No.1022027

【獣機特警K-9ⅡG】追跡!(2)【交流】

古淵工機さん

2020-03-05 21:20:15 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:903   閲覧ユーザー数:887

さて、その頃ラミナ市内、とある街はずれ。

なにやら覆面を被った中年の女性が運動公園の裏山に隠れている。

 

「ふふふ…駅で警官に出くわした時にはどうしようかと思ったけど…ドサクサに紛れて奴らの財布を引き抜いたのは幸運ざましたねぇ…

 さぁて、それじゃー今日もカワイイ男の子のナイスな写真を収穫するザマスよ…」

 

この女こそ、電車内でミウとテムナを突き飛ばし、財布を盗んだ張本人、或府赤美であった。

今日も運動公園では小学生たちの元気な声が響く。

この日はサッカー部の練習試合だ。

 

「ヘイ、パス!!」

「OK!!」

 

その中には宮ノ陣竜矢と三沢颯の姿もあった。

彼らはサッカー部の中でもエースと呼ばれる存在だ。

 

「…?今裏山で何か光ったぞ!」

「何だろう…?」

 

その頃ミウとテムナは…。

 

「或府さんですか?いやぁ、あの人なら買い物に行くとか言って今さっき出ていきましたが…」

「もうこんな時に!なんて間が悪いんだーっ!!!」

「ウダウダ言うてもしゃあない!こうなったらしらみつぶしに探すんや!!」

 

再び校庭。

 

「気のせいだよタツヤ。僕たちは試合を続けよう」

「そうですね…」

 

再び試合へと戻るソウとタツヤ。その光景をスマホのカメラに収めていた或府は…。

「うーん、いまいちハッキリと映らないザマス…このあたりで…もう少しだけ前に…!!」

しかしその太った体では前に出るのもつらかろう。なぜそんな体形で隠し撮りをしようとしたのだ!!

 

と、その時だった。持っていたバッグが木の枝に引っかかり、なんとその拍子に開いてしまったのだ!!

そんなことになっているとはつゆ知らず盗撮を続ける或府だったが、しかし…!

 

さて、或府を追跡していたミウとテムナはちょうど、運動公園の裏山のすぐ下にある道路を歩いていた。

「はぁ、はぁ…あのババアどこ行きおったんや…」

「悪いことする奴ほど用心深いっていうけど…ん!?」

ふと、ミウは道路上に落ちているものを見つけた!

 

「これ…財布だわ!誰のだかわからないけど…落とし物かな?」

「せやけど、こないぎょうさん落ちてるのは怪しいで…」

「…って、あーっ!これあたしの財布じゃないの!!」

「う、ウチの財布もや!!」

 

「「って…ことは…!!」」

 

二人は裏山の方に目を向けると、すぐさま突入する!!

「フフフ…やっぱり元気に動き回る男の子は画になるザマスねえ…かわいいザマス…」

撮影に夢中な或府。すると、誰かがその肩をそっと叩いた。

 

「なんザマス!?今あたしは仕事中で…」

「…ほぉーう?こら結構な仕事ですなぁオバハン?」

「…げ!?アンタ達はあの時の!なぜバレたザマス!?」

「下の道路に盗んだ財布が落ちてたんですよ。スリの常習犯だったんですね…」

「それに今盗撮してはりますよね?ちょーっと署まで来てもろてええですか」

ミウとテムナが詰め寄る。すると或府は突然声を上げた。

 

「あ!毒蛇!!」

「え!?…あっ!くそぉ、逃げた!!」

「こらー!待てぇ!!」

「待てと言われて待つバカはいないザマスよ!おーっほほほ…あらぁ!?」

逃げ出そうとした或府だったが、なんと地面のぬかるみを踏んでしまった!

この体重では滑り落ちていくばかりだ!そして…。

 

「あーっ!この人僕らを盗撮してたのか!?」

「げっ!?見つかってしまったザマス!!」

盗撮の現場を見られてしまっては逃げるしか他にない。相手は子供だからそうそう追ってはこないはず…と或府は思った。

だがしかし、彼女は忘れていた。ソウとタツヤがK-9隊の隊員であることを。

「ソウ先輩!エネルギーシュートを!」

「おうっ!!」

すかさず、エネルギーボールをシュートするソウ。勢いよく蹴りだされたエネルギーボールは或府に直撃!!

 

「ぎゃーーーーーー!?」

エネルギーボール命中のショックでマヒし、その場に倒れ伏す或府を、ソウ、タツヤ、ミウ、テムナが取り囲む。

 

「おばさん、僕らのコト盗撮してたんですね?」

「え、あ、いや…その…」

「ミウさん、テムナさん、あとは頼みます」

「おっしゃ!窃盗と青少年条例違反の容疑で逮捕や!!」

「さぁ詳しい話は署でお聞きしますからね~…この変態!」

「ひぃぃぃぃぃ~~~!!」

 

こうして或府赤美は御用となりましたとさ。

翌日、ラミナ警察署。

「或府赤美の逮捕、ご苦労だった」

「いやぁ…財布をスられた時にはもう怒り心頭で何が何でも捕まえてやりたくて…」

「あのオバハンがまさかあそこまで変態やったとは思いませんで…」

「実に危ないところだったよ。あいつを逃がしていたら今頃はいかがわしい写真がネットにばらまかれていたんだ」

「うわぁ…」

「バラまくつもりやったんかー…あの変態…」

 

かくして、青少年の平和は守られ、今日もラミナ市の日常は続くのでありました。


 
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