さて、次にグランベリーハウスを訪れたのは…?
「ごめんくださーい」
やってきたのはなんと悪の秘密結社『カオス団』総統のルグナル・ガルシオーネだ!!
「おや、誰かと思ったらルグナルさんじゃないか」
「ああ…でもやっぱり悪の総統がこんなところに来ちゃマズかったかな…?」
「何言ってるの。ここに来た以上はみんなお客さんだよ。で、何が欲しいんだい?」
ルグナルは顔を赤らめながら答える。
「その…なんだ…チョコの材料と型を買いに来たんだけど…」
しばらくの後。
「なるほどねぇ。部下たちのためにチョコを作ってやるなんていい上司じゃないか」
「いつもあいつらには世話になってばかりだしな。作戦が上手くいったときも、そうじゃないときもさ」
ルグナルは材料を手に取りながら語り始める。
「そうだなぁ、先週もあと一歩ーってとこでポーラースターズにフルボッコにされたんだっけなぁ…
スヴェンソンの作った魔法生物があっさり寝返っちゃってさ…」
「うわぁ…」
そんなルグナルの顔にはどこか寂しさと切なさが。
「先々週のキノコ法師さんのメロメロ作戦もなんか金色と銀色の金属女たちに阻止されちゃうしさ…」
「ええ…」
「ま、ツラいことばっかりだけど、ここまで悪の組織やってこれたのもみんなが支えてくれてるからなんだろうね…」
「そうなんだ…」
ルグナルはしみじみ語るだけ語ると、いそいそと材料を集めていく。
「と、長話も過ぎちまった。団員のために腕によりをかけてチョコを作ってやるとするかね!」
「しっかりね。やけどしないよう気を付けるんだよ」
かくしてルグナルは材料を買い込んで去っていった。
「悪の組織…か。まぁあんな人柄じゃ正義も悪も関係ないよね」
と、グランナは少しだけ微笑んだ。
なお、バレンタインデーにはカオス団の団員全員にルグナルお手製のチョコが配られたそうである。
(終)
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前回:https://www.tinami.com/view/1019536
■出演
グランナ:https://www.tinami.com/view/907599
ルグナル:https://www.tinami.com/view/778543
スヴェンソン博士(名前だけ):https://www.tinami.com/view/823493
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