No.100001

真・恋姫†無双 金属の歯車 第五話

この物語について
・真・恋姫†無双をベースにとある作品の設定を使用しています。クロスオーバーになるのかな?まあ混ぜている作品は題名でわかるよね。
・クロスオーバーが苦手な方には本当におすすめできない。
・俺の◯GSを汚すんじゃねぇって方もリアルにお勧めできない。
・ちなみにその設定は話の本筋にはあんまり関係ありません。

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2009-10-10 01:36:00 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:5651   閲覧ユーザー数:4974

 目の前には朱里が不吉な四字熟語の羅列で表現した要塞が見て取れる。

一刀がいた世界ではシ水関と虎牢関は同一の場所に設置されていたが、この世界では違うらしい。

「あれを我が軍が抜くのは骨が折れますね」

 シ水関を遠目に見ていると愛紗が横に控えている。

「ご主人様があれほど饒舌とは思いませんでした」

 先の桃香への言葉の事を言ってるのだろう。

「言葉を飾ることにあまり意味はないが・・・特にそれが人を鼓舞する。上に立つ人間であれば得意であっても問題ない」

「言葉を飾る・・・本当にお得意そうだ」

「それはそうと愛紗、君には言葉を汚してもらわなければならないな」

 目に入れたのはシ水関の上に靡く華の旗だ。勇将と名高い華雄将軍の旗だ。

「といいますと?」

「先ほど朱里と雛里、そして私の少ない頭から出したシ水関攻略の糸口だ。

君は凛々しい。それ故に誇り高くもあり・・・」

 愛紗の瞳を見る。目は口ほどに物を言う。故に説得は目を見て行った方がいいだろう。

「それ故に卑劣なことは嫌いだ」

「本当にお得意だ」

 見つめていたのが恥ずかしかったのか目を反らされたが、怪訝そうな顔は見て取れた。

 

 第五話 御遣再会 ~Operation~

 

 愛紗の豪声が響く。挑発以外の何ものでもない。

先ほど言ったように愛紗は汚い言葉を使ってはいなかったが、武で名を馳せている者にとっては腹が立つだろう。

「どうした!?命が惜しくなったか!?」

 前線を愛紗と星の二枚看板に任せているが、ここまで愛紗の声が聞こえてくる。

一方桃香、鈴々、朱里に雛里は自分の脇にいる。

「華雄の横にいれば面白いものが見られたろうに」

「にゃ?どういうこと、お兄ちゃん?」

「鈴々が怒っても恐くないということだ」

「鈴々だって怒ったら恐いのだ!」

 必死に恐い顔を作り上げているのであろうが、どう見ても必死に背伸びしているようにしか見えない。

そんな鈴々の頭を撫でると彼女は気持ちよさそうに耳を細める。

「では魚鱗の陣を敷きつつ関に寄せます」

「・・・案外雛里もえげつない」

 思わず吹き出しそうになる。軍を寄せるとは挑発以上に挑発だ。

和気藹々とした雰囲気が変わり始める。砂煙と共に関から大勢の兵の声が聞こえる。どうやらあちらは戦闘態勢に入ったようだ。

「全軍抜刀!」

 自分の一言で劉備軍全体が抜刀を始める。

「私が命ずるのはただ一つ。全員生きて帰ってこい!!」

 そう叫んだ直後シ水関が開け放たれた。

 

 

「あの勢いでは本当に敗走しかねんな」

 華雄軍が再び距離を取るのが見て取れる。

前曲の愛紗と星はよくやってくれている。策を成功させるためにも二人の力は不可欠だ。

「どうなさるのですか?」

「いや策通り、袁紹・袁術軍にぶつける。華雄軍が両軍の数を減らした後、転回して挟撃する。

二万近い兵をこっちは六千の兵で受け止めてるんだ。嫌味を言われても文句は言われないだろ」

「では前曲は槍兵さん、後曲は弓兵さんです」

 こちらの動きが慌ただしくなってきた。

相変わらず慣れない、金属の擦り合う音と血の臭いはあたりに充満している。

「愛紗さんと星さんが合流後、合図で軍を左右に分けます。押し開けられた形で華雄軍に道を空けます」

「その後、反転し再び一つの塊となって袁紹、袁術軍と挟撃します。旗を沢山立ててください」

「鈴々、左で桃香と朱里、雛里を守れ。私は右の指示を取る」

「き、危険だよ、ご主人様!」

「自分の身一つは守れるが、もう一人となると無理だ」

 答えを聞く前に馬の頭を軍右側に向け走り去っていった。

 

 * *

 

「ほほう、巧くやってるな」

 孫策軍の陣から一人の男が前線の様子をうかがっていた。

「しかしあれだけの兵を受け止めるのは劉備軍には荷が重い。勢いもある」

「ありゃ袁術・袁紹軍に擦り付ける気だろうな。冥琳、俺に少し兵を貸してくれ。五千でいい」

「あら、悪巧み?私も混ぜて」

 男の後ろから薄い赤毛を靡かせた女性が抱きついてくる。

「生憎だが劉備軍には友人がいるんでな、少し助けに言ってくる。雪蓮達はシ水関になだれ込め」

「友人?空から降ってきたお前にか?」

「ああ、どうしようもなく子供で・・・」

 男は孫策の髪を撫でて引っぺがす。

「どうしようもなく大人な奴だ」

 腰からトンファを取り出し馬上の人となる

「それに文字通りの小物の勢力を知ってか知らずか剥いでくれるんだ。感謝の意味も込めて・・・な。

野郎ども!今から俺たちは華雄軍の土手っ腹に一発かます!派手に行こうぜ!!」

 

 * *

 

 なるほど、剣は折れやすい。過去に日本で刀を十振り以上もって戦場に立ったものがいるらしいが、妙に納得してしまう。

白蓮・・・公孫賛から譲り受けた剣は既にボロボロだった。

すべての攻撃を最小限で避け、はじき返し、斬りつけた。戦場での時間は長く感じるがおそらく半刻も立っていないだろう。

今だに自分は無傷だが、周りの兵は華雄軍の勢いに及び腰だった。

精神的にも兵達は疲弊しているはずだ。そんな中で剣の状態が更に追い打ちをかけている。

(・・・次の振りで折れるな)

 そう思った矢先だった。華雄軍の一兵が彼に迫る。槍の一撃を最小限で交わし、喉元に剣を突き立てる。

その行為の代償は、人殺しの汚名とこれまで共に戦ってきた剣だった。

「ちぃ!」

 正史から唯一と言っていい持ち物である小刀を、腰から抜き放ち、状況を確認するが半包囲の状態だ。

「スネーク!受け取れ!」

 懐かしい声にあちらの世界の人間しか知らないはずの言葉。

目を向けると鞘に収められた剣がこちらに投げられている。

それを受け取ると同時に抜き放ち、呂布軍兵士の一人を鎧ごとぶった切る。浅かったが戦闘不能だろう。

「よく切れるだろ!」

「高周波ブレードは明らかにオーバーパワー過ぎるぞ、ゴースト」

 自分の後ろから迫っていた兵士はゴーストと呼ばれた男のトンファに吹っ飛ばされる。

「ゴーストとか色気のない名前は止めてくれよ。俺の隠しきれないダンディズムが溢れる別の呼び方があるだろうが」

「じゃあ伊達男」

 その言葉と同時に兵士の腕に斬りつける。命を奪う戦い方はなるべくしたくない。

「名前とかけるとは随分じゃないか」

 今度は伊達男と呼ばれた男のトンファーが兵士の頭を捉え卒倒させる。

「嫌味のつもりだ、ジェームス・伊達」

 鬼に金棒、と言うわけではないが百人力だ。受け取った刀は二千年もの後の技術で作られている。折れにくいし、よく切れる。

それに本当の百人・・・いや千人力が迫ってきていた。

「孫策軍、義によって助太刀いたす・・・とな」

 

ジェームス・R・伊達/CodeName:Ghost

(ImageCV:白熊 寛嗣)

 

おまけ

一刀「・・・なんで私だけイメージ声優決まってないんだ・・・」

 


 
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