「とりゃあっ!」
フォックスはソレイユを蹴り飛ばし、吹っ飛ばす。
「それ!」
ドクターはリュンヌにカプセルを投げるが、リュンヌは緊急回避でドクターの背後に回り込み、投げ飛ばす。
「いたた、僕は身体があまり強くないんだ」
「ケンコウダイイチナノニ、ドウシテソンナコトヲイウンデスカ? イシャノフヨウジョウ、コマリマスネ」
キーラの呪縛の影響で、ソレイユとリュンヌは過剰に健康にこだわるようになっていた。
「過ぎたるは及ばざるがごとし。あまりこだわらない方がいいよ」
ドクターはソレイユが飛ばしたボールをスーパーシーツで跳ね返す。
「はっ!」
「キャー!」
「そこだ!」
「ウワー!」
ルカリオは足に波導を纏い、ソレイユを蹴る。
シャドウはリュンヌの攻撃を紙一重でかわし、スピンキックと拳銃で反撃する。
さらにシャドウは指を鳴らして空間を歪ませ、ソレイユにダメージを与えた。
「マーベラスコンビネーション!」
マルスは流れるような剣撃でリュンヌの防御を抜くように攻撃する。
そこにランスが槍を回して突く技、ぐるぐるスピアで追撃し、リュンヌを吹っ飛ばした。
ちなみにぐるぐるスピアは、スマブラ屋敷でデデデから教わった技である。
「イイウンドウデスネ」
「デモ、キーラサマノカゴヲエタワタシタチハムテキデス」
ソレイユとリュンヌは、傷つきながらも余裕で立っていた。
キーラの加護とリュンヌが言っているが、あれが二人を支えているものだろうか。
「キーラが力を与えてるの?」
「それなら……ファイアー!」
フォックスは身体に炎を纏い、リュンヌに体当たりする。
リュンヌは緊急回避で攻撃をかわし、ダンスのポーズで反撃する。
「うぉあ!」
「ソコデスネ!」
「させない!」
マルスはリュンヌの攻撃に合わせてファルシオンで反撃した。
続けて、シャドウは走っているリュンヌの足に拳銃を撃ち、彼の足を止める。
「よし、今だ! ボーンラッ……!?」
ルカリオは骨を作ってリュンヌを攻撃しようとしたが、すぐ傍にバナナの皮があった事を知らず、滑って転倒してしまった。
「……っつ」
「大丈夫、ルカリオ!?」
「ああ、平気だ……っと」
ルカリオはすぐに立ち上がって構え直す。
ソレイユとリュンヌは、そんな彼を見てくすくすと笑っていた。
「二人とも、何がおかしい」
「アナタガコロブナンテ」
「メズラシイデスカラ」
「記憶まで利用しているとはな……。だが、これで私に火がついた事を忘れるなよ。いくぞ、しんそく!」
ルカリオは目にも留まらぬスピードでソレイユに近付き、殴りつける。
「つるぎのまいからのインファイト!」
「ウワァァァァァァ!」
「キャァァァァァァ!」
さらに、ルカリオは自身の攻撃力を大きく上げる技を使い、ソレイユとリュンヌに近付いて二人を巻き込むように捨て身の攻撃をする。
インファイトは桁外れの威力を誇り、つるぎのまいも相まってソレイユとリュンヌに大ダメージを与えた。
これにより、二人は瀕死の重傷を負い、倒れた。
「やった!?」
「……いや」
しかし、瀕死のソレイユとリュンヌはゆっくりと起き上がる。
ソレイユとリュンヌの目は、ギラギラと赤く光っていた。
「ま、まだ立てるの!?」
「キーラサマノタメニ……ワタシタチハマケマセン」
「スベテハキーラサマノタメニ」
「……」
不気味なまでのキーラへの忠誠心に、マルスとルカリオは震えていた。
「ルカリオ、まだいけるかい?」
「……ぐっ!」
「ルカリオ!?」
「インファイトの反動が来たようだ……」
そう、インファイトは相手に大ダメージを与える代わりに体力を大きく消費し、防御が落ちてしまう技なのだ。
「アラ、ルカリオサンハケンコウジャナイデスネ」
「違うよ! 大技の反動が来ただけ! ワドスピアスロー!」
ランスはソレイユに向けて槍を投げる。
ソレイユはかわそうとしたが、槍はソレイユが動いたところに命中した。
「ヨクモ……! ダンスノポーズ!」
「うおっ!」
「それ!」
怒ったソレイユはダンスのポーズでフォックスを攻撃する。
フォックスはブラスターでソレイユに反撃し、ドクターはリュンヌにカプセルを投げる。
「ドラゴンキラー!」
「キャアアアアアアアアアア!!」
マルスは気合をファルシオンに込め、ソレイユを斬りつけた。
この一撃は流石のソレイユも耐え切れず、戦闘不能になった。
「ソレイユ!」
妻が倒れた事で軽いショックを受けるリュンヌ。
リュンヌはすぐに立ち直り、腹式呼吸で自身の体力を回復する。
「それで全快したつもりか?」
「傷は癒えても痛みは治らない。この辺で降伏しろ」
「ダレガ……コウフクヲ……!」
フォックスはリュンヌに降伏を迫るが、リュンヌは首を横に振った。
やれやれ、とフォックスは力を溜める。
「少し、痛い目に遭いたいようだな。これで、どうだ! レッグショット!!」
「ウワアアアアアア!!」
フォックスは大きく踏み込んで飛び蹴りを放ち、リュンヌを戦闘不能にした。
「しばらく大人しくしてもらうぞ」
シャドウはソレイユとリュンヌを見張っていた。
二人が万が一暴れた時のために、一人で取り押さえるためだ。
すると、ソレイユとリュンヌが起き上がった。
二人はキーラの呪縛が解けており、瞳の色は元に戻っていた。
「ここは一体……?」
「私、どうしてここにいるんでしょうか」
「お前達は悪い夢を見ていたんだ」
フォックスはソレイユとリュンヌに柔らかい口調でそう言った。
「……悪い、夢、ですか?」
「ああ……話は、広場に戻ってからしよう」
こうして、シャドウ、ルカリオ、ランス、ドクター、フォックス、マルスは、ソレイユとリュンヌの救出に成功し、広場に戻った。
カービィとベルは心配そうな表情をしていたが、無事な全員を見て表情が綻んだ。
「ソレイユとリュンヌは助かったのね」
「うん! ばっちり元に戻ったよ!」
「とても痛かったですが、みんなのおかげで助かりました」
「ありがとうございます」
ソレイユとリュンヌは、自由にしてくれたファイター達にお礼を言った。
「あの……もしよろしければ、私も一緒に同行させていただきますが、よろしいですか?」
「もちろん、夫の私もご一緒させてもらいます」
「ねえ、ところでキミ達は誰?」
ランスはソレイユとリュンヌの顔を知らなかった。
ソレイユは申し訳なさそうに頭を下げた後、一呼吸置いて自己紹介に入った。
「申し遅れました。私はソレイユ・ラサンテと申します」
「私はリュンヌ・ラサンテと申します。妻と共にエクササイズを教えています」
「へ~、ソレイユとリュンヌって夫婦だったんだ。ボクはランス、よろしくね」
「「よろしくお願いします」」
ランスもラサンテ夫妻に自己紹介をし、お互いに仲間である事を認識した。
カービィ達がしばらく談笑した後、マリオは何かを思い出したようにこう言った。
「そういえば、次の目的地はどこなんだ?」
「次の目的地……か。むぅん!」
ルカリオは波導を感じ取る姿勢を取り、精神を集中した。
「……渓流に私と同じ波導を感じる」
「私と同じ? という事は、ポケモンか?」
ルカリオによれば、渓流からポケモンの波導を感じたらしい。
しかし、街から渓流は遠いため、どうすれば手っ取り早く行けるか考えていたところ、シャドウがカオスエメラルドを取り出した。
「そっか! シャド兄のカオスコントロールで!」
「ああ……。皆、僕の近くに来い」
「うん!」
自分以外の全員が傍に寄った事を確認したシャドウは、カオスエメラルドの力を解放した。
「カオス・コントロール!」
カオスエメラルドの力を使い、時空を操る力、カオスコントロール。
それにより、全員の姿は一瞬にして街から消えた。
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Wii Fitトレーナー戦です。
このファイターは男女で特設リングでの通り名が違うので、夫婦設定にしました。