No.101348

新たなる外史の道 3

タナトスさん

恋姫無双の愛紗ルート後の二人が真の世界にやってきたら?
という妄想から生まれた駄文です。
読んでもらえれば幸いです。

2009-10-16 20:37:41 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:10790   閲覧ユーザー数:8349

俺達が幽州の政治に着手し始めて1年がたった。

 

世界情勢から言えば以前俺が体験した世界と違い、孫策が生きていること、

 

袁術がいることと孫策が袁術の客将をしていること、まだ、華琳、曹操が一領主の当主でしかないこと、などなど、

 

かなり俺の知る三国志に近くなっている。が、まだまだ差異はあるみたいだ。

 

近況報告をするなら、俺達はまず自分達に無いものをピックアップすることにした。

 

無いものは、人、物、金、軍事力、情報、と上げればキリが無い。

 

有る物といえば志と皆のやる気ぐらいだ。

 

まず、着手したのは人、物、金を増やすことから始めた。

 

俺が目を付けたのは紙だ。この世界では紙は希少で文字を書くときは竹簡が主で、紙など

朝廷の命令書などの公の場くらいしか使われなかった。

俺は紙作りを教え広めそれを売り飛ばし、金を得ることにした。

安くて、質もよく、最大のセールスポイントは大量に生産できることである。

そう、技術があり、作り方さえ解れば誰にでも作れるのだ。何せ俺の世界ではNGO団体が

発展途上国に紙を作る技術支援を行ったくらいだ。

大量の紙が安く質もいいとなれば飛ぶように売れた。

 

俺はそれだけに止まらず、水関係の工事や活版印刷、区役所や学校の創設、税制度の抜本

的な改革、鍛冶屋を国営で作り工場化し武器の生産ラインの作成などを推し進めた。

 

愛紗は、機織りのノウハウ、近代的軍隊による階級制度の導入、軍事訓練、特殊部隊、諜

報機関の極秘作成、宙吹きガラスの作成やオイルランプの作成を行う。ガラスは珍しさと

希少価値を安価にしたから飛ぶように売れた。俺達の歴史でたどれば宙吹きガラスは紀元

前1世紀中期ごろのローマで確立された技術で安価で大量に作られていた。使わない手は

無い、愛紗の趣味のガラスアートがこんな形で役に立つとは・・・

 

後、俺を驚かせたのは、あの愛紗が料理本を出版したことだ。

前の世界じゃ壊滅的腕前だったのに、俺に美味しいと言ってもらいたい、俺の笑顔が見たい一心で料理を学んだ。今じゃあ、かなりの腕前だ。何せ俺や星達の料理は愛紗が作っているし、炊事場は愛紗の支配下になってしまった・・・

酒をくすねられない・・・

 

しかも、その本が奥様方のバイブルになってしまった。

人生何が起こるか解らない・・・

 

そんなこんなで幽州は栄え始めた。

村単位が街になる。街になれば人や商人は集まる。人が集まれば金を落とす。その金に群

がり、また人が集まる。学校で学んだ者は高い学力をつけ優秀な人材が兵や官僚になる。

 

今では幽州は片田舎の農村から小さいながらも町になった。

そんなある日、黄布を付けた一団が辺りに出没、騒動を起こすようになる。

とうとう歴史は動くか・・・

 

黄布の乱が起こる。そう踏んだ俺と愛紗は星達を呼び対策を講じた。

 

まず俺が切り出す。

「皆に集まってもらったのは他でもない、今、黄色い布を頭に巻いた集団が各地の村や町を襲撃している事についてだ。朝廷からはまだ何も命令はきていない。

このことから我々は独自行動を取る。稟、今回の動乱、どう思う?」

 

「そうですね・・・暴動は組織的であるものの偶発的で場所を選ばず起こっています。

無視することも出来ません。一刀様が考えた警察でも対応できなくなりつつあります」

 

「フム、警察機構でも対応できなくなりつつある今、我々軍隊の出撃も視野に入れた対策

もしなければならない段階に来ている。と言うことだろうか」

 

星も意見を切り出す。

 

「ええ、星の言う事も最もですが、こうも偶発的に暴動が起こっては軍を派兵するにも予

算が嵩みます。我々はそれ程お金も兵数も無い弱小勢力です。志高くともどうにもならな

いときはあるのです」

 

稟も星の言うことは解るが財政面と軍の派兵人数が無いことから慎重論を述べた。

 

「愛紗、我々の今この暴動に動員できる兵数と投入できる予算は?」

 

俺は資金と兵の全体を管理する愛紗に質問する。

 

「・・・派兵人数は5万弱・・・、投入できる資金は全予算の多く見積もっても2割が精々

でしょうか・・・」

 

「2割で5万の兵を養うことは可能か? 愛紗?」

 

「ギリギリ可能です」

 

「解った、兵数と予算はそれで行く。後はどの様に暴動に対応していくかだが、意見があるものは?」

 

風は飴をなめながら呟く。

「そうですね~、どこか他所と手を組むのはいかがでしょうか~?」

 

「手を組む?」

 

「はい、この辺りだと、袁術さんの所と手を組むのは如何かと~」

 

「ふむ・・・正確には、袁術の客将の孫策さんとこか?」

 

「その通りです~」

 

「あい、解った。愛紗、星、軍備の準備を行ってくれ」

 

「「御意」」

 

「稟、資金繰りを頼む。風、主戦場の割り出しと、情報収集を頼む」

 

「御意」

「了解です~」

 

「手紙は俺が孫策さんに届けよう」

 

そういった瞬間愛紗が猛烈に抗議した。

 

「駄目です! いけません! 何考えてるんですか!? 一領主がこの大事なときに領地を空けるなど!? 気は確かですか!!??」

 

「愛紗・・・」

 

「どうせ、孫策殿と交流を深めるんでしょ・・・私はイラナイ子ですか!?」

 

「そんな拗ねた顔しながら言うなよ・・・」

 

「どうせ一刀様は孫策にも手を出されるんでしょ・・・」

 

いじけてるよ・・・

「愛紗・・・」

「あっ・・・」

俺は愛紗を後から抱きしめ、耳元で囁く。

 

「俺は愛紗を愛している。愛紗はどうなんだい?」

「そんなの・・・解りきってるじゃないですか・・・私の全ては一刀様の物です」

 

「愛紗・・・」

「一刀様・・・」

 

「ん! んんん!!」

 

「「わわ!?」」

 

稟は半眼になりながらいう。

「一刀様、愛紗様、イチャつくのは構いませんが、時と場所を弁えていただきたい。今は軍議中ですよ」

 

星はニヤニヤしながらトンでも発言をノタマウ。

「主~、軍議中にイチャつくとは感心しませんな~溜まっているなら私が‘また’閨をお相手いたしましょうか?」

 

おい! そんな事言うと・・・

 

「一刀様・・・お話したき事が御座います。軍議が終わりましたら来てくれますよね?」

 

愛紗~!? なんか微笑みながらなんか黒い闘気が滲み出てますが!?!?

 

「いや~ちょっと用事が・・・」

 

て!?!? 愛紗~~~~~~~!?!?!?!?!?!?

 

なんか黒いの吹き出してるよ!?!?!?!?!?!?

 

噴水のように黒いの吹き出してるから!?!?!?!?!?

 

「来て・・・くれますよね・・・」

 

微笑がさらに美しくなってる!?!?!?!?!?

 

「いや・・・だから・・・用事・・・」

 

「き・て・く・れ・ま・す・よ・ね?」

 

ヒッ!! は、柱にヒビが!? 陶器の湯呑み茶碗が割れた!? 大理石の床にヒビ入てるよ!?

 

星!! 何逃げようとしてんだ!! 原因お前だろ!? ヤリ逃げか!?

稟!? 妄想しながら気絶するのはヤメレ!?

風? 寝たふりせずに助けて!

 

「いや・・・」

 

「き! て! く! れ! ま! す! よ! ね!!!!!!!!」

 

ひいいいいいいいいいいい!?!?!?!?!?!?

 

木の窓が砕けた!? つ、机が真っ二つに割れてる!! 椅子が粉々に!?!?!?

 

「解った・・・行くよ・・・」

 

俺は諦めた・・・・・・・・・人生を・・・・・・・・・・

 

突如、黒い闘気は消え、にこやかな愛紗がいた。

「解ってくれればいいんです。ああ、逃げないでくださいね。もし逃げたらどうなるか・・・」

 

ドウナルノ!?!?!?!?!?!?!?

 

「ああ、趙将軍・・・」

 

今度は星にロックオン!!!!

 

「なんでしょう・・・」

 

星、それ、冷や汗だよね。絶対そうだよね。

 

「一刀様と一緒に来てくれますか? なに、時間は取らせません」

 

「いやぁ~軍の編成をしなくては・・・」

 

「何か・・・言いまして?」

 

声、穏やかだけど、顔も笑顔だけど・・・目がワラッテナイ・・・

 

「・・・はい・・・逝きます・・・」

 

星、それ字が違う。

 

「では・・・軍議は解散です・・・それでは逝きましょうか・・・」

 

愛紗、お前もか? お前もその字か?

 

その後、俺と星は愛紗の部屋で愛紗に調教されました。

 

ムチ・・・痛かったな・・・後、愛紗と星の感じる顔可愛かったな~

 

なんだかんだで、愛紗を丸め込み、潜入が許された。

 

俺は孫策さんの領土に侵入した。

 

賑わっとるな~いや、結構。

 

俺は孫策さんの屋敷を一周する。

続いて、孫策さんの屋敷から一里離れた場所の屋根から双眼鏡で孫策さんの屋敷を観察する。

 

ふむ・・・潜入出来るポイントは北の壁か・・・

夜を待つか・・・

 

 

 


 
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