コラボレーション【はたらけFA】参加作品です。
以下設定。

販売会社(メーカー):日ノ光重工
所属会社:ブラック・ワークス

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搭乗員:歌楼志 太郎(カロウシ タロウ)
用途:建設、土木工事他

以下詳細設定兼ストーリー。


「随分と広いな」

二人組のうち、一人の男が呟いた。
くすんだ金髪に碧眼が特徴的な二枚目。その爽やかな顔をしかめている。随分と不思議がっているようだった。

「一体どうやってこんなデカイ坑道を作ったんだか…。FAで通っていてもまだ余裕があるぞ」

それにもう一人の男が答える。後退した生え際が特徴的だが、それを口にすれば命は無さそうな強面だ。

「大層な技術復興連盟に所属している癖にそんな事も知らないのか？折角だから教えてやるよ」
「ワイアット、またお前の豆知識か？よくもまあそんなに話のネタがあるもんだな」
「いいじゃないかルシアン。まあ聞けよ。モノローグで話してやる」


この地下坑道は普通の重機や手作業で掘ったわけじゃねえ。FAを使ったんだ。
知っての通り月面との戦争中からFAは瞬く間に普及し、民間人にも広く手に渡るようになっていった。
結果、従来の機械の役割をFAが取って代わるのに時間はかからなかった。元来FAは汎用作業重機だしな。
俺たちが好んで使う車の役割を持つFFA(フォーミュラFA)の様に、従来の重機の役割を持つCFA(コンストラクションFA)も登場したわけだ。今や世界中で使われてるから見たことないなんて言うのは無茶ってもんだぜ。
お、見ろよ。あそこにCFAが1機佇んでるぜ。この坑道は工事が中止になって未完成状態で放棄されている。だからブッ壊れた機体は回収なんかせずに置いていったんだろう。
見た目から判断するに、こいつは「レイドルアウト」だな。従来の重機で言うならホイールローダーの役割を引き継いだ機体だ。
両腕のバケットを兼ねるブレードで土砂の切削、掘り込み、積み上げ、近距離運搬、地面の整地まで出来る汎用タイプだ。
汎用だけあって恐らく一番普及している機体かもな。
脚部が巨大なホイールだから運動性も悪くなく、出力を高める為にV12ジェネレーターを装備している。速度が出るわけではないが、軍用FAの輝鎚ともタメ張れるくらいのパワーがある。なかなかのもんだ。
機体の説明はこのくらいだ。地上にある軍の基地だって、大抵のもんはコイツらCFAが作ったんだぜ。その恩恵を受けている巨大組織に所属してるお前なら、これくらいの事を知っておいてもいいんじゃないか？


「…とまあ、こんなもんだな」
「はあ、ワイアット先生のありがたい知識には頭が上がらないぜ」
「おいおい、感謝が欠片も感じられないぜ。せっかく人生の糧になる話をしているってのに」
「いつもお前の喋りグセを聞いているからな。あんまり鬱陶しいと豚箱にぶち込むぞ」
「そう言うなよルシアン。そんな些細な事で友人をしょっ引くなんてあんまりだ。それに、今回の仕事だってバレたらヤバい案件だ。俺をぶち込むどころか仲良く一緒に牢獄生活だぜ？」
「いや、そもそも事の発端はお前がレースに負けたせいだろ。その尻拭いに俺が協力しているんじゃないか」
「別に4位は負けてはないだろ。まあまあの順位さ」
「だがそんな微妙な順位だからスポンサー会社がピンチに陥ったんだ。その結果がこの実力行使だ」
「そう言うなよ。俺にはお前の力が必要だし、二人揃えば最強だ。今までみたいに今度も成功させるさ。それなりの報酬もあるから頼むぜ」
「まあガフの給料だけじゃあFFAも満足に改造出来ないからな。ウマい仕事だし、今回も力を貸すことに異論はないさ」
「そうこなくちゃな。お、そろそろ出口だ。派手に暴れてやろうぜ！」
「作戦に従って、程々にな。さあ行こう」

-了-


登場人物は以下リンクより参照できます。
ワイアットって誰？→http://www.tinami.com/view/916394
ルシアンって誰？→http://www.tinami.com/view/1009337