No.103744

真・恋姫†無双~三国統一☆ハーレム√演義~ #08 祭典最終日、或いは一刀くんの一日

四方多撲さん

第8話を投稿です。
同盟一周年記念祭典、七日目最終日(昼)をお送りします。
前回、多少シリアス寄りでしたので、今回はコミカル寄りとなっておりまーす♪
だんだん時間の流れがゆっくりになっていっているのは……きっと気のせいですww
寄ってらっしゃい、見てらっしゃい! 蜀END分岐アフター、始まるよ~☆

2009-10-29 01:23:29 投稿 / 全10ページ    総閲覧数:50039   閲覧ユーザー数:35418

 

 

同盟一周年記念祭典は滞りなく進み。

 

いよいよ最終日を迎える。

 

 

※今回は一刀くんの一人称でお送り致します。

 

 

ゆさゆさ。ゆさゆさ。

誰かが俺の身体を揺すっている感覚。

 

(うぅ~……もう朝か……起きなきゃ……)

 

睡眠という深淵から浮上した意識が、さっさと覚醒せよと訴えるが、身体は一向に動かせない。

 

何せ昨晩は、一晩で十九人(南蛮の四人は除く)という女性の相手を務めて、寝られたのは明け方。もうへろへろなんだ。

三~四人を一度に一時間お相手して、一時間休憩。これを五セット。時間にすれば十時間以上。

我ながら、よく死ななかったな~……

 

そんなことをうつらうつらと考えていたら、多少意識がはっきりしてきた。

僅かに瞼を開くと、ぼうっとした視界に映った小柄な女性――月かぁ――が、自分の身体を揺すっていた。

それと同時に、優しい揺さぶりでいつも起こしてくれる月に、毎度の悪戯心が湧いた。

 

「ゆーえ~……起きるからぁ~~……接吻(キス)してくれ~~……」

 

我ながら吃驚するほど阿呆な台詞の上、寝起きで言葉自体が不明瞭だったが。

俺の言葉に、びくりと反応した気配。

 

(ああ、恥ずかしがってる月を見なくちゃ~……)

 

と、俺がようやくはっきりと目を開けて、見たものは。

 

顔面に迫る拳だった。

 

 

……

 

…………

 

 

「ったく!月が起こしてた時にも、あんなこと言ってた訳!?」

「痛ぅ~……冗談だよ。まあ恥ずかしがる月が見たくて、何度か言った気もするけど」

「……二度と一人であんたを起こしに行かないように言っておかなくちゃ……」

「そんなヤキモチ焼かなくても……」

「ふんっ!#」

 

ゲシッ!

 

「だから痛いって!」

 

今朝、俺を起こしに来てくれたのは詠だったのだ。

うーん、相変わらずのツンっぷり。流石はツンデレ黄金比と謳われるだけはある。いや、俺がそう言ってるだけだけど。

しかし、起こしに来てくれた娘を間違えるとは、やはり昨晩の影響で疲れが残っているのだろう。詠も、その辺を気遣ってくれて、かなり遅めに起こしに来てくれていた。

 

とは言え……起き出しはしたものの、腰周辺にすっげえ違和感。腿やら腕やらも引き攣ってる感じがするし、何より膝に力が入らない。やっぱ一晩で二十人弱は無理があったよなぁ……

それでも俺の機嫌が良いのは、昨晩俺にとって、とても嬉しいことがひとつあったからだ。

 

「なんだよ~、昨日はあんなに素直に俺を求めてくれたのに……」

「ッ!! 余計なこと思い出してんじゃないわよ、この馬鹿ち●こ!!////」

 

ゲシゲシッ!!

 

蹴られたケツが痛いことは痛いが、顔を真っ赤にした詠が見られたので、大満足。

……ここ暫く、詠は俺と閨を共にしてくれなかった。

月の勧めもあって、一度直接誘ったこともあったんだが、その時は凄い剣幕で追い返されたし。

もしかして、余りに節操ない俺をとうとう見限ったのかもと思ってたんで、昨日は本当に嬉しかったんだよ、うん。

 

「とにかく!今日はみんな忙しいんだから、余計な手間かけさすんじゃないわよ!」

 

今日はいよいよ三国同盟締結一周年記念祭典の最終日。

物資支給を司る紫苑や、軍師のみんな。軍師でありメイドでもあるところの詠は、今夜催される首脳陣の大宴会の準備で大忙しだ。

対して俺は、初日から五日目までが激務で、ラスト二日はかなり余裕のあるスケジュールになっていた。

 

昨日は午前中に予定外の仕事が入ってしまったが、午後は風、蓮華、明命と遊べたし充実した一日だった。

……風に、蓮華たちも一緒に連れて行きたいと説明するときは冷や汗ものだったけど。

夜は少々トラブルもあったが、寧ろあれは俺の覚悟を確固とする、いい機会となったと考えている。

 

「今日は祭りを見て回る積もりだし。少なくとも詠や準備班の邪魔はしないよ」

「ふん。ならいいけど……ちゃんと護衛連れて行きなさいよ?」

「勿論。心配してくれてありがと」

「っさい!さっさと朝餉(あさげ)に行け!////」(ゲシゲシ)

 

 

……

 

…………

 

 

という訳で食堂へとやってきた。

時間的に遅めだからか、食堂で食事をしていたのは二人だけ。

 

「おはよう、桃香。恋」

「あ……えへへ。おっはよー!ご主人様♪////」

「(むぐむぐむぐむぐむぐむぐ、ごっくん)……ご主人様、おはよう」

 

桃香は、昨晩のことを思い出したのか、ちょっと赤面気味。うーん、ウチの娘たちは初々しいなぁ♪

その隣では恋が食事中……ああ、いつ見ても恋の食べ方は和むなぁ~~……

ハッ、いやいや。自分もさっさと食べないと。恋の食事風景はある種のトラップだからなぁ……

 

給仕に朝食を貰いに行こうとすると、厨房から盆を持った月が現れた。

 

「え、月!?」

「あっ、ご主人様……おはようございます////」

「うん、おはよう……じゃなくて! こらこら、月はもう仕事を休まなきゃ駄目だろう」

「へぅぅ……ごめんなさい」

 

月はかなり顔を赤らめながら挨拶してくれた。

昨晩は、そのお腹の赤子のこともあって、変に目立ち気味だったし。

実は月も詠に遠慮してか、最近は俺と閨を共にすることがなかったんだ。だから、余計に気恥ずかしいのだと思う。

 

それはともかく、他人の世話をすることが大好きな月は、隙在らば仕事をこなそうとしてしまうのが困ったところ。

うーむ。監視役とか用意しないと駄目なのか……そんなことしたくないけど。

 

「ええ!? 月ちゃん、いつの間に……」

「……多分、裏口」

「あ、あぅ……」

 

桃香も、月が厨房にいたことに気付いていなかったようだ。そりゃ気付いてりゃ、俺と同じように仕事を止めさせようとしたろうしなぁ。桃香が気付かなかった原因は、どうやら恋の予想で大当たりっぽいな。

食堂に隣接する厨房は、食材等の荷物を運び入れる為に裏口があるんだ。

 

「はい。とにかく、身体を動かすにしても、必ず補助する人を呼びなさいと言っただろう?」

 

月から盆を半ば奪うように受け取りつつ、そう注意する。

 

「へぅ……でも、皆さん忙しそうですし……」

 

ああ、この遠慮深いところも月の可愛いところなんだけど……今は遠慮されると逆に困ちゃうんだよ……

 

「……月。ご主人様、困らせたら、駄目」

「……はい。そうですね。申し訳ありませんでした、ご主人様。ご心配下さっているのに……」

「畏まらなくてもいいんだよ。ただ、自分とこの子を大事にしてね」

「はい////」

 

盆を片手に、残った片手で月を頭を軽く抱く。……あ~、可愛いなぁ、もう!

 

とかやってたら。

 

「「(じぃーーーーーーーー)」」

 

桃香と恋の二人から凝視されてしまった。

 

「あ、あはは! じゃあ朝ごはん戴こうかな!」

「へぅぅ~////」

 

凝視していた二人の卓につき、俺も食事開始。

月も隣に座った。

 

「「(じぃーーーーーーーー)」」

「……あの。食べ辛いんだけど……」

「だって。ねぇ、恋ちゃん?」

「(こくり)……月だけ、ずるい」

 

思ったよりも二人に強い印象を与えてしまったらしい。やっぱ一人だけ“母親”になれるから、月に対しては反応が強くなるのかな……

桃香にはいつも“みんな平等に”って言われてるしなぁ。

 

「……ご意見、ご要望は食後にお伺い致します」

「わぁ~い♪」

「…………(こくり)////」

 

ふぅ。これで取り敢えず食事は普通に食べられそうだ……

 

俺、桃香、恋で朝ご飯。月は主に恋の食べ終わった皿を纏めたり、新しい料理を差し出したり。

そんな中、桃香が俺に尋ねてきた。

 

「そう言えば、ご主人様は今日、自由時間だよね。何処行くの?」

「んー? まだ全然決めてないな。食べて終わったら、鈴々の勉強の様子だけ見に行く気だけど」

「頑張ってるもんね、鈴々ちゃん」

 

確かに鈴々にしては頑張ってるけど……所詮は付け焼刃。如何に雛里と風のヤマを張った短期集中講座とは言え、日頃から桂花に扱かれているという季衣に勝つのは難しいだろうな。

 

でも、これで勉強する習慣がついてくれれば……無理か。

 

今の鈴々は、季衣に負けたくない一心で、なんとかやってるだけだ。俺が現代にいた頃、一夜漬けで急場を凌いで、テストが終われば内容をすっぱり忘れる……これと同じパターンに終わるだろうな。うん、経験者が言うんだから間違いない。

 

「あ~あ。私の自由時間は殆どご主人様とずれてるんだよねぇ……一緒にお祭りを回りたかったなぁ」

「まあ、俺と桃香は一応総責任者だからな。どっちかは城に詰めてないとまずいし」

「うぅ、分かってるよぉ~。お土産、よろしくね。ご主人様」

「はいはい」

「はい、恋ちゃん。シュウマイだよ~。……恋ちゃんは今日の予定、何だっけ?」

「ぱくっ、むぐむぐ。……街の警邏……。でも……今日は何だか……ご主人様と離れたくない……」

 

ううっ!? 恋から寂しげなオーラがッ!?

 

「あ、あ~……じゃ、じゃあ俺の護衛を兼ねて街を回るか?」

「(こくこくこくっ)」

「あー!恋ちゃん、いいなぁ~!」

 

うーむ。鈴々も護衛役で連れ歩く予定だから……食費、足りるかしらん?

桃香への“土産”のランクも上げないとまずそうだし……

……へそくり全額プラス、小遣い数か月分前借りも覚悟しないとならないかもな……

 

 

……

 

…………

 

 

「「ごちそうさまでした」」

「……………………ごちそうさま」

「お粗末様です。お茶、飲みますか?」

「うん!……って、だから月が働いてどうするの!」

「へぅ!? お、思わず……」

 

この娘の勤労精神は筋金入りか……

 

「じゃあ、私が淹れて来るね~」

 

と言って桃香が厨房へ。……この国の地位・立場の自由さは、ホント気が楽でいいよねぇ~。

 

 

という訳で、蜀王の淹れた茶を四人で飲んでいたのだが。

正面にいた桃香が、両肘を卓について湯飲み茶碗を持ち。少々上目遣いで、俺に向けて話し出した。

 

「ねぇ、ご主人様」

「ん?」

「最近、月ちゃんを優先して見てるのは、仕方ないと思うの」

「そ、そうだね」

「へ、へぅ~////」

「今日、恋ちゃんと鈴々ちゃんが一緒に街を回れるのは、二人がそれだけ強いからだから、それも仕方ないよね」

「ま、まぁ武官の誰かを連れ歩くのが、自由時間に街へ出る条件だからなぁ」

 

こっそり昨日はその規則を無視したけど……それを言いたい訳じゃなさそう。

な、何が言いたいんだ!?

 

「天下一品武道会で準優勝したから、星ちゃんの“お願い”をひとつ聞いたんでしょ?」

「あ、ああ。半ば無理矢理だったけど……」

 

因みに内容は、高級メンマ(当然奢り)を肴に深夜の晩酌と……夜のお付き合いでした、ハイ。

 

「街では紫苑さんや桔梗さん、祭さんとお酒呑んだって聞くし」

「それは一杯だけだよ!?」

「天界衣装お披露目会……着て貰ったあの可愛い服って、全部その娘に贈ったんだよね?」

「……ハイ」

「昨日の午後は、丸々風ちゃんや蓮華ちゃん、明命ちゃんと一緒に街を回ったんだよね?」

「仰る通りデス……」

「私は……準備も含めて、ここ最近殆どご主人様とゆっくり出来てないよね?」

「ソ、ソウデスネ……ん?」

 

問い詰める彼女の雰囲気は、怒りというよりも……

 

「――桃香?」

「だから……このくらいは、許されるよね?」

 

言うや否や、桃香はその可愛らしい唇を俺の唇に押し付けてきた。

 

「「!?」」

 

月と恋の動揺が感じられたけれど。

今の俺には、俺を問い詰めつつ、どんどんと寂しげになっていった桃香の眼差しに心を奪われていた。

 

『みんな平等にね♪』

 

常から彼女の言う台詞だ。

俺は、忙しさに感(かま)けて、この娘をほったらかしてしまっていたんだ。

昨日は全員が押し寄せてきた形だから、誰かを贔屓しないようにしていたし。

だから。せめてものお詫びに。彼女の頭に手を掛け、その接吻に俺からも強く返した。

 

「へぅぅ~……////」

「…………桃香、ずるい……」

 

正直、周りの声は殆ど耳に入っていなかった。きっと桃香も同じなんだろう。

暫くして、ようやっと俺達は離れた。

 

「え、えへへ……////」

「……ゴメン。一先ずはこれで許してくれるかい?」

「うん。取り敢えず……今は、だよ?」

「ははっ、そうだね。まずはこのお祭りをちゃんと終えないと――」

 

そこまで言った俺の眼前に、突如恋の顔が……

 

「…………恋も、する」

 

さて。混沌とした朝餉が終わり。

俺と恋は、鈴々の朝勉強の様子見に城の一室へと訪れていた。

 

「おはよう、鈴々。お疲れ様、風」

「…………おはよう」

「うぅぅ……おはようなのだ、お兄ちゃん……あれ、恋なのだ。おはようなのだ」

「おはようございます、お兄さん、恋ちゃん。勉強会はこれで最後ですからね。詰め込むだけ詰め込んでみましょー」

「あう~……」

「頑張れ、鈴々。終わったら、街で饅頭奢ってやるから」

「ホント!? よぉーし、頑張るのだーー!」

『調子のいいお嬢ちゃんだな、オイ』

「……出来るなら風もご一緒したいのですけど。残念ながら先約があるのです……(-"-)」

 

元々、俺に対して強い“興味”の視線をくれていた風だったんだけど。

どうも昨日から、視線に別の意図も感じるようになった気がする。一挙一動を監視されているというか。視線の力が強くなったと言うか……自意識過剰だろうか。

 

「さ、始めよう。時間は有限だからな」

「…………ご主人様。恋も饅頭食べたい」

 

君、ついさっき朝飯食べて終わったところだよね!?

 

 

……

 

…………

 

 

勉強会が終わったのは、感覚からすると午前十時過ぎくらい。

うーん、この世界に落ちてきてから二年少々。

俺も体内時計が発達したもんだ。

 

さっきも言った気がするが。街に出るにあたって護衛を付けるのが条件だったんだが、『五虎将軍』の一人である鈴々と、天下無双の武人・恋の二人なら文句の付け所もない。

……内心、色々不安があるのは内緒だ。

 

さて、取り敢えず鈴々の気力ゲージを回復する為に、饅頭を一籠買って渡してやる。俺は朝飯食ったばかりだからな。何故か恋も一籠抱えて食べているが、もう説明は要らないだろう……勿論、金を払ったのも俺。

 

「んぐんぐ♪」「むぐむぐむぐ」

「ん~、どこから回るかね……」

 

と街中を見回すと。何やら見慣れた面々が劇場の前に屯(たむろ)っていた。

 

 

「やあ、みんな。おはよう♪」

 

近づいて気軽に挨拶したのだが。

 

『……』

 

返答が来る前の一瞬の間。みんなから強い視線が送られてくる。

な、なんだ!? 俺、今日どこかおかしいか? 確かに足腰はガタが来てるけど……

 

「え、えっと……揃って戯曲鑑賞かい?」

 

視線のプレッシャーに押されつつもそう言った俺に、みんなもようやく様々に返答をくれた。

 

「……おはようという時間ではない気もするけれど。そうよ」

と華琳。確かに十一時も近い時間じゃちょっと微妙かな?

 

「なんでアンタがこんなところに来るのよ! あっち行け!!」

これは桂花。相変わらず嫌われてるなぁ。

 

「うむ。この劇団は有名なのでな」

説明ありがとう、秋蘭。

 

「華琳様がいるところに私がいない訳がないだろう!?」

……途中で寝ちゃうイメージがあるな、春蘭は。

 

「あら、一刀が戯曲ってのは意外ね? それとも、単なる通りすがり?」

その通りだよ、雪蓮。

 

「華琳殿が誘って下さってな」

冥琳は戯曲鑑賞が趣味でも似合うと思うけど。評価は辛そうだが。

 

「…………」

一瞥くれるだけの思春。これもいつものことだ。寧ろ殺気がない分、断然マシ。

 

「おはよう、一刀。よ、良かったら……」

と蓮華が言い終わらない内に……

 

「おっはよー、か・ず・と♪ 一緒に観ない?」

とシャオが俺の片腕に身体を絡ませながら誘って来た。

 

「……小蓮! 孫呉の姫がはしたない!!#」

「ぶー! お姉ちゃんだって、今同じこと言おうとしてたじゃない!」

「そ、それは……いや、はしたないのは抱きついていることの方よ!」

 

相変わらず口の達者なシャオ。蓮華は口籠りつつも反論する。

この姉妹の口論はいつも通りの光景だけど。一応フォローしとかなきゃな。

 

「うーん、戯曲かぁ。興味はあるけど……」

 

と言って、鈴々と恋を見遣(みや)る。

大方のメンバーは、それで分かってくれたようだ。

明らかに鈴々はじっと戯曲を鑑賞するタイプじゃないからな。恋は……興味なさそうにしてるしね。

 

「という訳だから、今回は遠慮しておくよ。誘ってくれてありがとう」

「い、いいのよ。つ、ついでだったのだから////」

 

あ~、蓮華は本当に女の子らしい反応をしてくれるようになったなぁ……と和んでいたら。

 

「それじゃあシャオ、戯曲観るのやーめた! 一刀と遊ぶ~♪」

 

と我儘姫様が言い出してしまった。

 

「なっ!? 今回は、華琳がわざわざ誘ってくれたものなのよ! それを蹴って遊びに行く積もり!?」

「小蓮様。孫家の姫君として、それは些か軽はずみに過ぎますよ」

「つーん」

 

との蓮華、冥琳のお説教をシャオは完全に聞かないフリ。

困ったなぁ、と思っていたら。

 

「……気にすることないわ。興味のないものに無理に付き合わせるのもどうかと思うしね……#」

 

そう言ってくれると嬉しいんだけど……なんで俺を睨むの!?

 

「ちぇ~、私も一刀と遊びたかったな~」

「雪蓮……#」

 

雪蓮とは呑兵衛チームと一緒に毎日晩酌に付き合ってるだろ!?と目線で訴えるが……効き目なし。

 

「じ、じゃあ、俺は行くね。小蓮は責任もってお預かりします」

「ぶー! それじゃあシャオが子供みたいじゃない!」

「「「「「…………」」」」」

 

俺を含め、何人かが沈黙した。

 

「もう!シャオがどれだけ大人の女なのか、教え込んでやるんだから!」

 

そう言うシャオに引き摺られ。

 

「また今夜~!」

「よーし、いっくのだー!」

「…………」

 

俺と鈴々に恋に加え、シャオは歩き出した。

 

先頭を歩く鈴々。俺の左腕に身体を擦り付けるように抱きつくシャオ。俺の上着の裾をちょこっと握って後を歩く恋。

極力、シャオの身体に関しては意識から除外して……

 

「さて、何処行くかな。実はまだ決めてないんだよな。“御輿”は見る気なんだけど」

「御輿?」

「そう。町割で区切った区画ごとで御輿を作って、それを街中へ引き回して、見せて回るんだ」

「へぇ~! 派手でお祭りらしくていいね!」

「時間はまだ随分あるから、取り敢えずぶらつくか……露店もたくさん出てるしね」

「そうするのだー! ほら、お兄ちゃん!あの飴おいしそうなのだ~~」

「(こくこく)」

「はいはい。シャオも食べる?」

「うん♪ えへへ~」

 

四人で飴を舐め舐め、街の大通りを歩く。

すれ違う人々の笑顔。知らず知らず、俺の顔も緩んでいた。

そうして暫くは祭りの喧騒を楽しみつつ、出店などを覗いていた。

 

気が付けば、そろそろお昼時。

さて、どこで食べようか、などと思案し始めた。

 

のだが。

 

「やんのか、コラァ!?」

「おぉ!?やってやんよ!」

 

あー、喧嘩か。見たとこ、十代半ばの少年たちが合わせて十人少々。既に取っ組み合いになりかけている。

何が原因かは分からないけど、往来の真ん中で迷惑この上ない。

警備が到着するにも、まだちょっと掛かるだろう。

 

「……鈴々。悪いけど、全員とっちめてくれる? 手加減を忘れずにね」

「おー! まっかせるのだ!」

「うふん♪ シャオも手伝ってあげる!」

「ええ!? シャオは一応預かってる形だしなぁ……」

「もー! 子供扱いしないで!……見ててね~♪」

 

言うが早いか、シャオは腰から戦輪『月華美人』を抜き取り、一気に駆け出した!

というか――は、速え!

 

「り、鈴々! シャオを援護して!」

「んー、多分必要ないと思うのだ。でも、一応行くね」

「…………恋も、そう思う。鈴々に、任せる」

 

鈴々には気負いも緊張感もなかった。恋も全く動じていない。

この二人がこう言うってことは、シャオ一人でもきっと大丈夫なんだろうな……。

 

 

……

 

…………

 

 

「へっへーん! このシャオ様にかかればちょろいちょろい☆」

 

結局、取っ組み合いの喧嘩を始めていた十人少々の少年達を、シャオ一人が一分と掛からず全員伸してしまった。

鈴々は、いつでもフォローに入れるよう、シャオを常に“間合い”に収めるように動いてくれていた。

しかし……シャオって俺よりよっぽど強いじゃないか……。

 

「流石は『弓腰姫』……大したもんだ」

「やぁん♪一刀も私の渾名知ってたんだ!嬉しい♪」

 

またすぐに俺の左腕に絡むシャオ。

うーむ。俺、この娘より弱いのか……何かこう、男のプライドが……

というか、その男のプライドを完全に砕かれちゃった少年達をどうにかしなきゃな。

 

「あー、祭りで高揚するのは分かるけど。他人に迷惑かけるのは駄目だろう」

「くっ……うるせぇ!メンチつけられて、道を空けたとあっちゃあ、面目立たねぇだろうが!」

 

古代中国でメンチとか言うな。

 

「とにかく、喧嘩両成敗。大人しく別々に祭りを楽しめよ。どうしても続きがしたいなら、街から出てやってくれ」

「テメエ!偉そうに、何フカシてやが……る?」

 

リーダー格っぽいのが、俺の顔を見て気勢を弱めた。

 

「ん?どうした?」

「あ、あのー。もしかして……御遣い様?」

 

あ、気付かれたか。騒ぎにならないようにしないと……

俺は膝をついて、まだ起き上がれずにいるリーダー格の少年と目線を合わせ。

 

「(まぁね。お忍びなんだ。内緒に頼むよ)」

 

とこっそり伝える。

 

「……(ということは、後ろにいるちっこい方が張翼徳将軍ですか?)」

「(そうだけど……)」

「(マジっすか! あ、あの!一度張将軍とタイマンしてみてえんです! お願い出来ねえっすか!)」

 

だから古代中国でタイマン言うな。

 

「(……本気か)」

「(うっす!)」

 

大した勇気だ。この場合、蛮勇と言っていいだろうけど。

でも、彼の目にあるのは“憧れ”という輝きだった。

 

「(分かった。俺のことを内緒にして貰う代わりに、彼女にお願いしよう)」

「(あざっす!御遣い様!)」

 

 

……

 

…………

 

 

という訳で、街中に設置している公園の林の裏へと俺達は移動した。ここなら他人に迷惑はかからないだろう。

 

「ごめんな、鈴々。でも、彼はきっと君のように“強く”なりたいんだ。だから……本当の“強さ”を教えてあげて」

「うん。分かったのだ!」

 

「よし、今回は互いに素手。気絶するか、降参したらそこまで。いいね?」

「応なのだ!」「うっす!」

「では……始め!」

 

「まずは掛かって来るのだ!」

「うっす!うらぁーーーー!」

 

少年は拳を何度も打ち込む。俺から見ても体捌きは粗い。一応腰は入ってるんだが。

鈴々は片手で、その拳を左右へ打ち払う。

少年も、既にさっきシャオにボコボコにされていて、身体が動かないってのもあるんだろう。

三十秒程度で一旦下がってしまった。

 

「お前の“目”は、相手を倒すことしか見てないのだ。そんな拳では鈴々には勝てないのだ!」

「!?」

 

「鈴々が強くなったのは……誰も守ってくれない、弱い人達の為! そんなみんなを守る為なのだ!」

 

彼女はそう発奮して、拳を振り上げ。

その拳を地面に振り下ろす。

ゴォンという轟音と、舞い上がる土煙。

 

地面が砕けて割れていた。

 

「「「…………」」」

 

この『タイマン』を見ていた少年達も。リーダー格の少年も。俺も、シャオも。誰もが絶句していた。只一人、恋を除いて。

 

……どんだけ怪力なんだ、鈴々は……

 

「強くなりたいなら、守るものを見つけるのだ! 鍛えたいなら、新兵調練に参加するといいのだ。鈴々や愛紗、星や翠が吐くまで付き合ってやるのだ!」

「真名で言っても伝わらないって。……新兵調練は、自由参加の時があるんだ。その時、運が良ければ関羽や趙雲、馬超が指導することがあるんだよ。もし、何か燻る気持ちがあるのなら。一度参加してみるのは確かにいいかもね」

 

割れちゃった地面については、後で報告しとこう。

うん、これは若者を薫陶する為の必要経費さ。

……俺の小遣いから減らされませんように……

 

そんなことを考えつつ、俺と鈴々、シャオの三人で大通りまで戻ろうとすると。

 

「今のすっごい音、兄ちゃん達なの?」

「こ、こんにちは。兄様」

 

季衣、流琉の曹魏ちびっこコンビだった。

 

「だーかーらー! お兄ちゃんをお兄ちゃんと呼ぶななのだ!」

「ふーんだ! 今晩の勝負で、今回こそ認めさせてやるからな!」

「う……」

「はいはい、鈴々。今日は特別ね、特別」

 

未だに拘るのか。まあ心底嫌いな勉強を自ら教えてくれと頼んできたくらいだからなぁ。

 

考えてみると、鈴々以外で俺を“兄”と呼ぶのは……

 

美以を初め、南蛮兵たちには何も言わなかったのになぁ。そう言えば彼女ら、確か鈴々を「同志」とか「親分」とか呼んでたな……その辺に秘密があるのだろうか?

流琉は、その料理の腕を認めたらしい。

風は……その智謀を認めるからか。或いはその鋭敏な本能でナニかを感じているのかも知れないな……。

 

「何かあったの?」

と尋ねてきたのは季衣。

 

「喧嘩してた馬鹿に、正しい“強さ”を教えてあげてたのよ♪」

君は何もしてないでしょ、シャオ。

 

「ま、まさか……殺してませんよね!?」

……結構大きな音がしてたからなぁ。

 

「シャオを何だと思ってるのよ、失礼ね! 大体、地面叩いて割っちゃったのは鈴々だもん!」

自爆してますよ、シャオさん。

 

「あ~……そういうことですか……」

流琉は納得してくれたようだ。

 

「あれで“強さ”ってものを理解してくれるといいんだけど。まぁ、若い内はあんなもんな気もするけどさ」

「ああいうのが悪い方向に行くと賊とか黄巾党みたいなのになるのだ。調練に来たら、ばっちり扱いてやるのだ♪」

「程々に手加減してあげてね……」

 

こんな言い方が出るなんて、俺も大人になったな~。とか考えていたのだが。

偶に鈴々に訓練して貰ってる身としては、新兵含めて彼らに同情してしまいそうだ……。

 

「そろそろ昼だけど、兄ちゃん達はもう食べた?」

「そういやまだだった。そっちは?」

「今からです。何でも季衣がいい店を見つけたらしくて」

「へぇ~! 季衣のお勧めかぁ。丁度いいや、俺達も連れてってくれないか?」

「もっちろん! 兄ちゃんと一緒だとご飯が美味しいんだよね! いいよね、流琉?」

「う、うん。私も兄様と一緒に行けると嬉しいです……////」

 

おお、嬉しいことを言ってくれるじゃないか、二人とも……と感激していた俺だったのだが。

どんな店で、どのくらい美味いのかで喧々とする鈴々と季衣を傍目に。

 

「…………#」

「………(汗」

 

シャオが流琉を睨んでる?

 

「シャオ、どうしたの? 流琉の顔に何か付いてる?」

 

覗き込んでみるが、特にこれと言って何もない。いつも通りの流琉だと思うけど。

 

「ひぇっ!? きゅ、急に顔を覗き込まないで下さい、兄様!////」

「あ、ごめん」

「………##」

 

あれ? 益々シャオの機嫌が……。なんで?

 

 

……

 

…………

 

 

大通りからは少し外れた位置の料理屋は、季衣のお勧めだけあって絶品だった。けど……

 

「もっちろん、ここは男の奢りよね?#」

 

未だご機嫌斜めのシャオのこの一言で、全員分を奢らされることになってしまった。

と言っても、何だかちびっこ達を引率しているような気分だったので、元々奢る気だったんだけど。

しかし、鈴々・恋・季衣の三人で、一体どれだけ食べるのか……店の食材、食い尽くしてないか?

 

「ごちそーさま。さて、午後からは御輿が回り始める筈……」

 

と店を出た俺達が見たのは。

 

「おーっほっほっほっほ! おーっほっほっほっほ! おーっほっほっほっほ!」

「わっしょい! わっしょい! わっしょい!」

「わっしょい! わっしょい! わっしょい!」

 

「「「「「…………」」」」」

 

れ、麗羽……お前って奴は……。ここ最近は、ちょっと成長したと思ってたのに……orz

 

「なーんか無駄にきんきらしてて、成金くさーい!」

「なぁんですって、そこの無乳(ナイチチ)小娘!」

「むっかー! 垂乳おばさんに言われたくない!」

 

変なとこで地獄耳なんだからな……困った奴だ。ついでに何かと胸に拘るこの二人は相性最悪な気が……

ぎゃんぎゃんと言い争うシャオと麗羽。

 

「いやー、悪いねアニキ。姫は言い出すと聞かないからさぁ」

「ごめんなさい!本当にごめんなさい!」

「まぁ、そうだよなぁ……」

 

正直、猪々子と斗詩に謝られても仕方が無い。最終的にこの二人は麗羽側だからな。

俺が困っていると……

 

「こらーーー! 麗羽ぁーーー! 申請もしてない御輿で勝手に練り歩くな!!」

 

おお、白蓮。

 

「……いつもお疲れ様、白蓮」

「ああ、北郷か。っと鈴々もいるのか」

「え? 恋も……」

 

と見回すが、恋の姿がない。いつの間に……。……まさか、な。

 

「なあ鈴々。ちょっと麗羽をとっちめるのを手伝ってくれないか?」

「んー? 今ならお腹一杯だから手伝ってもいいのだ」

「ええー!? 鈴々ちゃんが敵に回っちゃったよぅ、文ちゃん!」

「いいじゃん、いいじゃん。これで二対二で丁度いいじゃん!――いっくぜぇ、鈴々!」

 

あああ……乱闘が始まってしまった。

 

斗詩と白蓮はほぼ互角、本の少しだけ斗詩優勢かな? あのハンマーの一撃を剣で防御したら折れちゃうしな。

一方、鈴々と猪々子は、膠着しているように見えて、明らかに鈴々が優勢だった。

 

「おらおらおらぁーーーー!」

「ほいほいほいっと。そんな大振り、当たらないのだ!」

 

「……やっぱり鈴々ちゃん、強いね。季衣」

「ふんだ!絶対いつか敗かしてやるんだ!」

 

向上心というべきか、敵愾心というべきか。

その言葉の割りに、季衣は鈴々の動きを見切ろうというのか、じっと見続けていた。

 

「ええい、何をしてますの!文醜さん、顔良さん! こうなれば……!」

 

膠着した状況に痺れを切らした麗羽は、その爆乳の谷間から小さい笛を取り出し、吹いた。

 

……音、出てないぞ?

 

と思いきや。十数秒して、ドドドド……という地響きのような音が……

 

「呼ばれて、飛び出て、にゃにゃにゃにゃーん! 『南蛮王』孟獲さま、さんじょーだじょ!!」

 

「「「「「にゃー!にゃー!にゃー!にゃー!にゃー!にゃー!にゃー!にゃー!にゃー!にゃー!」」」」」

「「「「「にゃー!にゃー!にゃー!にゃー!にゃー!にゃー!にゃー!にゃー!にゃー!にゃー!」」」」」

「「「「「にゃー!にゃー!にゃー!にゃー!にゃー!にゃー!にゃー!にゃー!にゃー!にゃー!」」」」」

 

「どわーっ! れ、麗羽! また美以と南蛮兵を味方に取り込んだのか!?」

「ほーっほっほっほ! 『お馬さん当て』の端金(はしたがね)で買い込んだ食料を報酬に雇ったんですのよ!」

 

その運を少しでも分けて欲しいよ、ちくしょうめ。こちとら小遣いでチマチマやってるっつーのに。

 

「こ、こりゃ幾ら何でも多勢に無勢だ。シャオ、季衣、流琉。手伝ってくれるかい!?」

「一刀の頼みなら、な~んでも聞いちゃうよ♪ シャオにお・ま・か・せ♪」

「よぉーし! 鈴々に敗けるもんか! いっくぞぉー!」

「はい! 頑張ります!」

 

かくして大乱闘です。

 

麗羽陣営=猪々子、斗詩、美以、南蛮兵(量産型)多数。

一刀陣営=白蓮、鈴々、小蓮、季衣、流琉。

 

……共に大将は役立たずです(T T)

 

質はこっちが上だけど、向こうには南蛮兵(量産型)多数という数の強みがある。

しかしこっちは、粘れば警備兵という援軍が到着することになる。上手くすれば愛紗と翠が来てくれるだろう。

そうなれば、もう勝敗の趨勢は決まったようなものだ。

 

と考えていたんだが……

 

どこからともなく聞こえてくる笑い声。

 

「はーっはっはっは! はーっはっはっは!」

「な、何奴ですの!?」

 

あちゃー……来ちゃったのね……。恋が消えた辺りで怪しいとは思ってたんだが……

ついでにお約束というか。その反応……律儀だね、麗羽。素だろうけど。

 

続いて響く可憐な声の口上。

 

「天知る!神知る!我知る!子知る!」

「悪の蓮花の咲くところ、正義の華蝶の姿あり!」

「朱華蝶!」

「…………恋華蝶」

「星華蝶!」

「かよわき華を護る為!」

「華蝶の連者、三人揃って」

「……………………ただいま」

「「「参上!(……………………参上)」」」

 

どどーん!(爆発)

 

だから火薬を勝手に使うなと言うのに!?

黒色火薬は専門家じゃないと誤爆が怖いから駄目だって、あれだけ言ったのに。一旦愛紗にこってり絞って貰うか、メンマ禁止令でも出して反省して貰わないとな……いや、今はそれどころじゃなかった。

 

「なっ!? また出ましたのね、チョウチョども! ええい、まとめてやぁっっておしまい!!」

 

そして、麗羽……相変わらず彼我の戦力差が分からないらしい。

戦況は明らかに此方に傾いた。しかし、華蝶連者がお出ましになると、ひとつ問題が……

 

 

「きゃーー!星華蝶さまぁぁ~~~♪」

「うぉぉぉぉ!強えぜ、恋華蝶!」

「やぁん、可愛い~~♪朱華蝶ちゃぁ~ん♪」

 

 

これだ。華蝶連者の声援に駆けつける民衆……というか野次馬たち。

このままだと、本来の御輿の通行予定に狂いが出ちゃうかも……

よし!

 

「(朱里、朱里)」

「(あ、ご主人様!)」

「(警備隊は、あとどれくらいで、どっちから到着する?)」

「(……成る程。流石はご主人様です! 恐らくは……)」

 

朱華蝶こと朱里とこっそり相談。この場を収める戦術を練る。

 

「星華蝶、恋華蝶! 二人で後方へ突撃、“道”を作って下さい! 張飛将軍は文醜将軍と顔良将軍の足止めをお願いします!」

「……成る程、委細承知! 往くぞ、恋華蝶!」

「………………分かった」

「鈴々も了解なのだ!」

 

星と恋が南蛮兵(量産型)の軍勢を正面から左右へ蹴散らしていく!

 

「あ~!まずいよぉ、文ちゃん!?」

「おっと、ここから先には行かせないのだ。通りたければ、この燕人張飛を倒してみせるのだ!」

「なにを~!やってやろうじゃん!」

「ああああ~……鈴々ちゃん相手じゃ、二人掛かりでだって勝てる訳ないよぉ~(泣」

 

向こうの大きな戦力は、こっちの更に大きな戦力で足止め。

そして、星と恋が突き抜けた先には、警備兵を引き連れた翠の姿が見えていた。

 

「よし、狙い通り! シャオ、季衣、流琉! 警備兵と挟撃して、左右に分断された南蛮兵(量産型)たちを叩いてくれ!」

「な~るほど! まっかせて♪」

「兄ちゃん、軍師みたい! よぉし、なら将軍がやることは決まってるね、流琉!」

「うん!行ってきます!」

 

 

かくして。

麗羽陣営は全員“お縄”となったのだった。

 

「きぃぃぃぃぃ! 悔しいですわーーー!」

「あー……これってまた愛紗から説教かなぁ、斗詩……?」

「きっとね……はぁ……」

「にゃー!? みぃも説教にゃ!?」

「愛紗のせっきょうはやだにょ~~!」

「怒ったあいしゃは怖いにゃ……」

「……愛紗さま、怒ってるかにゃん……?」

 

 

「助かったよ。北郷、みんな。あと華蝶連者もな」

「野次馬たちにも怪我人はいないようだし、一件落着だな」

 

「ふふっ。正義は勝つ! ……では、これにて御免っ!」

「…………ごはん、食べる」

「……はぁ……まだ準備しなきゃいけないこと、いっぱいあるのに……」

 

華蝶連者は去って行った。

今思い出したが……星、おまえ全治一ヶ月の怪我人だろう!? ええい、説教のネタが増えてしまった。

おーい、恋さん? 俺の護衛はどうするんだ。というか、まだ食う気か。まぁ星の奢りだろうからいいか。

それはそれとして……ちょっと早めに切り上げて、朱里のお手伝いしようかな……

 

「へぇ~、あれが華蝶連者か。強かったな!……鈴々より強いんじゃないのか?」

「なんだとー!……でも、確かに華蝶仮面には一度も勝った事ないのだ……いっつも散々おちょくられて、最後には逃げられちゃうのだ……最近は仲良くなったから戦ってないし……」

「ええーっ!?鈴々ちゃんが一度も!?……凄い……蜀にはそんな人がいるんですね……」

 

……正体は……いや、子供達の夢を壊すようなことはすまい。うん。

 

「なんだよ、勝てない相手がいるのに、もう諦めてるのか? だらしないぞ!」

「そんなことはないのだ! お兄ちゃんと特訓したりしてるのだ!」

「……兄ちゃんと特訓しても、意味ないんじゃないか?」

 

ぐさぁ!

 

今の一言は、お兄さん傷ついたよ、季衣! 確かにその通りだけどさ!

 

「なら、今から訓練するのだ! チビ助、手伝うのだ!」

「チビにチビって言われたくない!……でも、いいよ。手伝ってやる!」

「もう、二人とも……。兄様、私が見張ってますから」

「あ、ああ。そうだね。よろしく、流琉」

「は、はい……////」

 

頭を撫でてやると恥ずかしげに顔を赤らめる流琉。うむうむ、愛い奴よのぅ。 って悪代官か、俺は。

 

……後ろからのシャオの視線は、この際無視無視……

 

という訳で。

現在は、俺とシャオの二人だけ。

シャオの機嫌は、途端に急上昇。さっきからニコニコだ。

 

……護衛はどうしたという話は、聞かなかったことにしてくれ。

 

「ねえねえ一刀。あれ、なに?」

「ああ、あれはね……」

 

終始この調子。

うーん、絡んでくる小さくも柔らかい身体に意識が行かないよう、注意してないとね……

この娘、わざと胸を当てるくらい平気でやってくるからな……

 

「ん? ここからは市の内容が変わるのか」

「そうなの?」

「ああ。この先は、書物や竹冊だね。で、ここを抜けるとシャオの大好きな服飾・装飾関係だよ」

「やぁん♪ 一刀ったら、シャオのこと、分かってる~♪」

「じゃ、行こうか」

 

と二人で歩き出してしばし。

 

「意外に書だけでも市が大きくなるもんだなぁ。呉だと、冥琳や穏、亞莎とかが来たがるんじゃない?」

「!!」

 

びくりと肩を震わすシャオ。

 

「ど、どうしたの?」

「う、ううん。ねえ一刀。今日は穏と亞莎の話は、ちょっと……」

 

そう言って目線を外すシャオ。なんかあったんだろうか……。

そういえば、昨日の管輅さんとの騒動の時にも穏と亞莎はいなかったな……。怪我や病気とかじゃないとは思うけど。

まあ敢えて相手の嫌がる話題を出すこともないだろう。

 

俺もシャオも書には興味がないので、店先を見るより会話中心に道を真っ直ぐ進んでいたんだが。

 

「……」

 

書店犇(ひしめ)くこの市を、小動物のように彼方へ此方へと行き来する二つの人影。

 

(朱里と雛里? まあ、軍師の二人が書店を見て回るのは分かるんだけど……)

 

どうもこそこそしているというか。挙動不審というか。つーか城に帰ったんじゃないのか、朱里。

偶に書を手に取って見ては顔を赤らめたり、奇声を上げているのが、余計に不自然だ。

 

「朱里、雛里。買い物かい?」

「はわっ!?」「あわっ!?」

 

声を掛けると、案の定飛び上がって驚く。

 

「……一刀。なんでこんなに驚いてるの?二人とも」

「……なんでだろうね」

 

「あは、あはははは。ご、ご主人様に小蓮ちゃん。奇遇でしゅね!」

「あわわわわ……そ、そうでしゅね!」

 

「「…………」」

 

不審極まりない……が。まあ恐らくは掘り出し物の艶本探しだろう。

朱里の部屋には相当数の艶本が彼方此方に隠されているって話だからな。

……ちょっちカマ掛けてみるか。

 

「(どう? 新しい体位とかあった?)」

「先程、すっごいのがありました! 世の中にはまだまだ知らない知識が一杯ですね!」

「あわっ!?しゅ、朱里ちゃぁぁん!?」

「はっ!? な、なななんでもないでしゅ!?」

 

やはり、そうだったか。

……まあ、俺もある意味、間接的にその“艶本の知識”にお世話になってる訳だし。

 

「今晩の準備、よろしくね」

「……は、はぁい////」「ひ、ひゃい!////」

 

二人は慌てて走り去っていった。

両手に荷物を抱える訳でもないところを見ると、城へ宅配させるのか。

 

城へ運び込まれる、大量の艶本か……変な噂が立たなきゃいいんだけど。

いやいや、この時代にそんな大量には無理だろ。印刷技術ないんだし。

……でも、この世界なら有り得そうで怖い……

 

「……朱里も雛里も、結局何しに来てたの?」

「軍略とかの教科書でも探してたんじゃないかな~?」

 

シャオの疑問に、白々しく答える。

 

……しまった。探してた本に、八百一本が含まれてるのかを確認し忘れた……

男の身としては、あれだけは勘弁して欲しいんだけどなー……

 

とは言っても、趣味は人それぞれだし。

“煩悩”という意味では、他人をどうこう言えた立場じゃないしな、俺。

うん、武士の情けだ。深くは追求すまい。

 

さあ、シャオにとっては此処こそ目的地といえるだろう。服飾・装飾系市場です。

 

「きゃー♪ コレ、すっごく可愛い~~☆」

 

右の店を見ては黄色い声を上げ。左の店を見ては目を光らせる。

少々騒がしくはあるけれど、女の子が喜んでいる姿ってのは見ていて和むものだ。

 

俺も時折感想を交ぜつつ。店を冷やかして回る。

意外にも、シャオからの「奢って~♪」攻勢はなかった。

 

「欲しいものはなかったの?」

「えへへ、切りがないからね。そ・れ・に~♪」

 

シャオが俺の腕に絡めていた力を強める。

 

「今日は“一刀と一緒”なのが一番だから♪」

 

あ、ちょっと心にきゅんと来た。くっ、顔が赤くなるのを止められないぞ……

 

「う、そ、そうなの?////」

「きゃ~♪ 一刀ったら、顔赤~い! 照れちゃって、もう可愛いんだから~♪」

「う、うるさいなぁ!」

 

年下のこの娘にすっかり手玉に取られている気するよ……

 

「あ……」

 

それまで上機嫌だったシャオが、急に足を止め、目を細めた。

不思議に思い、その視線の先を見ると……あるのは装飾品の店先。

見ているのは……耳飾りか?……んん?耳飾り?

 

「……ねえ、一刀。お姉ちゃんに贈り物、してるよね?」

「う……」

 

やっぱりそれか!

確かに蓮華には特殊なサファイアの配(あしら)われた耳飾りを贈ったけど。

あれは彼女の悩みを解消する為ってのが大きかったからなぁ。

などと説明してもシャオは納得してはくれないだろうし。どうしよう……

 

「……あれって、お姉ちゃんが悩んでるからって贈ったんでしょ?」

「へ?……まあ、そうなんだけど。よく知ってたね。蓮華から聞いたの?」

「ううん、雪蓮姉様から。だから、お姉ちゃんに耳飾りを贈ったこと自体はいいんだけど」

 

本当かな? ほんとーに“いい”と思ってるのかな?

この辺、普段が我儘・子悪魔なこの娘はちょっと掴み難いんだよな……

 

「でもぉ。それなら耳飾りでなくても、“妻”であるシャオにも。姉である雪蓮姉様にも、何かあって然るべきじゃない? んふふ~♪」

 

結局そうなりますか!

まあ確かに、三姉妹の中の一人だけに、っていうのは不公平だったか。

しかし、あの石は相当に特殊だからなぁ。あれを三つは金額的にもちょっと……。

とは言え、仕方ないか。出来るところまでは付き合うとしよう。

 

「承知致しました、姫様。なんなりとお申し付け下さい」

「ぷっ、なにソレ~~! おっかしいの!」

「そう? 『執事』っていって、お嬢様に仕える男の役職の真似事なんだけど。蓮華にもしたことあるから、シャオも特別に持て成しちゃおうかなって」

「ふぅん。二番煎じなのは気に入らないけど……うん!じゃあねぇ~」

 

それからまた幾つも店を見て回り。また、別の市へも足を運び。

結局、シャオには幾つかの衣服を。雪蓮には、ちょっとお高い陶磁器の杯(明るい緑地に赤い蓮の絵が描かれたもの)を贈ることになったのだった。

あと、桃香へのお土産にやはり少々値の張る甘いお菓子を買った。

 

それなりにへそくりがあったお陰で、来月の小遣いを前借りするくらいで済みそうだ……いや、いいんだよ。俺はみんなに満足して貰えれば……グスン。

 

「さて、そろそろ日も落ちるし。お城に帰ろうか」

「えー! もう!?」

「今夜は恒例の大宴会だからね。ちょっと早めに戻りたいんだ」

「ぶぅ~! もっと一刀と二人きりでいたいのに~~~!」

「ははっ、ありがと。でも、今回はウチが主催者だからね……そうだ。じゃあ代わりに良い物をあげよう」

「なになに?何をくれるの~?」

 

途端に目を輝かせる子悪魔ちゃん。

 

「城に帰ってからね。俺の部屋に置いてあるものだから」

「そんなこと言って~、シャオを部屋に連れ込みたいのね♪」

「違うから!」

 

 

……

 

…………

 

 

という訳で、成都城の俺の私室へ帰って来た。

 

「えっと~……あったあった」

 

俺が取り出したのは、小さな金属製の小箱……真桜に作って貰ったのオルゴールだ。

ハンドルを回して、シャオへ手渡してやる。

 

♪~♪~~♪~~~♪♪~~♪~♪~~

 

流れる音楽。甲高く、透き通るような。それでいて、どこか寂しげな……

 

 

「……素敵……」

 

曲を聴き終わったシャオはそれだけを口にした。

 

「……気に入って貰えたかな?」

「……うん! ありがと、一刀♪(ちゅっ)」

「おわっ!?」

「えへへ~~♪ じゃあ、また宴会でね!」

 

俺の頬にキスしたシャオは、嬉しげに微笑んで、たったかと走り去る。

全く。敵わないな、シャオには……

 

と、軽く嘆息した俺に……

 

「ご主人様?#」

「…………(汗」

 

後ろから怒りの籠った声を掛けてきたのは、愛紗さんでした。

 

「あは、あはは、あはははは……」

「…………##」

 

既にジェラシー愛紗――『慈恵雷者(じぇらいしゃ)』が発動中です。背後から嫉妬の波動をびんびん感じます。

 

「随分とおもてになりますね……しかし、如何にご主人様と言えど、相手は孫呉の姫君ですよ……?##」

 

いよいよ慈恵雷者(じぇらいしゃ)の手が俺の肩に掛けられました。

どうやらお送り出来るのはここまでのようです。

 

果たして、俺は数時間後の宴会まで生き残れるのでしょうか。

 

それでは皆さん、さようなら、さようなら……(涙)

 

 

 

続。

 

諸葛瞻「しょかっちょ!」

曹丕「そうっぺ!」

周循「しゅうっちの!」

 

三人「「「真・恋姫†無双『乙女繚乱☆あとがき演義』~~~☆彡」」」

 

諸葛瞻「お読み戴き多謝でしゅ。諸葛亮こと朱里の娘にして北郷一刀の第23子、しょかっちょでしゅ!」

曹丕「乱文乱筆なれど楽しんで戴けたかしら。曹操こと華琳の娘にして北郷一刀の第9子、そうっぺよ♪」

周循「少しでも面白いと思って下されば重畳。周瑜こと冥琳の娘にして北郷一刀の第25子、しゅうっちで~す☆」

 

 

諸葛瞻「あの後は、宴会の準備が終わるまでの二時間、(石畳の上で)正座しての説教だけで済んだようでしゅよ。よかったでしゅね、お父しゃま」

 

曹丕「聞いてるだけで膝と脛が痛くなってくるわね。……でも、説教と痛みで泣いてるお父様……想像しただけで……うふ、うふふふ……♪」

 

諸葛瞻「……そうっぺ、涎出てましゅよ……」

 

曹丕「おっと。えー、筆者より謝罪文が届いているわ。『第2話より、オリキャラは2キャラのみと申しておりましたが、キーマンを一人忘れておりました。よって一人増えて、オリキャラは3名となります。原作でも名前が出てこないので名前も含めてオリジナルになる予定です。大きな問題はないとは思いますが、ここに謝罪申し上げます』とのことよ」

 

諸葛瞻「二人目のオリキャラは、勘の良い方にはバレバレな気もしましゅが。三人目は……登場するにしても20話以降でしゅか。読者様におかれましては、余りお気になしゃらず、のんびりと読んで戴ければと思いましゅ」

 

------------------------------------------------------------

 

周循「それでは恒例ゲスト紹介へと参りましょう。では、自己紹介をお願いします」

 

 

趙統「承知。趙雲こと星の娘にして北郷一刀の第10子。趙統(とう)と申すでござる」

 

孫仁「はあ~い! 孫尚香こと小蓮の娘にして北郷一刀の第41子。孫仁(じん)だよ♪ 諱は『三国志演義』における孫尚香の名(実際は彼女の同母兄・孫朗の別名)から取ったのよ♪ 日本で有名な“尚香”の名は京劇で使われてる名前なんだって」

 

 

曹丕「統は私と同じ年長下級(小5クラス)、孫仁は年少下級(小3クラス)ね。年少下級の娘は初登場ね」

 

孫仁「そうなの? うふっ♪やっぱり、じんは特別だもんね~!」

 

曹丕「(……特別ファザコンなだけでしょう……)」

 

------------------------------------------------------------

 

○質問:特技・特徴は何ですか?

 

趙統「拙者は珍しく母君――実母とは違う系統の武器を使ってござるよ。多節鞭『百八魔星』。36の鉄棒“天星”と72の鉄環“地星”から成るかなり特殊な多節鞭で、全長4m近い鉄の鞭でござる」

 

周循「軟器械系の武器ですと、穏様が九節棍『紫燕』を使ってらっしゃいますね。作中では祭様の回想にしか出てきませんでしたが」

 

趙統「一応、母君から槍術を応用した棒術も習ってござる。――黄平の平和な時代に刃は不要。“不殺”こそが我が信条でござるよ」

 

曹丕「そう言えば、最近は熾【焔耶】と共に診療所へよく行っているようだけれど?」

 

趙統「おお、よくご存知でござるな。実は最近、『医聖』と名高き張仲景様に、『薬学』を教わりに行っているでござる。治療を熾【焔耶】に任せきりというのも心苦しくござるし、何より病気と言うものは恐ろしいものでござるからな」

 

周循「続いては孫仁様ですね。御歳8才ですから、流石にまだ武芸は無理ですね。聞くところによると、母親であられる小蓮様に似て、勉強もお嫌いだとか」

 

孫仁「あんなのつまんなーい! 最近の趣味は『華蝶仮面』様と『快傑・頭八倒』様の追っかけかなー♪」

 

趙統「(きらん!)ほほう!『快傑・頭八倒』殿のファンでござったか!」

 

孫仁「そうなの!どっちもカッコイイよね!正義の味方って憧れる~♪ よく琮お姉ちゃん【亞莎】と一緒に見物に行ってるよー! ……統お姉ちゃんって、『快傑・頭八倒』様と同じ武器を使ってるよね。実はファンなの?」

 

趙統「ファンというよりは目標でござるかな~? はっはっは!(白々しい笑い)」

 

三人「「「…………」」」

 

天の声『一刀の娘達は基本的に精神年齢が高いですが、流石に神仙の術具を見破る程の眼力やらはありません。よって“仮面”系の正体には気付いていない、という設定です。そろそろ文官系の娘達や“勘”の良い娘は気付き始めているかも知れませんが……』

 

孫仁「あ、じんの一番の特徴を忘れてた。じんはねぇ~、将来『パパのお嫁さん』になるのよ♪」

 

三人「「「…………」」」

 

孫仁「何よ、その目は」

 

諸葛瞻「……いえ、何でもないでしゅよ?(誰もが通る道でしゅかね~……一部、成長しても言ってる方もいるんでしゅけど……)」

 

孫仁「もう唇だって捧げたんだから!あぁ~ん、早く大人になりたいなぁ~」

 

------------------------------------------------------------

 

○質問:特に仲の良い姉妹は?

 

趙統「うぅーむ、武官系の娘達とは勿論仲が良いでござるが。最近は先刻の件もあり、熾【焔耶】と共にいることが多いでござるな」

 

曹丕「そんなこと言って、あなた秋【翠】並みに気付くといないじゃない」

 

諸葛瞻「秋お姉しゃま【翠】は、好き好んで気付かれてない訳じゃないでしゅけどね……」

 

趙統「(白々しく)はっはっは! 何分、拙者は昼寝が趣味でござるからなぁ!」

 

周循「そう言えば、邵(しょう)【明命】と一緒に寝ているのを偶に見ますね。棚の上とか、木の上とか、屋根の上とか、城壁の上とか……」

 

曹丕「高いところばかりね……」

 

趙統「邵【明命】の身の軽さに付いて行けるのは拙者くらいでござろうしな。そう言う意味では邵【明命】とも昼寝仲間でござるな」

 

孫仁「じんが仲が良いのは、さっきも言ったけど、追っかけ仲間の琮お姉ちゃん【亞莎】かな。勿論、孫家のお姉ちゃん達からはすっごい可愛がられてるよ♪ 偶に登お姉ちゃん【蓮華】の視線が怖いけど気にしてないし~? お姉ちゃんもパパが好きなら、素直になればいいのにねー?」

 

周循「祭様によると、妙なところで素直になれないのは孫家の血筋だそうですよ」

 

 

 

諸葛瞻「こんなところでしゅかね~」

 

周循「そうだな。引き続き、ゲストのリクエストをお待ちしておりますので、よろしければコメントをお願い致します」

 

曹丕「では今回はここまで。締めの挨拶行くわよ? せーのっ」

 

 

五人「「「「「バイバイ真~~~☆彡」」」」」

 


 
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