No.1002152

Octo Story 第3話「テンタクルズ」

Nobuさん

このお話で2におけるアイドル(?)、テンタクルズが登場します。

2019-08-18 08:32:18 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:638   閲覧ユーザー数:638

「おめでとうございまス……。1つ目のチャレンジをクリアしましタ」

 最初の試練を突破したナマコ車掌が私を祝福してくれた。

 まあ、初めてにしては、上出来だという結果だったな。

「あなたが帰りのホームで受け取ったこのアイテムは、ネリメモリーといいまス。

 ネリメモリーとは、あなたのココロを読み取り、それを練り上げたモノ。

 チャレンジをクリアする度に、ネル社から記念として差し上げまス」

 つまり、ネル社は私の心を読んでいるという事か。

 私がネリメモリーの取得具合を確認していると、路線図の左右に赤いマークが現れた。

 チャレンジできる駅が増えたようだ。

「それでは、良い旅ヲ……」

 そう言って、ナマコ車掌はどこかに引っ込んだ。

 

「ん? あーあー?」

 アタリメ司令が通信機を確認する。

 見た感じ、ずっと昔に作られたものだと思われる。

「おお! 無線が繋がったようじゃ!

 3号、応答されたし!! 応答されたしーッ! ドーゾ!!」

 3号……? 一体、そいつは誰なんだ?

 私がアタリメ司令に話を聞こうとすると、携帯電話の中から女の声が聞こえてきた。

 

『るっっせぇー!!! 誰だテメーは!!!』

 声の主は、かなり怒っていた。

 3号に間違われた事が、よっぽど腹が立ったのだろうか。

「ぬわッ!!」

『セ、センパイ~……急におっきな声、出さないでくださいよ~』

 次に聞こえてきた声は、その女の後輩だった。

 後輩は先輩とは正反対に落ち着いた声色をしている。

「おお……?! おヌシら……3号ではないな?!」

 今更気付いたのか、アタリメ司令。

「な、何者じゃ! 名を名乗れィ!!」

『テメーこそ誰だYo?! アタシはヒメ、Also known as MC Princess!!

 ショートでキュート、ドクゼツジョーゼツテンタクルバリバリ! ぬりたくるナワバリ! Yo!』

 アタリメ司令が女に名前を聞くと、女は激しい口調で自己紹介した。

 すると、アタリメ司令の闘志に火がついたのか、若気の至りなのか、

 彼もヒメに負けず劣らずの激しい口調でこう言った。

「YoYoYo! 若造がこのワシにラップでバトルと申すか!

 MCヨっちゃんこと、ワシの真の姿をとくと見よ!」

 ……痺れを切らした私は、ラップ勝負をやめるように言った。

 この二人よりも激しい口調だったという事は、謝ろう。

「おお、すまんかったな、ポリュープ」

『アタリメさんに、ポリュープさん……でしたっけ?

 ワタシ達、今ここで通信機を拾ったんです。

 ワタシ達は今、ナンタイ山にいるんですけど、アタリメさん達はどこにおられるんですか?』

 ナンタイ山といえば、タコツボバレーの近くにある山だったな。

 私は知らなかったが、アタリメ司令が教えてくれたため今覚えた。

 そして、私とアタリメ司令はそこにいたが、何者かに連れ去られて地下に閉じ込められたとか。

『それは困りましたね……。

 大変そうなので……ワタシイイダ、Also known as DJ E-DAがサポートさせていただきます……!

 とりあえず、皆さんの現在地を調べてみますね♪

 ワタシのサポートがお役に立てばいいんですけど……!』

 イイダと名乗った女は、私達のこの状況を理解してくれたようだ。

 彼女は通信機を使い、私達の居場所を調べてくれるとか。

『ヘーイ! ジジィはそこでオハギでも食ってりゃ平気だYo!』

 そこに、ヒメが割って入ってきた。

 アタリメ司令は不服そうな表情をしたが、ラップができる奴に悪い奴はいない、と結論付けた。

 ……会話は、ラップを使わないといけないのか?

「じゃ、ワシらは約束の地に行くため、チャレンジを進めるかのゥ!

 そんじゃポリュープ、イカよろしく~」

 そう言って、アタリメ司令は通信を切った。

 さて、私達はそろそろ、チャレンジの再開をしようか……。


 
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