No.1050977

英雄伝説~灰の騎士の成り上がり~

soranoさん

第117話

2021-01-08 00:32:04 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1487   閲覧ユーザー数:1327

~ログナー侯爵邸・エントランス~

 

「喰らいやがれっ!!」

「「「「!!」」」」

鉄機隊とオリエ目掛けてアッシュがクラフト――――――ランブルスマッシュを放つとデュバリィ達はそれぞれ散開して回避した。

「フッ、同じ斧槍(ハルバード)の使い手として見本を見せてやろう。唸れ―――――旋風槍!!」

アッシュの先制攻撃を回避したアイネスは反撃に斧槍に闘気を纏わせてアッシュ目掛けて斧槍を振るって旋風を巻き起こした。

「っと!ハッ、生憎だが俺の得物はただの斧槍じゃない―――――んだよっ!」

「何……ッ!?」

アイネスが放ったクラフトを後ろに跳躍して回避したアッシュは斧槍を鎖鎌のように分離させてそのまま武器をアイネス目掛けて伸ばし、それを見たアイネスは驚きのあまり硬直した。

「させないわよ!」

そこにエンネアによる早撃ちの矢がアイネスに襲い掛かった鎖鎌を弾いた。

「加勢します、アッシュさん!深淵の力よ、我が剣に宿れ―――――セイッ!」

「ぐ……っ!?」

「!!」

アッシュの加勢の為にアッシュの傍に来たセドリックは剣に宿した渾身の魔力を解き放ち広範囲を一閃するクラフト――――――アビスブレイドでエンネアとアイネスを攻撃し、セドリックの攻撃に対して反応が僅かに遅れたアイネスはダメージを受け、エンネアは間一髪のタイミングで跳躍して回避した。

 

「ふふっ、狙いは外さないわよ――――――それっ!」

続けてエンネアは跳躍してアッシュとセドリックの背後に矢を放った。

「ハッ、どこ狙ってんだ?」

エンネアの攻撃が外れた事に嘲笑したアッシュだったが反撃する為に動こうとするとすぐにセドリックと共に異変に気づいた。

「え……体が動かない……!?」

「チッ、どうなっていやがるんだ……!?」

「フッ……それは”影縫い”だっ!!」

「!!」

エンネアが放ったクラフト―――――シャドウバインドはセドリックとアッシュの影を捉える事でセドリックとアッシュの動きを封じ込み、それに戸惑っているアッシュにアイネスがクラフト――――――兜割りで襲い掛かった。

「へっ、世話のやける坊主達だぜ……!」

「!ほう……今の一撃を真正面から受けるとは、さすがは”重剣”と言った所か。」

そこにアガットが側面からセドリックとアッシュの前に割込みして落下してくるアイネスの斧槍による強烈な一撃を正面から受け止めた。そしてその間にフィーがアッシュの影を捉えている矢を双銃剣で撃って矢を破壊してセドリックとアッシュの拘束を解いた。

 

「フン!粋がっていてその体たらくとは、未熟者である証拠ですわ―――――痺れやがりなさい!」

「そろそろ参らせてもらいます―――――竜巻よ、巻き込みなさい!」

「セイッ!」

「ハアッ!」

それぞれ左右に散って固まっているアッシュ達を左右から襲い掛かったデュバリィはクラフト――――――豪雷剣、オリエはクラフト――――――ハリケーンエッジを放つとそれぞれの人物達の前にラウラとミュラーが割り込んでそれぞれのクラフトを受け止めた。

「其方の相手は私だ、デュバリィ殿!」

「アルゼイドの娘……!”皆伝”にも至っていない未熟者如きが一人で私と対等に渡り合おう等、100年早いですわっ!!」

「貴女は貴女の剣をよく知る自分が止めさせていただく、継母上……!」

「フフ、それは私のセリフでもありますよ、ミュラーさん……!」

それぞれ鍔迫り合いになっていた二組の剣士達はそれぞれ同時に剣を引くと攻撃を防がれたデュバリィとオリエがそれぞれの攻撃を受け止めた相手を無力化する為にクラフトを放った。

 

「行きますわよ――――――ハアッ!」

「行くよ――――――シュッ!」

クラフト――――――神速ノ太刀でラウラに襲い掛かったデュバリィだったがフィーがデュバリィが放ったクラフトのように発動が早く、また攻撃動作も似ているクラフト―――――スカッドリッパーで相殺された。

「助かった、フィー!」

「ん。確かに今のラウラじゃ、神速相手に一人は厳しいかもしれないけど、Ⅶ組最強コンビのわたしとラウラなら話は別。」

「うむ……!我らの力を見せてやろう……!―――――地裂斬!!」

フィーの言葉にラウラは力強く頷いた後自身の得物を地面に叩きつけて衝撃波を発生させてデュバリィに反撃した。

「未熟者が一人増えたくらいで、調子に乗るんじゃありませんわ!これでも喰らいやがりなさい――――――セェェェェイッ!!」

ラウラの反撃を軽やかな動きで側面に跳躍して回避したデュバリィは顔に青筋を立てて答えた後剣を一旦自身の顔の前に真っ直ぐ縦にして構えなおした後ラウラとフィーに詰め寄って回転斬りを放った!」

「ぐ……っ!?この剣技(クラフト)は確か……!」

「エリスのS(スペシャル)クラフトの”鳳仙花”……!何で神速がエリスの技―――――それもSクラフトを……!?」

デュバリィが放った弟子であるエリスの技を参考にして編み出した連続回転斬りを放つクラフト――――――秘技・鳳仙剣を受けたラウラは驚き、フィーは戸惑いの表情でデュバリィを見つめた。

 

「フン!エリスの”師”である私が弟子の技を使えない方がありえませんわ!――――――豪炎剣!!」

「っと!わざわざエリスの剣技を習得してまでエリスを鍛えているなんて、エリスの修行に相当入れ込んでいるようだね、神速は。――――――ポイっと。」

「!!」

デュバリィの炎を宿した剣による薙ぎ払い攻撃をラウラと同時に後ろに跳躍して回避したフィーはデュバリィの足元にFグレネードを投擲し、フィーの攻撃を見たデュバリィはすぐにFグレネードによる閃光爆発の範囲外へと退避したが

「剣よ――――――――――――踊りなさい!!」

「あぐっ!?」

クロチルダが放った魔術によって発生した数本の炎の剣を受けてダメージを受けると共に怯んだ。

「ふふっ、現代の鉄騎隊の”筆頭”たるデュバリィ殿がそこまで入れ込む程の指導を受けているエリスは剣士としてどれ程成長しているのか、機会があれば確かめてみたいものだ―――――鉄砕刃!!」

「く……っ!?」

デュバリィが怯んでいる隙にデュバリィ目掛けて走り出したラウラは跳躍して大剣をデュバリィに叩きつけ、ラウラの攻撃をデュバリィは咄嗟に盾で防いだ後ラウラとフィーとの戦闘を再開した。

 

「……!参ります、継母上!はぁぁぁぁぁ!せりゃぁ!!」

一方オリエのクラフトを自身の得物で防いだミュラーは華麗な剣舞で敵を惑わし切り伏せるクラフト――――――ブレードダンサーでオリエに反撃し

「………!!」

オリエはミュラーが繰り出す華麗な剣舞を次々と双剣でさばいていた。

「行きます―――――ハァァァァァァ…………ッ!」

「オォォォォ…………!」

次にオリエが繰り出した連続斬撃のクラフト――――――ブレイドラッシュに対してミュラーは高速で突きを繰り出すクラフト――――――スラストレインで対抗してオリエが繰り出す連続斬撃を相殺し

「止めっ!……っ!?」

「終わりだっ!く……っ!?」

オリエが止めの斬撃を放つと共にミュラーも止めの薙ぎ払い攻撃を放った。すると互いの剣がぶつかり合った瞬間衝撃が起こり、衝撃によって二人は同時に後退させられ

「光と闇の刃よ――――――斬!!」

「滅せよ――――――迅雨!!」

オリエが遠距離攻撃である光と闇の斬撃波―――――双剋剣を繰り出すとミュラーは破壊力が高い斬撃を放つクラフト――――――烈剣・迅雨を放って相殺した。

 

「エニグマ駆動―――――」

「させるか!!」

オリエがアーツを放つ為にエニグマを駆動させ始めるとそれを見たミュラーは駆動を中断させる為に魔封じの小刀を投擲するクラフト――――――ミラージュエッジをオリエ目掛けて放ち

「!――――――ハアッ!ハイドロカノン!!」

ミュラーが投擲した小刀を見たオリエは側面に跳躍して回避した後アーツを発動させた。すると高圧の水流が凄まじい勢いでミュラーに襲い掛かり

「”アウドムラ”よ……全てを凍てつかせ!ハアッ!セイッ!斬!!」

対するミュラーは自身の得物である魔剣に込められし氷の力を解放してその場で順番に袈裟斬り、逆袈裟斬りを放った。するとミュラーが魔剣を振るうごとに吹雪が発生し、ミュラーに襲い掛かる高圧の水流を一瞬で凍り付かせ、最後の一撃である一閃をミュラーが放つと凍り付いた水流は切り裂かれ、オリエがミュラーに放ったアーツは無効かされた。

「ヴァンダールが双剣の真髄――――――見せてさしあげましょう。煌魔の光よ――――――」

アーツを無効化されたオリエはSクラフトを発動して闘気によって双剣を光の双剣とさせ

「我が全霊を以て無双の一撃を成す!うぉぉぉぉぉぉ!」

一方ミュラーもオリエがSクラフトを発動させると自身もSクラフトを発動してその場で自身の得物に闘気を溜め込み、オリエが自分に技を放つと同時に技を放った。

「天眼無双!!」

「破邪顕正!!」

双剣と剛剣、得物は違えど同じ流派であるヴァンダール流の奥義がぶつかり合った際の衝撃は凄まじく、奥義を放った二人をそれぞれ大きく後ろに吹っ飛ばし、吹っ飛ばされた二人はそれぞれ空中で受け身を取って着地した。

 

「ふふっ、見切ってみなさいな―――――」

「来るか!逃しはせぬ―――――」

ラウラとフィーとの戦闘を続行していたデュバリィはクラフト――――――影技・剣帝陣を発動して分け身と共にラウラとフィーを包囲し、それを見たラウラは迎撃するためにあるクラフトの構えをし

「斬!!」

「洸円牙!!」

デュバリィが分け身と共に一斉に襲い掛かるとラウラは自身の得物で自身の周囲を一閃してデュバリィを分け身達ごと反撃し

「!生意気な……ッ!」

ラウラの反撃を咄嗟に盾で防いだデュバリィだったが、防御した際の衝撃によって後退させられた。

「せーの……!ヤァァァァァァ……ッ!止めっ!!」

「あうっ!?」

そこにフィーがデュバリィの側面からクラフト――――――リミットサイクロンを叩き込んでデュバリィにダメージを与えると共に怯ませ

「崩れたよ!」

「そこだっ!!」

デュバリィが怯むとフィーとリンクを結んでいるラウラがデュバリィに追撃を叩き込んだ。

「っ!?くっ……ありえませんわ……!」

ラウラの追撃を受けたデュバリィは表情を歪めた後戦況を立て直す為に一旦大きく後ろに跳躍してラウラ達との距離を取った。

 

「ハァァァァァァ…………!地裂斬!!」

「そこだぁっ!!」

エンネアと共にアガットとアッシュ、セドリックの相手をしていたアイネスが地を這う衝撃波をアガット達に放つとアガットは竜気を宿した炎の斬撃波―――――ドラグナーエッジを放って相殺し

「ふふっ、石になりなさい!!」

「「!!」」

エンネアがアッシュとセドリックに石化毒を塗った矢を連射して攻撃するクラフト――――――メデュースアローを放つと二人は左右に散開して回避し

「ハァァァァァァ…………!」

「……!甘いわよ!」

クラフトを放ち終えたエンネアが着地する瞬間を狙ったセドリックがエンネアとの距離を詰めてクラフト―――――メルトスライサーを放つと、襲い掛かる連続刺突攻撃に対してエンネアは側面に跳躍して回避した後弓に矢を番えてセドリックに反撃を叩き込もうとしたが

「ハッ、甘ぇのはテメェの方だよ!――――――逝きやがれっ!!」

「ぐっ!?」

セドリックの攻撃を回避する瞬間を狙ったかのように自身の得物を大鎌に変形させたアッシュがエンネアに大鎌による一閃攻撃を叩き込んでエンネアにダメージを与えると共に怯ませ

「崩してやったぜ!」

「続きます!炎よ――――――タリスマンソード!!」

「させるか!盾よ!!」

エンネアが怯むとアッシュとリンクを結んでいるセドリックが自身の得物に緋色の霊力を宿してエンネアに斬撃と炎の爆発を叩き込もうとすると、そこにアイネスが割り込んでクラフト――――――秩序の盾を発動してセドリックの追撃を防いだ。

 

「ふふっ…………押しつぶしてあげる。」

「きゃ……っ!?」

「うお……っ!?」

セドリックの追撃を防いだアイネスだったがクロチルダが放った重力で敵を押し潰す魔術―――――破城槌によってエンネアと共にダメージを受けると共に怯み

「ふおらぁぁぁぁっ!!」

「……っ!?」

「ぐ……っ!?」

更に二人の側面から襲い掛かってきたアガットの得物を叩き込むと共に炎の爆発を起こすクラフト――――――フレイムスマッシュを受けてしまった二人はアガットのクラフトによってダメージを受けると共に分散させられた。

「ふふっ、”蒼の深淵”と”重剣”の加勢があるとはいえ、まさか皇太子達が我々相手にここまでやれるとはな。」

「どうやらこの戦争の件に関わる事で急成長したみたいね。」

アイネスとエンネアは自分達の予想以上の実力を示したセドリック達の実力に感心した後デュバリィのように戦況を立て直す為に一旦大きく後ろに跳躍してセドリック達との距離を取った。

 

「貫け――――――メイルブレイカー!!」

「防いでください、クラウ=ソラス!!」

「――――――!」

ユーシスとミリアムと共にアルティナに向かったマキアスは装甲を貫く強化徹甲弾をアルティナ達に放ったがアルティナはクラウ=ソラスに障壁を展開させて防いだ。

「とっしーん!!」

「―――――!?」

「クラウ=ソラス!?あうっ!?」

そこにミリアムがオーバルギアを突進させるクラフト――――――ヘヴィアクセルで障壁を展開しているクラウ=ソラスの障壁を破壊すると共にクラウ=ソラスとアルティナにダメージを与えてアルティナを怯ませ

「崩したよ!」

「逃がさん―――――ハァァァァァァ…………!セイヤッ!!」

アルティナが怯むとミリアムとリンクを結んでいるユーシスが素早くかつ強烈な連撃―――クイックスラストで追撃を叩き込んだ。

 

「我が火は舞い踊る、紅蓮の業嵐――――――トルネードファイア!!」

そこにエマが炎の竜巻を発生させる特殊魔法(クラフト)でアルティナを攻撃し

「クラウ=ソラス、ノワールバリア展開。」

「――――――」

アルティナは足元から発生した炎の竜巻に怯むことなくクラウ=ソラスに指示をし、アルティナの指示を受けたクラウ=ソラスは障壁を展開すると共にステルスモードになってアルティナと共にその場から姿を消した。一方アルティナに追撃をする為にエマのクラフトによる炎の竜巻が消えるのを待っていたユーシス達は炎の竜巻が消えると一斉に動き出そうとしたが

「何……っ!?」

「ほえっ!?アーちゃんとクーちゃんが消えた~!?」

「い、一体あの状況で僕達に見られることなく、あの竜巻を脱出したんだ!?」

アルティナとクラウ=ソラスが姿を消した事に驚いたユーシス達が周囲を見回したその時、エマの側面からアルティナがクラウ=ソラスで奇襲した!

 

「メーザーアーム――――――斬!!」

「――――――!!」

「え――――――キャアッ!?」

「エマ!?チッ……その傀儡のステルス機能を利用して奇襲したのね……!」

クラウ=ソラスによる回転斬りでダメージを受けると共に怯んだエマを見て驚いたセリーヌはすぐにアルティナとクラウ=ソラスの奇襲の方法を悟るとアルティナとクラウ=ソラスを睨んだ。

「ブリューナク起動――――――照射。」

「――――――!!」

「「!!」」

アルティナはクラウ=ソラスに続けてユーシスとマキアス目掛けて収束したレーザーを放たさせ、襲い掛かるレーザーを二人は左右に展開して回避した。

 

「ぶっ放せ~!!いたっ!?」

ミリアムは反撃にオーバルギアに搭載されているグレネードでアルティナに攻撃したがアルティナにはステルスモードになると共に付与された物理攻撃に対する反射結界も付与された為、グレネードがアルティナに命中するとアルティナはダメージを受けず、ミリアムに反射してダメージを与えた。

「ブリューナク起動――――――照射。」

「――――――!!」

ミリアムに更なる追撃をする為にアルティナはクラウ=ソラスに更なる指示を出し、アルティナの指示によってクラウ=ソラスはミリアムに収束したレーザーを放ったが

「ファーちゃん達、ボク達を守って!!」

ミリアムはオーバルギアに搭載されている自動浮遊射撃機――――――”ファンネル”に自分とオーバルギアの周囲に障壁を展開させて襲い掛かるレーザーを防いだ。

「エニグマ駆動―――――ダークマター!!」

「あうっ……!?」

そこにエマが発動した空属性のアーツによってアルティナはクラウ=ソラスと共にダメージを受けると共にアーツの吸引効果によって動きを封じ込められた。

 

「―――ユーシス・アルバレア!僕の足を引っ張るなよ!?」

「フン、それはこちらの台詞だ。マキアス・レーグニッツ!」

その時互いの視線を交わしたマキアスとユーシスはそれぞれ不敵な笑みを浮かべた後

ユーシスはその場で集中して剣に闘気を集束し

「逃がさん……!」

「防いでください、クラウ=ソラス!」

「――――――!!」

ユーシスが集中している間にマキアスはショットガンに込めた小規模な爆発を起こす特殊な弾丸をアルティナとクラウ=ソラス目掛けて連射して、アルティナはエマのアーツが終わるとクラウ=ソラスに障壁を展開させて防いでいたが弾丸が障壁にぶつかる度に障壁に罅が入り、そしてその罅が広がり始め

「――――これで終わりだっ!!」

マキアスが弾丸を撃ち終わるとユーシスはアルティナとクラウ=ソラスに向かって突撃し、闘気を纏った騎士剣で突きを放つと共に二人の背後へと駆け抜けた。するとクラウ=ソラスの障壁は破壊されると共に二人はドーム型に広がった闘気の檻に閉じ込められ、その隙にマキアスはショットガンにエネルギーをチャージし、マキアスと二人を挟み込むような位置にいるユーシスが強烈な威力を持つ斬撃を 十字クロスに放つと共にチャージしたエネルギーを解き放った!

 

「「エクスペンダブルブライド!!」」

 

「ああああああっ!?くっ………一旦退いて戦況を立て直します、クラウ=ソラス!」

「――――――!!」

ユーシスとマキアスの 協力技(コンビクラフト)――――エクスペンダブルブライドによる大ダメージで思わず悲鳴を上げたアルティナは戦況を立て直す為にクラウ=ソラスと共に大きく後ろに跳躍してユーシス達との距離を取った。

 

「ふっ、さすがは”有角の若獅子達”だな。」

「ええ。内戦でデュバリィ達を何度も退けただけはあるわね。」

「退けられていませんから!私が”退いてあげただけですわ!”――――――それよりも”小手調べ”はこのくらいにして、そろそろ”本気”を出しますわよ!」

紅き翼の予想以上の実力の高さにアイネスとエンネアが感心している中デュバリィは顔に青筋を立てて反論した後トワ達を睨んでエンネアとアイネスに呼びかけ

「応!!」

「ふふっ、黒の工房での”光の剣匠”との戦い以来ね。」

デュバリィの呼びかけに応じた二人はそれぞれデュバリィと互いのリンクを結び

「「「「星洸陣!!」」」

デュバリィ、エンネア、アイネスの三人のそれぞれを結ぶ特殊なリンクを形成した!

 

「あれは黒の工房で父上との戦いでも見せた……」

「鉄機隊全員が結んだ特殊な戦術リンク……!」

デュバリィ達が形成したリンクを見たラウラとフィーは警戒の表情を浮かべた。

「フフ、ここからが”本番”ですよ。静かなる水の如し――――――明鏡止水!!」

「少々皆さんの事を侮り過ぎたようです。そのお詫びにここからは”本気”でお相手してさしあげます。ハァァァァァァ…………――――――軽功!!」

オリエとエリゼはそれぞれ気功技を発動してそれぞれの身体能力を上昇させ

「望む所です、継母上……!オォォォォ…………――――――羅漢功!!」

「チッ……さっきの喰らっても平気の上、おまけに今まで”本気”じゃなかったとか、”剣聖”ってのはどんな化物なんだよ!?」

「アハハ……言っておくけど、エリゼちゃんは去年”剣聖”になったばかりだから、カシウスさんやアリオスさんの方がもっと上だよ。」

「やれやれ……まさに”上には上がいる”とはこの事だろうね。」

二人の様子を見たミュラーも気功技を発動して自身を強化している中、クロウは舌打ちをした後疲れた表情で声を上げ、苦笑しながら答えたアネラスの話を聞いたアンゼリカは疲れた表情で溜息を吐いた。

 

「ZCF(ツァイス中央工房)の”オーバルギア”…………”戦術殻”とは勝手が違うようですが、”操作”するという点では同じですから”アガートラム”を失ったミリアムさんにとっては適性の武装のようですね。……ミリアムさんに対抗する訳ではありませんが……―――――クラウ=ソラス、アルカディスギアモード!!」

「――――――!!」

オーバルギアに乗っているミリアムを見つめて静かな表情で呟いたアルティナはクラウ=ソラスを変形させてクラウ=ソラスと一体化した姿になった!

「な、なにソレ~!”合体”なんて、ガーちゃんにはそんなカッコイイ機能なかったよ~!?アーちゃんだけいいな~!!」

「いや、気にする所は”そこ”じゃないだろう!?」

「今は羨ましがっている場合じゃないだろうが、阿呆!!」

クラウ=ソラスと合体したアルティナの姿を見て驚いた後羨ましがっているミリアムの様子にマキアスが呆れている中、ユーシスは顔に青筋を立ててミリアムに指摘した。

 

「もう一押し……もう一押し”何か”があればアンちゃん達がエリゼちゃん達を突破させることができるのに……!」

そしてトワがエリゼ達を見つめながら真剣な表情で呟いたその時

「――――――ならば、その”一押し”を我々がしてあげよう!」

「へ。」

「フフ……まさかここで貴方が介入するとはね。」

突如その場に男性の声が聞こえ、声に聞き覚えがあるデュバリィは呆けた声を出し、クロチルダが苦笑したその時

「Aiguille(針よ!)!」

突如デュバリィ達の側面から数本の短剣が襲い掛かり、デュバリィ達はそれぞれ襲い掛かる短剣を回避した。

「式神達よ――――――お行きなさい。」

更に女性の声がその場に響いた後人と同じくらいの大きさの霧の集合体がエリゼとアルティナに襲い掛かった!

「!これは一体……!?」

「霧型の魔獣……?」

霧の集合体達に襲い掛かられた二人はそれぞれ回避行動をとった後初めて見る未知の存在を警戒していた。

「おや?あの式神は確かシェラ君の……という事はまさか――――――!」

一方霧の集合体に見覚えがあるオリヴァルト皇子が驚きの表情を浮かべたその時、その場に鈴の音が鳴り響いた後東方風の占い師の服装を身に纏ったクロチルダのように妖艶な雰囲気を纏った女性とブルブランがそれぞれの転移術で姿を現してエリゼ達と対峙した――――――!

 

 

久しぶりに予告詐欺をしてしまい、申し訳ございません(汗)次の……次の話でルーレ篇は決着するはずです……多分(オイッ!)ちなみに今回の話の最後でブルブランと共に登場したキャラは空シリーズやっていた人達ならバレバレな人物でしょうねww


 
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