鬼神は考えていた。
鬼神ならではの考えがあり、それは、鬼を幸せにする考えだった。
元々、人間は霊長類であり、雑食する。
鬼つまり、人間を食らうものは、人間を殺さなければならない。
だから、その対価として、嘘をついて、騙したりしない事を各鬼と契約していた。
だから、その事について、どうすれば、鬼が人間を食らえるだろうかと考えていた。
例えば、剣士がいたとする。
剣士は鬼を斬れる様な剣士である為に、鬼と1対1では勝てない。そこで、鬼が3匹かかってその剣士を倒すのだ。
それでも、怪我をする程度は覚悟しなくてはならないのだ。
だから、鬼は群れとしていなくてはならない。
単独で強い鬼等、奏(かな)という最強の鬼しかいないのだから、それはそれは人数が必要になるだろう。
鬼は心を持っている。
心臓ではない、精神に近い心の事だ。
心は人間ではないのだから、おごり高ぶっている。
奏(かな)は平静を装いながら、人間の勇者の集まる所、広場に来ていた。
周りの人間はシルクハットに目を止めながらも、奏を見過ごしていた。
マジシャンの様にマントを翻させながら、悠々と、奏は勇者と勇者の間を通り抜けていく。
やがて、ときの声が上がって、勇者達が噴水の周りに集まる。
恐らく100人いるだろうか?
彼らは、人間と戦い慣れてはいるが、鬼とは戦い慣れていないので、ここで皆殺しにでも出来るのだが、あえて、彼女はしない。
彼女の敵は殺人鬼と呼ばれる人達だからだ。
その場を彼女は後にしたのだった。
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鬼とは残虐、哀しさを現わしている。
神は鬼を顧みられるか?
人間を顧みられるか?
鬼か人間か?どちらかしか救われない。
だから、両者は共存するのである。