルを呼んで、彼らと共に北側に向かっていった。

 すると、銀髪の巫女とリンクと似た容姿の剣士が光の鎖に縛られ台座に置かれていた。

 それは、ルカリオに想いを寄せる巫女・瑠璃と、

 テンポラリーファイターパスをもらったばかりの非公認ファイター・ダークリンクだった。

「そんな……ルリルリ、ダクリン君……!」

 カービィは、洗脳にずば抜けて耐性を持つ二人でもキーラの呪縛に勝てなかった事に愕然とした。

「恐らく、キーラから攻撃を受けた事で心身共に弱まったところに暗示をかけて操ったのだろう」

 シャドウは、瑠璃とダークリンクがキーラに操られた理由を推理した。

 しかし、理由がどうであれ、二人を助けなければ状況は劣勢のままになる。

 カービィは瑠璃とダークリンクの身体に触れ、二人を縛っている鎖を砕いた。

 操られた瑠璃とダークリンクは赤い瞳で六人を睨みつけている。

 元々赤い瞳のダークリンクは、さらにその瞳が不気味に光り輝いていた。

「……キーラサマノタメニ、コロス」

「……ジャマハ、サセヌ」

 ダークリンクは剣の切っ先をマリオ達に向け、虚ろな声で呟いた。

 瑠璃の真っ赤な瞳にも光がなかった。

 六人は唾を飲み込んだ後、同じく戦闘態勢を取る。

「待っててね、ルリルリ、ダクリン君。今、僕達が助けるよ!」

「こんな頼れる奴を捕まえないなんて、死神としてどうかしているわ」

「……邪魔はさせないぞ」

「瑠璃、ダークリンク、光の呪縛に負けるな」

「悪しき光は必ず打ち破る!」

 マリオ、カービィ、ピカチュウ、ルカリオ、シャドウ、ベルは、

 キーラに操られた瑠璃とダークリンクを正気に戻すため、彼らに戦いを挑んだ。

 ~ベルのスピリッツ名鑑~

 

 テディ

 出身世界:アースボーンド

 性別:男性

 ニンテンの仲間の一人で、バレンタインの町出身。

 不良少年だが、本当は優しい心の持ち主。

 戦闘ではナイフや刀などの刃物を使う。

 

 Dr.クライゴア

 出身世界:ダイヤモンドシティがある世界

 性別:男性

 ダイヤモンドシティに住む天才科学者で、延命スーツのおかげで100年以上生きている。

 ワリオバイク、モナのスクーター、ナインボルトのスケボーなどを開発した。

 だが、天才科学者の例に漏れずかなりの変人。

 ちなみに、ペニーという孫娘がいる。

 

 ケント

 出身世界:どうぶつの森

 性別:男性

 どうぶつの森の会社員で、しずえとは双子の姉弟。

 

 メットール

 出身世界:こことは異なる世界

 性別:不明

 ヘルメットを被った、工事作業用のロボット。

 キノコワールドにおける、クリボーのような存在。

 ヘルメットの中に隠れている間は攻撃が効かない。

 

 アネモ

 出身世界:未来の地球

 性別:女性

 アタマ用ギア専門店「おかしら堂」の看板娘。

 眼鏡をかけたイソギンチャクの少女で、頭には店長のクマノミ、クマノがいる。

 

 クイック&スロー

 出身世界:リズムの世界

 性別:♂?

 リズムの世界でバドミントンをする犬と猫。

 犬がクイックで、猫がスローである。

 のろのろ遅くなったり、じたばた速くなったりする錠剤ではない。

 

 不来方(こずかた)夕莉(ゆうり)

 出身世界:こことは異なる世界

 性別:女性

 失われたものを探す「影見」を行っている少女。

 ある事件をきっかけに、幽霊などの死者や、他人の思い出が見えるようになった。

 

 まめきち&つぶきち

 出身世界:どうぶつの森

 性別:男性

 たぬきちの弟子として働いている双子の兄弟狸。

 まめきちが兄で、つぶきちが弟である。

 現在は不動産屋になったたぬきちの後を継ぎ、まめつぶ商店の店長になっている。


 
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