No.1057342

スマブラ Stern des Lichts 第20話 ~ ジャングルの王者

Nobuさん

ドンキーコング戦です。
彼がおバカキャラなのは、ドンキーは俗語でそういう意味だからです。

2021-03-22 09:02:19 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:404   閲覧ユーザー数:404

 ジャングルの王者、ドンキーコングとの戦いが始まった。

 

「えい!」

「ふっ!」

 カービィとシャドウが前に出てドンキーを蹴る。

 ドンキーは二人の攻撃をシールドで防ぎ、ダメージには至らなかった。

「せえい!」

 ベルは思いっきり大鎌をドンキーに振り下ろす。

 だが、攻撃は大振りだったため、ドンキーは転がって攻撃を回避した。

「ウオオ!」

「おっと」

 リュンヌはドンキーにフェイントをかけ隙を作る。

 マリオはその隙にファイアボールでドンキーの皮膚に火傷を負わせた。

「アヂ、アヂ、アチチチチ!」

 ドンキーは熱さに悶えてやたらめったらと腕を振り回す。

 この攻撃を食らえば、彼のさらに強化されたパワーのためにひとたまりもないだろう。

「はっ!」

 六人はすぐに飛び上がってドンキーの攻撃をかわす。

 ドンキーは腕を振り回したせいでバランスを崩し、前のめりに倒れた。

 

「ウ……イテエ……」

「カオススピア!」

 シャドウは倒れたドンキーにたくさんの光の矢を放った。

 矢はドンキーの身体に全て命中し、彼の体力を大きく減らした。

「それ、やっ、健康にいいですよ!」

「ヨガができるからといって、腕は伸びませんし、火も吹きませんよ」

 ソレイユは連続してヨガのポーズを繰り出し、ドンキーの攻撃をかわしながら彼を攻撃する。

 ベルは魔法陣を設置してドンキーを足止めし、その隙にマリオはドンキーをファイア掌底で吹っ飛ばした。

 吹っ飛んだ先にはカービィがいて、カービィはドンキーを吸い込んでコピーした。

「いっくぞー! ジャイアントパンチ!」

「ウオオオッ」

「うわぁっ!」

 ドンキーをコピーしたカービィは、腕を振り回してドンキーにパンチしようとしたが、ドンキーはカービィに軽く触れて吹っ飛ばす。

 カービィは地面に顔を大きく叩きつけられ、大きなダメージを受けてしまった。

 彼の体重が軽いのもそうだったが、それ以上にドンキーの腕力がキーラによって強化されているのがその理由だ。

「ドン……キー……」

 カービィは、ボロボロになりながらも、ゆっくりと立ち上がった。

 彼の眼は、キッとドンキーを睨みつけている。

「……僕は、君に戻ってきてほしいんだ」

「グルルルル……」

「……君が食べたいものは何?」

 カービィはドンキーに好物を問いただす。

 もし「バナナ」と答えれば、ドンキーの心が残っているという証であるが……。

「アアアァァァァァ……。オマエノ、ニク……」

「……駄目だ!」

 それを知ったカービィの表情が凍り付き、仕方なくドンキーを気絶させようとした。

 しかし、ドンキーの口から洩れた言葉は、その場にあいた全員の表情を変えた。

 

「……タベタク、ナイ……」

「ドンキー!」

 そう、ドンキーはキーラに操られながら、ギリギリで心を保っているのだ。

 とはいえ、本能のまま、こちら側に敵対している事は変わらないため、その心を引き出せるかが勝負となる。

「大丈夫だよ、ドンキー。僕達が助けてあげるから。さあ、いくよ、マリおじちゃん! シャド兄! ベルベル! ソレ姉! リュン兄!」

「「ああ!」」

「「「ええ!」」」

 カービィの号令で、マリオ、シャドウ、ベル、ソレイユ、リュンヌの士気が一気に上がった。

「お願いね!」

「ああ。カオスマジック」

 シャドウはまず、暴れるドンキーの周囲に混沌の力を張り巡らせる。

「動くなよ。動いたら、こいつがお前を食らう」

「ウググググ……ウオオォォォォ!」

 ドンキーは本能のままにシャドウに襲い掛かった。

 すると、混沌の力がシャドウを守るようにドンキーを包み込み、彼の身体を蝕んでいく。

「動くなと言ったはずだぞ?」

「ウゥゥゥゥ……」

「「アーム&レッグレイズ!」」

 ソレイユとリュンヌがダメージを受け続けるドンキーに右手と左足を勢いよく突き出して攻撃する。

 ドンキーは暴れてソレイユとリュンヌをパンチで吹っ飛ばした。

「うわぁぁぁぁぁ!」

「きゃぁぁぁぁぁ!」

「よし、行くぞ! どりゃあああああああ!」

 マリオはドンキーの足を掴み、思いっきりベルに投げ飛ばした。

「いくわよ、アップリーパー!」

 ベルは鎌を強く振り上げ、ドンキーを上に吹っ飛ばす。

 彼が地面に叩きつけられた時、カービィは既に力を最大まで溜めていた。

「お願い……ドンキー、元に戻って! ジャイアント……パンチ!!」

「グオオオオオオオオオオオオオ!」

 そして、カービィが渾身の力を込めたジャイアントパンチを繰り出すと、ドンキーは叫び声を上げて倒れ、彼を包んでいた光が消え去った。

 今ここに、操られたドンキーとの戦いが終わった。

「……う……」

「ドンキー……起きた?」

「……うお……ぉ……」

 ドンキーは瞬きしながら、ゆっくりと起き上がり、マリオ達の顔を見上げる。

 キーラから解放されたドンキーは、まだ虚ろな表情をしていた。

 もちろん、マリオと戦っていた時の事は、全く覚えていないだろう。

「……ぉ? オレは、何をしていたんだ……?」

「安心しなさい、悪い夢を見ていただけよ。あんたは、何も悪くないわ。私達が夢から覚ましてあげたのよ」

「悪い……夢……? う、うおおおおおおおお!!」

 ドンキーはぼんやりとしていたが、しばらくして、大声を上げる。

「きゃ! な、何よ、ドンキー!」

「バナナ! バナナはどこだぁ! バナナバナナ!」

「……撃たれたくなければ大人しくしろ」

「ウホ!」

 周囲にバナナがない事を知り、暴れ回ろうとしたドンキーをシャドウが銃を向けて止める。

 それを見たマリオとカービィは、やっぱりいつものドンキーだな、と思ったのだとか。

 

「ドンキー、戻ってきてくれてよかったな」

「やったね! 凄いね」

「ウホ!」

 マリオとカービィが喜んでいる中で、ドンキーは頭をぽりぽりと掻く。

「んで、オレはどうすればいいんだ?」

「とりあえず、俺達と一緒に行こうぜ。キーラって奴を、ぶっ潰すためにな」

(何気にあなた、物騒な事を言いますね……)

 ソレイユは、ドンキーに手を差し伸べるマリオに苦笑していた。

 それでも、ドンキーはマリオの手をぎゅっと握り締め、満面の笑みを浮かべてこう言った。

 

「……分かったぜ!」

 

 こうして、希望の星に、ドンキーコングという新たな仲間が参戦したのだった。


 
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