No.101844

真恋姫無双 美陽攻略戦 第九ターン

Thyleさん

第9回目の投稿です。
読みにくい点や日本語がおかしい部分があるかもしれませんが、宜しくお願い致します。
<風と稟のいきなり軍略講座>を追加(10/20)しました。

※最近知った技ですが添付している図が読みづらいと感じた

続きを表示

2009-10-19 03:16:52 投稿 / 全14ページ    総閲覧数:2733   閲覧ユーザー数:2465

  美陽攻略戦

 

 

 

 

 

  (はじめに)

 

 

 

 

 

       キャラ崩壊や言葉づかい等で間違いがあると思いますが、できれば気にしないでください。

 

 

       恋姫作品のように創ったのですが・・・・・

 

 

 

          巻末には本編の話で軍議に使ったイメージ地図が添付されております。

           また<風と稟のいきなり軍略講座>を追加(10/20)しました。

   

 

 

 

   (前回のあらすじ)

 

             秋蘭曰く、「あ、姉者、わるいものでも食べたのか?」

 

          本編の地図は三国志関連資料を参考にペイント機能で作成したもので

          目測による模写の為大まかな位置程度で、縮尺等は一切合っていません。

           

 

 

 

 

 

 

  第九ターン

 

         

         県都 望垣 

   

         一日に千里を走ると言われる汗血馬に鞭を撃ち

            軽装とはいえ並みの馬術では考えられない技量で城門を颯爽と駆け抜け

              馬良とたんぽぽは、馬を兵卒に預け一目散に県城に入城した。

   

       

         世間では異才とか言われているが、

             馬と共に駆け巡らすほうがいいと思うのは馬氏の性だな

                                と馬良は自傷していると

     

 

      

         前方に見慣れたポニーテールをした少女が執務室の前でウロウロしていた。

 

 

     

         馬良は忍び足で、一族の長の愛娘のポニーテールをぎゅと強く引っ張った。

   

            「うぎゃ~!! 誰だ! 馬猛起と知っての狼藉か!」

   

            「戦のときは、いつ刺客が来るか判わかりません。

                           翠さまは、無防備すぎますぞ」

 

         と唸る馬超に対し、従兄弟である馬岱が手を大きく振って挨拶をした。

         

            「やっほ~、お姉様、兵站の護衛どうだった」

   

         と馬良の護衛として共に前線に行ってきた、たんぽぽの頭を

                       翠は羨ましく、ガシガシと力強く撫でた。

 

 

 

 

 

 

 

        「こんなとこで油を売って・・・

               ははー 翠さま またゴハンが足りなかったのですか」

   

   

         初めて、翠が荊州の馬氏五兄弟と会ったとき

          翠は

             「同じ馬一族で、同世代であるから真名を呼び合おう」

                                      とした。

   

         ところが

             この兄弟は翠を呼び捨てすることはなく 

                    

                    一族の長の『姫』

          

                   と認識して敬意を表して『翠様』と呼んでいた。

 

      翠自身も姫というガラではないことから呼び捨てにしろと言ったが頑として聞かなかった。

 

                翠は怒り、拳でこの兄弟に理解させたら

            

           更に悪化し、

                     

              畏敬を込めて 『 翠 様 !!』

                          

                             と呼ぶようになってしまった。

 

           最近になって、五兄弟とはだいぶ砕けた仲にはなっていたが

                    それでも「翠さま」と呼ぶのだけは直らなかった。

 

       

 

         「う、うるさい。そうでなく親父に先鋒を賜るように談判に行くところだ」

               と鼻息荒く言う翠に、馬良は頭を振りながらため息をついた。

   

         「・・そんなに戦がしたいのですか? 

                  翠さまは武芸だけではなく、もっと女を磨くべきです」

                

          と言って、馬良は翠の豊かな胸を

                       

                        プニィィ

                        

                                指で突っいた。

   

 

 

 

 

 

 

        「!?、うーわぁー! 晩夏、何しやがるー! このスケベ!」

               と馬良めがけて、拳が飛んだが馬良はそれを難なくかわした。

                     翠お姉様だけズルイ! 

               と変な対抗心を燃やすたんぽぽを適当にあしらいながら馬良は言った。

 

 

        「今、巷の若手商人達の話題では

             洛陽では一目千金と言われる貂蝉という絶世の美貌の踊り子がいて

               そのオトメの胸に抱かた多くの若者は皆例外なく

                          その美貌に前後不覚になるそうです」

  

        それを体験した者は皆口を揃えて

                  『お前も絶対に行くべきだ!!』 

                             歓喜の余り、涙を流して薦めるそうです。

                   

                   『まさに傾国のオトメ!』 

                            

             ハァ、俺も一目見てみたいものです・・・

                       と馬良はかなわぬ夢のようにため息をついた。

  

  

 

      「翠さまも素材がよいのですから、貂蝉に負けないように女を磨けば、

         三国一の婿が寄って・・・・・・・

           お、叔父上、背中に当たっている剣をチョット退かして頂けないでしょうか?」

  

          と馬良は両手を挙げ、剣を構えている主は本気であるのに冷や汗を流した。

 

 

 

  

 

 

 

 

         おや。

            ウチの娘を誑かすドコの馬の骨かと、

                     思わず成敗するところだったが・・・良だったか。

  

                      と言って馬騰は何事も無かったように剣を収めた。

  

 

        親父!と翠は待ってましたとばかりに馬騰に言い寄った。

 

 

 

        しかし、馬騰はそれを手で制し

 

 

 

          お前の言わんとすることは分かる。 父を侮るな。 翠よ。

 

 

         

          お、親父・・・・

 

 

          それを聞いて、翠は 

                 

                やっぱ分かってくれてたんだ。 

                      

                       と天にも昇るような嬉しさが込み上げてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

           馬騰は眼光鋭く、目を見開いて言った。

  

           安心するが良い! 翠、ワシの目の黒いうちは、お前をヨメにはやらん!! 

                 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

         県都 望垣を占拠してから、この執務室が実質的に馬騰の部屋になっていた。

             

 

           

           本来占領された住民は虚脱状態になり、あらゆることが滞るものである。

     

         しかし、馬騰の徹底した軍規により将兵による略奪・暴行が無く、逆に軍が駐留

          することから夜盗の類が寄り付かず

                        住民は平時よりも良い暮らしぶりをしていた。

          そして、その恩恵の一片として

                     この執務室は侍女たちにより常に清潔が保たれていた。

 

 

 

 

       部屋には、馬騰・翠・蒲公英の三人が

              中央に置かれた大きな羊皮紙製の地図を眺め、馬良の説明を聞いていた。

  

        

      現在、馬順が羌族の大単干(諸族を支配する大族長)、徹里吉(テツリキツ)との

         繋ぎ役となり、それに同行して馬謖が羌族を誘導し、県都美陽周辺で局地戦

         を展開させております。

   

         また、馬統は州都金城から県都楡中までの補給路の確保

         馬安仁は、洛陽で朝廷の清流・濁流の両派と接触し、政治工作に成功したとのことです。

 

 

       馬良は机上の地図に木片に書かれた札を置き、それらが長安を囲むように置かれていった。

 

 

 

 

 

 

 

        それらの包囲網の中心には県都美陽と長安との中間地点で

 

                張温・董卓の官軍と韓遂・辺章の連合軍がにらみ合っていた。

 

              

   長安攻略の勝敗を握るカギは、この官軍と連合軍の勝敗によって大きく変わることが一目瞭然であった。

 

     

          一通り馬良から説明を受けた翠と蒲公英は、

                    机上の木片を指しながら不満げに馬騰に言った。

 

 

    

      親父、

         この美陽の戦いが、これからの天下の帰趨を決定する重要な戦いなのに

                    何故、馬氏からあたしらが出陣してはならないんだ?

                もう兵站の護衛には飽き飽きした。前線に出してくれよ。

                        

                      と言う翠に強く同意するように蒲公英も頷いていた。

 

 

 

      しかし

        身の丈八尺(184cm)もある雄偉な馬騰は、小さな椅子に深く腰掛け

        

                    翠たちの不満を無視して目を閉じて馬良の話を熟考していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

        そして、馬騰はおもむろに馬良に言った。

  

             「良、韓遂・辺章の連合軍の士気はどうだったか」

 

        馬良は怪訝そうに、

               将たちは長安攻略に躍起でありました。

                兵卒たちも、まあ士気は高いようです。

                                  と答えると

 

 

    

        馬騰は何かを決心したのか、翠・蒲公英に向かって一族の長として命令をだした。

 

       

        「この望垣に駐留している全軍を県都 楡中に後退させる。それも火急にだ」

 

 

           これを聞いて翠たちは何故?理不尽だと言おうとしたが

             

                  命令に従え、反論は許さん。

        

                   と馬騰の気迫に萎縮した翠たちは黙り込んでしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

       そして、この決定事項を馬休・馬鉄の妹たちと各将兵に伝え

                陣頭指揮すべく翠と蒲公英が部屋を退出した。  

                         

       

       それを見計らって馬良は馬騰に質問した。

 

       叔父上、 

          官軍を四万人に削減し、羌族を遊軍として参戦させ、

              更に官軍は野戦に持ち込むという愚の骨頂をしました。

                    何ゆえ馬家のものだけを後退させるのでしょうか。

   

          それより、

              前線では兵站の補給が滞っておりましたが、

                         これは叔父上の差し金なのでしょうか。

 

  

 

          

              馬騰は、「 良よ・・」 と静かに、そして力強くと語った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

      馬良はその話を聴き終えたあと

                己の一族の長というものがどういうものか改めて恐ろしくなった。

  

  

 

 

      そもそも

          馬騰は世間的評価からすれば、温厚かつ賢明な好漢と評されている。

      

          しかし、これはあくまで表向の顔で、父 馬平の代に

              汚名を着せられ、これにより平民に格下げされた

                    ことからこの地位の回復こそ馬一族の悲願であった。

  

 

          

          そして、その子である馬騰は生まれながらに、その責務を負わされ、

                  幼少の頃は山に入っては木を切って売り

                        虎視眈々と汚名返上の機会を伺っていた。

  

 

          だが、馬騰が世に台頭しだした頃には、

 

                   辺章・北宮玉・王国・李文侯・韓遂

                           

                              といった有力な軍閥が横行し

 

                涼州を舞台に、群雄割拠している状態であった。

 

 

         そこで馬騰は権謀術数や武力を巧みに使い、星の数ほどあった土豪・軍閥と

      

          同盟・裏切り等あらゆる手段を尽くして、現在の地位に上り詰めていった。

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     ・・・・・・それがたとえ、娘たちから卑怯だと罵られ、軽蔑されるようなことであったとしても

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  次回につづく

 

 

 

 

 

 

 

       ピンク;反乱軍の拠点(将の駐留場所)  薄緑;官軍の拠点(曹操私兵)  

         緑;現在交戦している部隊

      緑色のサークル;反乱軍に有利な戦闘領域  白のサークル;官軍に有利な戦闘領域   

 

   <風と稟のいきなり軍略講座>

     風「多くの人がこの図を見て『わからんぞー!』と思うのでいきなりですが解説講

       座を致します。講師は、魏が誇る痴将、魅惑のメガネっ子、稟ちゃんです。 」

     稟「・・・講師の稟です。さて、この美陽の緑のサークルと長安の白のサークルは戦闘

       ラインでもあると共に、素早く補給することができるラインでもあります。 」

     

     風「となると、月ちゃんたちがいるラインは、長安からの補給が出来る反面、

       反乱軍の攻撃をギリギリ受けるかという地点で布陣しているのですね。   」

     稟「そうです。反乱軍が董卓軍を攻撃したとき、美陽からの補給ラインは最大に

       なり消耗品・負傷者の収容等の点で不利となります。一方で董卓軍は補給ライ

       ンの中間地点に布陣していますから、早急に補給できる上、最悪の場合には長

       安に撤退もできます。                         」

     風「稟ちゃん、そうすると官軍が有利になるのでは・・・」

     稟「ふっ。ところが反乱軍が美陽で籠城戦をした場合、長安からの補給ラインは最

       大となる上、遊軍として羌族が兵站部隊を襲撃、更に後方には馬軍が望垣に駐

       留していますので援軍として参戦する可能性が出てきます。        」

     風「をを~、となると官軍は攻城戦・遊軍の迎撃戦・反乱軍の援軍と三方面で戦う

       ことになるのですね。                         」

     稟「そうです。そして反乱軍に大騎馬軍団があり、平原で戦闘となれば官軍は多大

       な犠牲がでます。                           」

      

     風「となると、稟ちゃん。華琳様は何故春蘭さまに皆殺し命令を下したのでしょ

       う?あと、馬騰さんは急に後方に馬軍を移動したのでしょうか?」

     稟「多分、馬騰殿や華琳様のお考えは・・・・ぶは!」

     風「稟ちゃんが倒れたので、ここで本講座は終了します。

                              ・・・お兄さん寝てました?」

 

 

 

 

 

 

 

(あとがき)

 

 

 

 

 

    はじめまして、この度は  美陽攻略戦 第九ターン をご覧になって頂きまして

 

    ありがとうございました。

 

 

     馬一族の登場です。曹操に殺害される馬騰の他、馬氏で馬良と馬謖以外は残り

     3兄弟についてあまり知られていません。 しかし、「荊南諸雄記」とい

     う本に馬氏の兄弟についての記述があります。私家本ですので全部を 鵜呑み

     にすることはできないですが、馬氏の五常が全員出ている貴重な史料です。

 

     これによりますと、

 

       馬順  字は伯常。

      特に際立った事跡は伝わっていないが、蜀に仕え馬良をよく補佐して過ちが

      なかったという。 武陵郡五渓の異民族と連絡を取り、これを常々蜀に味方す

      るように慰撫してきたのは 本来は馬順の功績であったが劉備の呉への復讐戦

      を前に死亡したため、馬良に引き継がれた。 

 

       馬統  字は仲常。

      狩猟や楽曲を好み学問を嫌ったため、才子の多い馬氏の中では評価は高くなか

      ったが、 軍務を司っては剛毅にして果断。 魏に仕えて江夏太守となり、呉へ

      の侵攻の機会を常に狙いまた魏領へ侵入してきた甘寧や徐盛などの軍を追い返

      して武功を挙げた。 曹仁の家人が略奪を働いたためこれを厳しく罰したが、

      その結果、曹仁との中が険悪になったため、軍務を離れて若くして農耕と詩作

      の隠遁生活に入り余生を送った。 

 

       馬安仁  字は叔常。

      陽気で開放的な性格で、周囲の人々に愛された。 詩や議論、剣術を好み、荊州

      の文化人の間でも馬良に次いで盛名が高かった。 仕官を望まず曹操や劉備の召

      し出しを断っていたが、馬順を失った馬良の頼みでその補佐官の地位につき、

      馬良が倒れたのちもその亡骸の傍らに立って、呉の兵を 斬りまくったのち、自

      らの首を切って自決した。

 

 

      という内容で、司馬八達のように馬氏の字には、すべて『常』があること

      から馬氏の五『常』と言われた由来はここにあります。

      

         あんまり、本編に関係ないですけど、雑学としては面白いものです。

 

      

 

 

    最後まで、本編をお読み頂きましてありがとうございました。

 

 

 

 

 

       


 
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