No.1054891

スマブラ Stern des Lichts 第5話 ~ マリオを救え!

Nobuさん

ミスタービデオゲーム、マリオを救出します。
最初の仲間はやっぱり彼ですよね。

2021-02-20 16:28:32 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:310   閲覧ユーザー数:310

 キーラに操られたマリオとの戦いが始まった。

 

「叩き切る!」

「……」

 ベルは前方を鎌で叩き切ってマリオを攻撃する。

 マリオは鎌を受け止めて、キックで反撃する。

「ひゃあ! 何すんのよ」

「マリオさん、どうしましたの!? しっかりなさいませ!」

 アイシャがマリオに皿を投げるが、マリオはそれを緊急回避し、アイシャの背後に回り込んで投げ飛ばした。

「きゃあ!」

 勢いよく投げられたアイシャは転倒してしまう。

 手加減も何もない、本気の威力であり、アイシャの事など全く見えていなかった。

「操られてるから何も手加減してないみたいね」

「マリおじちゃん、正気に戻って!」

「倒してでもお前を連れ戻す!」

 カービィは勢いよくマリオを蹴って吹っ飛ばした。

 シャドウは吹っ飛んだマリオに向かってホーミングアタックを繰り出す。

「……」

 マリオはアイシャを思いっきりファイア掌底で攻撃し、アイシャを吹っ飛ばす。

 アイシャは転倒し、動けなくなった。

「マリオさん……わたし達の声、聞こえないのですか?」

キーラ(あいつ)が操ってるんだもの、あんたの声が聞こえるわけないでしょ? だから今、こうして戦っているのよ」

「それもそうでしたわね……」

「アップリーパー! ハーベスター! カタストロフィ! メテオブレイカー!」

 ベルは祈りを込めた鎌を振り上げてマリオを空中に浮かせ、飛び上がって鎌を連続で回して攻撃した。

 コンボのフィニッシュで鎌を下に振り、マリオを地面に叩きつけた。

「そこだ!」

 シャドウは身動きが取れないマリオに狙いを定め、銃を撃ってダメージを与える。

「……」

「くっ!」

 マリオは隙を突かれたため、反撃でシャドウにファイアボールを放った。

 ファイアボールはシャドウの目の前で爆発し、彼を吹き飛ばすが、すぐにワープで復帰する。

「マリおじちゃん、待ってて! バーニング!」

「……」

 カービィの炎を纏った体当たりを緊急回避でかわすマリオ。

「おっと!」

 しかし、かわした先にはベルが待ち構えていて、彼女の鎌がマリオを一閃した。

 だがマリオも意地を見せてベルを勢いよく投げ飛ばした。

「ひ~。あなた本気なのね」

「だがこの攻撃は避けられまい。カオススピア!」

 シャドウは混沌の力を使ってたくさんの矢を放ち、マリオを串刺しにする。

 その隙にカービィがマリオに突っ込んでパンチとキックの乱舞で攻撃する。

「お願いです! 元に戻ってください、マリオさん! キーラさんなんかに負けないでください!」

 アイシャは、キーラに操られているマリオに必死で呼びかけた。

 戦わなければならないとは分かっていても、心の中では戦いたくないという気持ちが強く、呼びかけてマリオの心を取り戻そうとした。

 だが、いくらアイシャが呼びかけても、マリオが戦いの手を止める気配はなく、彼はアイシャにファイアボールを放った。

「マリオ、さん……」

「……」

 アイシャは目にうっすら涙を浮かべる。

 マリオはスマッシュブラザーズのリーダー格で、どんな時でも仲間と戦い、困難を乗り越えてきた。

 しかし、キーラに操られているとはいえ、仲間を攻撃しているという事実を、アイシャは認めたくなかった。

 戦って元に戻したい、でもできるなら戦わずに元に戻したい。

 アイシャはその板挟みになっていた。

「……確かに、マリオは彼女(キーラ)が支配しているわ。でも、カービィは戦う前に言ってたわよね? 『殴って』元に戻すって」

「殴って……?」

「そうよ。殴って元に戻せるのはカービィだけ。私達はそれに、参加しているに過ぎない」

「だから、お前が気に病む必要はないという事だ。カオススパーク!」

「ディバウアー!」

「えーいっ!」

 シャドウは指を鳴らし、マリオを時空の歪みに飲み込んだ。

 その後、ベルがマリオを鎌で斬りつけ、カービィがマリオをキックした。

「そうでしたのね。ありがとうございますわ、カービィさん、シャドウさん、ベルさん。わたしだけが背負う必要はありませんのね。

 では、わたしは皆さんをサポートいたします! マリオさん、あなたを必ず取り戻しますわ!」

 アイシャは、三人のおかげで肩の荷が下りた。

 そして彼女は、傷ついたカービィ達を薬や紅茶で回復しつつ、皆を応援して士気を高めた。

「……」

 マリオはファイア掌底をカービィにぶちかます。

 しかし、カービィは余裕で攻撃をかわし、ホバリングしてストーンでマリオを攻撃する。

 そして、元に戻すためにカービィはハンマーを構え、力を溜める。

「元に戻って! 鬼殺し……火炎ハンマーーーーーーーーーーーー!!」

 カービィの、炎を纏ったハンマーが、マリオの腹部にクリーンヒットした。

 そして、マリオは吹き飛ばされ、しばらくの間地面を滑っていたが、1分後に動きが止まった。

「マリおじちゃん、マリおじちゃん!」

 カービィは、倒れているマリオを必死で揺すった。

「僕の声が聞こえるか?」

「しっかりしなさいよ、マリオ」

「起きてください、マリオさん……」

 シャドウ、ベル、アイシャも、倒れたマリオに声をかけていく。

「……う……」

 しばらくすると意識を取り戻したのか、マリオはゆっくりと起き上がった。

 彼の眼は、いつも通り、青色だった。

「マリおじちゃん! 元に戻ったんだね! やっぱり殴ってよかった~~~!」

 正気に戻ったマリオに飛びかかるカービィ。

 何気に、言った言葉が酷かったのだが。

「本当によかったわね、元に戻って。やっぱり、カービィの言った事は正しかったわ」

 カービィが殴ったおかげで、マリオを正気に戻す事に成功した。

 仲間を取り戻したベルは、ニッコリと笑う。

 しばらくして、シャドウはマリオに話しかける。

「ああ、それと……どうしてお前は、いきなり僕に襲い掛かったんだ」

「シャドウさん、病み上がりですからそうするのはよくないですわ」

 アイシャがシャドウの行動を注意するが、マリオは「いいんだ」と首を横に振る。

 そして、マリオは四人に事情を話した。

「あの光がぶつかって、俺は死にそうになった。争いの世界なのに死ぬっておかしいよな。でも、確かにそんな感覚だった。

 気が付くと、俺は真っ白い光の中にいた。光の中には誰もいなかった。俺以外には誰もいないはずだった。でも、光の中で、女の声が聞こえてきた。

 『我が名は光の化身キーラ。我が軍に入れ』と。俺は必死で抵抗したが、何もできなくて……」

「大体、事情は分かったわ」

 マリオから事情を聞いたベルは、頷いた後、鎌を持ち上げる。

「要は、あんたを含めたファイターは、みんなキーラに捕まって利用されたんでしょ?」

「多分な」

「私と一緒に、みんなを助けましょう! 操られたのがあんたには屈辱でしょ?」

「……そうだな。俺を利用したキーラが許せないぜ……!」

 マリオはぎゅっと握り拳を作る。

 自分を光に閉じ込め、ボディを作る母体として利用したキーラを許さないという気持ちが生まれたのだ。

「スマブラメンバーが一人、わたし達の下に戻りましたね。この調子で、皆さんをキーラさんの手から解放しましょう!」

「「「「おーーーーーっ!!」」」」

「……」

 

 こうして、カービィ、シャドウ、ベル、アイシャの四人は、ミスタービデオゲーム、マリオを解放する事に成功した。

 まだキーラに捕まっている人達は多いが、一人解放できただけでも、良しとしよう。


 
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