No.100899

真恋姫無双 美陽攻略戦 第七ターン

Thyleさん

第7回目の投稿です。
読みにくい点や日本語がおかしい部分があるかもしれませんが、宜しくお願い致します。
巻末には、現在どの勢力が布陣しているかの地図を添付しております。
閲覧ユーザーが1000人になりました。皆様大変ありがとうございます。

続きを表示

2009-10-14 02:22:09 投稿 / 全17ページ    総閲覧数:2792   閲覧ユーザー数:2353

美陽攻略戦

 

 

(はじめに)

 

 

      キャラ崩壊や言葉づかい等で間違いがあると思いますが、できれば気にしないでください。

 

 

     『真』恋姫作品のように創ったのですが・・・・多くは語りませんので読んでみてください。

 

 

     『真』原作重視の方は『足りない!』とご不満があるかもしれません。

 

 

 

 

 

  (前回のあらすじ)

            尻に敷かれる男一匹、ホンゴウ・カズト。

 

 

         本編の地図は三国志関連資料を参考にペイント機能で作成したもので

         目測による模写の為大まかな位置程度で、縮尺等は一切合っていません。  

 

 

 

          

 

 

 

 

第七ターン

 

 

  古都 長安

 

 

    洛陽から一番近い大都市で、西域との交易の最初の出発地点として栄えた古の都市である。

 

           西にある陳倉周辺の大穀倉地帯からもたらされる穀物

           南西にある漢中周辺の山岳地帯から産出される鉄・銅等の鉱石

           北の平陽から送られる羊毛・絹等の織物や雅な焼き物

 

   

        これらの交易品が一斉に長安に集まり

               一年を通して、あらゆる取引がなされ

                           西域諸国へと輸出されていった。

 

 

 

            そして、これらから生み出される富により、

         

 

          長安では回民と呼ばれるアラブ商人が珍しい品を求め歴訪し

          世界の果ての交易品を携えたアラブ商人を相手にする新興商人

          新たな富を求め出発する商人の安全を守る為の流れの傭兵たち

          温まった懐の傭兵たちを相手にする安物の妓館や春を売る女達

 

           そのおこぼれを貰う為に、遠方から来た

                  服とは言えないようなボロ布を纏った流民

 

 

 

 

      これらの人種によって長安という都市はありとあらゆる階層のる堝となって繁栄を極めた。

 

 

 

 

 

 

    このような繁栄を極めた都市であったが、去年の寒冬を過ぎて

      暖かな春になるはずが、今年は寒春のため時々まばらに雪が降った。

        このような天気に長安周辺の農民たちは落胆し、神に祈る者すらいた。

 

 

          これとは対象的なのは新興商人たちで

            新興商人たちは今年の穀物不足を予想して

              穀物の買占めに走る等、盛んな動きを見せ

                    長安の物価を上昇させていった。

 

 

    しかし、このような商取引をするのは三流以下の商人で、

         洛陽の経済を支配する 『四富』 に匹敵する列強商人達は

              長安にある常駐軍を統括する鎮西府に日参で通っていた。

 

 

 

        彼らは独自の情報網を使い、

            西方の反乱軍と并州派遣軍との戦いに近日中に

                    朝廷直属の官軍が参戦されることを知った。

 

 

    この情報により商人達は

          

          必要となる兵站物資や輸送手段である馬や牛

          消耗品である弓矢・獣油等の武具や各種の医薬品

          武功を立てたものへの恩賞として与える金や銀等の財宝

          更には、今年の税として徴収される穀物を担保とした金貸し

 

      等の取引が横行し、戦の規模が大きいほど、それだけ動く利益が莫大であることから

       商人たちは下級役人に小銭を掴ませ、情報を引き出したりする等をし、どんな

        か細いツテを伝ってでも、より権限の高い将官に取り入ることに必死であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

   「揚州屈指の名家の御当主 周公瑾様に

               このような場を設けて頂き、私どもとしては感謝の極みです」

 

 

     冥琳は内心もう嫌気が差してきた。

              朝から、これで何人の商人との面会をしたのだろうか。

 

     冥琳は愛想笑いをして

              この商人から小箱に入った黄金

                       を受け取り貴方の誠意は分りました。

 

          

           このことは、孫別部司馬にお伝えいたします。

 

 

 

    と朝から繰り返してきた言葉をこの商人にもいい、鎮西府の将官専用の個室から丁寧に追い出した。

 

 

 

    ふぅ とため息を吐き、

                この商人の誠意を別室に投げ込んだ。

 

       そこには商人たちの誠意が山のように詰まれており

        この山が段々高くなるのにつれて、冥琳の精神的疲労も高くなっていった。

 

 

 

             あと数人の商人と面会する予定がある。

 

 

    しかし、さすがに疲れたので一服することにした。

                 すぐに部屋付きの待女がお茶と甘い茶菓子を出してきた。

 

 

         冥琳はお茶を一口飲んで、ホウ 驚きの声が出た。

     

 

    お茶の産地である州治 建業でもお茶は贅沢な嗜好品であるが、

         北方ではクスリとして珍重され建業では粗悪品でもこちらでは高く売れる。

 

 

    しかし、この鎮西府にあるお茶葉は建業でもなかなか入手できない極上のものであった。

       成る程、これが朝廷のもつ権力と言うわけか、利に敏感な商人達が群がるわけだ。

 

 

 

 

 

 

    冥琳は少し休んだら、段々と腹が立ってきた。

      そもそもこのような商人達との謁見は孫家の仕事であるから雪蓮がするべきだ。

 

    しかし名代として軍議に列席しなければならないと言って逃げて行った。

 

 

    また、別部司馬の参軍(軍事参謀)という肩書きで同行した祭殿も

          出陣準備をしなければならないと称してどこかに逃亡した。

 

 

   

             そして、冥琳が応対する羽目になった。

 

 

    商人達は落胆して帰ると思っていたが相手が周公瑾と聞いただけで、

     揚州の名家と知己になれる。新たな交易路ができると考えたのか逆に増えてしまった。

 

 

    そのおかげもあって、

     遠征に係った軍資金とまではいかないが、たった一日で一財産が稼げた。

 

 

 

   もう十分稼いだことだから、次で最後にしようと冥琳は考え、待女に次を呼ぶように言った。

 

 

 

 

 

             暫くすると、一人の若者が入ってきた。

 

 

        少年と言うには大人びた印象で、

             一見すると市井の着る様な服であるが

               布質・仕立て等全て最高なものであることが伺える。

 

 

 

        何より冥琳が今まで会って来た商人達とは違うニオイを感じた。

 

 

     若者は冥琳に一礼をすると

          「周瑜様ですね。私は許で商いをしております司馬と申します。」

                             と若者は自己紹介をした。

 

     冥琳は自分の名を言われたので一瞬、眉を寄せたが、

                      まぁ商人だから調べたのだろうと考えた。

 

 

    「単刀直入にお聞きしますが、貴殿は我が孫別部司馬に何を売りたいのですかな?」

 

 

     大抵の商人は、南方から参戦したことから兵站物資に困るだろうとか

                 南は船だが北は馬が重要だとか長々しく力説する。

      そして、そのご高説が終った後に、

             冥琳は冷徹にそれらは十分あるお引取り願おう。

         と言うと相手は慌てて冥琳に賄賂を贈り、宜しくお取次ぎをと言う。

 

 

          冥琳はこの若者も他の商人と同じようなものだろうと予想していた。

 

           

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

         「我々が、孫伯符様にお売り致しますのは情報とその排除です」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                冥琳は驚き、相手の顔を見た。

 

 

 

    多くの商人達には孫別部司馬、すなわち孫文台様がいると考え面会を求めている。

     しかし、ここにいるのはその名代として、その娘の雪蓮が来ている。

 

      仮に兵卒に金銭を与えて情報を引き出したとしても、

       下級兵にとって命令指揮官が文台様だろうが雪蓮なのかの違いなんて関係ない。

 

 

    鎮西府の官僚にとっても、同じ孫家の人という認識の程度である。

 

 

    また、雪蓮と冥琳は先行して長安に来たが、

         祭殿が引き連れて来た私兵や前線指揮官等は昨日の

           深夜に到着したばかりで部外者と接触する時間は無い筈である。

 

 

            面白い。  冥琳はこの若き商人に興味を覚えた。

 

 

      「ほぅ、貴殿が我々との取引するという情報等とは如何なるものですかな」

 

     若き商人は、冥琳が話しに乗ってきたので微笑みながら言った。

 

      「さすが、孫呉の前部大督(前線総司令)、話が早い」

                       と若き商人は訳のわからないこと言った。

 

    現在の冥琳の立場は孫家の私臣であり、そのような官職に就いているわけではない。

     ましてや、孫家の拠点は江南であり、孫呉等と言われたことがない。

      冥琳はこの若き商人をジッと観察した。若き商人は一向に気にする風もない。

 

 

 

 

 

     「そうですね情報は鮮度ですから、我々の誠意として一つ披露しましょう」

 

      と若き商人は冥琳の顔を見据えて言った。

            

 

              これから派遣される官軍は半減します。

 

 

      これを聞いた冥琳は椅子の敷物の下に隠していた匕首に手を伸ばし服の下に入れた。

 

        そして、出来るだけ平静をよそおって冥琳は その根拠は と聞いた。

             

                 「朝廷内での派閥です」

          

           とお茶を濁した。すなわち、これから先は有料だと。

 

 

 

       冥琳は立ち上がり、ゆっくりとこの若き商人に近づき

              指先でその若き商人の顔から胸までなでるように愛撫し

 

           私としてはもっと貴殿のことを良く知りたくなった。

                       

                    と耳元で息を吹きかけるように言った。

 

 

       更に、

           私もオンナだ。これ以上野暮なことを言わせるな。

       

                            と冥琳は豊胸を押し付けた。

 

 

 

 

 

 

      普通のオトコなら冥琳ほどの色仕掛けなら大抵の者は前後不覚になるだろう。

       しかし意外にもこの若き商人は至って平然とし、更に侮蔑を込めて言い放った。

 

        「周公瑾様ともあろうお方が、市井の女のような下策の色仕掛けですか」

 

           冥琳は素早く匕首を取り出し、若き商人の喉元に押し付けた。

 

            「 官軍や朝廷の内情を知るとは、貴様、何処の者だ 」

 

           しかし、若き商人は冥琳の脅迫にも動じることはなかった。

 

 

 

              コイツ、この周公瑾が殺す気がないことも・・・

 

           

           冥琳は、分かった。 

               と言って匕首を机の上に放り投げ、元の席に座った。

 

 

 

           では、その情報とは と冥琳が聞くと、若き商人は言った。

 

              「 敵は何も外部だけではありません 」

 

           つまり、孫家の行動を心思わしくない

                    朝廷か諸侯が仕掛ける情報等を提供すると。

 

         冥琳は今日、一日中聞いてきた商人達の提案の中で最高な提案なので微笑した。

 

         そして、冥琳は、ではその情報の対価は何を支払えばいいのかなと聞いた。

 

 

 

 

 

         若き商人は無表情で、力強く言った。

 

               「これから荊州に刺史として赴任する 劉表の暗殺」

 

 

         確か現在の荊州刺史は王叡のはずだが・・・・

          そして、この男は我々と称したことから、その背後はどこかの諸侯なのだろう。

 

         冥琳は少し考え、よかろう、そのようになったら実行しよう。と約定した

 

 

         そして冥琳は、司馬というのは偽名だろう信頼の証に本名を告げろと言った。

 

         

         ここで初めて、この若き商人は言うべきかなのか、なにか躊躇していた。

           しかし、決心し「私の名前はホンゴウです。」と言った。

 

         

         そして、無事取引が終了して若き商人が部屋を退出しようとしたとき

           冥琳はこの若い商人に言った。

 

          「女の色香に惑わされないとは、貴殿は男色の気があるのか」

         

           このとき、若き商人は物凄くイヤな顔をしたので、

                        冥琳はやり返してやったと喜んだ。

 

 

 

 

 

 

         そして、商人達との謁見を終えた冥琳は、

             そろそろ雪蓮も軍議が終えただろうと雪蓮の部屋を訪れた。

 

 

         そこでは、雪蓮は酒を飲みながら、祭にグチを言っていた。     

 

        「それにしても、お母様には騙されたわ! 

              西方はイヤね。ゴハンは不味いし、お酒も美味しくない」

 

         その様子を見ていた孫別部司馬の参軍として、

                    この戦に同行した黄蓋は笑いながら言った。

  

        「ハハハッ、策殿はそんなに故郷が恋しいですかな。

                 まあ、こちらの酒も飲み慣れればオツなものだが」

                       雪蓮は祭を睨みながら穂を膨らませた。

  

        「祭のイジワル! 

             祭がお目付け役として同行した時点で気づくべきだったわ!」

  

         という雪蓮を笑いながら手酌で酒を飲む祭の杯を冥琳は奪い

        「祭殿! 酒は控えてください。

            これから出陣するするというのに将が酔っ払っていては・・・」

        「この程度の酒では水に過ぎない。」

                      とせめて杯にある酒だけは死守していた。

 

 

 

 

 

 

        そうこうしている内に、出陣の準備が整い、

                 前線指揮官達が次の命令を受けるべく集まってきた。

          冥琳はタメ息をつきながら、雪蓮に説明するように促した。

            雪蓮は、孫家嫡子としての顔になり、軍議の結果を一同に説明した。

 

 

        「ほーっ、総大将は賊軍に対して野戦を挑むと・・・フム。で、公瑾殿はどうお考えかな」

                                と祭は冥琳に話を振った。

 

 

        冥琳は、意地の悪そうな顔をしている祭に、

                         唾を飲み込んで慎重に考えるのであった。

   

       今回の西方戦線に参陣したのは、

          主 孫文台の朝廷での発言力を高め、官位を得る為の軍事行動。

       しかし、それはあくまで表向きで

          実際は孫家嫡子の孫伯符とその臣である周公瑾の能力を試す為である。

   

       そして、文台様の信が厚い祭殿が我々のお目付け役として同行したことから。

   

 

                 ここで出すべき答えは・・・ 

 

 

 

 

 

    「・・・・祭殿。孫別部司馬として割り振られた官兵の質は、祭殿がみて如何でしょうか」

    祭は意外な質問がきたことから、嬉しそうに答えた。

    「そうさのう、・・・我々が私兵として率いてきた弓兵三千以外は使い物にならない」

 

      冥琳は祭から、この答えを得て己の考えに

             間違いがないことを確信して一同に言うのであった。

   

 

 

      官軍の動員兵数八万のうち、二万が我が軍に割り振られている。

         だが、実際に戦力となるのは我々が率いた兵三千以外は戦力とならない。

 

      しかし、この私兵三千は元々水戦を得意としていた兵であり、

         馬による移動には不慣れで他の兵種との連携が取りづらい。

   

      そこで、本来牽制として先陣に弓兵がつくが、

         配置を変更して官軍を盾として使い、我々が率いた

           兵を出来るだけ温存し次の戦に即応できるようにする。

 

 

 

     と一同に言い終わった冥琳は、笑みを浮かべている祭の表情から次第したことに安堵した。

     しかし、この安堵は雪蓮の一言によってかき消されるのであった。

 

 

 

 

 

      「・・・・冥琳、官兵は二万ではなく実質一万弱しかいないのよ」

       

               冥琳はこの話に驚愕した。

   

 

       雪蓮は何故かと質問する将たちを黙らせて言った。

   

         朝廷として派遣される官兵は八万と決定された。

              これは事実だが、現場ではその半分しかいない。

         これは朝廷で決定された勅令を誰かが書き換え、

              その余りの四万人分の軍資金を誰かが着服した。  

   

 

             その為、動員される官兵は四万しかいないと。

 

   

      「う~む、ここまで朝廷が腐敗していたとは・・・」

       と唸る祭に雪蓮は、それも一人でなはく、その過程にいる人物、全てが疑わしい。

       施政者として帝王学を受けてきた雪蓮は不快をあらわに言った。

   

         

 

           冥琳は先程のホンゴウの言った通りとなった。

 

        となると、これから先には朝廷又は諸侯から何等かの妨害工作があると。

 

 

 

 

次回につづく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(あとがき)

 

 

 

 

    はじめまして、この度は  美陽攻略戦 第七ターン をご覧になって頂きまして

 

 

    ありがとうございました。

 

 

 

        多分読者の方は、何で呉のメンツが西に来ているんだと疑問に思った方が

       いらっしゃると思います。孫家を調べてみると面白いことに初代孫堅は結構

       洛陽周辺で戦闘をしており、この西域地区でも今回のお話にあるように別部

       司馬として実際に戦っております。

 

        そして、多分古参である黄蓋はもちろん同行しているだろうし、孫策も北

       で初陣ないし実際に戦闘指揮をとっているだろうと考えられます。

 

        しかし、周瑜は参戦しておらず、初代が褒美として官位を貰った頃に周瑜

       と孫策は出会い、これ以降から「断金の交わり」となったそうです。

 

       

        本編では、NPCが多くなり恋姫キャラが少なくなることから孫ママは出

       陣させず、後継者の教育の場として2人を出陣させ、監視として祭をつける

       ことにより恋姫キャラを前面に出しております。

 

       

        この後の予定ですが、ネタばれすると面白くないようですが、この戦は実際

       に両軍が戦うだけではなく、朝廷を舞台とした名家同士の代理戦争でもあり

       ます。そのため、まだコマが揃っていませんので、阿鼻叫喚となる戦闘シーン

       は残念ながら、まだ先の話となります。

             (書いてる本人も「まだかー!」という気分です)

        

        あと、『真』を重視するならエロエロ描写も、もう少し・・・

             

  

 

     最後まで、本編をお読み頂きましてありがとうございました。

 

 

 

 

 

 


 
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