キーラに操られたマリオとの戦いが始まった。
「叩き切る!」
「……」
ベルは前方を鎌で叩き切ってマリオを攻撃する。
マリオは鎌を受け止めて、キックで反撃する。
「ひゃあ! 何すんのよ」
「マリオさん、どうしましたの!? しっかりなさいませ!」
アイシャがマリオに皿を投げるが、マリオはそれを緊急回避し、アイシャの背後に回り込んで投げ飛ばした。
「きゃあ!」
勢いよく投げられたアイシャは転倒してしまう。
手加減も何もない、本気の威力であり、アイシャの事など全く見えていなかった。
「操られてるから何も手加減してないみたいね」
「マリおじちゃん、正気に戻って!」
「倒してでもお前を連れ戻す!」
カービィは勢いよくマリオを蹴って吹っ飛ばした。
シャドウは吹っ飛んだマリオに向かってホーミングアタックを繰り出す。
「……」
マリオはアイシャを思いっきりファイア掌底で攻撃し、アイシャを吹っ飛ばす。
アイシャは転倒し、動けなくなった。
「マリオさん……わたし達の声、聞こえないのですか?」
「
「それもそうでしたわね……」
「アップリーパー! ハーベスター! カタストロフィ! メテオブレイカー!」
ベルは祈りを込めた鎌を振り上げてマリオを空中に浮かせ、飛び上がって鎌を連続で回して攻撃した。
コンボのフィニッシュで鎌を下に振り、マリオを地面に叩きつけた。
「そこだ!」
シャドウは身動きが取れないマリオに狙いを定め、銃を撃ってダメージを与える。
「……」
「くっ!」
マリオは隙を突かれたため、反撃でシャドウにファイアボールを放った。
ファイアボールはシャドウの目の前で爆発し、彼を吹き飛ばすが、すぐにワープで復帰する。
「マリおじちゃん、待ってて! バーニング!」
「……」
カービィの炎を纏った体当たりを緊急回避でかわすマリオ。
「おっと!」
しかし、かわした先にはベルが待ち構えていて、彼女の鎌がマリオを一閃した。
だがマリオも意地を見せてベルを勢いよく投げ飛ばした。
「ひ~。あなた本気なのね」
「だがこの攻撃は避けられまい。カオススピア!」
シャドウは混沌の力を使ってたくさんの矢を放ち、マリオを串刺しにする。
その隙にカービィがマリオに突っ込んでパンチとキックの乱舞で攻撃する。
「お願いです! 元に戻ってください、マリオさん! キーラさんなんかに負けないでください!」
アイシャは、キーラに操られているマリオに必死で呼びかけた。
戦わなければならないとは分かっていても、心の中では戦いたくないという気持ちが強く、呼びかけてマリオの心を取り戻そうとした。
だが、いくらアイシャが呼びかけても、マリオが戦いの手を止める気配はなく、彼はアイシャにファイアボールを放った。
「マリオ、さん……」
「……」
アイシャは目にうっすら涙を浮かべる。
マリオはスマッシュブラザーズのリーダー格で、どんな時でも仲間と戦い、困難を乗り越えてきた。
しかし、キーラに操られているとはいえ、仲間を攻撃しているという事実を、アイシャは認めたくなかった。
戦って元に戻したい、でもできるなら戦わずに元に戻したい。
アイシャはその板挟みになっていた。
「……確かに、マリオは
「殴って……?」
「そうよ。殴って元に戻せるのはカービィだけ。私達はそれに、参加しているに過ぎない」
「だから、お前が気に病む必要はないという事だ。カオススパーク!」
「ディバウアー!」
「えーいっ!」
シャドウは指を鳴らし、マリオを時空の歪みに飲み込んだ。
その後、ベルがマリオを鎌で斬りつけ、カービィがマリオをキックした。
「そうでしたのね。ありがとうございますわ、カービィさん、シャドウさん、ベルさん。わたしだけが背負う必要はありませんのね。
では、わたしは皆さんをサポートいたします! マリオさん、あなたを必ず取り戻しますわ!」
アイシャは、三人のおかげで肩の荷が下りた。
そして彼女は、傷ついたカービィ達を薬や紅茶で回復しつつ、皆を応援して士気を高めた。
「……」
マリオはファイア掌底をカービィにぶちかます。
しかし、カービィは余裕で攻撃をかわし、ホバリングしてストーンでマリオを攻撃する。
そして、元に戻すためにカービィはハンマーを構え、力を溜める。
「元に戻って! 鬼殺し……火炎ハンマーーーーーーーーーーーー!!」
カービィの、炎を纏ったハンマーが、マリオの腹部にクリーンヒットした。
そして、マリオは吹き飛ばされ、しばらくの間地面を滑っていたが、1分後に動きが止まった。
「マリおじちゃん、マリおじちゃん!」
カービィは、倒れているマリオを必死で揺すった。
「僕の声が聞こえるか?」
「しっかりしなさいよ、マリオ」
「起きてください、マリオさん……」
シャドウ、ベル、アイシャも、倒れたマリオに声をかけていく。
「……う……」
しばらくすると意識を取り戻したのか、マリオはゆっくりと起き上がった。
彼の眼は、いつも通り、青色だった。
「マリおじちゃん! 元に戻ったんだね! やっぱり殴ってよかった~~~!」
正気に戻ったマリオに飛びかかるカービィ。
何気に、言った言葉が酷かったのだが。
「本当によかったわね、元に戻って。やっぱり、カービィの言った事は正しかったわ」
カービィが殴ったおかげで、マリオを正気に戻す事に成功した。
仲間を取り戻したベルは、ニッコリと笑う。
しばらくして、シャドウはマリオに話しかける。
「ああ、それと……どうしてお前は、いきなり僕に襲い掛かったんだ」
「シャドウさん、病み上がりですからそうするのはよくないですわ」
アイシャがシャドウの行動を注意するが、マリオは「いいんだ」と首を横に振る。
そして、マリオは四人に事情を話した。
「あの光がぶつかって、俺は死にそうになった。争いの世界なのに死ぬっておかしいよな。でも、確かにそんな感覚だった。
気が付くと、俺は真っ白い光の中にいた。光の中には誰もいなかった。俺以外には誰もいないはずだった。でも、光の中で、女の声が聞こえてきた。
『我が名は光の化身キーラ。我が軍に入れ』と。俺は必死で抵抗したが、何もできなくて……」
「大体、事情は分かったわ」
マリオから事情を聞いたベルは、頷いた後、鎌を持ち上げる。
「要は、あんたを含めたファイターは、みんなキーラに捕まって利用されたんでしょ?」
「多分な」
「私と一緒に、みんなを助けましょう! 操られたのがあんたには屈辱でしょ?」
「……そうだな。俺を利用したキーラが許せないぜ……!」
マリオはぎゅっと握り拳を作る。
自分を光に閉じ込め、ボディを作る母体として利用したキーラを許さないという気持ちが生まれたのだ。
「スマブラメンバーが一人、わたし達の下に戻りましたね。この調子で、皆さんをキーラさんの手から解放しましょう!」
「「「「おーーーーーっ!!」」」」
「……」
こうして、カービィ、シャドウ、ベル、アイシャの四人は、ミスタービデオゲーム、マリオを解放する事に成功した。
まだキーラに捕まっている人達は多いが、一人解放できただけでも、良しとしよう。
Tweet |
|
|
0
|
0
|
追加するフォルダを選択
ミスタービデオゲーム、マリオを救出します。
最初の仲間はやっぱり彼ですよね。