第二十二章~それは天に昇る龍が如く・前編~
濃霧に包まれた、翠、蒲公英の故郷の街・・・。今、その街の中にいるとされる撫子と合流するべく
凪達五人は街の中へと潜入していた・・・。
「ねぇ、凪ちゃん。何だか・・・様子がおかしくない?」
「・・・確かに。」
「まぁ、変な霧が出ている時点ですでにおかしいとは思うやけど・・・。」
「だが、霧が出ているだけで・・・これは静か過ぎると思うんだ。」
「って言うか、人の気配がまるでないもん・・・。」
街に潜入した凪達は家の角から顔だけを出し、街の通りの様子を窺う。しかし、濃霧のせいで視界が狭まり
通りの反対側さえもまともに見えない状況にあった・・・。
「確か話では、街は五胡に占拠されているはず、なのに五胡の兵の姿など、ましてや街の人間すらもいない。」
「皆、何処に行っちゃったんだろう?」
「単に人のいない所にうち等がいるだけかもしれへんでぇ・・・。」
「そうだよ。こんなに霧が出ているんだから、家の中にいるんだよ、きっと。」
「じゃあ、五胡の人達は何処に行ったのかなぁ~?」
「そのためにもまずは撫子様と合流しよう。まずは家と家の合間を縫って移動する。角になっている所は
すぐに出て行かず、周囲の様子を窺ってから出るんだ。」
「「「「おう~・・・。」」」」
凪の言うとおり、家と家の狭い道を極力選びつつ慎重に移動する五人。
「だけど、肝心の撫子って人とどうやって合流するんだよ?あたし等、その人が何処にいるのか分からな
いんだろ?」
「・・・そう言えば、行く前に華琳様何か言っていたよねぇ~。」
「確か・・・。」
―――いい、あなた達。あの撫子のことだから、きっと自分の居場所が分かるように必ず何かしらの『痕跡』
を残しているはずよ。周囲をよく見て、わずかな痕跡を見逃さないように、頼んだわよ。
「撫子様が残した痕跡・・・か。出来れば、すぐに分かるものであればいいが・・・。」
「あれ?」
「ん?どないしたん、沙和。何か見つけたんか?」
「うん・・・、あそこに人が。」
そう言って、沙和は大通りの方に指をさす。その先には確かに、中年くらいの男が一人何する事も無く
ただ呆然と立っていた・・・。
「何してんだろう?」
角から顔半分を出して男の様子を窺う蒲公英。
「誰かを待っているのか?」
「なら、ここはあたしが行って、ちょっと聞いて来るよ。」
そう言って、翠はこれといった警戒もせずに中年の男に近づこうとする。
「待て、迂闊に近づいては・・・!」
「大丈夫だって、見た所この街の人の様だし。とりあえずこの街の事を聞くだけだから。」
凪の静止を軽く受け流し、翠はその中年の男に話しかける。
「あの~!すいませ~ん!」
「・・・?」
翠に話しかけられ、明後日の方角を見ていた男が翠の方に目を向ける。
「悪いんだけど、少し聞きたい事があるんだけど・・・。」
「・・・・・・。」
翠の話を聞いているのか、聞いていないのか・・・。男は黙ったまま翠を舐め回すように見る。
「あ、あの~・・・。」
「・・・・・・。」
翠を一通り見ると、男は彼女に背中を向け、霧の中へと消えて行ってしまった。
「・・・何か機嫌を損ねるようなことでも言ったかな、あたし・・・。」
翠は自分の態度に気を悪くしてしまったのかと頭をひねって考える。だが、考えても仕方がない事だと
行き着いた翠は凪達のいる場所へと戻っていく。
「っ!!姉様、後ろ!!」
凪達のいる家の角へと戻る途中だった翠に向かって、蒲公英が家の角から顔を出して叫ぶ。
ブゥオンッ!!!
「なっ!?」
翠は背後から来る攻撃を寸前でかわす。そして彼女を背後から襲ってきたのは先程の中年の男だった。
その手には、一振りの剣程の長さの木の棒が握られていた。
「おい、おっさん・・・!いくらあたしの態度が気に食わなかったからって、後ろから襲いかかって来る
のは無いだろうっ!!」
翠の言葉など耳を貸す気など更々無く、男は翠にもう一度襲いかかった。
ブゥオンッ!!!
「ちッ!」
男の攻撃を横にさっと軽く避けると、翠は背中に背負っていた自分の得物を、十文字槍・銀閃(ぎんせん)
を手に取ると、その尾の部分で男の鳩尾を叩き込んだ。
ドゴォッ!!!
「ぐぅ・・・!?」
男は痛みに腹を押さえ、その場に崩れ去り気を失った・・・。
「何だってんだよ・・・、っ!!」
翠はすぐさまに構え直す。銀閃の切っ先の先、霧の向こうから一人、二人、三人・・・と次から次へと
人の影が現れ、翠の前にぞろぞろと立ちはだかる・・・。その手にはそれぞれ包丁、斧、農具・・・そんな
人に怪我を負わせることが出来そうな生活用具が握られていて、誰しもが生気の無い目で翠を見据えていた。
「な・・・、何だって言うんだよ!?」
困惑する翠。
「・・・まずいな。」
「どないするん、凪?」
「いくら何でも街の人を傷つけるわけにはいかないと思うの~!」
一方で家の角に隠れながら三人はどうするかを相談する。
「・・・・・・。」
銀閃の切っ先で街の牽制しながら、じりじりと後ずさる翠。その時、家の角に隠れていた凪達が一斉に
飛びだすと、街の住民達がいる反対の方向へと駆け出した。
「翠!ここは引くぞ!!」
「分かった!!」
凪の言葉に従い、翠は反転し凪達を追って、その場から離れる。そんな彼女達を街の住民達は凶器を掲げ
ながら一斉に追いかけるのであった・・・。
濃霧に包まれる大通りをはぐれないように注意を払いながら走る五人。その少し離れた後ろから街の住民達
が追いかけ回していた。この霧の中で、迷い無く彼女達の後を追いかける住民達・・・、そして彼等から発せ
られる異様な雰囲気に、次第に彼女達は精神的に追い詰められ始めていた・・・。
「ねぇ、どうして沙和達・・・、街の人たちに追いかけられているのかなぁっ!?」
「さぁてな~、翠の態度が気に喰わなかったとちゃうん?」
「やっぱ、あたしのせいなのかっ!?」
「あのおじさんに何を言ったの、姉様!」
「何をたって、あたしは別に変な事は・・・っ!」
「そんな事を話している場合か、お前達!それよりも、この状況をどうやって脱するのかを考えろ!!」
「そない事言われても、こんな霧の中やって言うのに、向こうさんはうち等のいる場所が分かっとるん
やで!どうやって撒けっちゅうねん!」
走りながら、この状況からの打破を講じる五人。大通りのT字路に差し掛かる。
「どっちだ!!左か!?右か!?」
「・・・あっ!あれって・・・。」
「どうした、沙和。今度は何を見つけた?」
「うん。皆こっちなの!」
そう言って、沙和は右の通りの、すぐ目の前に見える二階建ての物置小屋へと走り出す。その小屋の戸には
黄色い花が飾られていた・・・。
「うんしょっ!」
小屋の戸を開ける沙和。どうやら鍵がかかっていないようだ・・・。
「皆、早くの入るの!」
「わ、分かった。」
沙和の思惑が分からないものの、状況が状況であったため、ここは沙和の言葉に従う事にした凪。他の三人
を引き連れ、その小屋の中に入っていく。
「よいしょ!」
四人が小屋の中に入った事を確認した沙和は自分も中に入ると、急いで戸を閉める。そこに内側から戸が
開かない様に、真桜が簡単な突っかかり棒を戸に施す。しばらくして外の方から複数の足音が鳴り響く。
そして、次第にその足音が小屋から遠ざかって行くのが分かった。
「・・・ほう、何とか逃げ切ったみたいやなぁ~。」
安著感から真桜は気が抜けたような溜息をつく。
「でもさ、沙和。お前はどうしてこの小屋が開いているのが分かったんだ?」
「そうだよ。他の家とかは皆鍵が掛かっていたんだよ?」
蒲公英の言うとおり、逃げている最中、通りの家に隠れようとしたがどの家も鍵がかけられていて、入る
事が出来なかった。
「うん。この小屋の戸にね、花が飾ってあったでしょ?」
「あ~、確かに黄色い花が飾ってあったなぁ。」
「でもそれがどうしたの?」
「あの花はね、山吹(やまぶき)って名前の花なの。山吹の花言葉は・・・。」
「『気品』『崇高』『待ちかねる』よく覚えていましたね、沙和さん。」
沙和の代わりに答える声が小屋の奥の方から聞こえてくる。
「あっ!」
沙和は小屋の奥の方に顔を向けると、そこからゆっくりと足音を立てながらその姿を現す人物を見た。
「撫子さま!」
そしてその人物の真名を真桜が叫ぶ。姿を現した撫子はにっこりと穏やかな笑顔を示した。
「撫子様、ご無事でしたか・・・。」
「あなた達もよくここまで無事で・・・。」
無事、撫子と合流する事が出来た凪達一行。凪達は街の現況を撫子から聞くべく彼女の後に
続いて、二階へ向かう。
「撫子様、単刀直入にお伺いします。この街は一体どうなっているのですか?」
屋根裏部屋同然の二階に一足先に入った撫子は部屋の中央に置かれた台の上に置かれた蝋燭に火を灯す。
「皆さんはこの街をその目で見て何か気付きましたか?」
凪の質問を質問で返す撫子。
「霧が出てたのぉ~。」
「五胡の軍がいなかったな・・・。」
「街の人たちの様子がおかしかった。」
撫子の質問に一人一人答える。
「・・・まずは順を追ってお話いたします。私がこの街に入ったのは、五胡の軍が涼州に駐在していた
魏軍を涼州から撤退させた直後です。魏軍撤退のどさくさに紛れ、五胡本軍が駐留していたこの街に。」
「していた?」
撫子の話の中で過去形になっている部分に疑問を抱く凪。
「この街に駐留していた五胡の軍は魏軍を撤退させた後、すぐさまにこの街から、涼州から撤退していき
ました。そしてそれと同時に、この深い霧がこの街を覆い始めました・・・。街の人達の様子がおかしく
なったのも丁度霧が街とその周辺を覆った頃でした・・・。」
「五胡が撤退した直後にこの深い霧が発生し、街の人達の様子がおかしくなった・・・。」
「そもそもあの霧はなんやねん?撫子さまの話やと、昨日一昨日のものやないんやないか?」
「この霧のせいで私も正確には把握できてはおりませんが・・・、恐らく七日以上は続いていると
思います。」
「霧ってそんなに長い間起きているものか?」
「そんな馬鹿な・・・、山の頂上でもあるまいし。」
「ですから、私はこの霧の原因は何か意図的なものでないかと・・・。」
「意図てきなもの・・・?」
「さすがにそれが何かは分かりませんが・・・。」
「あと街の人達の様子が変なのも気になるの~。」
「霧と何か関係があるのでしょうか?」
「そう考えるのが今の所妥当ではないかと思いますよ?」
「何だ何だ・・・?さっきから聞いていれば、単純な話じゃなさそうだな。最初は五胡が涼州になだれ
込んできたって話だったて言うのにさ。五胡百万の大軍勢と真正面からぶつかった方がまだましだったよ、
故郷の人間達に襲われる羽目になるくらいならさ・・・。」
「そうだよそうだよ。追いかけられていた時なんか生きた心地がしなかったよ!」
「ちょいちょいお二人さん・・・、そんなめっそうも無い事を言わんといてぇな~。それで戦うんは
うちらなんやから~・・・。」
「・・・撫子様、他に何か気付いた事はありませんか?何か原因が分かりそうな・・・。」
「・・・・・・。」
「どんな些細な事でも構いませんから。」
「そうですね~、些細な事という意味でしたら・・・、霧が・・・。」
「霧が・・・?」
「霧が・・・、街の中央辺りから徐々に広がっていっていたような・・・。」
「街の中央ですか?」
「・・・っ!」
街の中央と聞いて、翠が息を飲む。
「どないしたん、翠?」
「街の中央には何があるんだろう~?」
「・・・ここに、街の見取り図があります。」
そう言って、撫子は部屋にあらかじめ置かれていた棚から四つ折に畳まれた紙を持ち出してくる。
その紙を台の上に広げるとそれがこの街の見取り図である事が分かる。台の上に広げられた見取り図を
全員で眺める。
「街の中央・・・、大体この辺りになる。」
そう言って、凪は街の見取り図の中心部分を指で円を描く様になぞる。その円の中に、一つに建物が
描かれていた。それは城、二年前・・・、馬騰が毒を持って自害した場所。
「・・・・・・っ。」
翠はその台から嫌なものから目を逸らす様に慌てて離れる。
「姉様・・・。」
そんな翠の背中を見る蒲公英・・・。一方、見取り図を眺めていた真桜が顔を上げる。
「う~ん・・・。ちゅう事は、この城に霧の原因があるってことやなぁ・・・。どないするん?
ここで立ち往生しとるよりは幾分か、有意義やと思うで?」
そう言って凪達の顔色をうかがう真桜。
「でも~、すこし危険じゃないかな~?また街の人達に追いかけられちゃわない?」
「・・・あの時、隊長はこう言っていた。多少の危険を覚悟で、それ以上の危険を回避する。
多少の危険を覚悟の上で、私は今ここにいる。お前達はどうだ?」
「・・・せやな。まだこの程度はまだ序の口やな。」
「・・・分かったの。沙和もまだ頑張れるの~。」
凪の言葉に迷いをふっ切る真桜と沙和。
「まぁまぁ・・・、頼もしい限りですね~♪それではこれからどう動くかを考えるとしましょうか?
華琳から・・・、他に何か言われてはいませんか?」
「華琳様からは、撫子様と合流したならば撫子様の指揮下に入れと・・・。」
撫子に尋ねられ、凪は答える。
「まぁ・・・、そうですか。」
にこにこと頬笑みながら、何かを考える撫子。この時、凪は気のせいか・・・背中にぞっと来る何かを
感じた・・・。そしてしばらくして何かを思いついたのか、撫子は口を開く。
「・・・でしたら、私に一つ考えがあります。」
「はい。」
「まず、二手に分けましょう。一つは先程出ていた城へと向かう組と、一旦この街から出て、外にいる
華琳達にこの事を報告する組。」
「確かに、一度この事を華琳様達に言っといた方が良いやろうな~。」
「そうだな。そうなると、誰がどっちに行くかだな。」
「私は後者の組に入って、先程あなた達にお話しした事を直接華琳に報告してきます。」
「確かに。我々が報告するよりはそちらの方が良さそうですね。なら沙和、お前は撫子様と一緒に行け。
撫子様の護衛をするんだ。」
「任せてなの!」
そう言って、沙和は元気よくブイサインを出す。
「さてぇ、そうなっと・・・うちと凪はどっちでもええんやけど・・・。」
真桜は後ろでいじけ気味の翠に話しかける。
「翠、お前は・・・どないするん?二年振りのご党首様のご帰宅か?それとも、このまま背中を向けて
さよならまた来週か?」
「ちょっと!何もそんな言い方しなくてもいいじゃない!?」
さすがの真桜の暴言に蒲公英は翠に代わって怒りを示す。だが翠はそんな蒲公英を手で抑える。
「姉様・・・。」
「あたしがここに来たのは・・・、尻尾を巻いて逃げ出すためじゃない。自分の心にケリを着ける為
なんだ・・・。だから、あたしは城に行く!」
そう言って、自分の前に出した右拳に力を込める。それを見て、真桜はニヤッと笑う。
「あんたならそう言うと思っとたで♪」
それにつられ、翠もニヤッと笑った・・・。
そんなこんなで、城に向かう組は凪、真桜、翠の三人。華琳達の元に戻る組は撫子、沙和、蒲公英の三人
となった。
一足先に小屋の戸から出る凪、真桜、翠。幸い、外には街の住民達の姿は無かった。
その後を追う様に撫子が遅れて小屋から出て来る。
「これが先程の街の見取り図です。この濃霧の中ですから、これがあれば迷わずに行けるはずです。」
そう言って、撫子は四つ折の地図を凪に渡す。
「しかし、これが無くては撫子様達は・・・。」
「大丈夫です。街の見取り図はここに・・・。」
そう言って、撫子は自分の頭を指でさす。見取り図は完全に覚えていると、そう言っているのであった。
「後、これを。」
「・・・これは?」
次に渡されたのは、綺麗に折りたたまれた模様の入った焦げ茶色の布だった。
「家の壁の絵が描かれた布です。こんな事もあろうかと思って、用意しておきました。」
「・・・はい?」
撫子の言おうとしている事が分からず、凪は尋ね返す。
「もし、見つかってしまった時はこれを使って家の壁に・・・。」
「・・・・・・。」
ようやく言おうとする事が理解出来た凪は言葉を発する事は無く、ただ呆れかえるだけだった。
改めてその布を見ると、確かに家の壁らしき模様が描かれていた・・・。
「・・・ま、まぁ、こんな時に贅沢は言ってられないだろっ!」
「せ、せやね・・・!撫子様、ありがとさんでぇ!」
そう言って、真桜は凪から布を奪い取ると、自分の工具箱に閉まった。
「では、自分達はこれで。撫子様達もお気を付けて、・・・では。」
気を取り直して、凪はしっかりとした口調で言った後、気を付けの姿勢から一礼する。
そして、真桜、翠を連れ、城へと向かおうとした・・・。
「あ、少しお待ちになってください。」
またしても撫子に呼び止められる。
「はい、まだ何か?」
今度は何だろうと、三人は後ろを振り返る。撫子は三人とは反対の方向に体を向け、口の横に
右手を添えた。
「大変だ~~!!」
「「「へっ?」」」
「こんな所に不審者三人がいるぞ~~~!!早く捕まえないと~!!」
「「「えぇっ!?」」」
突然、通りの向こうに向かって棒読み気味な大声を発する撫子。突拍子もないことだったため、
彼女の行動が理解出来ない三人・・・。
「では、後は頼みましたね♪」
そう言って、撫子は戸を閉める。
「「「ちょっ、おまっ・・・!?」」」
凪と翠は急ぎ戸の前に駆け付け、戸を開けようとする。
「撫子様・・・?撫子様・・・!?」
「ぬぅおっ!?内側から鍵をかけているぞ!」
二人がいくら開けようとしても開ける事が出来ない。
「ちょちょ、二人とも・・・、大変やで!!向こうから街の連中が・・・、押し寄せてくるでぇーーー!!」
真桜の言うとおり、通りの向こうから通りを覆い尽くす程の数の街の住民達が凪達に近づいてくる。
「ど、どどどどどどどどうするんだよ!!」
それを見た翠が慌てふためく。
「落ち着くんだ二人とも、こう言う時は・・・。」
「「こう言う時は?」」
「逃げるっ!!」
そう言って、一目散に逃げる凪。
「「やっぱりーーーっ!!」」
凪の後を追いかける真桜と翠。
「ちっくしょーーーーーーっ!!!」
「外道すぎるでーーーーーーっ!!!」
そんな彼女達を追いかける街の住民達が小屋の前を次々と通り過ぎて行く・・・。
そして少しして、小屋の前が静かになったのを見計らって、撫子が戸を開ける。
「ささっ、二人とも。三人が囮になっている隙にこの街を出ましょう。」
「お、おうー・・・っ!」
この時、蒲公英は自分がこちら側で良かったと心底に思った・・・。
そして撫子の後に付いて行く蒲公英と沙和・・・。沙和は一旦足を止め、凪達が逃げて行った方向に
顔を向ける。
「・・・凪ちゃん、真桜ちゃん、翠ちゃん。沙和、皆の事・・・忘れないの。」
そう言い残し、沙和は撫子と蒲公英と共に街の外へと向かって行った。
「「「いや、勝手に殺すなっ!!!」」」
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こんばんわ、アンドレカンドレです。
少し遅い時間帯に投稿しました。最近学校でぷよぷよが流行っていて、夜9時まで友人たちと通信対戦しています。今日もしてきましたwww。小さい頃やっていましたが、再び燃焼し始めした僕ですが、まだまだ初心者ですぐにおじゃまぷよがたくさん降って死にますwww!
さて今回で第二十二章!久方振りに登場する撫子の活躍を期待して下さい!
では、真・恋姫無双 魏・外史伝 第二十二章~それは天に昇る龍が如く・前編~をどうぞ!!