Aパート「はじまり。」
「ねぇねぇ!」
「何ですか、赤城さん。」
栗色ロングのぽっちゃりとした女の子、赤城まやが黒髪ロングのぽっちゃりとした女の子、豊原美森に話しかけている。
同じぽっちゃりとした体形だがまやの方が明るい雰囲気があり、美森の方が真面目でキリッとした雰囲気である。
「アイドルやらない?」
「それは…なぜですか?」
「だって、キラキラしてるし~可愛いし~」
「は、はぁ…」
「だから、私もやってみたいなぁ~って」
「ざ、ざっくりですね…」
「ど、どうかなぁ~」
まやは真剣な目をして、美森を見つめる。
「まやさんについていきます。やりましょう。」
「ほ、本当?」
「はい!」
美森さんは元気よく、そして笑顔で答えた。
「アイドルは歌える体力と踊れる体力が必要ですが…まやさん?」
「ん?どうしたの~?」
「体力…大丈夫ですか?」
まやは普段運動をしないので、基礎体力が少ない。なおかつ体が重たいのでステージ中にばてないか心配である。
「う、うん…大丈夫…たぶん?」
「運動…しましょうか…」
「う、うん…!」
まやと美森はランニングウェアに着替え、の階段へ向かった。
「はぁ…はぁ…」
「はぁ…はぁ…」
「この階段…きついね~」
「そうですね…急ですし、段数が多いので…きついですね」
2人が走るたび、全身のお肉が揺れる。
ぶよんぶよん…たぷんたぷん…
ぶよんぶよん…たぷんたぷん…
「はぁ…はぁ…」
「ふう…ふう…」
まやと美森は何とか階段を上り終えた…
「まやさん…はぁはぁ…すごい汗ですよ…タオルあげます」
「美森さん…はぁはぁ…ありがとう♪」
2人とも滝のような汗が出ている。
すると…
「なにしてるんだ…?」
「あっ、宮井さん。」
「宮井さん、こんにちは~」
「まやちゃん、美森ちゃんこんにちは。すごい汗ね。」
「は、はい…さっきまで走ってたので…」
「どうして…走ってるんだ?」
宮井は首をかしげる。
「アイドルをやりたいのです!」
まやが割って入る
「それで基礎体力をつけようと…」
「なるほど…それで走ってるのか。」
「は、はい…」
「それにしてもアイドルねぇ…それなら踊れる場所や歌う場所が必要じゃないかしら。」
「場所は…今探してます…」
「それなら、会社の空き部屋使う?上司の許可が必要だが…」
「は、はい!お願いします!」
「わぁ~い!お願いします~!」
美森とまやは元気よく答える。
「わかった、部屋は私が頼んでおくわね!」
「「はい!お願いします!」」
こうしてまやと美森のアイドル生活が始まったのだった…
Bパート「考えよう」
「お~い!まやちゃん!美森ちゃん!」
「どうしましたか、宮井さん。」
「どうしたの~?」
「会社の空き部屋、とれたわよ!」
「えっ!本当ですか!?ありがとうございます!」
美森は礼儀正しく頭を下げてお礼を言う。
「ありがとう!宮井さん!」
まやは元気よく、頭を下げてお礼を言う。
「ええ、いいわよ。それと私をプロデューサーにしてくれるかしら…?」
「はい、構いませんよ!」
「うん!いいよ~」
「1!2!3!4!」
「5!6!7!8!」
「2!2!3!4!」
「5!6!7!8!」
宮井の指導のもと、まやと美森はストレッチをしている。
「ふわぁ~ストレッチ疲れたぁ~」
「そろそろ休憩しようか。」
宮井はまやと美森にスポーツドリンクを渡す。
「ありがとうございます。宮井さん」
「ありがとうございます!」
二人はスポーツドリンクをがぶ飲みする。
「ふぅ~生き返る~」
「美味しいですね…♪」
「運動するのも大事だが、休むのも大事だぞ。」
「はぁ~い!」
「それで…二人はどんなアイドルになりたいんだ?」
「えっと…キラキラしてる感じの…」
「うーん…具体的には?」
「す、すみません…私たちアイドルに関しての知識が少なくって…」
美森はしょぼんとした表情で下を向いた。
「なに、落ち込むことない。知識なんて後から頭の中に入れればいい。」
宮井は少し考えた後、答えた。
「そうだ、この娘たちの持ち味を生かせばいいんだ。」
「持ち味…ですか…?」
「持ち味…」
「そうだ、まやちゃんと美森ちゃんには共通してる持ち味があるだろう。」
宮井はまやのお腹を見つめる。
「お、お腹…?」
「そうだ、腹肉が揺れるアイドルだ。」
「アイドルって…みんな細くって…その…宮井さんみたいに。」
宮井は照れることなく美森を見つめる。
「なぁに、アイドルは細くなきゃいけないってどこに書いてあるんだ。そんなもの一つの偏見にすぎん。」
「は、はぁ…」
「それに、最近ぽっちゃりとしたアイドルが流行ってるみたいだな。」
「そ、そうなのですか…?」
「そうだ。だから、土台となる部分はぽっちゃりアイドル。そこに何かを加えよう。」
「例えばどんなものが…?」
美森が聞くと、宮井はこう答えた。
「例を挙げるなら…“今、会えるアイドル”とかかな。」
「なるほどね~」
「あっ、じゃあ宿題にしよう。来週の水曜日、ストレッチ後までにこの紙に書いて提出して欲しい。」
「わかりました!」
「わかった~」
レッスンがなく、大学があるときに二人は自分で考え、困ったら先輩や同級生、後輩に意見を求めた。
先輩の中には「スカートから肉が溢れて、スカートが破れるアイドル」っていう意見もあったが、恥ずかしすぎるため却下になった。
こうして、2人の意見はまとまった。
まやは「癒しをプレゼントするアイドル」、美森は「料理ができるアイドル」と答えた
「なるほどなぁ…」
「ど、どうですか…?」
「ど、どう…?」
「いいじゃないか!素晴らしい。これをうまく合わせれば…いけるぞぉ!」
「あ、ありがとうございます!」
「えへへ…♪ありがとう~」
「よぉ~し!今日は意見をまとめがまとめながら、焼き肉でも食べるか!もちろん私のおごりでな♪」
「「はい!」」
3人はシャワーを浴び、私服に着替え、焼き肉屋に出かけたのであった。
2人のアイドル生活はまだ始まったばかりだ…!
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Aパート「はじまり。」
まやの誘いでアイドルを始める豊原美森。
2人のアイドル生活が今始まる!
Bパート「考えよう。」
プロデューサー宮井の指導のもと、トレーニングを始める2人。
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