――いただきます。
草薙は手を合わせた。
今日食べるものは白米。
おかずはない。
白米だけを食う。
(単純だ)
白い米。
草薙はこの在り方が好きだった。
茶碗に詰まった米からは湯気がたちのぼっている。
決して特別な米ではない。
有名なブランド米でもなければ、知る人ぞ知るような特殊なものではない。
只の米。
そのあたりの量販店で売られている安値で売られている米だ。
だが雑草という名の草がないように、米一つ一つにも想いがつまっている。
日本の農家の人々の思いが詰まっているのだ。
箸を持つ。
米をつかむ。
一口、白米を食べる。
「うまい」
感想は只一言。
そしてまた箸で白米を掴む。
一口、白米を食べる。
「良い」
只一言。
そしてまた箸で白米を掴む
一口、白米を食べる
「うん」
一心に米を食べる。
そしてお椀が空になった
「旨かった」
只一言、感想を言う。
白米。
日本の主食。
誰でも食べられる白米。
素晴らしい。
正に日本食。
(感謝)
手と手を合わせる。
――ごちそうさまでした。
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普通の日本人、米を食べる