12/09/23 13:54 涼･麦穂 さん

178

東軍は押し出してこない』と三成が断じた日からわずか二日後。惟新と豊久が懸念していたとおり、清州城に詰めていた豊臣恩顧の東軍諸将が軍を…

12/09/22 09:39 涼･麦穂 さん

177

ろがありましたで、戦で疝痛(腹痛)でもおこしておれば可哀そうだと」豊久は、思わず目を二、三瞬く。 「治部少輔……の、栗毛馬か」　はい、と…

12/09/21 12:37 涼･麦穂 さん

176

しているわけではないのだが、と豊久は小さく嘆息した。嘆息に気付いたのか、赤い石炭のまま上目づかいで豊久を見上げた緋馬里に、ごまかすよ…

12/09/20 11:42 涼･麦穂 さん

175

する馬牧原とは、どれほど立派なものであろうか。　閨（ねや）語りに豊久から聞いていた、遠い薩摩や佐土原の地。この遠国に対する緋馬里の憧…

12/09/19 10:37 涼･麦穂 さん

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おり、豊久であった。　例え日に数度顔を合わせることがあっても、そのたびに緋馬里は嬉しそうに顔を明るくする。可愛いものだ、と豊久もほほ…

12/09/18 10:33 涼･麦穂 さん

173

、何から何まで己が把握していなければ気の済まない三成とは反対に、豊久は鷹揚である。細かい仕事はそれぞれに任せ、己は家中全体が滞りなく…

12/09/17 11:55 涼･麦穂 さん

172

し、地形や兵の状況を冷静に見分できる器量があれば、まず間違いなく豊久が言ったように動くであろう。「そいでも、大将には変わらん。できっ…

12/09/15 11:01 涼･麦穂 さん

170

対する賄賂であった。　もしも己が東軍として清州に詰めていれば、と豊久は少しばかり声を抑えて仮定した。「西軍が動かんなら、そん間に美濃…

12/09/14 12:03 涼･麦穂 さん

169

着到していた行長と三成の間で今後の事はあらかた決めてあり、惟新と豊久は、軍議とは名ばかりの『今後の展望』を聞かされたのみであった。惟…

12/09/14 00:00 kagetuna さん

[オモチャ]クリエイターワークスシリーズCW06モーレツ宇宙海賊 弁天丸とか

を含むブログ (2件) を見る リボルテックヤマグチ No.125 島津豊久 出版社/メーカー: 海洋堂 発売日: 2012/11/15 …

12/09/12 11:25 涼･麦穂 さん

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の仕事は逆に減っていた。一口に『島津の陣所』と言っても、実際には豊久旗下と惟新旗下とで分かれている。本家方と併せて五、六百のころは馬…

12/09/10 10:37 涼･麦穂 さん

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ていた。「こうして見ゆっと、質素な城じゃの」　いざ、城へと入ると豊久はそう口にした。その言葉どおり、遠くから見れば輝かしい天守閣が鎮…

12/09/09 11:40 涼･麦穂 さん

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　他の船では、馬どもはもう少しぎゅう詰めにされている。叢雲は豊久の愛馬として好待遇をされているわけだが、やはり自らが育て上げた相棒が…

12/09/08 09:06 涼･麦穂 さん

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頬を紅潮させて目を輝かせている娘に、豊久は目を細めた。「おまあの故郷は山国じゃったの。こん戦が終わりゃあ、海なんぞ飽きるほど眺めさせ…

12/09/07 11:48 涼･麦穂 さん

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あの棒は何だ、と水夫（かこ）を掴まえて質問攻めにしていたところを豊久に見つかって大笑いされた。「おまあは、船旅は初めてか」　緋馬里は…

12/09/06 10:19 涼･麦穂 さん

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信じられんが、こいでも塩気ん無か『水たまり』ぞ」　叢雲の背に在る豊久も、そう言いながら向こう岸を見出そうと手をかざしていた。　伏見城…

12/09/05 10:41 涼･麦穂 さん

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　そう言って、豊久は新たに水晶が収められた飾り袋を受け取らずに、晶に残した。晶は言いようのない不安を胸に抱えながら、けれど努めて明る…

12/09/04 09:02 涼･麦穂 さん

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が、心の一隅では寂しかった。そうだ。夫はまた、出掛けてしまう。　豊久は、数日後に上洛する。戦に出かけるわけではないのでさしたる憂慮も…

12/09/03 12:02 涼･麦穂 さん

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期待している。だが今の豊久には、己の血を繋いでくれる娘一人いないのだ。　そのことが、晶にとっては恐怖だった。豊久としては、弟の忠仍が…

12/09/02 10:32 涼･麦穂 さん

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主は『島津中務大輔豊久』となる。「……側室を、持つおつもい（おつもり）はございませぬか」　突然の晶のつぶやきに、豊久は目を見開いた。…