「誠に申し訳御座いません」
DDONでワタシが使用している謝罪定型文。
これはワタシの大切な人が使ってた言葉だ。
その人と過ごした時間は何よりも大切で素敵な想い出。
その人はワタシに安らぎと戦い方、そして
ワタシのオンラインゲームでの振る舞いの基礎を作ってくれた人。
その人との出逢いは
ワタシが覚者になる以前ーーハンターだった頃に遡る。
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「いつもの部屋がある」
『モンスターハンター4G』を立ち上げた3DSを見て、ワタシはつぶやく。
野良デビューしたはいいが、中々部屋に入る勇気はない。
部屋検索をして眺めるのがワタシの日課だ。
「募集文が魚釣りか。この人毎日部屋立てしてるね。入っても大丈夫かな?」
初めての野良で慣れてないワタシに、丁寧に教えてくれる方もいたが。
俗に言う“ゆうた”が蔓延っていたので、酷い仕打ちも受けた事も多数。
また辛い思いをするのは勘弁したいし、覗くだけで満足だ。
「そういえばこの人いつもハンマーよね。どういう装備なんだろ?」
もっと詳しく見たいと思い、詳細を開こうとしたが
「しまった!?」
間違って部屋に入室してしまった。
「ああ…挨拶しなきゃ」
入ってしまった以上、無言退室は失礼に当たる。
ワタシは『はじめまして』とチャットを打つ。
『はじめまして』と丁寧な挨拶が返ってきた。
それがあの人ー仮にXさんとしようーとの最初の会話だった。
それからXさんと一緒に狩りをする内に親しくなって、毎日部屋に入ってチャットするのが日課になっていた。
話す内容はスキルの事は勿論、好きな物や今日あった出来事等、色々な事を話した。
野良の方も入ってきて、話が更に盛り上がって凄く楽しかった。
入ってくるのは良い人ばかりでなく“ゆうた”もいたが、Xさんが上手く嗜めてくれたので大事にはならなかった。
採取に出てクリアに必要なネコタクチケットを全て捨てられたのは、今では笑い話だ。
Xさんの立ち振る舞いを側で見ている内に、ワタシも知らなかったオンラインのマナー等、段々と身についていった。
他のオンラインゲームもやっていたのか気になっていたが『モンハンフロンティア』をやっていたと聞いて、その疑問は直ぐに解けた。
PTプレイに慣れているのかと思っていたが、どうやらXさんはソロでやり続けていたらしい。
韋駄天杯でランクイン経験もあり、3Gの「ジョジョブラキ」こと「黒曜石」もソロで討伐したとあって、戦い方も上手くどの武器でも参考になった。
余談だが、Xさんと出会ってから1ヶ月以上たってからフレ登録した。
お互いに言い出す機会が無く、Xさんが立ててくれた部屋にワタシが毎日遊びに行っていたからあまり必要に感じなかったからだ。
登録後にXさんがフレにワタシを紹介する際「私のフレンドです」と言ってくれた時は凄く嬉しかった。
※一言だけ残して直ぐ出て行ったので、何も反応出来なかった(笑)
そんな日常が一年程経った時には、素材周回もやり尽くしており殆どチャットしかしなかったが
唯一『闘技場』だけは参加しなかった。
その時のワタシはTAに興味はなくて
皆で狩りをするのが楽しかったし、何よりタイムを狙える動きが出来なかった。
そこには確かにお互いの“壁”が存在したが
決して不快な物ではなかった
それ以降もXさんとの交流は続き、話す事が無くなって無言でも心地良く過ごせた。
ワタシがDDONをやり始めなければ
きっとそのまま続く時間だったのだと思う
既にその頃には『モンスターハンタークロス』に移行した時期であったと同時に、DDONが忙しくワタシはクロスを進める時間が取れなかった。
少し時間が取れたので、クロスを開いて部屋を探す。
Xさんの部屋を見つけた時、ワタシは嬉しくてすぐに入室した。
「お久しぶりです。元気でしたか?」
お互い挨拶を交わし、近況報告をしあう。
「また会えて嬉しいです」
そう伝えれば
「私も会えて嬉しいです」
Xさんからの返事に
ワタシは嬉しくて泣きそうになった。
久々に行った狩りは少し感が鈍っていて多少失敗したがXさんの「気にしたら負けだぞ」に笑顔になった。
この言葉もよく聞いたXさんなりの気遣いだ。
クエストを終え再びチャットで話す。
タイミングを見計らい
勇気を出してワタシは
『蜜姫 杏夜音』
自分のフルネームと使用しているSNSを伝えた。
もっと話をしたかったというのもあるが、もう此処では二度と会えないと…
何処かで分かっていたから。
お互い落ちる時間になって
ワタシは3DSを閉じた。
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それから4年ーー
あれ以降、3DSを開いてもXさんを見かける事は無くなった。
フレンドを切られたか
3DSを開いていないのかは不明だ。
ワタシのSNSにも連絡はない。
時折3DSのフレンドリストを見て
幸せだった時間を思い出しては穏やかな気持ちになる。
今思えば
恋に似たような
感じだったのかもしれない。
貴方の事をもっと知りたいと
貴方のように強くなりたいと
闘う時は常に貴方の背中を追っていたような気がします。
白竜杯TAも戦い抜いて名前を残して
貴方の背中に少しでも辿り着けたでしょうか?
もしまた貴方に会える事が出来たら
その時は色々なお話をさせて欲しい
そして
貴方の話もじっくり聞かせて欲しい
また笑い合いたいわ。
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とてもとても大切な記憶 もっとじっくりとお話したかった