No.102440

真・恋姫†無双~江東の花嫁達~(番外七)

minazukiさん

ハロウィンのお話です。
が、ぜんぜんそんな雰囲気ではないです。(ぇ)

本編の合間にふとキーボードを叩いて書いてみました。
正直いって甘いです。

続きを表示

2009-10-22 00:49:25 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:13123   閲覧ユーザー数:9837

(番外七)

 

「か~ずと♪」

 

「うん…………おわっ!?」

 

 深夜になってようやく仕事から解放された一刀は屋敷に戻ろうとしているとことへ雪蓮が勢いよく抱きついてきた。

 

「ど、どうしたんだよ、こんな夜中に?」

 

「それはね、一刀に見て欲しくて♪」

 

「何を?」

 

 雪蓮はわかるように一度離れて腰と頭に手を当てて決めポーズをとる。

 

「どう、似合う?」

 

 雪蓮の衣装は俗にいう魔女コスプレだった。

 

 年を重ねてもまったく衰えることのない愛妻の姿に一刀は思わず見惚れてしまった。

 

「ど、どうしたんだ、それ?」

 

「前に話してくれたじゃない。天の国には変わったお祭りがあるって」

 

「……ああ、ハロウィンか」

 

 夏祭りや秋祭りなどを主催して誰もが楽しい一時を過ごせるように一刀が献策をした時、他にどんな祭りがあるのかを蓮華からも聞かれた事があった。

 

 そしてその中でハロウィンのことを話した。

 

「それで月に頼んで作ってもらったの♪」

 

 そして誰よりも早く一刀に見せたくて魔女姿でここまでやってきた。

 

 魔女姿の雪蓮を見たある兵士は唖然とし、ある兵士は鼻血を出して医療部屋に搬送され、またある兵士は不審者だと他の兵士を呼び集めて探索していた。

 

「それにしてもどうしてここなんだ?」

 

 見せるのであれば部屋で見せられると思う一刀だが、雪蓮はポーズを解いて一刀をそっと抱きしめる。

 

「雪蓮?」

 

 一刀も優しく抱きしめ返す。

 

「最近、一刀とこうしていなかったから少し不安になっちゃったの」

 

 以前のように二人っきりでいる時間がなくなってしまった。

 

 家族全員でいること自体、嫌いではない雪蓮だがそれでも一刀を独占したいときがある。

 

 ましてや自分は正妻であるのだからだれにも遠慮など必要はないはずなのに、どこかで自制心が効いていた。

 

「一刀」

 

「なに?」

 

「このまま一刀を殺してもいいって言ったらどうする?」

 

 そんなつもりなどないと思いつつも一刀はどうするか考えた。

 

「雪蓮ならいいよ」

 

 愛する人に殺されるなら文句を言うつもりもない一刀だが、雪蓮はほんの少し力を入れて抱きしめていく。

「一刀って時々、すごくひどいこと言うわね」

 

「どこがだよ?」

 

「だってそんなこと私ができないってわかっているのにいじわるね」

 

 自分で言っておきながら無条件で自分が望むことを受け入れようとする一刀が嫌だった。

 

「自分で言っておきながらそれはないだろう?」

 

 誰もいないことを確認して一刀はゆっくりと雪蓮を抱いたまま仮眠するための寝台にむかった。

 

「それで魔女様はお菓子をおねだりに来たのかな?」

 

「おねだりするのは一刀じゃないの?」

 

「そうだっけ?」

 

 一刀はゆっくりと雪蓮を寝台の上に寝かせてそのまま優しく抱きしめる。

 

「夢を見たの」

 

「夢?」

 

 唐突に雪蓮はハロウィンとは全く関係ないような話をする。

 

「一刀と二人っきりで生きているの。今みたいに優しく抱きしめてくれている途中でいなくなってしまうの」

 

 一刀の温もりも消え、ただ一人で生きていく雪蓮はやがていいようのない恐怖に包まれていき涙が止まらなくなっていく。

 

 何度も一刀の名を叫んでもどこにもいない、どこにも感じない。

 

「私には悪夢としか思えないわ」

 

「俺はここにいるよ」

 

「うん……。わかっているわ。でも、不安になるときがあるの」

 

 一刀の腕の中で抱かれている魔女はいつもの明るさが消えていた。

 

「どうしたら安心できる?」

 

 不安に支配されている雪蓮は一刀の唇に自分の唇を重ねる。

 

 いつも甘い感じではなく子供のようにすがる雪蓮の心の闇が一刀と触れることで、彼に流れていく。

 

「きっと言えば一刀は笑うわ」

 

 唇を離した雪蓮は視線を逸らすことなく一刀を見る。

 

「笑わないよ」

 

「絶対?」

 

「絶対」

 

 一刀は雪蓮にお返しの口付けをして少しでも安心させようとする。

 

「じゃあ、お菓子が食べたい」

 

「食べさせてあげないといたずらする?」

 

 意地の悪い笑みを浮かべる一刀に雪蓮は小さく頷く。

 

「じゃあ食べさせてあげない♪」

 

「……バカ」

 

 そう言って二人は三度目の口付けをしてお互いを激しく求め合った。

(座談)

 

水無月:え~まず初めに、ごめんなさい!(><)

 

一刀 :何謝ってんだ?

 

水無月:いや~、ハロウィンなのにそれっぽくないお話だな~と思って。

 

一刀 :これだと甘い話だよな?

 

水無月:なんせ夜中に即興で書いたので読み返すと思わず顔を覆いたくなります。

 

一刀 :だったら本編をさっさと書け!

 

水無月:書いていますよ~。まぁぞくにいうイベントなのだからいいじゃないですか。

 

一刀 :ほどほどにしとけよ。

 

雪蓮 :か~ずと♪(魔女姿で登場)

 

詠  :ちょっと!なんでボクがこんな格好しないとダメなの!(フランケンシュタイン風)

 

水無月:一刀の趣味でしょう?

 

一刀 :イメチェンだよ、イメチェン。

 

詠  :なにがいめちぇんよ!

 

雪蓮 :詠、仕方ないわよ。そういう運命なんだから♪

 

詠  :(ちょっと大きいからって・・・・・・)

 

一刀 :とりあえずこのままだと夜中の大暴走になるのでそろそろ今日はお開きにしますね~。

 

雪蓮 :次回は本編だからよろしくね♪


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
114
23

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択