幻想入り生活1日目の朝だ。
なかなかいい景色なので気分はいい感じなのだが、あの夢がどうも気になっていた。
あの少女は一体誰なのか・・・?
まさかと思うが、この館にはもう1人誰かいるのか・・・?
そんな考えをしていると、咲夜がやってくる。
咲夜「おはようございます。よく眠れましたか?」
ジュウゴロウ「ああ、いいベッドだった」
こんなことを直で話してしまえば縁起が悪いと思った俺は時間を稼ぐことにし、食堂へ向かった。
ここへ来た俺は、逸れた仲間を探さなければならないため、今日は探索に向かおうと予定する。あの地下のことは夜になったときにレミリアに話すとしよう。
食堂に来る俺と咲夜だが、そこにはレミリアの姿が見当たらなかった。
咲夜「お嬢様ならまだベッドで寝ておられます」
ジュウゴロウ「じゃあ一つ聞く・・・その鼻血は何だ?」
今の咲夜は鼻に滲んだティッシュがつめられている。壁にでもぶつかったのかと思われるが、どうもおかしい。
咲夜「大したことはないですよ。ですがお嬢様の寝顔がとても可愛くてつい・・・」
ジュウゴロウ(ロ、ロリコン・・・!?)
こいつ可愛いモノに弱いのか!?
冷徹な存在の中にも弱点はあるものだと感じた俺は、咲夜の方に軽く叩いてこう言う。
ジュウゴロウ「メイド長なら空気読もうぜ。後ろを見てみな」
咲夜が言われたとおりに後ろを見ると、妖精メイドがこそこそと話し合っている様子があった。
そしてここでまた俺は地獄を見てしまった・・・いや、地獄の入り口を見たと言ったほうがいいか。鋭い眼光で妖精メイドを一瞬のうちに強制退場、または俺の食事を運びに取り掛かった。
ジュウゴロウ「でもまぁ、面白いファミリーだな。俺たちもあんな感じに賑やかなんだよ」
咲夜「逸れた方々のことですね?もしよろしければ、その話を具体的に聞かせてくれませんか?」
ジュウゴロウ「え?まぁいいけど・・・」
魔神説明中・・・
咲夜「簡単にまとめますと、ジュウゴロウ様は倶楽部の会長を勤めていることでいいのですね?」
ジュウゴロウ「そうだ。数々のライバルとの戦いは今でもいい思い出だしな」
咲夜は俺が渡したバトルレコーダーの記録を見ながら話す。映像にはその世界で戦ってきた強豪チームとの試合状況が、熱い死闘を繰り広げているのが分かる。
咲夜「では一つ聞きますけど、どうして競い合ったりするんですか?」
ジュウゴロウ「・・・最強を知るためだ。実際には最強は誰もなることはできない。最強になめためには何が必要なのか・・・俺達は戦いの中でそれを学んできた」
俺は窓の景色に顔を向けてそう答えたあと、今度は俺が質問をする。
ジュウゴロウ「そういえば、咲夜には何か能力とかってあるのか?あの時に気配なく姿を見せたことと、コンマ数秒の体勢・・・俺の予想なら間違いなく、時間を止めてたりしてるんじゃないかと思うのだが・・・」
咲夜「よく分かりましたね。私は時を操る能力があるんです」
ジュウゴロウ「やはりな・・・実は俺たちの世界でもその能力を持ったポケモンがいるんだ」
やはりこの世界は不思議だ。普通の人間では暮らせないどころか、対応することはできないだろう・・・
咲夜「そちらの世界も不思議なのですね」
ジュウゴロウ「なんたって不思議な生き物だからな。俺はこれから探索に出かけるから、レミリアに留守のことを頼んでくれないか?」
咲夜「分かりました。お気をつけて」
咲夜はスウッと消え去ると、食事を終えた俺も部屋へ急いで戻って準備を始める。荷物と必要な食料、ポケモンを確認して1分、俺は館の門へ直行した。
が・・・
「アーーーーーッ!」
またアイツがやったのかと門につくと、美鈴を甚振っている咲夜の姿があった。
ジュウゴロウ「メイド長も忙しくはないのか?」
咲夜「慣れてることです。あと、お嬢様から許可が出ましたので夕方にはお戻りになられようにしてくださいね」
ジュウゴロウ「要はその時間までに探し出せばいいことだな。じゃあ、行ってくる!」
俺はボーマンダを繰り出した後に背中へ乗りこみ、出発の合図で空高く飛び上がった。
仲間は殆ど飛行タイプのポケモンを持つので、空で遭遇する確率は高い。俺は超視力と聴力で辺りを確認するが、いまだに気配はない。
ポケギアにはマップ機能があるが、データのないこの世界では使えない。と思っていた俺だが、一つだけ方法があった。
電話だ。
ポケギアはもともと電話なので場所を確実に突き止められる。が、この半分が俺の失態ともなっていた。何故なら最初からこうすればよかったのだからだ。
ジュウゴロウ「善は急げとするか・・・」
ということでまず最初はサイに連絡する。
僕はベッドでぐっすりと眠っている。だけどその瞬間、僕のポケギアが突然鳴り出した。
僕はまだ眠くて、手を伸ばして掴んだところでスイッチを入れようとしたが、間違えて『切』を押してしまった。
サイ「・・・まぁいいか」
僕はまた眠りについた。
ジュウゴロウ「チッ、何で繋がらないんだ?それならベンケイだ」
我輩は麻の日差しを浴びながら精神統一をしていた。我輩の日課でもあるのだ。
そんな我輩がにとり殿の家へ戻ったところで信じられない光景を目の当たりにした。
にとり殿はポケギアをいいじっているのである。
ベンケイ「何をやっているのですかにとり殿!!」
にとり「ご、ごめん!凄い機械だったから欲望がつい・・・」
欲望どころではない!我輩はすぐに取り上げた。
ベンケイ「解体などはしてはおられませんな!?」
にとり「してませんよ!私は見てただけです」
ベンケイ「それならよかった。ん・・・?」
我輩はふとなにかおかしいと思ってスイッチを入れた直後、
ポケギア『電池切れです。充電をしてください』
ベンケイ「・・・・・・」
まさかの電池切れで墓穴となった。
ジュウゴロウ「ベンケイもかよ。バルトなら何とかなるかもな・・・」
俺は早速バルトのところに通話を行う。すると見事に繋がった。
のだが・・・
「ウィースッ、神奈子だぜ」
ジュウゴロウ「・・・・・・」
俺は何も言わずに電源を切った。
誰なんだ今のは?しかも何故バルトのポケギアを?
俺に何かやな予感がしそうだと思っていた。
翌朝の神社、僕は目を覚まして朝食をいただいてすぐ、早苗さん達と一緒に出かけようとした。神奈子さんは行かないらしくて、僕のポケギアで連絡を取り合うことにしたのだけど、突然電話が鳴り出したので神奈子さんが出た直後、
神奈子「すぐ切られちゃったよ」
と、言った。僕達は気のせいだと思い、知り合いの人のもとへ出発する。
ジュウゴロウ「最後はエビスか・・・」
これが最後のチャンスだ。俺は息を呑んで電話を掛けた。
トゥルルルルルル・・・トゥルルルルルル・・・
頼む!出てくれ!
そう願った次の瞬間、
エビス「はい、もしもし」
ジュウゴロウ「エビス!!聞こえるか!?」
やった!繋がった!
俺は軌跡のあまりに涙を流そうとした。だがその時、
「うわーっ!退いてくださーーい!!」
ジュウゴロウ「・・・え?」
真横を向いた瞬間、俺と何かが激突。俺はその勢いでボーマンダから足を滑らせ、森の中へ落ちる。
エビス「!?会長はん!!どうしたんや会長はん!!」
エビスが叫んだ直後、物凄いノイズの音が聞こえ、通話が途絶えてしまう。俺のポケギアは落ちたショックで壊れてしまったのだ。
早苗「どうかしましたかエビスさん?」
エビス「大変や!会長はんが何かに襲われてもうた!」
バルト・諏訪子「ええっ!?」
突然と襲い掛かる悲劇、果たしてどうなるのか・・・?
第8話でした。
意外にも連絡が取れないネタが思い浮かべてとにかく面白い展開にはなれたかと思います。
館の外へ出たジュウゴロウに突如襲った惨劇の正体は何なのか?次回で明かされます!
第9話へ続く!
追伸:メインイベントとか言ってましたけど都合上で長引きました。申し訳ありません。
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ポケットモンスターの世界に住むトレーナー達が幻想郷へやってくる不思議な物語。