No.1002735

英雄伝説~灰の騎士の成り上がり~

soranoさん

第40話

2019-08-24 23:45:54 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:3419   閲覧ユーザー数:2819

~カレル離宮近辺~

 

「な…………に…………?」

「高所からの狙撃!?」

「お前達(ら)との戦いで俺達の注意が完全にお前達に逸れている所に予め潜ませていた狙撃手(スナイパー)による狙撃が”本命”か…………ったく、少し見ない内に随分と容赦ない性格になったようだな、シュバルツァーは。」

「何か勘違いしているようですが…………”今回の作戦の本命はNo.Ⅰの抹殺ですから、本命はまだ終わっていませんわよ。”」

ステラの狙撃によって額を撃ち抜かれたガレスは呆然とし、それを見たクレア少佐は驚いた後ステラがいる高所に視線を向け、真剣な表情で推測をしたレクター少佐は溜息を吐いた後苦笑しながらリィンに視線を向け、レクター少佐の言葉に対してデュバリィは静かな表情で反論し

「フム、それにしても10代であれ程の狙撃ができるとは。もしかすれば、狙撃の腕前に限ればお前ともいい勝負をするのではないか?」

「フフッ、機会があればどちらが早く標的を討てるかの勝負をしてみたいものね。」

感心した様子でステラがいる高所に視線を向けたアイネスの言葉に続くようにエンネアは興味ありげな表情を浮かべて答えた。

 

「まさか…………”閃撃”であるこの俺が…………狙撃で討たれる…………とは…………シャーリィ様…………申し訳…………ございま…………」

「ガレス…………」

「…………もしかしてミュゼ君のさっきの狙撃は今の狙撃を成功させる為の”囮”かい?」

「ふふっ、さすがはアンゼリカお姉様。この場には”猟兵王”を始めとした相当な使い手が揃っていますからね。”本命の狙撃”に気づかれないようにダメ元のサポートをしてみましたけど、”猟兵王”達も戦闘で疲弊していたお陰で成功しましたわ♪」

額を撃ち抜かれた事で自分が”死”に近づいている事を悟ったガレスは悔しそうな表情を浮かべて絶命し、ガレスの様子をシャーリィは静かな表情で見つめ、ミュゼの行動を察したアンゼリカは複雑そうな表情でミュゼに問いかけ、問いかけられたミュゼは小悪魔な笑みを浮かべて答えた。

「ったく、この俺まで騙すなんざとんでもない嬢ちゃんだぜ…………」

「まさか狙撃手(スナイパー)の名手であった”閃撃”が狙撃で討たれるとはな…………」

「クソッ、狙撃手(スナイパー)まで用意しているとか、内戦の時とは比べ物にならないくらい容赦がなくなったようやな、坊(ぼん)…………!」

アンゼリカの問いかけに答えたミュゼの答えを聞いたルトガーは苦笑し、ガレスの”死”を見たレオニダスは重々しい様子を纏って呟き、ゼノは唇を噛み締めてリィンを睨んだ。

 

「フフッ、そっちも余所見している暇はあるのかな?”戦いはまだ続いているよ?”」

「!!」

「チィ…………ッ!」

するとその時フルーレティが転位魔術でレオニダスとゼノに奇襲し、フルーレティの奇襲攻撃を二人は間一髪のタイミングで回避したが

「”猟兵王”に止めを刺す。リリカ、ユリーシャ、フィア!詠唱時間の短い神聖魔術で奴を集中攻撃しろ!」

「はいっ!月の光よ――――――青月光!!」

「おまかせくださいっ!裁きを――――――光焔!!」

「まっかせて~!浄化の光よ――――――聖光衝撃!!」

ジェダルはリリカ達に指示をし、指示をされたリリカ達はそれぞれ威力が低い代わりに詠唱時間が短く発動が早い神聖魔術でルトガーを集中攻撃し

「喰らえっ!!」

「ぐああああああああっ!?」

「団長…………ッ!?」

更にジェダルも”大天使の絵札”を掲げて追撃し、4種類の神聖魔術を一斉に受けたルトガーは悲鳴を上げて怯み、それを見たフィーは心配そうな表情で声を上げた。そしてジェダルはルトガーに向かって突撃しルトガーに止めを刺そうとしたその時レオニダスがルトガーの前に飛び込んだ。

 

「団長はやらせん…………ッ!

突撃してくるジェダルに対してレオニダスは迎撃の構えをしたが

「やはり”狙い通り、誘いに乗ったか。”」

「何!?」

「逃げろ、レオ!奴の狙いは俺じゃなくてお前だ!」

「禍汲斬(ガルベリオ)!!」

静かな口調で呟いたジェダルの言葉を聞くと驚き、ジェダルの言葉を聞いて瞬時にジェダルの”狙い”を理解したルトガーがレオニダスに警告したその時、ジェダルはレオニダス目掛けて大剣を振るい、ジェダルの攻撃に対してレオニダスはマシンガントレットで防御したが人間離れしたジェダルの剛腕によって振るわれた技の前には防御は意味を為さず、レオニダスのマシンガントレットを易々と破壊すると共にガントレットを装着していたレオニダスの腕を切り落とした!

 

「があああああっ!?」

「レオ…………ッ!」

得物ごと腕を切り落とされた痛みにレオニダスが思わず悲鳴を上げるとフィーは辛そうな表情で声を上げ

「レオも団長もやらせへんで!」

「!!」

ゼノはジェダルに追撃をさせない為にジェダルを狙撃し、ゼノの狙撃に瞬時に気づいたジェダルは大きく後ろに跳躍して回避した。

(好機…………ッ!)

ゼノの行動を見たステラは再び狙撃を行い、ステラの正確無比な狙撃による銃弾はゼノのこめかみに命中した!

 

「…………ぁ…………ハハッ…………狙撃手(スナイパー)がいるとわかっていたのに…………俺とした事が…………悪い…………団長…………レオ…………フィー…………」

「「ゼノッ!?」

「ゼノ――――――ッ!」

銃弾がこめかみに命中したゼノは呆けた後寂しげな笑みを浮かべた後絶命して地面に倒れ、それを見たルトガーとレオニダスは驚きの声を上げ、フィーは悲鳴を上げた。

「――――”戦いはまだ続いている。”確かに彼女の仰った通り、作戦はまだ終わっていないのですから、戦闘を続行する必要がありますね。」

「ええ。今回の作戦は”敵の殲滅”が目的ではありませんが、手柄首を討てる絶好の機会があるのならば、それを逃す理由はありませんわ。」

静かな表情で呟いた後双剣を再び構えなおしたオリエの意見に頷いたデュバリィも剣と盾を構えなおし、デュバリィに続くように他の二人もそれぞれの武装を構えなおした。

「チッ、戦闘で疲弊している状況で達人(マスター)や執行者クラスの連中とやり合いつつも高所にいる狙撃手(スナイパー)にも注意するとか、冗談抜きでヤベェんじゃねぇのか…………!?」

「これも世界を終わらせようとする宰相閣下に協力している事やミリアムちゃんを見捨てた挙句皇太子殿下まで利用した”報い”かもしれませんね…………」

戦闘を再開しようとするオリエ達の行動を見たレクター少佐は舌打ちをして厳しい表情を浮かべ、クレア少佐は寂しげな笑みを浮かべてそれぞれの武装を構え直し、プリネ達もそれぞれ戦闘を再開する為に武装を構え直すとシャーリィとカンパネルラが戦闘の構えを再びしている中攻撃手段である戦術殻を失ったアルベリヒとゲオルグは身構えた。

 

「セ、セレーネ達まで武器を構え直したって事は…………」

「この場で”黒”を含めた鉄血宰相に協力する使い手達を”殲滅”するつもりか…………」

「お願い、リィン…………シャロンを…………父様を殺さないで…………ッ!」

「もう止めて…………止めてよ…………」

「もう十分でしょう、リィン!?今すぐ狙撃手(スナイパー)やセレーネ達に追撃を止めさせなさい!!」

シャーリィと再び対峙しているセレーネ達を見てある事を察したエリオットは不安そうな表情を浮かべ、ローゼリアは重々しい様子を纏って呟き、アリサとトワは悲痛そうな表情でリィンに嘆願し、サラは厳しい表情でリィンに要求した。

 

 

あァ、いいゼ…………ここからはもう”遠慮”はなしで、俺の”好きなようにやらせて貰うぜぇっ!!”

 

 

突如絶命したはずのマクバーンの声が周囲に響き渡り、それを聞いたリィン達がそれぞれ退避してエリゼ達の所まで戻るとマクバーンの遺体から凄まじい黒い焔が噴出した後マクバーンの遺体があった場所に”真の姿”を現わした堕ちたる”外”の魔神――――――メア(M)=ク(C)=バルウド(B U)=ルアウング(R N)が顕現した!

「…………ぁ…………」

「…………”神”…………?」

「!いけない…………!フィア、そっちは任せていいわね!?」

「う、うん…………!今から結界を展開するからジェダル達は私から離れないでね…………!」

「ああ、頼む。」

「デュバリィ、プリネ皇女!貴女達は私達の元に退避しなさい!」

「わかりましたわ!」

「はい!」

「ベルフェゴール!転位魔術でステラを回収して俺達の元にステラと共に転位で来てくれ!」

「わかったわ!」

魔神と化したマクバーンを見たエリオットとクルトは仲間達がそれぞれ驚いている中それぞれ思わず呆けた声を出し、周囲の空間の異変に気づいたアイドスとフィアはそれぞれ結界を展開して仲間達を守り、リィンの指示を受けたベルフェゴールは転位魔術でステラの元に転位した後ステラと共にリィン達の元に転位した。

 

「やれやれ…………まさか灰のお兄さん達が彼を此処まで追い詰めるなんて想定外過ぎる…………というかこのままだと僕達も不味いな。」

「またしても想定外(イレギュラー)を起こしてくれたな、忌々しき灰の起動者(ライザー)が…………!――――――魔女の”長”に”深淵”、そして”守護騎士”よ。今この場で世界を終わらせる事は双方にとって防ぐべきことなのでは?」

一方カンパネルラは溜息を吐き、アルベリヒはリィンを睨んだ後ローゼリア達に協力を要請し

「フン、貴様にだけは言われる筋合いはない――――――が、今この時だけ手を貸してやる。」

「フウ…………仕方ないわね。」

「止むを得ない状況ですからね。」

アルベリヒの要請にそれぞれ不本意な様子を見せながらも答えた三人はカンパネルラとアルベリヒと共に五重の結界を展開し、五人が協力して展開した結界によって”魔神化”したマクバーンの顕現の影響で破壊されかけようとしていた空間の異状は防がれた。

 

「クク…………これだこれ。ずいぶん懐かしいっつーか…………”まだ”記憶は戻らねぇか…………ま、想定の範囲内だな。”鉄血”か”嵐の剣神”に相手してもらおうと思ったがこの際、お前らで構わねぇ。全員纏めてかかってこいやぁっ!!」

「…………言ったはずだ。今回の作戦でアンタを”必ず討つ”とな。そしてサンドロット卿の情報提供で”アンタの正体も予めわかっていた”にも関わらず、メンフィル・クロスベル連合(俺達)が何の対策も取らずに今回の作戦を実行したと思っているのか?」

好戦的な笑みを浮かべてリィン達に戦闘の再開を促したマクバーンに対してリィンは落ち着いた様子で答えた後神剣をマクバーンに向けて宣言し

「クク、だったらその”対抗策”とやらが”遠慮なしの俺”相手に通じるか試してみろやぁっ!ジリオン――――――ハザードッ!!」

そしてリィンの宣言に対して不敵な笑みを浮かべたマクバーンが両手に凝縮した巨大な大火球をリィン達に放ったその時!

「頼む、アイドス!」

「ええ、任せて!星芒よ!我が呼びかけに応え、今こそ我等を護りたまえ!オリンポスの星護壁!!」

リィンの呼びかけに力強く頷いたアイドスが大結界を展開してマクバーンのSクラフトを完全に防いだ。

 

「セレーネ、ベルフェゴール、メサイア!」

「はい、お兄様!お願いします、お姉様!ハァァァァァァ…………グオオオオオオオオ――――――ッ!!」

「いいよ、セレーネ!ハァァァァァァ…………グオオオオオオオオ――――――ッ!!」

「任せて♪ふふっ、”これ”を撃つの久しぶりだから、思いっきりいくわよ~♪」

「お任せください!例え”魔神”や”神”であろうと”これ”に対しては無傷ではいられないはずですわ…………!」

更にマクバーンに反撃する為のリィンの指示に頷いたセレーネはツーヤと視線を交わした後ツーヤと共に上空へと跳躍し、同時に竜化し、ベルフェゴールとメサイアは足元に巨大な魔法陣を展開すると共に魔術の詠唱を開始した。

「なああああああああっ!?」

「セレーネともう一人の女性が”竜”に…………」

「あれが竜族であるセレーネさんの”真の姿”…………」

「ちょ、ちょっと!?あの二人が展開している魔法陣の規模からして、間違いなく”天災”クラスの魔術が放たれると思うけど、一体何をするつもりなのよ…………!?」

一方竜化したセレーネを見たマキアスは驚きの声を上げ、ガイウスとエマは呆け、ベルフェゴールとメサイアの様子に気づいたセリーヌは血相を変えてベルフェゴールとメサイアを見つめた。

 

「「アルフクラスト――――――ッ!!」」

「!?ハハハハハハッ!いイぜェッ!ヤれるものなら、ヤってみろやァ!!」

同時に竜化したセレーネは雷光のドラゴンブレスを、ツーヤは水のドラゴンブレスを放ち、放たれたドラゴンブレスは合体して超越したエネルギーとなってマクバーンに襲い掛かったがマクバーンの周囲に自動的に展開された謎の結界に防がれた。しかし二人がそれぞれブレスを放ち続けている事でマクバーンに襲い掛かる超越エネルギーは消えることなく謎の結界に罅を入れ始め、それを見たマクバーンは面白そうに見守っていた。

「我招く、訃音(むいん)の焦熱(しょうねつ)に是非(じひ)は無く!汝(なんじ)にあまねく厄(やく)を逃れる術(すべ)も無し!!」

するとその時大魔術を発動したベルフェゴールによって空より無数の隕石が降り注いでマクバーンの結界の罅を大きくし

「――――メテオスウォーム!!」

止めに離宮をも覆う程の巨大な隕石が空よりマクバーン目掛けて降り注いだ!

 

「な――――――」

「ちょっ、そんなのアリ!?」

「ありえない…………何者なんだ、彼女は…………!?」

「宇宙(そら)から隕石(メテオ)を呼び寄せるじゃと!?」

「…………まさか現実の世界であの魔術を見る事になるとはな。」

「ハハ………リィン君が新たに仲間にした”魔神”と思われる女性もあの大魔術を扱えるとはね。」

ベルフェゴールが呼び寄せた巨大な隕石を見たアルベリヒは驚きのあまり絶句し、カンパネルラとゲオルグ、ローゼリアは信じられない表情で声を上げ、ミュラーは重々しい様子を纏って呟き、オリヴァルト皇子は疲れた表情で呟き

「――――――伏せてください、皆さん!」

「隕石(メテオ)による衝撃が来るわよ――――――ッ!!」

エマとセリーヌがアリサ達に警告したその時、巨大な隕石は罅だらけの結界にぶつかるとそのままマクバーンに襲い掛かり、更に結界が破壊された事でセレーネとツーヤが放ち続ける超越エネルギーもマクバーンに襲い掛かった!

 

「オオオオオオオォォォォ…………ッ!?」

巨大な隕石と超越エネルギーはマクバーンに命中するとドーム型の大爆発を起こし、マクバーンは3人の超越した攻撃に必死に耐えていた。

「我、久遠の絆断たんと欲すれば………言の葉は降魔の剣と化し汝を討つだろう………」

そこに魔術の詠唱を終えたメサイアが大魔術を発動すると、マクバーンの頭上の異空間から巨大な漆黒の刃を持った巨大な槍が出て来て、空中で廻った後自らが向かうマクバーンに刃を向け

「ファイナルチェリオ!!」

メサイアが魔術の名を言い終わると巨大な槍はマクバーン向けて襲い掛かり、マクバーンの胴体を貫いた!

「ぐがあああああああっ!?」

「何と凄まじい魔術…………(ひょっとすれば、聖痕(スティグマ)を解放したバルクホルン卿の”力”をも上回るかもしれませんね…………)」

メサイアの大魔術によって胴体を貫かれて悲鳴を上げたマクバーンを見たトマスは驚愕の表情を浮かべてある人物のSクラフトとメサイアの大魔術を比べていた。

 

「これで決める!――――――援護を頼む、ユリーシャ!」

「お任せください、我が主!光よ!!」

そしてマクバーンに止めを刺す為にリィンはユリーシャと視線を交わして頷くとユリーシャが発動した魔術によってマクバーンは光の檻によって包み込まれ

「闇を斬り裂く神焔の一刀!断ち切れ!」

リィンは空高くへと跳躍した後マクバーン目掛けて自らの身に秘められる”慈悲の大女神”の力と自身の闘気による炎によって”神焔”と化した炎を宿した太刀を振り下ろし、リィンが太刀を振り下ろす瞬間にユリーシャは光の檻を炸裂させて光の大爆発を起こした!

 

「「奥義!天覇!神焔断――――――ッ!!」」

 

「な…………あ…………っ!?」

リィンとユリーシャの協力技(コンビクラフト)――――――天覇神焔断によって一刀両断されたマクバーンは信じられない表情を浮かべ

「あぁ…………そうか…………俺の”いた”世界は…………もう…………クク…………やってくれたじゃねぇか、カンパネルラ…………ッ!」

「ふふっ、何の事を言っているのやら僕にはわからないよ。それにもうすぐ消滅する君に凄まれても怖くもないけどね。」

すぐに何かを悟った後カンパネルラに視線を向け、視線を向けられたカンパネルラは軽く流した。

 

「チッ…………だったら俺も”深淵”や”怪盗紳士”のようにせめてもの”意趣返し”をしてやるよ。」

「へ。」

「――――――受け取りな、シュバルツァー、深淵、光の剣匠、放蕩皇子。」

そして舌打ちをした後不敵な笑みを浮かべたマクバーンの言葉にカンパネルラが呆けたその時マクバーンは焔の神気を凝縮させ、結晶化させたものをリィンとクロチルダに一つずつ、そしてオリヴァルト皇子には二つの結晶をそれぞれの手に受け取らせ、更にはアルゼイド子爵には結晶化していない焔の神気をそのままアルゼイド子爵の身体の中へと吸い込ませた。

「これは…………」

「焔の神気…………何という清冽な…………」

「”神なる焔”――――――本物の”カクヅチ”という訳ですか…………」

マクバーンが渡した焔の神気を身体に吸い込まれた事で自分に起こった状態を理解したアルゼイド子爵は驚きの表情を浮かべ、ローゼリアとトマスはマクバーンが渡した焔の神気の結晶を見て驚いていた。

 

「ま、一回切りだろうから、ここぞという時にでも使えや。――――――そいつがあれば、”不死者”となったクロウや”呪い”に侵された皇太子、それに”剣”になった”白兎”の状況を変える”何か”にはなるかもしれないぜ。」

「何…………っ!?」

「ミリアムちゃんやクロウ君、それに皇太子殿下の状況を打破する為の”可能性”…………」

「…………礼を言うわ、マクバーン。」

「私からも礼を言うよ。――――――ありがとう。」

マクバーンの説明を聞いたユーシスは驚き、トワは呆け、クロチルダとオリヴァルト皇子は静かな表情で感謝の言葉を述べ

「父上には結晶化したものではなく、直接”神気”を渡したようだが…………あれは一体…………」

ラウラは困惑の表情でアルゼイド子爵に視線を向けた。

 

「――――――実は”煌魔城”での戦いで彼の”焔”によって私の呼吸器系に後遺症が残っていた事で以前のような力は発揮できなかったのだが…………先程の神気でそれも完全に治癒した。」

「そ、そうだったのですか…………!?」

「という事は”星杯”では”本気”を出せない状況であの化物と渡り合っていたのですか…………」

「…………さすがは子爵閣下です。」

アルゼイド子爵の説明を聞いた仲間達がそれぞれ血相を変えている中ラウラは驚き、サラは苦笑し、ミュラーは静かな笑みを浮かべていた。

「ま、不可抗力だったとはいえ、”光の剣匠”に渡したそれは”詫び”のようなものだ。」

「おのれ…………余計な真似を…………!」

「やれやれ…………亡き盟主が君達”執行者”に与えた神聖な”権利”にどうこう言うつもりはないけど、まさかこんな形で”意趣返し”してくるとは想定外だよ。」

マクバーンがアルゼイド子爵に対する説明を終えるとアルベリヒはマクバーンを睨み、カンパネルラは苦笑していた。

 

「さっきのアンタの行動の”意図”は理解できたが…………何故、アンタを直接討ち取った俺にまで渡したんだ?」

「「兄様…………」」

静かな表情でマクバーンに問いかけるリィンをエリゼとエリスはそれぞれ静かな表情を浮かべて見守り

「クク、お前には失っていた俺の”記憶”を取り戻す協力した”礼”代わりとこの俺を殺した”ご褒美”だ。――――――テメェはこの俺を殺ったんだ。”鉄血”に殺られんじゃねぇぞ?」

リィンの問いかけに対してマクバーンは不敵な笑みを浮かべて答えた。

「ああ。この戦争を終わらせる為…………過去の因縁を断つ為…………そしてメンフィル・クロスベル連合――――――いや、ゼムリア大陸とメンフィルの未来の為にもオズボーン宰相はこの俺が”必ず討つ。”」

「リィン…………」

「リィンさん…………」

「ったく…………それがお前の”答え”なんて”お前らしくねぇんじゃねぇか”、シュバルツァー。」

「フン、”駒”に過ぎない者如きが妄言を…………」

マクバーンの言葉に対して決意の表情で答えたリィンの答えを聞いたアリサとクレア少佐は辛そうな表情を浮かべ、レクター少佐は複雑そうな表情を浮かべ、アルベリヒはリィンを睨んでいた。

 

「クク、その意気だ。――――――じゃあな…………次会う時までにくたばんじゃねぇぞ、アリアンロード…………レーヴェと神速はアリアンロードと”同格”くらいにはなっておけよ…………」

「No.Ⅰ…………ええ、私の目標はマスターなのですから、貴方に言われなくてもいつか必ずマスターの”領域”に届いて見せますわ!」

「少なくても次に邂逅する時が来れば、お前を楽しませてやる事くらいは保証してやろう。」

「これも一時の別れ…………新たなる生を預かるまで安らかな眠りにつくことを祈っています――――――”外の理”から来た異界の王よ。」

リィンの答えを聞いて満足げな笑みを浮かべたマクバーンはリアンヌ達に最後の言葉を告げ、マクバーンの言葉に対して一瞬だけ驚きの表情を浮かべたデュバリィは真剣な表情を浮かべて答え、レーヴェとリアンヌが静かな表情で答えるとマクバーンは満足げな笑みを浮かべたまま消滅した。

 

「…………――――――結社”身喰らう蛇”の”執行者”No.Ⅰ”劫炎のマクバーン”の討伐を確認。現時点を持って作戦を完了して構いませんか、サンドロット卿、プリネ皇女殿下、ジェダルさん。」

「ええ。”劫炎”以外に二人も討ち取れたのですから戦果として十分です。」

「…………ヴァイスハイト皇帝からの今回の依頼内容は様々な勢力の使い手達を迎撃する作戦を実行するお前達の加勢だ。その作戦をお前達が終了するのならば、俺からは特にいう事はない。」

「あまり時間をかけていれば、いずれはエレボニア帝国軍もかけつけて面倒な事になるでしょうから長居は無用です。」

リィンの意見に対してプリネとジェダル、リアンヌはそれぞれリィンの意見に賛成し

「――――――そういう訳だ。後顧の憂いであるアンタ達はできればこの場で討ち取っておきたいが…………俺達の事情と”劫炎”の”死”に免じてアンタ達が退く事を許可する。――――――さっさと俺達の前から消えてくれ。」

「リィン…………」

「ハハッ、今度はわざと見逃されるとか落ちぶれたもんだねぇ、西風の旅団(おれたち)も。」

「今回の戦いで受けた西風の旅団(おれたち)の屈辱とゼノの仇はクロスベルの件も併せていずれ何倍にしても返させてもらう…………!」

「シャーリィは”仇”とかには拘らないけど、やられっぱなしなのはさすがにシャクだから”猟兵王”と”同じ”になってからリベンジさせてもらうね~。」

「やれやれ、僕は”灰”のお兄さん達とはもう金輪際会いたくないよ、様々な意味で。」

リィンの指示に対してアリサが安堵の表情を浮かべている中、ルトガーは苦笑し、レオニダスはリィン達を睨み、シャーリィは暢気な様子で声をかけ、カンパネルラは疲れた表情で溜息を吐いた。

 

「おのれ…………っ!”駒”に過ぎない貴様ごときが想定外(イレギュラー)ばかりを起こした挙句、あまつさえこの私達を”見逃す”だと…………!?ならばそれがどれだけ”傲慢”な事か思い知らせてくれる…………!」

「何をするつもりなんだ、アルベリヒ…………!?」

一方アルベリヒは憎悪の表情でリィンを睨んだ後その場で魔術の詠唱をし、それを見たゲオルグが困惑の表情を浮かべてアルベリヒに声をかけたその時アルベリヒ達の背後に凄まじい瘴気を全身に纏った漆黒の巨大な竜――――――900年前にヘイムダルを”死都”と化させた元凶である暗黒竜ゾロ=アグルーガが姿を現した!

 

「――――――!!」

「…………ッ!」

「…………なんという威容…………」

「まさかあれは900年前に帝都を死都と化させた…………!」

「暗黒竜の”本体”か…………」

「まさか既に復活しておったとは…………!」

暗黒竜の登場にクルトは息を呑み、ラウラは真剣な表情で呟き、暗黒竜の正体を察したトマスとオリヴァルト皇子、ローゼリアは厳しい表情を浮かべ

「以前戦った”骨”とは比べ物にならないね…………」

「ああ…………どうやらあれはただの抜け殻だったらしいが…………」

「”本体”はここまでなんだ…………」

かつての特別実習で暗黒竜の”骨”と戦った事があるフィーの分析に頷いたマキアスとエリオットは不安そうな表情を浮かべ

「クク、”格”で言えば”劫炎”の”真の姿”には及ばぬが”紅蓮の魔王”以上の存在だ。仲間が大切ならば、せいぜい聖女と協力して倒してみるがいい。」

アルベリヒは不敵な笑みを浮かべて答えた後転位魔術で様々な勢力の使い手達と共に転位し、その場から撤退した。

 

「あんなとんでもないものを呼び寄せておきながら、自分達は撤退か、愚か者が…………!」

「しかも私達を守る為にリィン君達が戦うと確信している様子だったね…………」

「父様…………」

「今はそんな事を気にしている暇はないわ!あんなものをほおっておいたら、それこそ900年前のように帝都は”死都”と化するわよ!?」

「――――――”君達の今の立場上”、君達が私達と共に戦う事は正直言ってあまりよくない事かもしれないが、帝都にいる民達の為…………そして父上達の為にも協力してくれないか、リィン君、アルフィン。――――――どうか、この通りだ。」

「お兄様…………」

アルベリヒ達が消えた後ユーシスは厳しい表情で声を上げ、アンゼリカは複雑そうな表情を浮かべて辛そうな表情で肩を落としているアリサに視線を向け、サラはアリサ達に警告し、オリヴァルト皇子は真剣な表情でリィン達を見つめた後頭を下げて協力の嘆願をし、それを見ていたアルフィンは複雑そうな表情を浮かべた。するとその時通信の音が鳴り始め、音に気づいたリィンは自身のENIGMAで通信を開始した。

 

「――――――こちらシュバルツァー。…………――――――!了解しました。――――――エリゼ、エリス、サンドロット卿。リフィア殿下よりせっかくの機会の為、”ヴァリマール達の力”を存分に奮って目の前の竜を滅せよとの事です!」

「「はいっ!」」

「いいでしょう。」

通信を終えたリィンの言葉にエリゼとエリス、リアンヌはそれぞれ力強く頷き、それぞれ”騎神”を呼ぶ態勢に入り

「へ。」

「エ、エリゼちゃん達までリィンみたいにヴァリマールを呼ぶみたいな動作をしているって事は…………!?」

「まさか…………エリゼさん達まで起動者(ライザー)になったのですか!?」

「………………………………」

その様子を見たアリサは呆けた声を出し、エリオットとエマは信じられない表情で声を上げ、セリーヌが驚愕の表情を浮かべてリィン達を見つめたその時!

「来い――――――”灰の騎神”ヴァリマール!!」

「来て――――――”白の神機”ヴァイスリッター!!」

「応えて―――――”金の騎神”エル・プラドー!!」

「顕現せよ――――”銀の騎神”アルグレオン!!」

リィン達はそれぞれ心強き相棒の名を呼んだ!

 

 

~メンフィル帝国軍・ヴァリアント・格納庫~

 

「「「「応――――――ッ!!」」」」

リィン達の呼びかけに答えたヴァリマール達はそれぞれ格納庫から外に向かって飛び上がってリィン達の元へと向かい始めた。

 

 

~カレル離宮近辺~

 

それぞれの起動者の元に着地したヴァリマール達はリィン達を操縦席の中へと入れ

「なあああああああああっ!?」

「エリゼ達まで”騎神”を呼んで”騎神”の中に…………」

「しかも”金”まで既に目覚めていた上、その”起動者(ライザー)”が”灰”の”起動者(ライザー)”の妹とはの…………(あの小娘め…………”金”の件も知っていて、妾には黙っておったな…………!)」

「一体どういう事!?エリスが”金”に”選ばれた”事もそうだけど、どうして”神機”アイオーンに”意志”がある上”騎神”のように起動者(ライザー)まで存在しているの!?」

「ハアッ!?って事はあの白い機体は帝国軍を壊滅に追いやった例の”神機”だっていうの!?」

「ワジからの報告でエリゼ君が”神機”の”起動者”になった事は聞いてはいましたが、まさかエリス君まで未だ判明していなかった残り一体の”金”の”起動者(ライザー)”に選ばれていたとは…………」

「………まさか兄妹揃って起動者(ライザー)になるなんてね。史上初の出来事なんじゃないかしら。」

その様子を見ていたマキアスは驚きの声を上げ、ガイウスは呆け、ローゼリアは重々しい様子を纏って呟いた後ある人物を思い浮かべて苦々しい表情を浮かべ、困惑の表情を浮かべて声を上げたクロチルダの話を聞いたサラは信じられない表情で声を上げ、トマスとセリーヌは複雑そうな表情でヴァリマール達を見つめた。

 

「あ、あれらが伝承で出てきて内戦でも貴族連合軍との戦いで活躍した”巨いなる騎士”――――――”騎神”…………」

「そしてメンフィル帝国がそのような凄まじい存在を4体も保有しているという事ですか…………」

「ふふっ……選ばれし者の機(はたらき)ですわね。」

一方初めて見るヴァリマール達にクルトも驚き、オリエは静かな表情で呟き、ミュゼは興味ありげな表情を浮かべていた。するとその時セレーネ達のENIGMAに加えてデュバリィ達とプリネ達のENIGMAが光を放ち始めた!

 

「ん?何これ。」

「こ、これはもしかして…………」

「戦術リンクを介した”騎神”や”起動者”との繋がりか。」

「セレーネから話には聞いていましたけど、どうしてあたし達まで”準起動者”に…………」

それぞれのENIGMAが放ち始めた光に気づいたエヴリーヌは首を傾げ、ある事を察したプリネは驚き、レーヴェは静かな表情で呟き、ツーヤは困惑の表情を浮かべ

「それはこっちのセリフでもありますわよ!?」

「ふふっ、”灰色の騎士”達と色々と縁があるデュバリィはまだわかるけど、まさか私達まで”準起動者”になるなんてね。」

「フム、これも女神(エイドス)の導きかもしれぬな。」

ツーヤの言葉を聞いたデュバリィはセレーネ達やプリネ達同様光を放ち始めているENIGMAを見て混乱した様子で指摘し、エンネアは苦笑し、アイネスは興味ありげな表情を浮かべていた。

 

「あら…………?」

「こ、この光の正体は一体…………」

「内戦時ヴァリマールがARCUSの”戦術リンク”を介した”準起動者”達による援護機能ですが…………確か、この機能は”Ⅶ組”しか機能しないはずだったのに何故わたし達まで”準起動者”に…………」

「――――――?」

「感じますわ…………リィンさんやエリス達を。」

ミュゼとクルトはそれぞれのENIGMAから放たれている光を不思議そうな表情で見つめ、アルティナは説明をした後クラウ=ソラスと共に困惑し、アルフィンは静かな表情で呟いた。

 

「……………………」

「えええええええええっ!?な、何でアルフィン殿下達が”準起動者”に…………!?」

「対して我らのARCUSは以前の時と違って何の反応もしないな…………」

「いいんちょは何かわからないの?」

「…………それは…………」

(アイツ…………”本気でⅦ組(エマたち)と決別するつもり”なの…………?)

一方新たな騎神や”準起動者”の登場という驚きの連続によってアリサは口をパクパクさせ、エリオットは驚きの声を上げ、ラウラは戸惑いの表情で自身のARCUSに視線を向け、フィーに訊ねられたエマが複雑そうな表情で答えを濁している中、エマ同様原因が推測できていたセリーヌは複雑そうな表情でヴァリマール達を見つめ

「以前は”準起動者”だったⅦ組(れんちゅう)のARCUSが無反応で今は俺達に反応しているって事を考えるとやっぱ”起動者”であるリィンの精神状態とかに関係しているのかねぇ?」

「…………そうですね。現状を考えるとその可能性は高そうですね。そしてそれは同時にⅦ組の方々にとっては残酷な事実にもなるでしょうね。」

アリサ達の様子を見て溜息を吐いたフォルデの推測に頷いたステラは静かな表情でアリサ達を見つめた。そしてヴァリマール達はそれぞれの武装を構え、それを見て何かに気づいたアリサ達は血相を変えた。

 

「き、気のせいかな…………?ヴァリマールの”太刀”が以前の”太刀”とは違うように見えるんだけど…………」

「気のせいなんかじゃないわ。ヴァリマールの”太刀”もそうだけど、他の”騎神”が持っている武装も全て”ゼムリアストーン製の武装以上の霊力を感じるわ。”それを考えるとあれらの武装は”ゼムリアストーン以上の力を秘める何らかの鉱石”を利用して作ったんでしょうけど、一体どんな鉱石を誰がどうやって…………」

トワの疑問に対してセリーヌが目を細めて答えかけたその時

「――――――聞こえるか、リィン!?」

「この声は確か…………」

「”特務支援課”のリーダー――――――ロイド・バニングスか…………!?」

ロイドの声が辺りに響き渡り、声に聞き覚えがあるオリヴァルト皇子は目を丸くし、ミュラーは驚きの表情を浮かべた。

 

 

~メンフィル帝国軍・ヴァリアント・ブリッジ~

 

 

「ロイド!?ヴァイスハイト陛下からの”緊急支援要請”で今回の作戦を見守るクロスベルの”オブサーバー”として”ヴァリアント”に乗船している話は聞いてはいたけど、こんな時に連絡するなんてどうしたんだ?」

「ああ…………本来なら”オブサーバー”である俺達は今回の件に手出しする権利はないし、そのつもりもなかったんだが…………」

「どうやら俺達もお前達の話にあった”準起動者”とやらになっちまったみたいなんだよな。」

「アハハ…………あたし達のENIGMAが光った時は最初は何が起こったのかとみんな驚いていましたけどね…………」

ブリッジで仲間達と共に状況を見守っていたロイドは静かな表情で、ランディ、ノエルはそれぞれ苦笑しながらリィンの疑問に対して答え

「そしてそれを知ったリフィア殿下が『騎神に関連するデータ収集の一環』として、私達にも貴方達に”準起動者”としてサポートする”緊急支援要請”を出されて、それを私達が承諾したのよ。」

「リィンさん達にはクロスベルでの迎撃戦でお世話にもなったのですから、微力ではありますがお手伝いさせてください!」

「導力通信を介してのわたし達のEXアーツの発動のサポートも存分に使ってください!」

ロイド達に続くようにエリィ、ユウナも答え、ティオは端末がある席に座って端末を操作しながらリィンに通信をしていた。

「それとちょうどいい機会ですので、私達が改造・開発したヴァリマール達の武装のデータも取らせてもらいます!」

「勿論そのデータは今後のヴァリマール達の武装強化の参考にさせてもらうから、頑張ってね~!」

「ロイドさん達のように私達も”準起動者”に選ばれたようですので、当然私達のEXアーツも存分に活用してください!」

セティ達もティオのようにそれぞれ端末の前に座って端末を操作しながらリィンに通信をしていた。

 

 

~カレル離宮近辺~

 

 

「みんな…………ありがとう―――――エリス!エリスにとっては騎神を操縦する初めての実戦になるのだから、決して無理はしないでくれ!」

ロイド達の申し出に感謝したリィンは通信でエリスに忠告し

「いつも無茶ばかりしている兄様にだけはエリスも言われたくないと思うのですが…………――――――それはともかく、幾ら”騎神”としての性能はヴァリマールよりは上とは言え、過信は禁物よ、エリス。」

「相手は900年前帝都(ヘイムダル)を”死都”へと変えた元凶…………決して油断はしないように。」

「はい…………!」

リィンに続くようにエリゼとリアンヌもそれぞれエリスに忠告し、三人の忠告にエリスは力強く頷いた。

「――――――これより暗黒竜の討伐を開始する。行くぞっ、みんな!!」

「「はいっ!!」」

「承知!!」

そしてリィンは号令をかけ、リィンの号令に力強く頷いたエリゼ達はリィンと共にそれぞれの機体を操縦して暗黒竜との戦闘を開始した――――――!

 

 

という事でガレスに続いてまさかのゼノが早期退場、更には予想できていた人もるかと思いますがマクバーンも早期退場ですwそして今回の話でロイド達まで”準起動者”になった事が判明しましたが、実はこれ、ロイド達の戦力を強化させる為の下準備でもあります(ぇ)なお、リィン達が魔神マクバーンに攻撃する時のBGMはヴァルキリープロファイル1”Turn over a new leaf”でヴァリマール達を呼ぶあたりからのBGM

は閃3or4の騎神戦のBGMか閃4の”七の相克 -EXCELLION KRIEG-”のどれかだと思ってください♪


 
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