No.101021

新たなる外史の道 2

タナトスさん

恋姫無双の愛紗ルート後の二人が真の世界にやってきたら?
という妄想から生まれた駄文です。
読んでもらえれば幸いです。

2009-10-14 23:46:59 投稿 / 全10ページ    総閲覧数:13039   閲覧ユーザー数:9776

幽州の道すがら俺は趙雲から管輅の占いについて聞いた。

その占いの内容は、

『白き衣を纏いて天の御使い、伴侶と共に舞い降り、大いなる黒き災いを祓わん』

 

と言うものだった。

 

俺達は趙雲達の質問をノラリクラリとかわし、幽州に到着したが・・・

 

 

そこには廃墟が広がっていた。

 

燃え残った柱に手を触れてみる。

 

まだ熱がある。襲われて、1時間といったところか・・・

 

趙雲が苦々しげに口を開く。

「盗賊に襲われたか・・・」

 

愛紗もまた悔しそうに呟く。

「酷い有様だ・・・」

 

「生き残った者たちを探そう」

 

俺の提案に4人は頷く。

 

俺達は3つに別れ捜索を開始する。

斑決めで揉めた、と言うより愛紗がぐずったが、

趙雲は郭嘉と、愛紗は程立と、俺は一人で捜索を開始した。

 

暫く捜索していたら愛紗から通信が入る。

 

『一刀様、生存者が見つかりました』

 

『本当か!? 』

 

『はい、今、一刀様の地点から南に300メートルのところにある酒場に集まっています』

 

『解った。すぐ行く』

 

俺は南に走る

 

酒場に到着すると、そこには愛紗たちとこの世の終わりのような顔をした住民たちがいた。

 

「愛紗、状況は」

 

「生存者が約1500名、怪我人は600人ほどです」

 

「解った」

 

「あんた達は?」

 

住人が俺を見てそう聞いてくる。

 

「俺達は旅の者だ。一体何があった」

 

「盗賊に村を襲撃された」

 

住人は項垂れて答えた。

 

「ここを守っていた官軍の兵は?」

 

「真っ先に逃げ出したよ!! 領主のヤツは自分の財産もって真っ先に逃げ出したよクソ!!」

 

喚き散らしながら村人は答えた。

 

「またあいつ等ここを襲うんだとよ! もう何にも無いのによ・・・」

 

同じだ、あの時と・・・仕方ない、助けるか・・・この人たちを見捨てることも出来ない。

それにどこの小さな村や集落行ったところで同じだろう。

大きいところは襲わないくせに、小さいところは襲う。

下種のやり方だ。

 

「あんた達はそれで良いのか?」

 

俺がそう問いかけると、男たちはいきり立つ。

 

「良いわけあるか!! 俺は嫁さんを奴等に奪われたんだ!!」

 

「俺は妻と娘を、財産を奪われたんだ!!」

 

「なら、なぜ、戦わなかった?」

 

「戦ったさ!! でも奴等、数に物を言わせて襲ってきやがった・・・」

 

「もう・・・お仕舞いだ・・・」

 

俺は昔師匠が言ったことを思い出していた。

 

『どんな時にも諦めるな、諦めは、絶望へ、絶望は死へ繋がる』

『誰の為でもない、お前の意思で、お前の信念で戦え。誰の為でもないお前の戦いをしろ』

『自分の信念を最後まで信じられた者が戦場では最後まで生き残る』

 

俺はこいつ等を助ける。そう決めた! 今ここで俺の信じる信念の為に!

俺は愛紗に通信を送る。

『愛紗、彼らを助けるぞ!』

 

『はい! 一刀様!』

 

愛紗も助けることに賛成した。

 

「俺たち2人がお前達に戦い方を教える! だから俺たちと共に戦って欲しい」

 

「あんた達が・・・たかが二人加わっただけで・・・」

 

「悪いがただの二人じゃない、もし、あなた達がまだ生き足掻く覚悟が、戦いに身を投じ

る覚悟が、命を掛けて奪われたものを取り戻す覚悟が、信念があるなら・・・

俺達の武と知識をあなた達に分け与えよう。どうせ、殺され奪われるんだ!

なら戦い活路を俺たちと見出そう!」

 

愛紗は力強い声で付け加える。

 

「村人たちよ!! このお方を何方と心得る!! 恐れ多くも天の御使い! 北郷 一刀様なるぞ!!」

 

村人は口々に呟く。

 

「あの占いにある、白き衣身に纏いて、天の御使い、伴侶を連れて舞い降りる・・・」

 

「あの占いは本当だったのか!?」

 

「天の御使い様・・・」

 

ナイス!! 愛紗!!

 

「皆・・・俺に力を貸して欲しい!! 必ずや!! 諸君らに勝利を与えよう!!」

 

「俺達、戦えるかもしれない・・・」

「ああ! 何たって天の御使い様がついてるんだから!」

「俺はやるぞ! どうせ奴等に殺されるんだ! 俺は戦うぞ!」

 

「皆!! やるぞ!!」

 

「オウ!!!!!!!!!」

 

村人達は次々に参戦の意思を示した。

 

自分でも詐欺くさいが仕方ない・・・彼らを助けるために彼らの力が必要だ。

悪いことしたな・・・

 

「すまない、趙雲、郭嘉、程立・・・俺達は彼らを助ける。すまないがここでお別れだ」

 

俺は趙雲達に別れの言葉を述べる。愛紗もそれに習う。

 

「ありがとう、趙雲殿、郭嘉殿、程立殿、短い間だが楽しかった。また会おう」

 

その時、趙雲が口を挟む。

「北郷殿」

 

突然、趙雲が呼びかけてきた。

 

「なんだい、趙雲?」

 

「貴殿は何の為に戦われるのか? 貴殿らにとってこの村の者達は無関係、何故、彼

等の為に戦われる」

 

まっすぐな瞳が俺を見つめる。

 

「俺は、俺の、俺達の正しいと信じた事を成して戦っている」

 

「その信念とは?」

 

「この世界に俺達なりに出来る平和への道を切り開く。力無き者達の剣になる。弱き者達

の盾となる。誰のためでもない、俺達の意思で、信念で、この世界に忠を尽くす。それが

俺達の信念だ」

愛紗も俺の言葉に強く頷く。

 

「それに・・・」

 

「それに?」

 

俺は思い出していた・・・あの時の・・・師匠に拾われ初めて戦いに参加したときの事を・・・

 

自分の弱さで多くの者を死なせたことを・・・あのテロを・・・俺のトラウマを・・・

 

・・・メタルギアを・・・

 

そして・・・≪ヤツ≫の言葉を・・・

 

『お前は俺と同じだよ!! 戦う事でしか自分を表現できない哀れな男だ!! 貴様も俺と同じ殺戮者だ!!』

 

「このまま、目と耳を閉ざし逃げることは出来ない! したくない! だから向き合う。

この世界に、俺の、俺達の出した答えが嘘にならないように!」

 

「・・・・・・解りました。この趙子竜、貴殿方と共に戦いましょう」

 

俺達は驚いた、勿論郭嘉、程立もだ。

 

「な!? 正気ですか!? 星!?」

 

郭嘉は非難の抗議を口にする。

 

「無論、正気だ」

 

俺は趙雲にその意を確かめる。

 

「・・・いいんだな? 戦うからには当てにさせてもらうぞ?」

 

趙雲は自信満々に答える。

 

「フ・・・無論だ」

 

「解った、歓迎するよ」

 

愛紗も趙雲の参戦に嬉しそうに歓迎する。

 

「私もだ、頼む。趙雲殿」

 

「ああ、任せろ!」

 

「稟ちゃん・・・風も参加します」

 

「風!? あなたまで!!」

 

突如、程立も参戦の意向を表す。

 

「風は見てみたくなったのですよ。お兄さんたちがどうなるのか」

 

「・・・はぁ・・・仕方ないですね・・・私も参戦します」

 

郭嘉も参戦を表明した。

 

「・・・いいのか・・・」

 

「いいも何も、友人を見捨てて私だけ行くなどとそんな薄情な人間じゃありませんよ私は」

 

「すまない」

 

こうして俺達は村人と共に盗賊退治を行うための作戦会議を行う。

 

 

俺は自軍戦力と敵戦力を比較する。

「こっちの兵数は約900人、対する盗賊は約1500といったところか・・・」

 

愛紗は悲痛な顔で呟く。

「此方は怪我人を含めた総数ですから・・・いくら相手が獣以下の烏合の衆とは言え

此方も寄せ集めの素人・・・武器は官軍が逃げるときにおいて行った武器があるのが救

いか・・・」

 

趙雲は疑問を口にする。

「盗賊たちはどのような経路を使うのだ?」

 

郭嘉は地図を見ながら指差していく。

「進行先は本拠地のある北側の森と森に挟まれたこの道を使うでしょう」

 

俺は森に注目する。

「森に伏兵を置けないか? 敵が囮部隊に突っ込んできたら伏兵で敵の後ろを突くと言う

のはどうだろうか? 兵力分散はしてしまうが、敵は此方を舐めきっている勝機はいくら

でもある。斥候の話ではこの道を通って盗賊が進行している。此方に着くのは明日、完全

に舐めてくれている。二つの森に伏兵を配置できないだろうか?」

 

俺の意見に郭嘉は考え込む。

「いけるかもしれませんね・・・風、貴女の意見も聞かせて」

 

全員程立に顔を向ける。

「Z~Z~Z~・・・」

 

「起きなさい!!」

 

郭嘉は程立を起こそうとする。

 

「「「・・・」」」

 

俺と愛紗と趙雲は沈黙する。

 

「おお!! つい、都合の悪いことに目を背けようとしていたらついウトウトと・・・」

 

なんだそりゃ!?

 

「えっとですね~お兄さんの提案で行くなら開けたとこまで敵を誘導したほうが良いんじ

ゃないかと・・・乱戦が出来るほど器用なこと出来ませんから私たちの兵は・・・それと

後ろから伏兵で襲う時は囮部隊を鶴翼の陣にして敵を包み込む方が良いのでは・・・」

 

詳細を詰めていく俺たち。

 

 

そして、翌日

 

俺達の運命を決める日が来た。

 

俺は住人達に大音声で詠う。

 

「皆!! 生きて栄光を掴むか、死して全てを失うかの選択の時が来た!!

 

だが!! あえて言おう!! 相手は獣以下の烏合の衆!! 我等が恐れる要素は何も無い!!

 

思い出して欲しい!! 家族を!! 愛する者を!! 友を!! 財産を!! 誇りを奪われたあの悲しみを!!

 

その悲しみを怒りに変える時がきた!! 獣どもにその怒りをぶつける!!

 

やるぞ!! 皆!!

 

そして、勝利を俺達の手で掴もう!!」

 

辺りから雄叫びが聞こえる。

 

「愛紗!!」

 

「はい!!」

 

「別働隊を率い、森に隠れろ! 俺も反対側の森に隠れ、共に敵背後を強襲する!」

 

「はい!!」

 

「趙雲!!」

 

「オウ!!」

 

「囮部隊の指揮を任せる!! 俺達が敵後方を強襲するまで持ち応えてくれ!!」

 

「心得た!!」

 

「郭嘉、程立!!」

 

「はい!」 

「は~い」

 

「君達は、趙雲の補佐だ! 戦術の指示と状況を見極め銅鑼を打つ時機は君達に任せる!!」

 

「はい!!」

「は~い」

 

「よし! 行くぞ!!」

 

『オウ!!』

 

 

「よし!! 出陣する!!」

 

愛紗は全員に命令を下す。

 

「全軍!! 配置に着け!!」

 

『オウ!!』

 

 

 

森の中、俺の囮部隊、約300人は配置についた。

俺は白鷹のグリップを握りなおし、スライドを引き初弾をチェンバーにカートリッジを装填する。45ACP弾の命が白鷹に吹き込まれる。左逆手で白牙を引き抜く、準備万端、

後は作戦開始を待つ。

 

 

頼むぞ・・・『星』・・・

 

 

≪趙雲サイド≫

砂埃を上げながら下品な獣共が押し寄せてきた。

なるほど・・・北郷殿の言うとおり、こちらを舐めて同じ所からわいて来た。

「弓隊、まだです!! もっと引き付けて!!」

 

横では稟が、支持を出す。

 

「今です!!」

 

「放て!!」

 

稟の合図に私は弓兵に命令を下す。

矢は放物線を描き獣へと突き刺さる。

 

「今だ!! 敵は怯んだ!! 突撃!!!!」

 

雄叫びと共に怯んだ敵に雪崩れ込む村人たち。

盗賊共は、まさか反撃があるとは思ってなかったみたいだ。

浅はかな連中だ。

私は何時も通り我が名を高らかに賊共に名乗る。

 

「恐れるものは背を向けろ!! 恐れぬものはかかって来い!! 

 

我が名は常山の昇り竜、趙子龍!! 

 

美麗を汚す下種共よ!! その償い、貴様らの命で払ってもらう!!」

 

私は獣共に飛び込み槍を振るう。

「はい! はい! はい! はい!」

私の槍により賊共は心臓や腹、顔を突かれ絶命していく。

 

北郷・・・一刀殿に、北郷・・・愛紗殿か・・・面白い御仁達だ。

 

 

≪郭嘉サイド≫

星達が戦闘を開始した。

 

「風!! 1度目の合図を!!」

 

「了解です~」

 

こんな時にも貴女は・・・なんてのんびりな・・・

銅鑼が鳴らされる。

星達が後退した様に見せかけて鶴翼の陣を取り下がる。

敵もそれに釣られて星達を追ってくる。

なるほど・・・知能は獣以下か・・

こんな見え見えの手に引っかかるとは・・・

この戦い何とかなりそうです・・・

 

北郷殿に北郷夫人か・・・

 

 

 

≪愛紗サイド≫

私は愛刀の柄を握り、目を瞑り、時を待つ。

1度目の銅鑼が鳴り響く。

第1段階はクリアーした。

後は・・・第二段階のみ。

 

さあ、ともに戦おう。あの時のように・・・『星』・・・

 

 

 

≪程立サイド≫

まさかこうもお兄さんの考えた作戦がこうも旨くいくとは~

これは予想外ですね~

まあ・・・相手は群れることしか脳の無い獣さんですから旨くいった。と言ったとこでしょうか~

そろそろ、頃合ですね~

 

「銅鑼を鳴らしてください~」

 

「ハ!!」

 

私は村人さんにそう命じました。

 

それにしても・・・

北郷 一刀さんに北郷 愛紗さんですか・・・

ふふ・・・面白くなりそうです。

 

 

二度目の銅鑼が鳴り響く。

 

『愛紗!!』

 

『はい!!』

 

体内通信で愛紗に呼びかける。

 

こういう時に便利だな体内通信は・・・

 

「合図だ!! 突撃!!!!」

 

俺は村人達に突撃を命じる。

 

雄叫びと共に突撃する村人達、愛紗の部隊と合流し、敵後方を突いた。

 

盗賊共は背後を突かれ大混乱に陥る。

 

俺は白鷹と逆手に持った白牙を同時に握り、目の前の敵に45ACPを打ち込む。

 

敵は反応できず、頭を撃ち抜かれ息絶えた。

辺りは銃声で騒然となる。敵味方関係なく此方を見ていた。

 

俺は止まる事無く敵を撃ち、またある時はCQCを相手に掛け、敵が動けなくなった所ですかさず白鷹を打ち込んでいく。

ある時は、相手側面に回りこみ相手の方と足を同時に払い受身を取らせないように倒し、

またある時は、白牙で切り裂いて行く。

 

愛紗の方に目を向けると青龍の刀身を高周波振動させ敵を切り裂いていく所だった。

そのスピードは正に超神速の域だ。

 

ある者は槍ごと切り伏せられ、ある者は鎧ごと切り倒される。

 

最早、防御不可能な刃の暴風と化している。

≪趙雲サイド≫

すごい、あの御仁達の武は正に最強の領域だ。今まで強きものを求め戦い続けてきたが、

あれほどの者はそういない。

北郷殿は正しく舞を舞い踊るが如き美しさを感じさせた。あの銀色の塊から炎と共にとても速い、目でやっと追いきれるほどの速度の礫の様な物が吐き出され敵の額や心臓付近に突き刺さる。アレなら私でも何とか除けられるし、弾き返すことが出来る。それだけでなく何か不可思議な武術のようなものを使っていたその動きは計算され尽くした動きだ。それは途方も無い技術の固まりで出来ていた。芸術とさえ感じられるほどに。

 

愛紗殿は正に刃の暴風。その一太刀一太刀に必殺の一撃であるにも関わらず、その太刀筋は変幻自在。北郷殿とはまた違った美しさを感じさせた。

機能美と鑑賞美といったところか。

 

「私もウカウカしてはいられないな・・・」

 

私は人知れずそう呟いた。

 

 

 

 

「糞!! ふざけやがって!! テメエ! 何者んだ!?」

 

「俺は、お前達を狩る者だ・・・」

 

俺はそう答える。

 

「ふざけるな!! 俺をこの盗賊団の頭と知っての狼藉か!?」

 

コイツが頭か・・・ならコイツを倒して終わらすか・・・

 

「一つ断っておく・・・」

 

「何!?」

 

「お前では、俺を、殺せない」

 

俺は両手を広げ、頭を挑発する。

 

「ツッ!!?? 死ね!!!!!!!!!」

 

頭は大斧を振りかざし突っ込んでくる。が・・・

 

俺は白鷹を構え、引き金を引く。敵は額に11.43mmの穴を開け、崩れ落ちるように倒れ息絶えた。

 

「敵大将!! 天の御使い、北郷が討ち取ったり!!」

 

俺はすぐさま敵を討ち取ったことを高らかに宣言する。

 

それからは敵は降伏、或いはバラバラに逃げていった。

俺達は勝鬨を上げ村に凱旋する。

 

多くのものは喜びの声を上げたが中には帰らぬ故人を偲び袖を涙で濡らす人もいた。

 

それを見ながら俺は新たに彼らに誓う。

 

忘れない・・・この人たちの喜びも悲しみも彼らの生も死も俺がしたことなんだ。

忘れないことが、そして背負い続けることが、散り逝った彼らに対する礼儀だ。

 

俺は愛紗に向き直る。

 

「一刀様・・・」

 

「解ってる・・・感傷に浸っても彼らは帰ってこない。だから俺は彼らの散り様を胸に焼

き付けていただけだ・・・」

 

「・・・そうですか・・・」

 

俺達が歩き出そうとしたとき趙雲が語りかけてきた。

 

「北郷殿、愛紗殿、今までの戦いで私は、決心がつきました。我が槍を預けるのは貴方様方しかいないと、どうか私を貴方様方の家臣にしていただきたい」

 

俺達は驚いた。いきなりの宣言だ。驚きもする。

 

「いいのか?」

 

愛紗が問いかける。

 

「ええ、愛紗様」

 

なんか、愛紗がこそばゆい感覚にとらわれている。

 

「・・・わかった。よろしく頼む」

 

俺はそう言い、右手を差し出す。

 

「ハ!! 我が名は趙雲、真名は星です。これからもよろしくお願いします。主、愛紗様」

 

そう高らかに名乗りを上げ、星も右手を差し出す。

 

「よろしくな、星」

 

愛紗もそういい右手を差し出す。

 

「はい、愛紗様」

 

「星ちゃんに先越されちゃいましたね~」

 

星の後ろからのんびりとした声が聞こえる。

 

「もしや・・・お主もか? 風?」

 

「さっき、寝ているときに夢を見まして、その夢は何処までも広がる青空に光り輝く太陽

があったのですよ~、突然その太陽が輝きだして、気がついたらお兄さん達がいたのです

よ~、そしてお兄さん達は私に程昱と名乗りなさい。こういって道を指し示したんです。

ああ、これは天からのお告げに違いない。そう思い、お兄さん達についていく事にしまし

た」

 

いいのか!? そんな理由で改名や自分の進路決めて!?

 

「とっ、言うわけで、私の真名は風ですよろしくです~お兄さん、お姉さん」

 

「あ、ああ、よろしく風・・・」

 

「よろしくたのむぞ、風」

 

俺と愛紗は風を歓迎した。

 

「おや、どうやら2人とも北郷殿に仕えるか・・・先を越されたか・・・」

 

「君もか!? 郭嘉!?」

 

「ええ、貴方様の器測らせてもらいます。私の真名は稟。以後お見知りおきを」

 

「ああ、解った、よろしく頼む!! 3人とも。その前に訂正だ、君達は配下じゃない、仲間だ、これから戦列に加わる戦友だ。そのことを忘れないで欲しい」

 

「「「はい!!」」」

 

こうして、俺達は新たに3人の戦友を得た。

 

村人のお願いで幽州の代表にもなった。

 

さて・・・どうなるか解らんが、差し当たり問題は村の復興か・・・

 

 

 


 
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