No.100115

真・恋姫†無双 金属の歯車 第六話

この物語について
・真・恋姫†無双をベースにとある作品の設定を使用しています。クロスオーバーになるのかな?まあ混ぜている作品は題名でわかるよね。
・クロスオーバーが苦手な方には本当におすすめできない。
・俺の◯GSを汚すんじゃねぇって方もリアルにお勧めできない。
・ちなみにその設定は話の本筋にはあんまり関係ありません。

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2009-10-10 16:18:47 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:5118   閲覧ユーザー数:4536

「孫策軍がシ水関を落としたみたいだな」

 受け取った剣の血を払い鞘に収める。

先ほど張飛が華雄を仕留めたとの伝令が入った。あたりの華雄軍に投降を呼びかけると大多数がそれに応じた。

「ああ、孫策軍の目的は被害を最小限に抑えつつ名をあげることだからな」

「・・・ゴーストは三国志演義を読んだことがあるのか?」

「いや?他の国の歴史には興味ないな」

「洛陽についたら井戸を探してみろ。その目的が容易く達成することができる」

 遠くから桃香達の姿が見える。どうやら全員無事のようだ。

「いずれまた会う。そのときまで・・・死ぬなよ」

「それはお互い様だ」

 既に馬上の人となったゴーストが、手で銃を真似てこちらに狙いを付けている。

「そういえばこっちではなんて呼べばいい?」

「古い名前がある、北郷一刀というな」

「そうか・・・じゃあ俺は玲二でいい、みんなにもそう呼ばせている」

「Rage?」

「怒ってどうするよ。俺のじいさんの名前だ。みんなミドルネームは略してるがな」

 初耳だと言わんばかりに肩をすくめる。

 

 第六話 英雄交錯 ~HF.BLADE~ 

 

 はっ、という玲二の声が聞こえ、その入れ違いに桃香達がこちらにたどり着く。

「ご無事でしたか!ご主人様!」

 真っ先に愛紗の声が聞こえ、鈴々、星、桃香に朱里と雛里が続く。

「あ、愛紗、いくら主が心配だったからといって早すぎないか・・・」

「う、うるさい!」

「愛紗、照れてるのだ」

「愛紗ちゃん、照れてる~」

「桃香様まで・・・」

 戦場とは違ういつもの雰囲気だった。

いつものみんながいつもの会話をして朱里と雛里がくすくすと笑う。いつもの光景だ。

「何にせよ、みんな無事でなによりだ。特に鈴々、よくやった」

 そういって鈴々の頭を撫でる。相変わらず猫の様な反応がやみつきになる。

「とりあえず私は無事だったんだが・・・だが白蓮に貰った剣が・・・」

 無惨な姿だった。柄の部分は無事だが敵兵の喉元に突き刺さったままになっている。あれでは抜く気にもならない。

「その剣・・・剣なのですか?」

「ああ、孫策軍にもらった」

 星が自分の腰にぶら下がっている刀を指さす。この世界の物ではないのは確かなので、茶を濁すために白蓮から貰った剣を拾い上げる。

繋があれば治せるかもしれないが、今は腰にぶら下がっている一振りで十分だろう。

「ではあれは孫策軍だったのですか」

 愛紗が駆けていった玲二の姿を見る。

「そういえば主、孫策軍にも天の御遣いがいるという噂をご存じですかな?」

 各国を旅して回った星も玲二の姿を追っている。

「・・・そうか。そういうことか」

「もしかして・・・お知り合い?」

「・・・出会って二日で、自分の背中を預けられる奴だよ」

 

 

 シ水関を抜け虎牢関が見えてきた。

孫策軍は依然連合軍の右翼を守っている。

「外に布陣してるな。動く気配はないが・・・」

「はてさて希代の名軍師、周公謹殿はどう見ますか? 」

 玲二が横にいる周瑜に目をやる。

すっかり彼女の横には慣れたものだが、後ろの小覇王様はお気に喰わないらしい。たまにうめき声が聞こえる。

「今のところ伏兵しか思いつかないな・・・」

「あら、そんなの決まってるじゃない」

 薄い赤毛の女性が嬉しそうに董卓軍を見ている。

「相手は決戦を望んでいるわ」

「そいつはまた大層な戦い方だ・・・まあ存外当たったいるかもな」

「ともかく撤退を狙っているのは確実でしょうな」

 聞き慣れない声が三人の後ろから聞こえてくる。一刀と孫策軍の将、黄蓋だ。

「どうしたんだ、一刀。劉備軍に捨てられたか?」

「先鋒には捨てられた。袁紹、袁術はもう一回同じ事をやられると、たまったものじゃないと判断したんだろ。苦言は二三言われたが文句を言われる筋合いはないしな」

 黄蓋に一礼した後、孫策と周瑜に向き直る。

「劉備軍の北郷だ。シ水関では世話になったのでその礼に来た」

「あら、それなら玲二に言えばいいじゃない」

「ゴ・・・玲二の兵では無いからな」

 そう言って虎牢関の外に布陣している董卓軍を視界に収める。まだ動き出す気配はない。

「せっかく来てくれたんだ。お茶でもどうだ、北郷殿?」

 孫策の後ろから周瑜が顔を出す。

「私も土産があるのでな、ゆっくりさせてもらおう」

 そういって木箱をちらつかせた。

 

 * *

 

「で、何を持ってきてくれたの?」

「酒が好きと聞いてな、試行錯誤して故郷の味を再現してみた」

 大天幕の円卓を孫策、周瑜、一刀に玲二が囲んでいる。

孫策は一刀の持ってきた酒に興味津々であり、周瑜はそれにため息をつく。

「北郷殿、我が軍の虎にそんなものを与えないでいただきたい」

 周瑜は至極まじめな顔で言ってるが目が笑っている。歓迎されているのはよく分かった。

「あ、ひどーい。せっかくの貰い物なのに」

 そういって蓋を開け放った孫策の動きが一瞬止まる。

しかしすぐにいつもの調子に戻り、今度は周瑜にその箱を回す。

「ねー、冥琳。美味しそうでしょ~」

「え、めい・・・」

 一刀の知った名前が出てきて驚く。

「俺も最初驚いたが周瑜の真名だ。気にするな」

 横に座っていた玲二が耳打ちする。そういえば彼も会ったことがあるはずだ。

肝心の周瑜も箱の中身をみて動きが一瞬止まる。そしていつもの無表情で一刀に向き直る。

「酒に詳しくない私でも美酒と分かる。喜んで受け取ろう」

「そうか、孫策軍は口より目で楽しむ方がいいと思って、見た目にもこだわってみた」

 そういって一刀は笑みを浮かべた。

中には米で作った酒と、とあるものを入れておいたのだ。

 

 * *

 

「で、なんて書いてあったんだ?」

 随分と一刀がお気に召した孫策は、真名は明かさなかったものの随分と親密になっていた。

「あら玲二、わかってたの?」

「あいつの口ぶりだと大方俺たちの事情は知ってるしな。これから一刀のところの間諜には手、出すなよ」

「は~い」

 とは言っているものの、あまり変わらないだろう。

もっとも玲二の指示というか手綱で劉備軍の間諜はあまり襲われない。

「で、なんて書いてあったんだ?」

「これからも仲良くやっていきましょうって」

 そういって孫策が玲二に抱きつく。

「おいおい、俺たちは随分親密な仲じゃなかったのか」

「策殿、玲二。それくらいにせんか」

 二人の後ろから半ばあきらめたような声で黄蓋がたしなめる。

はーい、といって二人がすごすご離れる。

「で、玲二よ。あやつはどんな奴じゃ?」

「ん~」

 黄蓋の問いに対し、顎に手を当てて少し考える。

「・・・出会って二日で、自分の背中を預けられる奴かな」

 

 * *

 

一刀「なあ、玲二」

玲二「なんだ、一刀」

一刀「なんで私、中の人決まってないんだろうな?」

玲二「さあ、結構悩んでるらしいぜ?」

一刀「・・・このまま中身がないままエンディングとかないよな!?しかもバットエンドで!?」

玲二「先にこのシリーズが終わることを祈れ」


 
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